2025/10/28 - 2025/11/07
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mirilinさん
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この旅行記スケジュールを元に
友人が深くかかわっているミュージカルが、日本でのヒットを受けてロンドンのウエストエンドで上演されることが決まり、急遽応援観劇に行くことにしました。しかし、いざ準備を始めると立ちはだかったのが、ロンドンの殺人的なホテル代。「劇場の近くに泊まりたい、でも連泊したら破産する……」
悩んだ末に出した答えは、ロンドンには2泊だけ滞在し、残りは物価の安いハンガリーへ「避難」することでした。同じ4つ星ホテルでも、ロンドン1泊分でハンガリーなら3泊できてしまうのです。せっかくの渡欧、1週間未満で帰るのももったいないですしね。
ハンガリーは昨年行きましたが、行きそびれたところ、見落としたところもあるので、リベンジ出来るってのも心惹かれます。
マイルを使い果たした私を救ってくれたJALの格安ビジネス便。ヘルシンキ経由でいざ出発。ヘルシンキでのストップオーバーも挟みつつ、メインのハンガリーではブダペストはもちろん、昨年行きそびれたセゲド、ペーチまで、大好きなアール・ヌーヴォー建築を巡り尽くす11日間の完璧なプラン……のはずでした。
ところが、旅の終盤に最大の悲劇が。
なんと、列車内に一眼レフカメラを置き忘れるという痛恨のミスを犯してしまいました。この時ばかりは「連れがいれば気づいたかも……」と、ひとり旅を少しだけ恨んだものです。
というわけで、今回の旅行記は「写真少なめ」でお届けします。
本当は一眼レフの高画質で、あの繊細な建築装飾の数々を細部までお見せしたかったのですが、メインの写真はすべてカメラと共に消えてしまいました。手元に残ったのは、保険で撮っておいたスマホとコンデジの予備カットばかり。当初は相当落ち込みましたが、それもまた旅の醍醐味。…と思うことにしてます(泣)
ちょっぴりしょっぱくて、でも忘れられない11日間の記録、温かなお心で(笑)お付き合いください。
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【7日目】
遂に、遂に、遂に…私の大切な一眼レフが消えた日となりました。ウェーン(´;ω;`)ウゥゥ
気を取り直し…
翌日はロンドンに向かうということで、この日は遠出は避けて、昨年の取りこぼしを回収することにしていました。
というわけで、「国立歌劇場の見学ツアー」、「ドレクスラー宮殿の内部見学」、「『Menza』でマンガリッツァ豚を食べる」の3つは確定だったんですが、どれもホテルから歩ける範囲ってことで、あっという間に終わります。ほかに何をするか…と考えていたところ、郊外電車で1時間かからない場所に、エリザベートがハンガリー滞在時にいつも利用していた宮殿があることを知り、これは絶対行かねば!となりました。
あいにくの曇天でしたが、宮殿はエリザベートがその大半を過ごしただけあって、ウィーンのシシィ博物館に勝るとも劣らぬ展示内容で、エリザベートファンなら絶対訪れるべきところです。ウィーンに比べて格段に空いていますし。満喫できます。
そして…この宮殿からの帰りの列車の中に、思い出のいっぱい詰まった一眼レフを置いてきてしまいました。いつもなら、列車に乗ったら必ずリュックの中にカメラをしまうのに、なぜかこの時だけしまわなかったのです。そして、いつもなら必ず席を立つときに座席まわりを確認するのに、なぜかこの時は確認しなかったようです…。ハンガリー滞在も1週間たち、慣れから来た慢心だったのでしょうか…。カメラを持っていないことに気づいたのは、東駅から地下鉄に乗り換え2駅ほど行った時。そこで降りて、アール・ヌーヴォーの建物を見に行こうと地下鉄を降りるときに、いつものように持ち物確認したら、ありゃカメラがないじゃないの!となり…。いや東駅で列車降りるときに確認しろっての!
大慌てで、東駅に戻りインフォメーションセンターに駆け込んだものの、番号札もって順番待てとのこと。ホームに戻ればまだ乗ってきた列車がとまっているかもと思い、ホームに駆け上がったのですが、無情にも目の前で列車は出発してしまいました。泣き叫んでも列車が戻ってくるはずもなく、すぐさまインフォメーションセンターに戻って再び順番を待ち、ほぼ半ベソでカウンターのお姉さまにゲデレーからの帰りの列車にカメラを置き忘れたと伝えると、いろいろと連絡して探してくれたのですが、残念ながら見つからず…。ただ、まだ届いていないのかもしれないから、少ししたらまた確認に来てとのことだったので、夜もう一度来てみることにして、いったん引き上げました。
とりあえず、予約してあった国立歌劇場の見学ツアーと「Menza」での夕食を済ませ、再びインフォメーションセンターに行ってみました。でもやっぱり見つからず…翌朝も確認に行ったのですが、ありませんでした。
海外旅行歴40年にして初の大チョンボ。カメラも残念ではありますが、その中のSDカードに撮りだめた今回の旅行記録1週間分がなんとも残念でなりません。どこかからひょっこり出てこないかなぁ…なはずないか。
******** 日 程 ********
10/28 羽田 8:25発→ヘルシンキ 14:40着
10/29 ヘルシンキ→ブダペスト
10/30 ブダペスト→セゲド→ブダペスト
10/31 ブダペスト(ルダッシュ温泉)
11/1 ブダペスト→ペーチ
11/2 ペーチ→ブダペスト
★11/3 ブダペスト(ゲデレー宮殿)
11/4 ブダペスト→ロンドン
11/5 ロンドン
11/6 ロンドン 18:30発→
11/7 羽田 17:20着
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
今日の主な予定は「ゲデレー宮殿」「国立歌劇場見学ツアー」「マンガリッツァ豚」。
まずは「ゲデレー宮殿」に向かいます。「デアークフェレンツェ駅」から地下鉄M2で終点「Örs vezér tere」まで行き、そこから郊外電車のH8に乗り換えます。
地下鉄は11分の乗車、郊外電車は42分の乗車ですが、どちらも終点までなので気が楽です。
地下鉄M2の終着駅は、地下鉄終点あるあるの地上駅になっています。 -
郊外電車の駅は、道を渡ったところにあり、全く迷う心配はありません。
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始発なので、ホームにはすでに国鉄とは違った雰囲気の、3両編成の電車が止まっていました。東ドイツ製ということで、角張ったデザインに社会主義時代の香りがちょっとする気もします。
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車内はこんな感じ。つり革はありません。ま、ガラガラですし、不要ですね。
座席もひじ掛けなどはなく、素朴な感じです。 -
終点の一つ手前は、「エリザベートパーク」駅です。
この公園にもエリザベートの銅像があるみたいなんですが、あいにくの小雨模様だったので、今回はパスして宮殿最寄りのゲデレー駅まで行くことにしました。 -
ゲデレー駅から宮殿までは歩いて4分ほど。ほとんど目の前です。
「ゲデレー宮殿」は18世紀にグラッシャルコヴィッチ男爵家によって造営されたバロック様式の宮殿ですが、華美な装飾はなく、落ち着いた雰囲気に包まれています。
エリザベートが華やかなウィーンの宮殿よりもこちらを好んだというのも分かる気がします。
1867年に戴冠のお祝いとして、「フランツ・ヨーゼフ皇帝」と「エリザベート妃」にハンガリーから献上された宮殿ですが、エリザベートはことのほか気に入って、主に春と秋に通算2000日以上ここに滞在したそうです。グドゥルー宮殿 城・宮殿
-
入口でチケットを購入した後は、クロークにコートを預けます。大きな荷物はこの部屋にあるロッカーにしまって見学に向かいます。
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宮殿内部は31の部屋が公開されていて、日本語オーディオガイドも借りられるので、ゆっくりと解説を聞きながら見学することができます。
見学チケットには可愛い子割引ありです。(ご存じ 可愛い子割=シニア割)
エリザベートの衣装はいつ見ても素敵です。 -
こちらは宮殿の礼拝堂です。内部には入れないのですが、2階からガラス越しに見ることができます。
この礼拝堂は、1749年に献堂されたものだそうで、とても豪華でした。 -
礼拝堂の主祭壇の上についている紋章は、最初の持ち主「グラシャルコヴィッチ家」の紋章で、一族の権威と功績を象徴しているそうです。
宮殿内は最初は「グラシャルコヴィッチ家」に関する展示で、後半がフランツ・ヨーゼフ皇帝とエリザベート皇后に関するものでした。 -
こちらは「エリザベート」の肖像です。
とても素敵で、舞台化されたエリザベートも同じ衣装を着ている場面があります。
この肖像はお土産コーナーでマグネットになっていたので、たくさん買って友人にばらまきました。
宝塚やミュージカルのエリザベートファンの友人が多いので(笑) -
こちらは「フランツ・ヨーゼフ皇帝」(右)とエリザベートの長男で、若くして自殺してしまった「皇太子ルドルフ(1885年)」の肖像です。
ちょっとイメージと違う皇太子ルドルフなんですが… -
そしてこちらも、「皇太子ルドルフ」です。この肖像はイケメンに描かれてていますね。
皇太子ルドルフは、「マイヤーリンクの悲劇」でも有名ですが、真実はどうなのでしょう。夢見る乙女な私は、宝塚版の「うたかたの恋」を見て大号泣した派なので、めちゃめちゃこの肖像にテンション上がりました(笑) -
こちらは、ハンガリー王国の皇帝となった戴冠式の様子を描いたものだそうです。
当時は「オーストリア=ハンガリー二重帝国」としてフランツ・ヨーゼフ皇帝が両国の国王となったのですが、オーストリアとハンガリーが対等の立場で連携するこの体制の成立に大きく貢献したのがエリザベートだったので、今もハンガリーでとても敬愛されています。
エリザベートは先ほどの肖像のドレスを着ていますね。 -
エリザベートはオーストリアの宮殿よりもこの宮殿の方が長く滞在したともいわれるだけあって、若い頃の姿、盛装した姿、活発なお妃だったことを物語る乗馬姿や、長男の自殺後の喪服しか着なかった姿など、多くの肖像画が残っていました。
身長172cmで体重が43~47㎏、ウエストはなんと50cmだったという美貌の皇后、肖像画のウエストも誇張されているわけではないんですね~ -
この絵は皇帝フランツ・ヨーゼフの隣に、喪服姿で凛として座っているエリザベートの姿が描かれています。
これは「ジュラ・ベンツール」というハンガリーの画家が1896年に描いた「フランツ・ヨーゼフ1世」というタイトルの絵です。 -
こちらは珍しく皇帝と2ショットの絵画。これはエリザベートが殺される直前の1898年頃の姿とされています。
田舎育ちの活発なエリザベートは宮廷生活の息苦しさから、宮廷を逃げ出してヨーロッパ中を旅し、晩年はフランツ皇帝とはあまり共に過ごしていなかったそうです。それでも皇帝フランツはエリザベートを深く愛していたそうで、旅先を時々訪れていたそうで、この絵はドイツのバート・キッシンゲンでのひと時の様子とのこと。エリザベートが暗殺される直前の1898年頃の姿とされています。
エリザベートは、ここでもやはり喪服姿ですね。 -
こちらは「皇帝フランツ・ヨーゼフ」の部屋です。
皇帝の空間には、ハプスブルク家の権威や公式の場を象徴する色として赤が用いられていたそうです。 -
皇帝の部屋にエリザベートの大きな絵が飾られているのは、愛妻家であった皇帝らしいという感じでしょうか。
当時も飾ってあったのかは定かではありませんが(笑) -
こちらも皇帝の部屋ですが居間的な役割の部屋だったかもしれません。
この宮殿の家具などは、ほぼ当時のままだそうです。
美しい絵と装飾が施された陶器製の大きなストーブがとても印象的でした。 -
こちらのすみれ色の部屋はエリザベート皇后の居間です。
エリザベートはこのすみれ色が大好きだったそうです。部屋には16歳の皇太子ルドルフの肖像画とお気に入りのドレスを着たエリザベートの絵が並んで飾られていました。洗面台や鏡台など。彼女の愛用した家具がいろいろあったのですが、写真が残っていなくて残念です。
人づきあいが嫌いだった彼女は、来客があると裏の扉から部屋をでて、女中用の階段を使って逃げていたとか。身の回りの世話をする女官も、オーストリア人ではなくハンガリー人を選び、ハンガリー語で話していたそうです。 -
この宮殿の1階にはカフェがあります。
じっくり見学して歩き疲れていたので、休憩と昼食を兼ねて入ってみました。
宮殿内のカフェなので、家具も装飾もとても素敵でした。
何のケーキを食べたのか、忘れちゃいましたが、甘すぎることなく美味しかったですよ。ミルクティーと合わせて2967HUF(≒1370円)ですから、日本と変わらない感じですかね。 -
帰りは郊外電車ではなく、ハンガリー国鉄で帰ることにしました。
宮殿からは歩いて15分くらいで駅に着きます。私は宮殿を出た途端に駅に向かうバスがやってきたので、飛び乗っちゃいました。そしたら3分で着きました。
なぜ、国鉄で帰ることにしたかというと、この駅にはフランツ・ヨーゼフとエリザベートがブダペストとグドゥルー間を鉄道で行き来する際に使った待合室があるんです。 -
残念ながら、月曜日は休館だったので中には入れなかったのですが、外をなめるように見て回りました。
1882年のオリジナルの設計図をもとに2011年に改修されたものだそうです。 -
あちこちに細かな装飾が施されていて、内部が見られないのが残念でした。
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そして、魔の列車がやってきました。
いや、きれいで乗り心地もいいですし、いい列車なんですよ。ハンガリー国鉄大好きですから。
ただ、この列車に忘れたんです。一眼レフを…。私のバカバカバカバカアホンダラーーー!! -
郊外電車だと50分ほどかかるゲデレーですが、国鉄だと30分ほどでブダペスト東駅に着きます。
何度となくお世話になった東駅ですが、これが最後だから写真撮っておこうとコンデジで撮った写真です。この時に一眼レフで撮ろうと思えば、すぐに気が付いたのに…。カメラがまだ列車に乗っていることも知らず、意気揚々と地下鉄駅に向かってホームを歩いています。
あ~今この写真の中に入って、カメラを取りに行きたい!!!!
このあと、旅行記の概要のところに書いたとおり、カメラを忘れたことを地下鉄車内で気づき、奈落の底へと落ちてしまったわけです。 -
いつまでも落ち込んでいても、カメラは出てくるわけではないので、気持ちを切り替えて、今日の残りの予定をこなすことにしました。
まずは、16:30に予約しておいた国立歌劇場の見学ツアーに参加すべく、地下鉄でオペラ駅へ。少し早めに行って、その周りの建物も見ることにしました。カメラないけど…。
とりあえず、国立歌劇場を背に「アンドラシー通り」を渡ります。 -
国立歌劇場の向かいには「ドレクスラー宮殿」が立っています。ここも見たいのですが、まずはその裏手に進んでいきます。
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一本裏の細い道沿いに立っているのが、1909年に「ライタ・ベーラ」の設計で建てられた「キャバレー・パリジャン」です。
「レヒネル・エデン」の弟子であった「ライタ・ベーラ」ですが、1905年ころからシンプルな外観の建物を作るようになり、この建物は既にアールデコに到達したと思われる作品で、世界初のアールデコ建築だともいわれています。 -
ただ、屋根周りの装飾は、やはり「ライタ・ベーラ」だなと思わせます。
昨年も来たのですが、なぜかこの建物の雰囲気が好きで、また来ちゃいました。 -
「アンドラシー通り」沿いに立つ「ドレクスラー宮殿」は、1883年~1886年に「レヒネル・エデン」と「ジュラ・パールトシュ」の設計で建てられた、ネオルネサンス様式とフランス・ゴシック様式を組み合わせた建物です。
1987年に「ブダペストのドナウ河岸とブダ城地区、アンドラーシ通り」として世界遺産に登録された構成要素の一つにもなる美しい佇まいで、今は5つ星ホテルとなっています。
昨年も訪れたのですが、ホテルなのに入口がどこにあるかよくわからず、あきらめて帰っちゃったので、今回はしつこく周りをウロウロして探しました。W ブダペスト ホテル
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入口は正面のアンドラシー通り沿いではなく、細い路地側にありました。
中に入ると、いきなりこの美しい廊下が迎えてくれます。
青い星のようなモチーフで装飾されたヴォールト天井の廊下は、当時の装飾を残している部分だそうです。 -
そしてその廊下の先には美しいガラスの扉と宮殿の心臓部である中庭が見えます。
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木製の枠と装飾されたガラスが、落ち着いた雰囲気を持たせながら華やかさも醸し出しています。
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この中庭のファサードは当時のままだそうで、スタッコ細工が品良くあしらわれています。
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中庭のプロポーションは当時の状態を維持しているそうで、その中庭の上の鞍型のガラス屋根は全天候型のラウンジにするために後からつけられたものだそうです。
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ガラス天井にしてくれているので、自然光の柔らかな光に包まれることができることはもちろん、中庭を取り囲む建物内側壁面の美しさも見ることができます。
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2階へと続くこの階段室は、オリジナルの階段や、重厚な支柱、装飾的なアイアンの手すりが保存されているそうです。
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階段室には、万華鏡のような美しいステンドグラスが並んでいました。
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お姫様が降りてきそうな、まっすぐに伸びる大理石の階段です。
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さて、予約の時間が近づいてきたので、「アンドラシー通り」を挟んだ向かいに立つ「国立歌劇場」へ向かいます。
1858年に「イブル・ミクローシュ」設計によりネオルネサンス様式で建てられた威風堂々とした佇まいの建物で、「グスタフ・マーラー」が音楽監督を務め、黄金時代を築きました。
昨年も、外観とエントランスホールだけは見学し、想像以上の美しさに息をのみ、内部見学の予約をしなかったことを後悔したのです。ハンガリー国立歌劇場 (オペラ座) 劇場・ホール・ショー
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16:30の予約だったので、街灯に明かりが灯りだしました。
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劇場へは、この美しい木製の扉を開けて入っていきます。
日本の劇場で、木製の扉を手動で開けて入るところって、あまりありませんよね。 -
エントランスホールからのびる正面の大階段は、「王室の階段」と呼ばれているそうです。ま、その呼称も納得の豪華さです。
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大理石の柱、フレスコ画で彩られた華やかな天井は、いつ見ても圧倒されます。
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エントランスホール天井を飾っているのはハンガリーの画家「ベルタラン・セーケイ」によるもので、 ギリシャ神話に登場する9人のミューズ(文芸の女神たち)が描かれています。
金箔を施された4角形や8角形の格天井の中に、ウラニア(天文)、クリオ(歴史)、カリオペ(叙事詩)、エウテルペ(抒情詩)、エラト(独唱)、タリア(喜劇)、メルポメネ(悲劇)、ポリュヒュムニア(賛歌)、テルプシコラ(合唱・舞踊)の女神が描かれているそうです。
エントランスホールの天井画は、観客が日常から芸術の世界へと足を踏み入れるための「心の準備」をさせる重要な役割を担っているのだと、グーグル先生が言っていました。 -
内部見学で最初に連れて行ってくれるのが、幕間に観客が集う「フェスティー・バー」です。
このバーも豪華絢爛。天井にはハンガリーの画家「ジェルジ・ヴァシュタッグ」による天井画があります。酒と歓喜の神「ディオニュソス」の誕生と成長、そして勝利の祝宴が描かれています。 -
豪華なシャンデリアや壁面の装飾もとても美しく、舞台を見る前に満足して帰っちゃいそうです(笑)
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そしてこのピンクの大理石の柱が美しい階段は、フランツ・ヨーゼフ皇帝とエリザベート皇后が観劇の際に使用した、皇室専用の階段です。
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階段を取り囲む回廊には、ハンガリーの誇るオペラ歌手などの肖像画が並んでいます。
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皇室専用の階段を上がった先にあるのは、かつてハプスブルク家が利用していた休憩室「ベルタラン・セーケイの間」の入口です。
舞台に最も近いボックス席の観客が幕間に休憩したり歓談したりするための専用の部屋への入口で、「王のサロン」とハンガリー語で書かれています。 -
室内は、豪華なオーク材の彫刻や「ベルタラン・セーケイ」が描いたフレスコ画で飾られ、皇族のための部屋だけあって、贅を尽くした空間になっていました。
現在も、王室や国賓、外交官などのVIPを迎える際の応接間として使用されているそうです。 -
絨毯はハンガリーの民族的モチーフです。
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そして、この部屋から直接ロイヤルボックス(王室専用桟敷席)へ行けるようになっています。庶民の目に触れることなく、観劇できるわけです。
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ロイヤルボックスが見えますね。
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そしてここが、皇帝も使用したロイヤルボックスです。
もちろんガラス越しでしか見られませんが、美しいシャンデリア、深紅のベルベットの絨毯やカーテンなど、ロイヤル感満載です。
エリザベートは人目を避けるために、この中央のロイヤルボックスではなく、舞台左側のボックス席を好んで利用したそうで、「シシィ・ロジェ」と呼ばれているそうです。(シシィはエリザベートの愛称です) -
さて、豪華なホワイエなどの見学の後はいよいよ劇場です。
造りはパリのオペラ座や、ウィーンの国立歌劇場などと同じような感じです。 -
3階建てのボックス席が舞台を囲むように配置された伝統的な馬蹄形で、中央には先ほど見たロイヤルボックスがデーンと構えています。
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この王室専用ボックス席は、舞台を観るためというよりは、「客席から皇帝の姿がよく見えるように」設計されているのが特徴なのだそうです。
ボックス席を支えるように、四声(ソプラノ・アルト・テナー・バス)を象徴する4体の擬人化像が配置されています。 -
天井画は19世紀ハンガリーの巨匠「カロイ・ロッツ」によるもので、「音楽の神格化」と題され、オリンポスの神々がアポロンの奏でる音楽を聴く様子が描かれているそうです。
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天井の中央からは、ドイツのマインツで作られた重量約3トンのブロンズ製シャンデリアが吊り下げられています。
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このまばゆいばかりの装飾は、24金を使用しているそうです。
この見学ツアーの最後には、最初に通った「王室の階段」の踊り場で、ミニオペレッタを観ることができます。これがなかなかのクオリティで、とても素敵でした。
建物好きでミュージカル好きの私としては、とても得した気分でした。 -
およそ1時間の見学ツアーを終えて外に出ると、あたりはすっかり暗くなっていました。17:30ですけど。(笑)
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正面の「ドレクスラー宮殿」もシックな雰囲気にライトアップされています。
昼も美しいですが、夜もまた神秘的な雰囲気でいいですね~ -
さて、次はマンガリッツァ豚です。ハンガリーの誇る食べる国宝。
国宝だけに、豚なのにそこそこのお値段がするらしいのですが、国立歌劇場から歩いて5分ほどのところにあるレストラン「Menza」では、リーズナブルにおいしいマンガリッツァ豚を食べられるそうなのです。
昨年も行ったのですが、雨の中1時間待たなければならかったので、やむなく断念。なので、今回はリベンジとばかりに、前日にグーグル機能を使って予約しておきました。メンザ カフェ
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そしてこれが憧れの「マンガリッツァ豚」。
「ハニーマスタード風味のマンガリッツァ豚のポークチョップ、鴨脂で揚げたジャガイモとグリル野菜添え」です。
ここの公式サイトからメニューを開き文字をクリックすると写真が出てくるので、とても使いやすく、事前に調べておいたので完璧に注文できました。炭酸水とマンガリッツァ豚で7482HUF(≒3460円)でした。
本来なら、ブダペスト最後の食事をマンガリッツァ豚で〆てご満悦…のはずだったのですが、心の片隅に…いえ真ん中に、カメラをなくしたショックが渦巻いていて、心から楽しめなかったのが残念でした…。
あ、美味しかったですよ。私の心がショッパイだけです。 -
食事後、カメラが届いていないかを確認に、ダメ元で東駅を再訪してみました。
レストラン最寄りの地下鉄M1「オクタゴン」駅から「デアークフェレンツェ駅」まで行き、地下鉄M2に乗り換えれば25分くらいで行けます。
で…もちろんありませんでした…。係の人も気の毒にといった顔で、明日になったら届いている可能性もあるとなぐさめてくれました。明日はロンドンへ向かう日ですが、翌朝再訪してみるしか術はなく、一縷の望みを持ってホテルに戻りました。 -
ホテルに着くと、見慣れた「聖イシュトバーン大聖堂」が、皮肉なほど美しく輝いていました。いつもの、そして最後の夜の風景。
違うのは私の肩にカメラが下がっていないこと…
ブダペスト最後の夜は、なんともしょっぱい夜となってしまいました。
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この旅行記へのコメント (2)
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- ももであさん 2026/03/27 21:20:38
- 「魔の列車と40年目の洗礼」
- mirilinさん、旅行記拝読しました~!笑いあり涙あり(主に涙)の傑作でしたよ!
海外旅行歴40年にして初チョンボって、逆にすごくないですか?プロ野球選手が40年間エラーなしで守り続けたようなものです。その記録が、ハンガリーの郊外列車によって静かに「解除」されてしまったわけですね。長い無敗記録、本当にお疲れ様でした(笑)。ある意味、節目の旅になってしまいましたね。
そして読んでいて思わず「あ~!!」と声が出てしまったのが、東駅を出た後・地下鉄に乗り換えて2駅も行ってから気づくくだりです。しかも「アール・ヌーヴォーの建物を見に行こうと降りるとき」にいつものように持ち物確認して発覚するという…。カメラがないことに次の撮影対象を探してから初めて気づくあたり、筋金入りの建築ラバーだなあと思いました。カメラへの愛より建築への愛の方が0.5秒速いんですね(笑)。
そしてmirilinさん自身が「いや東駅で列車降りるときに確認しろっての!」とセルフツッコミされているの、もう何か言う余地がないほど完璧な自己分析です。旅行記の中で一番笑ったくだりでした。ご自身が一番わかっていらっしゃる(笑)。
ゲデレー宮殿については、エリザベート愛がひしひしと伝わってきました!「可愛い子割=シニア割」の注釈でさらりと笑わせてくれるあたり、mirilinさんの文章のセンスが光っています。宮殿の展示も充実していてウィーンのシシィ博物館に勝るとも劣らないとのこと、エリザベートファンには垂涎ですね。来客があると裏口から逃げ出していたエリザベート…なんか、すごく親近感がわきますよね(笑)。宮廷の息苦しさから逃げ出し、ハンガリーに「避難」していたエリザベートと、ロンドンのホテル代から逃げ出してハンガリーに「避難」したmirilinさん、なんか似た者同士かもしれませんよ?
そして悲劇のあとも、ショック渦巻く状態でしっかり歌劇場見学ツアーをこなし、マンガリッツァ豚も完食し、夜に東駅に再訪し、翌朝も確認に行くというこの鋼のスケジュール遂行能力には本当に脱帽です。「私の心がショッパイだけです」の一文、今回の旅行記のMVPフレーズです。笑いながら少し泣きました。
ぼくも1年ほど前ブダペストを訪れ、街歩きを楽しみましたが、mirilinさん心はどこか上の空だったことでしょう。帰り道にホテルで「違うのは私の肩にカメラが下がっていないこと」という締めの一文、詩的すぎて心にしみましたよ…。
それにしても、写真少なめでもこれだけ読み応えのある旅行記を書けるmirilinさんの筆力はさすがです!カメラは去っても、文章という最強の武器が残っていましたね。次の旅では、どうかカメラも一緒に帰国してきますように! 😊
- mirilinさん からの返信 2026/03/27 23:13:16
- Re: 「魔の列車と40年目の洗礼」
- ももであさん
いつも旅行記見に来てくださって、ありがとうございます。
そして今回は、温かなメッセージまで感激です。
>プロ野球選手が40年間エラーなしで守り続けた
そんなカッコいいもんじゃないですが、これまで何の事故も事件もなく住んでいたことが奇跡だったのかもしれませんね(笑)
でも、ホントになんであの時、カメラを持たずに列車を降りたのか、本当に私の所業なのか、いや、小学校にランドセル忘れて帰ってきた私だからなのか…今もあの時に戻りたい、あの時の私に「カメラ!!!」と言って叱りたい…。
根が貧乏性なんで、たとえカメラをなくそうとも、見たいものは見るし食べたいものは食べないと、せっかくの旅の時間がもったいないと思っちゃうんですよ私。ホテルでさめざめと泣いている方が可愛いんですが。
私のだらだらと長い文章を丁寧に読み解いてくださっていて、本当にうれしいです。これで無くなったカメラも浮かばれます←ほんとに?
まだ再び一眼レフカメラを買うか迷っているのですが、次の旅は決まっているので、早急に決断します。相方をなくした望遠レンズも寂しそうですし…。スマホだけで乗り切れるのか私。
mirilin
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