2025/05/10 - 2025/05/10
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morisukeさん
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オッサンネコです。
秘境という言葉に惹かれるのは旅人のサガでしょうか。
熊野、高千穂、阿仁、白川郷…
少し前まで利便性とは全く隔離されてきた土地だからこそ、
厳しい自然と向き合ってきた人々の営みに想いを馳せてしまうのです。
四国の中央、祖谷もまた深い幽谷に囲まれた日本有数の秘境。
平家の落人伝説が残る、どこかミステリアスな響きを持つ土地なのですが、
この山奥に不思議な景観を拝める場所があるそうな。
その場所、かかしの里と云ふ。
なんでもその場所では、至る場所にかかしたちが暮らしているそうな。
しかも、今や集落で最も多い住民はかかしたちなのだそうな。
そんな謎めいた場所を聞いてしまった以上…
行かねばならぬでしょう。
果たして、祖谷の山奥にあるかかしの里とは如何なる場所なのか?
そこには、針と糸で紡がれた人々の記憶が刻まれていたのでした。
その時の記録です。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- レンタカー ANAグループ
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
どうもどうも、オッサンネコことモリネコです。
高松でお仕事をこなしたその翌日の話。
溜まった振休を組み合わせて、奥祖谷までやってきました♪
本日の目的地は「かかしの里」にロックオンしていますが、
その前に祖谷名物「かずら橋」を渡りたくて寄り道しちゃいました。
西祖谷のかずら橋は、良くも悪くも観光地化されてしまったので、
平家の隠れ里的な雰囲気を味わうなら、ここ奥祖谷の方。
渡橋料800円をお支払いして、初かずら体験をしに行きましょう。 -
山肌の整備された階段をぽくぽく降りていくと…
何やらつり橋っぽいのが見えてきましたぞ。
おおっ ( ゚∀゚)
流石は隠れ里に架かる橋らしく、森と一体化している気がしますな。
初かずら橋、心はドキドキです。 -
奥祖谷二重かずら橋。
確かに足を踏み出すたびにゆらゆら揺れるのですが…
あまり高度感もないので、そこまで怖いものではない…
誰か私につり橋効果でときめく乙女のハートをくらさい。
ちなみに”かずら”とは、山に生えているツル植物の事で、
実際に使われているのはシラチクカズラだそうです。
昔の杣人にとっては、天然のロープ素材だったんでしょうな。 -
よーく見ると、かずらの間にはしっかりワイヤーが走っています。
よしよし、橋を落としてやろうかの
なんて妄想は、令和のかずら橋には通じないみたいです (*´д`) -
奥祖谷かずら橋の良いところは、川まで下りる事ができます♪
下から見るかずら橋もまたオツなもの (*´艸`)ウシシ
今よりはるか昔、祖谷にはかなりの数のかずら橋があったそうな。
江戸時代後期の記録でも”祖谷に十三の蔓橋有”とありまして、
当時の祖谷はまともな道がなく、急峻な谷に集落が点在していたので、
対岸の畑や隣の集落へ行くにも橋が必要だったんでしょうな。
かずら橋は、険しい土地で生きるための知恵の結晶とも言えるかと。 -
イチオシ
祖谷のかずら橋は、平家の落人伝説との結び付きが強いのですが、
実はコレ、史実として証明されているわけではないのです。
例えば、祖谷の他にも椎葉、五箇荘、湯西川温泉、
日本の秘境と呼ばれる場所には平家の落人伝説が数多く残されてます。
なぜかと言うと…
人里離れた山奥の集落の起源を説明する物語として都合が良かった
という説の方が有力だったりします。
まぁ、それだけ聞くと夢のない話なのですが(笑)
全部作り話としてしまうのも早計でありまして、
祖谷が隠れ住むのに適した地形だったのもまた事実。
源平争乱の時代に何らかの人々が山奥へ逃れ、
その記憶が平家伝説として語り継がれた…
まぁこう考えた方が確かにろまんがあるわけですな (*`∀´)
真実は神のみぞ知る、という事で。 -
奥祖谷かずら橋を後にして、本命のかかしの里を見に行きます♪
祖谷川と山に挟まれた狭い道をゆっくら走っていくと、
10分程で名頃という集落に入ります。
道の脇には人ならぬ、カカシがお出迎え… -
まずは、かかしの小学校とやらを見学しましょう。
祖谷川に架かる橋を渡った先に旧名頃小学校があるのですが、
そこが「かかしの小学校」として公開されています ( ゚∀゚)
ちゃんと観光地らしく警備員もいますよ♪
きっと雨の日も風の日も、休むことなくお仕事されてるので、
末長く元気にお勤めしてほしいものです (*`∀´) -
さて名頃小学校の歴史を紐解くと…
菅生小学校の分校から独立した形で1979年(昭54年)に開校。
2012年の3月末を以て閉校しているので、
32年でその役目をひっそりと終えた事になります。
1990年頃に既に在校生が10人を切っており、
閉校時の在校児童はわずか2名だったそうです (´~`* )
で、肝心のかかしの小学校ですが、
校舎の方は残念ながら施錠されてました。
なので、裏手にある体育館に回ります。 -
おや…
何か扉に張り付いてるuuu
これは夜見たら怖いだろうな (; ゚ロ゚) -
体育館の中に入ると老若男女のかかしの皆様がお出迎え。
おおぅ…このリアルさ…
もはや、これはKAKASHIの域を超えているぞ ( ゚Д゚) -
体育館の中は…
祭りじゃ━━━(゚∀゚≡゚∀゚)━━━っ!!
運動会の綱引きだったり、集会所での談笑だったり。
集落で営んできたハレの日がこの空間にぎゅっと押し込まれてる感じ。
ただ、これだけ賑やかで楽しげなのに音がない。
このアンビバレントこそが、かかしの里の持ち味 (; ゚ロ゚)フェー -
はいっ。MATSURIの時間ですよ (゚∀゚≡゚∀゚)
かかしの皆様は全力で祭りを楽しんでますね。
現代と違って娯楽の少ない時代。
祭りはその地を生きる人たちにとって特別な催事だったのでしょうね。
踊りはやっぱり阿波踊りなのかな? -
浴衣レディたちの祭りの一コマ。
かかしは全て等身大なので、ものすごくリアル (; ゚ロ゚) -
個人的に祭りの美学とは、終わってしまう儚さだと思うのです。
太鼓の音が鳴り響き、人が集まり、笑い声が夜空に消えていく…
そして翌朝には何事もなかったように日常に戻る。
楽しい時間が一瞬で過ぎていくからこそ、祭りには夢があるのです♪
ただ、この体育館の中の祭りはずっと終わる事がないのです。
踊る人たちも、浴衣姿の人たちも、
楽しさだけを残したまま、時間が止まり続ける
それが何とも言えず切なく、そして儚さを助長しているのです (´~`* ) -
奥の方では、冠婚葬祭の「婚」をやってましたぃ。
これ、結婚式に参加しているかかしの皆様の衣装は…
リアルに実際に使われたものなのでしょうかね。
もうこの集落で結婚式が行われる事はない気がしますが、
過ぎ去りし日の楽しい一面を見られて幸せな気持ちです ( ゚∀゚) -
卓越なのはかかしの表情の豊かさ、ですかね。
新郎のガチガチな表情…
新婦さんは今にも泣きそうな表情…
うーん、すばらしい ( ゚Д゚) -
こちらはお祖母ちゃんと孫。
表情、抱き方、首の角度、
所作の再現がすんばらしいぞ (*`∀´) -
イチオシ
この不思議な世界を生み出したのは、名頃出身の綾野月美さん。
中学生の頃に故郷を離れ、大阪で暮らしていた彼女は、
高齢となった父親の世話をするため、再びこの集落へ戻ってきました。
でも久しぶりに帰った故郷はかつての賑わいを失っていたそうで…
子供たちの声は聞こえず、畑で働く人の姿もまばら…
きっかけは畑を荒らす鳥よけのかかし作りだったそうですが、
やがて彼女は集落に住んでいた人々の姿をかかしとして作り始めます。
畑仕事をするおっちゃん
井戸端で話し込むマダム
学校で遊ぶキッズたち
それはかつて集落に当たり前に存在していた日常。
過疎化が進み、人がいなくなった集落が寂しくならないように、
消えていく情景を、針と糸で一つずつ縫い留めていく。
それはこの集落で営まれてきた暮らしの記憶なのかもですね ( ゚∀゚) -
イチオシ
そしてかかしが広く知れ渡るようになった契機、
それは偶然、名頃を訪れたドイツの留学生たちが、
集落に佇むかかしたちの姿を動画に収め、
ネットで発信した事が始まりでした。
人口よりもかかしの数の方が多い山奥の集落…
この不思議な世界観が海外で大きな反響を呼び、
海外の人々を惹きつける存在になったのです。
まさに奇縁…ですな ( ゚Д゚) -
綾野さんが最初に作ったかかしのモデルは、父親だったそうです。
カラス避けにがっしりした案山子を畑に置いてみたところ、
ご近所の人たちですら、本人と見間違うほどの出来栄えだったとか。
それがきっかけで、かかし作りがライフワークとなり、
今では350体以上のかかしたちが、この集落で暮らしているそうな。 -
ちなみにかかしの里は、海外ではこんな名前で紹介されています。
Nagoro Valley of Dolls
祖谷の集落は、村(Village)ではなく渓谷(Valley)なんです。
英語で案山子は Scarecrow ですが、
ここではあえて Dolls と表現されています。
単なる鳥よけとしての無機物ではなく、
人の営みを映した人形たちとして捉えられているのでしょう。
ちょっとした違いなのですが、幻想的な響き…ありますね ( ゚Д゚) -
余談ですが、"Valley of Dolls" というフレーズ自体は
英語圏では1966年のベストセラー小説のタイトルとしても有名ですね。
ただ、この話でのDollsは睡眠薬とか精神安定剤の俗語なので、
その話を連想させるものではないと思いまふ。 -
少しかかしから脱線して…
廃校を巡っていると、必ず校歌が書かれた記念碑があるのですが…
さて何処に、と探していると…
ありました。
今回は校庭の壁にあったりして… (*´艸`)uhihi
校歌ってやつは地方に行けば行くほど、
ご当地ネタがたっぷり盛り込まれているということで、
早速、名頃小学校の魂の唄を見てみやうじゃないか。
青空高くそびえ立つ 剣三嶺の峰々を
いつも仰いで学んでる 明るい名頃小学校
花に緑に紅葉雪 たゆまず歌う祖谷川の
せせらぎ聞いて励んでる 楽しい名頃小学校
源氏平家の伝説が 遠い昔をしのばせる
平和の里に新しく 伸びゆく名頃小学校
…(*´-`)……
とてもイイ ( ´Д`)b -
旧名頃小学校の傍にはかかし工房たる場所があります。
中は無料で入れるので… 覗いてみましょう -
入口にはかかしマダムたちが熱烈歓迎。
お邪魔しますよ~っと (*`∀´) -
中を覗くと、地元のおばあちゃんがお昼寝中でした。
おっこりゃ邪魔しちゃいかん ( ゚Д゚)
いや…待て待て…
ジモティのおばあちゃんが果たしてココで昼寝するだろうか… -
やっぱりKAKASHIでした ━━(((; ゚ロ゚))━━っ
これは本当にだまされるぅ。
かかし自体、どこぞの蝋人形みたいに精巧ではないのですが、
パッと見の姿が住民と区別がつかないものもあります。
恐るべし、名頃のKAKASHIたち。 -
真ん中には旅ノートがありますね。
こういう場所が自由に見学できるのも、あなありがたや。
おや、入口から何やら視線を感じるぞ… -
いやいやいや、怖い怖い怖い (((; ゚ロ゚))
この人だけ一気にホラーテイストになってますやん。
夜に見たら叫んじゃうよ ( ゚д゚)ヒッ -
道路わきには「通学路につき注意」の看板がありますが、
こどもがいない集落に取り残された遺構のようですね。
昭和30年代、祖谷川の上流に水力発電ダムの建設があり、
四国電力の社員や建設関係者が移り住んできたそうです。
ピーク時の名頃の人口は300人以上に膨れ上がり、
この通りに旅館や商店、銭湯やパチンコ屋まであって、
規模は小さくても、大変賑わっていたそうな ( ゚д゚)
こんな山奥にも仕事があった時代、
ダムをつくり、人を呼び、小さな集落を賑わせる。
昭和とは、そんな風に未来へ向かって突き進んでいた時代…
だったのだと思いまふ (´~`* ) -
是より幼児の飛び出し夛し 名頃子供会
子供会があったんだ~ ( ゚Д゚)
…( ゚Д゚)……。
いやいや「夛し」って一体いつの時代!?
旧字体は戦後急速に廃れていったので、
1950年~60年代に書かれた看板のではと推察。
コレが令和の時代まで生き残ってるのもすごい気がする (; ゚ロ゚) -
最後は集落に暮らしているかかしの皆様を見てまわりましょう。
ちなみに集落に到達して2時間弱。
いまだにリアルな住民は見ていない…。 -
民家の一角で微笑ましいスリーショット ( ゚∀゚)
鍬を持ってひと休みしているおばあちゃんとか、ホントにリアル。
これまたいい感じです♪ -
薪の保管場にいたかかしファミリーのみなさん。
午後、仕事が一段落したら、談笑して過ごすのが日課だったのかな。 -
道路脇では、スコップ持った工事作業員のおっちゃんがひと休み。
奥の畑にも作業している人っぽいのがいますが、もちろんカカシ。
カカシ。カカシ。カカシ。 -
玄関先には、日常を切り取ったような一家の姿が。
三輪車や乳母車、かつては三世代が暮らすお家だったのでしょうか。
玄関で家族を出迎えるお父さんも、椅子に座ったおばあちゃんも、
もちろんカカシ。
カカシ。カカシ。カカシ アヒャ(゚∀゚ )三( ゚∀゚)ヒャヒャヒャ… -
イチオシ
小屋の前にもかかしの姿。
かかしたちは皆、思い思いの時間を過ごしていますが、
どこか本物の住民よりも人間らしく見えてしまうのが不思議。 -
こちらはジェームス先生(妄想です…)
名頃で唯一のアメリカンなのである (*`∀´) -
バス停にも大勢のかかしの姿がありました。
今回の探索で出会ったのは結局カカシだけでした(笑)
ちなみに作者の綾野さん曰く、かかしにも寿命があるそうで、
野外に置いておく以上、3年で傷んでしまうそうです。
今日の景色も決して未来永劫続くわけではなく、
かかしたちもこの集落の時間と共に静かに姿を変えていくのです。
そんなわけでかかしの里の訪問はコレにておしまい。
この話もう少し続きます。
それではまた~。
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