2025/09/27 - 2025/09/28
26位(同エリア367件中)
たっくん&ゆうすけさん
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近鉄の観光特急「しまかぜ」で行く鳥羽・松阪旅行記のうち,宿泊した【御宿The Earth 】以外の部分です。特急「しまかぜ」のカフェ車両やグループ席(サロン席・洋風個室・和風個室)と展望車両の最前列席,焼貝専門店の並ぶ「鳥羽さざえストリート」,伊勢商人(松阪商人)の屋敷構え「旧長谷川治郎兵衛家」,松阪牛すき焼きの「牛銀本店」などを取り上げています。
『観光特急「しまかぜ」で行く伊勢志摩『御宿The Earth 』プールスイート宿泊記』はこちらからご覧ください。
https://4travel.jp/travelogue/12007532
旅行記の構成は以下の通り。( )内は写真の枚数。
【 Sightseeing Limited Express "Shimakaze" 】(8)
(the following is in Toba, Mie pref.)
【 Misaki Sazae-ten (seafood restaurant) 】 (4)
【 Oyado The Earth 】(1)
【 Sea Creatures made from Paper Clay 】(3)
【 Limited Express "Ise-Shima Liner" 】(1)
(the following is in Matsusaka, Mie pref.)
【 Former HASEGAWA Residence 】(18)
【 Remains of MOTOORI Norinaga's Residence 】(1)
【 Gyugin Honten (Sukiyaki) 】(4)
【 "Usaginokoya" (tea cafe) 】(2)
【 Former OZU Residence 】(1)
【 Birthplace of the MITSUI Family 】(1)
【 Yanagiya Hozen (Japanese Confectionery) 】(2)
【 Matsusaka Walking Map 】(1)
【 Seiko-ji Temple 】(2)
【 Limited Express "Ise-Shima Liner" 】(1)
表紙写真は、国指定重要文化財【旧長谷川治郎兵衛家】の大正座敷広間。床の間と床脇の設えです。以下,「旧長谷川邸」もしくは「長谷川邸」と略記する場合があります。
【旧長谷川治郎兵衛家】の口コミはこちらからご覧ください。旅行記本文の内容の概略をまとめたものです。
https://4travel.jp/dm_shisetsu_tips/15260335
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- グルメ
- 4.0
- ショッピング
- 4.0
- 同行者
- 友人
- 一人あたり費用
- 15万円 - 20万円
- 交通手段
- タクシー 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
【 Sightseeing Limited Express "Shimakaze" (Kintetsu Railway) 】
【近鉄・観光特急「しまかぜ」】
2025年9月27日(土),今日は非番ではなく休暇を取ってきた機動隊のエース・M君と,大阪難波駅(近鉄・阪神線)で待ち合わせ。
(写真左上)
大阪難波駅に入線する観光特急「しまかぜ」
(写真右上)
大阪難波駅に入線する特急「アーバンライナー」
(写真左下)
大阪難波駅を出発する特急「ひのとり」
(写真右下)
宇治山田駅で停車中の観光特急「しまかぜ」
時刻表上,大阪難波発の「しまかぜ」は宇治山田12:18着,12:22発。3分以上の停車時間があります(乗務員の交代をするようです)。観光特急しまかぜ 乗り物
-
10:40大阪難波発,近鉄の観光特急「しまかぜ(賢島ゆき)」で鳥羽まで111分。途中の停車駅は,大阪上本町,鶴橋,大和八木,伊勢市,宇治山田です。「しまかぜ」は松阪には停車しません。
「伊勢市」駅は伊勢神宮の外宮・豊受大神宮の最寄駅。内宮・皇大神宮へは外宮,「宇治山田」駅もしくは「五十鈴川」駅(「しまかぜ」は停車しません)からバスやタクシーで向かうのが一般的です。
https://www.isejingu.or.jp/access/
観光特急「しまかぜ」のリーフレットはこちらから。
https://www.kintetsu.co.jp/senden/shimakaze/assets/dl/pdf/leaf.pdf
「しまかぜ」の運賃・料金(大阪難波―鳥羽,プレミアムシート)は以下の通り。
▼運賃 2,460円
▽特急料金 1,640円
▽しまかぜ特別車両料金 1,050円
ひとり片道合計 5,150円
伊勢市,宇治山田までなら 4,350円,鵜方と終点・賢島までは 5,460円です。
運賃は交通系ICカードで支払い,特急料金等はインターネット予約で乗車しました。運賃については,タッチ決済乗車サービスも利用できます。観光特急しまかぜ 乗り物
-
[観光特急「しまかぜ」のグループ席]
グルーブ席車両は大阪難波・京都発着の4号車,名古屋発着の3号車です。
▼サロン席(4-6人用)
▼洋風個室(3-4人用)
▼和風個室(3-4人用)
▽1・6号車の無料ロッカー
サロン席は通常のデラックス席と同料金。洋風個室と和風個室は,別途、1室につき 1,050円必要です(乗車区間に大和八木~伊勢市間または近鉄四日市~伊勢市間を含む必要があります)。観光特急しまかぜ 乗り物
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[観光特急「しまかぜ」のカフェ車両]
「しまかぜ」の発車後すぐ二階建てのカフェ車両へ。大阪・京都発着の3号車,名古屋発着の4号車です。カフェの入口は,販売カウンターのある賢島側(大阪・京都発着は2号車側,名古屋発着は5号車側)です。
大阪難波発の「しまかぜ」では,カフェは鶴橋を発車後まもなくオープン。行列ができることも多く,乗車後すぐに並んでおいてもよいぐらいです。2階のカウンター席に陣取ります。座席そのものは1階席の方がゆったりしています。メニューはこちらから。
https://www.kintetsu.co.jp/senden/shimakaze/menu/
人気メニューは,
■松阪牛カレー 1,650円
■スイーツセット 1,400円
かな。M君がカレー食った。観光特急しまかぜ 乗り物
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スイーツセットは,大阪難波発のしまかぜでは,
「シェラトン都ホテル大阪」のスイーツ
+鳥羽の「ブランカ」のシェルレーヌ ミニ2個
+ドリンク
スイーツは,
■リンゴのショートケーキ
■いちじくとマスカルポーネのヴェリーヌ
■トンカ(写真右上)
■モンブラン(写真左下)
から選択できました。出発地・季節により変わるようです。観光特急しまかぜ 乗り物
-
[観光特急「しまかぜ」の展望車両]
「しまかぜ」の1号車と6号車は展望車両(車内に4段の階段があります)。写真は,大阪難波発,賢島ゆきの先頭車両・1号車の最前列・9番B席からの眺めです(長谷寺~榛原(はいばら)駅間,榛原トンネル付近)。
最後尾の6号車1番A・BC席からも,座席を反転させれば後方の眺めをかぶりつきで楽しめます。
「伊勢志摩ライナー」や「アーバンライナー」にもパノラマデッキや展望デッキが設けられていますが,座席から直接,前方や後方を展望できるわけではありません。 -
♪伊勢の名物・赤福餅はええじゃないか♪
■赤福銘々箱(2個入り,400円)
赤福はカフェ席で食べることも、販売カウンターで購入することもできます。特急「しまかぜ」ではワゴンによる車内販売も継続中です。「しまかぜ」は榛原~室生口大野駅間を走行しています。 -
(写真左上)大阪難波発「しまかぜ」の最後尾・6号車1番A席(座席を反転させています)。
(写真右上)同じく6号車2番付近の通路から後方の展望。
(写真左下)鳥羽駅に停車中の「しまかぜ」
(写真右下)鳥羽駅を出発する「しまかぜ」鳥羽駅 駅
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【 Misaki Sazae-ten (seafood restaurant) in Toba, Mie Pref. 】
鳥羽に到着したら,1番出口の先に並んでいる「貝焼き・焼貝」のお店(鳥羽さざえストリート)は外せません。今回は【みさきさざえ店】を利用。右隣は【ザ・貝屋】。
M君と二人で,
■特大の岩牡蠣×2個
■はまぐり(一人前,2個)
■イカ焼き(一人前)
クリーミーな岩牡蠣は何もつけなくていい! 天然の潮の香りを味わう。ハマグリは,少し垂らした醤油の香ばしさが堪らん。イカはイカみそ付き,七味か一味マヨネーズとともに。昼間からビールが進みまくる。みさきさざゑ店 グルメ・レストラン
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真打ち登場!
みさきさざゑ店 グルメ・レストラン
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■伊勢海老(写真の大きさで7,000円)
お造り、頭は味噌汁に。脚の中の身も食べられます。最高!これだけのために鳥羽に来てもいいと思えるぐらいの貝焼き屋さん,そして「さざえストリート」です。
ここが大阪の黒門市場,京都の錦市場のごとき惨憺たる有り様とならないことを祈るばかりです。みさきさざゑ店 グルメ・レストラン
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みさきさざえ店のメニュー
お勘定はビール大瓶2本,烏龍茶1本を含め 13,260円でした。隣に座ってたおじさんに,M君がガタイを褒められた。いいなぁwみさきさざゑ店 グルメ・レストラン
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14時の送迎車で,鳥羽駅から【嵐を観る宿 御宿The Earth 】に向かいます。
https://www.the-earth.in/
『観光特急「しまかぜ」で行く伊勢志摩『御宿The Earth 』プールスイート宿泊記』はこちらからご覧ください。
https://4travel.jp/travelogue/12007532御宿 The Earth 宿・ホテル
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【 Paper Clay Sea Creatures made by elementary school students @Toba Sta. 】
2025年9月28日(日),【御宿The Earth 】の送迎車で11時半過ぎに鳥羽駅に到着。駅の連絡通路に,子どもたちが紙粘土や石,流木などで作った「海の生き物」が展示されていました。 -
めっちゃカワイイ! 中には紙粘土で寿司作ってる子もいた! 腹減ってたんやろなw
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こちらは6年生の作品! リアルで迫力があるね。
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【 Limited Express ""Ise-Shima Liner" (Kintetsu Railway) 】
12:02発,近鉄名古屋ゆきの「伊勢志摩ライナー」で鳥羽から松阪まで26分(停車駅は,五十鈴川,宇治山田,伊勢市)。(対面式の)ツインシートを利用しました。写真はサロンシートです。
鳥羽―松阪の運賃・特急料金は,ひとり片道 1,230円。デラックスシート利用の場合はデラックス料金 210円が加算されますが,ツインシート(2名利用)とサロンシート(3-4名利用)については,レギュラーシートと同額で利用できます。特急を利用しない場合は 710円,鳥羽~松阪間はJR参宮線も利用できます(680円)。
ツインシート,サロンシートはリクライニングはできませんが,背もたれが高くてゆったりと座れます。座席背面に荷物棚があります。
松阪到着後,タクシーで【旧長谷川治郎兵衛家】へ。松阪は「まつざか」ではなく「まつさか」と濁らないのが正式、松阪牛も「まつさかうし」もしくは「まつさかぎゅう」。 -
【 Former HASEGAWA Residence in Matsusaka, Mie Pref. 】
https://matsusaka-rekibun.com/
口コミに,以下の旧長谷川邸に関する内容(比較的詳細です)の概略版を投稿しています。
https://4travel.jp/dm_shisetsu_tips/15260335
国指定重要文化財【旧長谷川治郎兵衛家】は松坂城の城下町に位置し、敷地西側の魚町通りに面して34間幅(約61m)の間口を有する。敷地面積は 4,688㎡ (1,418坪)。全国的にみても有数の豪商の屋敷構えである。松阪駅から徒歩12分(850m)程度。
▼主屋は「厨子二階(つしにかい)」と呼ばれる天井の低い二階建て。袖壁(そでかべ)の上に本梲(ほんうだつ)が上がる。左手(南側)に▽表蔵を見ながら玄関をくぐると,奥(西側)に向かって通り土間が続き,そのさらに奥に土蔵が4棟並ぶ(▽米蔵,▽大蔵,▽新蔵,▽西蔵)。
以下,文化庁『国指定文化財等データベース』から引用。
『長谷川家は,江戸大伝馬町で木綿問屋を営んだ松坂を代表する豪商で,住宅は旧松坂城下の町人町に所在する。主屋の中心部と大蔵が江戸時代中期に建てられ,その後,両側の敷地を順次取得して拡張するとともに,座敷の増築や,土蔵群の建築が行われ,明治期には背面側の広大な敷地を購入し,庭園が築かれた。
旧長谷川家住宅は,江戸時代中期に遡る主屋の主体部を中核として,家業の隆盛とともに拡張と充実を遂げた大型の町家建築で,豪壮な屋敷構え全体が良好に保存されている。伊勢における江戸店持ち商人の住宅の発展過程が明瞭に理解される遺構として価値が高い。』(引用終わり)じっくり見学したい江戸店(えどだな)持ち伊勢商人の豪壮な屋敷構え by たっくん&ゆうすけさん旧長谷川治郎兵衛家 名所・史跡
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旧長谷川家住宅 建物配置図
画像出典:松阪市ホームぺージ
https://www.city.matsusaka.mie.jp/site/culture-info/kyuhasegawatei-siteihani.html
この平面図では,上がほぼ北で,右(東)が町人の魚町側,左(西)が武家の殿町側になる。魚町と殿町を「背割下水」が分けている。「離れ」だけが他の棟と比べて角度にして約20°ほど振って建てられているのは,松坂城を借景とするためである(現在は見えない)。
古いものから順に並べると,旧長谷川邸の
▼主屋(江戸中期,1661-1750年)
▽大蔵(江戸中期,1721年)
▽新蔵(江戸中期,1735年)
▽米蔵(江戸後期,1768年)
▽西蔵(江戸末期,1830-1867年)
▼離れ(座敷棟と茶室棟)(明治28(1895)年)
▽表蔵(明治35(1902)年)
▼大正座敷(大正3(1914)年)
の8棟が,国の重要文化財に指定されている。文化財指定名称は「旧長谷川家住宅(三重県松阪市魚町)」。
また,袴附(はかまつけ),表塀,中門及び中塀,庭塀,物置,稲荷社,四阿(あずまや)などが,附(つけたり)指定を受けている。袴附とは,露地(茶庭)で来客が最初に寄り付き,衣装を調えるための小間をいう。じっくり見学したい江戸店(えどだな)持ち伊勢商人の豪壮な屋敷構え by たっくん&ゆうすけさん旧長谷川治郎兵衛家 名所・史跡
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『東都大伝馬街繁栄之図』 歌川広重(1797-1858)
画像出典:国立国会図書館デジタルコレクション
https://dl.ndl.go.jp/pid/1307610
長谷川家は、三井家(呉服商),小津家(紙問屋),長井家(木綿問屋)などともに,松阪を代表する江戸店(えどだな)持ちの豪商。
3代政幸(1645-1740)は,1675年に「丹波屋治郎兵衛」を名乗って江戸大伝馬町1丁目で木綿商を始めた。本店,本店の隣の新店(しんだな),向店(むかいだな),分家の南家亀屋と西家戎屋を含め、1783年までには江戸で5店舗を構えたが,代々の治郎兵衛自身は松坂にとどまって,松坂から江戸に指示を出した。
広重の『東都大伝馬街繁栄之図』は,現在の旧日光街道・日本橋本町3丁目付近。道の両側手前に「はせ川」と染め抜かれた暖簾が描かれている。「はせ川」の「は」は,「波」ではなく「者」の草書体(漢文で助字「者」を,日本語の助詞「は」と読み下したことに由来)。
『東都大伝馬街繁栄之図』の右手(北側)奥には,松阪商人・小津清左衛門長弘が開いた紙問屋「小津屋」もある。現在でも和紙専門店「小津和紙」が,この創業の地で営業を続けている。 -
[主屋の通り土間,くど]
最も古くから長谷川家の敷地であった▼主屋主体部の「通り土間」と「竈(くど)」。
長谷川家の隆盛とともに,魚町通りに面した短冊状の土地が買い増されていった。明治期に入ると,かつて紀州藩勢州奉行所の置かれていた殿町側の広大な土地を取得,回遊式の庭園も整えられた(松坂は紀州藩の飛び地であった)。じっくり見学したい江戸店(えどだな)持ち伊勢商人の豪壮な屋敷構え by たっくん&ゆうすけさん旧長谷川治郎兵衛家 名所・史跡
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[主屋・大座敷,大正座敷広間]
口コミに概略版を用意しています。
https://4travel.jp/dm_shisetsu_tips/15260335
(写真左上)
▼主屋の大座敷。▼大正座敷が増築されるまでは,長谷川邸で最も格式の高い座敷であった。床,床脇に面皮柱(めんかわばしら)が用いられている。
(写真右上)
▼主屋・大座敷の西側の庭で,かつ,▼大正座敷の次の間の南側の庭である。大正座敷の南側から西側にL字型に広がる大正座敷庭園の一部。
逆S字状のカーブを描く飛石に,蹲踞や織部灯籠が配され,写真奥で右手に折れ曲がって大正座敷広間および次の間の正面(西側)の庭へと続く。写真の左手は角屋(便所・浴室)であり,右手が大正座敷の次の間である。
(写真左下)
▼大正座敷の正面(西側)の庭。▽新蔵(左)と▽西蔵(中央)が庭塀越しに見える。飛石の分岐点の踏み分け石には,伽藍石(寺院の柱を支えた礎石)が用いられ,薄いピンク色を帯びた本御影石の沓脱石も洒落ている。
(写真右下)
長谷川邸で最も格式の高い▼大正座敷広間。写真奥に向かって,畳廊下,八畳間,玄関(表の間)が続き,右手には次の間がある。大正座敷は,昭和戦前期までは皇族の方々の休憩・宿泊にも使用された。じっくり見学したい江戸店(えどだな)持ち伊勢商人の豪壮な屋敷構え by たっくん&ゆうすけさん旧長谷川治郎兵衛家 名所・史跡
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[大正座敷広間の床の間と床脇]
▼大正座敷広間には,檜の床柱を立てた一間半の床,右側に違い棚,左側には半間の踏込床と付書院。質実でありながらも風雅な設えである。
床の間に掛かるのは複製ではあるが,
国指定重要文化財『絹本淡彩離合山水図』 三幅
伊孚九(いふきゅう)筆/自賛がある
中国 清時代
原画は,松阪市文化財センターに保管されている。じっくり見学したい江戸店(えどだな)持ち伊勢商人の豪壮な屋敷構え by たっくん&ゆうすけさん旧長谷川治郎兵衛家 名所・史跡
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[大正座敷広間と次の間]
▼大正座敷広間の南側の「次の間」から広間を見通す。欄間の繊細かつ精緻な細工も目を引く。じっくり見学したい江戸店(えどだな)持ち伊勢商人の豪壮な屋敷構え by たっくん&ゆうすけさん旧長谷川治郎兵衛家 名所・史跡
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[大正座敷の玄関と八畳間]
▼大正座敷の西側の「玄関(表の間)」から「八畳間」,畳廊下,大正座敷広間,大正座敷庭園を見通す。皇族の方々も,この玄関から大正座敷に出入りされた筈である。じっくり見学したい江戸店(えどだな)持ち伊勢商人の豪壮な屋敷構え by たっくん&ゆうすけさん旧長谷川治郎兵衛家 名所・史跡
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『花鳥図』(六曲一双の右隻)
岡本春堂 画 大正期じっくり見学したい江戸店(えどだな)持ち伊勢商人の豪壮な屋敷構え by たっくん&ゆうすけさん旧長谷川治郎兵衛家 名所・史跡
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[表庭と貴人口]
大正座敷庭園とは反対側にある玄関を出ると,魚町通りに面した表庭。この表庭にはかつて裏千家の茶室を写した「今日庵」と呼ばれる茶室があった。写真左手には袴附(はかまつけ),奥右手には待合も残っている。
正面の木塀を取り外して貴人口としたが,魚町通り側は板塀で隠されており,通りからはわからない造りになっている。皇族もこの貴人口を使用されたのであろう。じっくり見学したい江戸店(えどだな)持ち伊勢商人の豪壮な屋敷構え by たっくん&ゆうすけさん旧長谷川治郎兵衛家 名所・史跡
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[土蔵]
(写真左上)
最も新しい▽表蔵(明治35(1902)年)。唯一,魚町通りに面して建てられている蔵である。
(写真右上)
最も古い▽大蔵(1721年)。土蔵内部が公開されており,千両箱などの展示がある。
(写真左下)
武家の殿町と町人の魚町を区切る背割下水と中塀。写真左手の殿町側敷地は,長谷川家が明治期に入ってから購入し,回遊式庭園を造営した。
(写真右下)
左から,殿町側敷地から見た▽西蔵(江戸末期),大蔵に次いで古い▽新蔵,▽大蔵。西蔵は大正座敷の造営に伴い90° 回転させられ,新蔵は殿町側に約4m曳家された。じっくり見学したい江戸店(えどだな)持ち伊勢商人の豪壮な屋敷構え by たっくん&ゆうすけさん旧長谷川治郎兵衛家 名所・史跡
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▽米蔵(江戸後期)の蔵前には駕籠(かご)が吊るされている。
じっくり見学したい江戸店(えどだな)持ち伊勢商人の豪壮な屋敷構え by たっくん&ゆうすけさん旧長谷川治郎兵衛家 名所・史跡
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[殿町側敷地の庭園]
(写真左上)稲荷社
(写真右上)回遊式築山池泉庭園
(写真左下)四阿(あずまや)
(写真右下)▼離れ
正直申し上げて,回遊式庭園の手入れにはもっとカネをかけないと,見栄えがよろしくない。年間数百万円はかかるのかな。現在は松阪市の所有だと思いますが,頑張って欲しいものです。じっくり見学したい江戸店(えどだな)持ち伊勢商人の豪壮な屋敷構え by たっくん&ゆうすけさん旧長谷川治郎兵衛家 名所・史跡
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[大蔵の展示室より]
『江戸呉服太物大商人名集番附』
(えど ごふく ふともの おおあきんど なあつめ ばんづけ)
「太物」とは,絹の呉服に対して,綿・麻など太い糸で織られた生地や着物を指す。番付では「丹波屋(長谷川)治郎兵衛」が西の大関。行司に「越後屋(三井)八郎右衛門」など,大手呉服商の名前もみえる。
旧長谷川邸から徒歩3分の伊勢街道沿いには,「三井家発祥地」がある。じっくり見学したい江戸店(えどだな)持ち伊勢商人の豪壮な屋敷構え by たっくん&ゆうすけさん旧長谷川治郎兵衛家 名所・史跡
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《企画展「長谷川家で涼を味わう-夏を彩る扇と団扇-」より》
『恵比寿講扇子』 江戸後期
商売繁盛を祈願する年中行事「恵比寿講」で使われたもの。じっくり見学したい江戸店(えどだな)持ち伊勢商人の豪壮な屋敷構え by たっくん&ゆうすけさん旧長谷川治郎兵衛家 名所・史跡
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《企画展「長谷川家で涼を味わう-夏を彩る扇と団扇-」より》
『扇面貼交屏風(せんめん はりまぜ びょうぶ)』 江戸後期
(左上は『墨竹図扇面』 円山応震(1790-1838) 画)じっくり見学したい江戸店(えどだな)持ち伊勢商人の豪壮な屋敷構え by たっくん&ゆうすけさん旧長谷川治郎兵衛家 名所・史跡
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『御所解(ごしょとき)模様打掛』 大正期
四季の草花,御所車,檜扇などがあしらわれた打掛。じっくり見学したい江戸店(えどだな)持ち伊勢商人の豪壮な屋敷構え by たっくん&ゆうすけさん旧長谷川治郎兵衛家 名所・史跡
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『扇型硯箱』 昭和期
じっくり見学したい江戸店(えどだな)持ち伊勢商人の豪壮な屋敷構え by たっくん&ゆうすけさん旧長谷川治郎兵衛家 名所・史跡
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【 Remains of MOTOORI Norinaga's Residence 】
旧長谷川邸から徒歩すぐの魚町通りにある国指定特別史跡【本居宣長宅跡】。本居宣長(1730-1801)の居宅は松坂城跡に移築されており,書斎の名を取って「鈴屋」の名称で親しまれています。文化財指定名称は「本居宣長旧宅 同宅跡」。本居宣長宅跡 名所・史跡
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【 Gyugin Honten (Sukiyaki) 】
https://www.gyugin-honten.co.jp/
「和田金」とともに,松阪を代表する牛肉店【牛銀本店】。すきやき・汐ちり・水だき・あみやきのお店です。明治35(1902)年創業,創業者は小林銀蔵。
場所は魚町通りの旧長谷川邸の並びで,長谷川邸から徒歩1分。本店の向かって左側には「洋食屋牛銀」があります。牛銀本店 グルメ・レストラン
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玄関に掲げられた「青柳楼」の扁額は,柳のように低頭するという経営姿勢を示しているそうです。
13時からの予約で,二階の個室に案内していただきました。牛銀本店 グルメ・レストラン
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「特産松阪牛」を用意できましたとのこと。「特産松阪牛」とは,松阪牛の中でも,兵庫県産の子牛を導入し松阪牛生産区域で900日以上肥育した雌の未経産牛をいいます。松阪牛全体の数%だけだそうです。
三重県松阪食肉公社のサイトで個体識別番号から調べてみると,
・令和4年1月26日に兵庫県南あわじ市に生まれ,
・令和4年10月18日から1022日間,伊勢市で肥育,
・令和7年8月5日(生後1287日)に屠畜された
黒毛和種の雌牛「まり」号。ありがたくいただきました。牛銀本店 グルメ・レストラン
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総額ひとり19,800円の「楽」というコース。一人前の松阪牛は 120g,写真は二人前です。ご飯,味噌汁,香の物が付きます。
中居さんが砂糖と醤油,野菜を焼くときには出汁も使って,終始作ってくれます。野菜に人参が入ってるのも特徴(大阪や京都では人参が入ってることはないな)。松阪牛の甘くてコクのある和牛香と,とろけるような不飽和脂肪酸の旨みを堪能いたしました。
酒も飲まずに食ったので,M君と二人でものの30分ほどで完食!です。
肉は比較的分厚くスライスされており,肉も野菜も「焼く」スタイル。前菜もデザートも付きません。松阪牛そのものを,目と鼻と舌で素朴に味わうことに徹した名店です。牛銀本店 グルメ・レストラン
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【 "Usaginokoya" (tea cafe) 】
すき焼きの後は,牛銀本店の向かい側の【うさぎの小屋 暮らしの道具と日本茶カフェ】へ。建物は町家(薬屋さん?)を改造したもの。けっこう暑かったので,デザートに「綿氷(わたごおり,牛乳のかき氷)」をいただきました。
M君は,
■ほうじ茶/静岡県産ほうじ茶・蜂蜜使用(品種茶セット 1,650円)を。お茶も温かいほうじ茶・やぶきた品種(写真右上)を選択。ドライフルーツ付き。
おれは,
■抹茶/静岡藤枝抹茶使用(綿氷単品 1,250円,写真左下)を。
綿氷はもう一種類あり,
■黒蜜きな粉/沖縄県産黒糖・丹波黒豆きな粉使用
ザクザクした感じはなく,粉雪のごとく軽くて淡い食感に,さっぱりとした甘み。清少納言のいう「あてなるもの」か…。
『削り氷(ひ)に あまづら入れて あたらしき鋺(かなまり)に入れたる(枕草子・第四十二段)』
あまづら:甘葛 -
こちらは伊勢茶で統一された品種茶のメニュー。
おすすめは,奈良県と接する三重県大台産の「かりがね茶 やぶきた品種」ということでした。 -
【 Former OZU Residence 】
https://matsusaka-rekibun.com/
1653年に江戸の大伝馬町で小津屋紙店を創業した小津家の本宅【旧小津清左衛門家】。みごとな梲(うだつ)が上がっています。旧長谷川邸のある魚町通りの1本東側の伊勢街道沿いで,長谷川邸から徒歩4分。
伊勢街道の並びには【三井家発祥地】もあります。【旧小津清左衛門家】から徒歩2分,【旧長谷川治郎兵衛家】から徒歩3分。旧小津清左衛門家 名所・史跡
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【 Birthplace of the MITSUI Family 】
【三井家発祥地】は,江戸前期の1674年,江戸本町1丁目に「三井越後屋呉服店(後の「三越」)」を開業した三井高利(1622-1694)の生家跡です。三井家発祥の地 名所・史跡
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【 Yanagiya Hozen (Japanese Confectionery) 】
https://yanagiya-houzen.co.jp/
創業450年。安土桃山時代の1575年創業の御菓子司【柳屋奉善】。初代は蒲生氏郷(1556-1595)に仕えた近江商人で,氏郷とともに近江日野から伊勢松坂に移ったそうです。
店舗は松阪牛の「和田金」さんのビルの隣です。松阪駅から徒歩7分,旧長谷川邸から徒歩4分。柳屋奉善 グルメ・レストラン
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銘菓「老伴(おいのとも)」をバラで購入。
■老伴 (215円)
■老伴 栗きんとん (398円)
■芳翠園抹茶の老伴 (270円)
歯触りのよい最中に上品な甘みの寒天状の餡。はちみつ,いちじく,餡バターの老伴もありました。最中の紋様は「飛鴻延年」,翼を広げた「鴻(おおとり)」に右から「延年」と記されています。延年とは長寿の意です。
老伴(おいのとも)という銘は,白居易の詩『問秋光』の一節から採用したものだそうです。
淡交唯對水 老伴無如鶴
[淡交は唯(た)だ水に對し,
老伴(ろうはん)は鶴に如(し)くは無し。]柳屋奉善 グルメ・レストラン
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【 Matsusaka Walking Map 】
街中で見つけた【松阪まちあるきマップ】
https://www.matsusaka-kanko.com/modelcourse/ -
【 Seiko-ji Temple 】
松坂城を建設した武将・蒲生氏郷の菩提寺【清光寺】。豪商・長谷川家の菩提寺でもあるそうです。松阪駅から徒歩3分,柳屋奉善や和田金から徒歩5分,旧長谷川邸から徒歩8分。 -
画像出典:三重県ホームぺージ 文化財保護課(令和6年3月16日付)記事
https://www.pref.mie.lg.jp/TOPICS/m0046300300.htm
同 関連資料「国宝・重要文化財(美術工芸品)の新指定概要」
https://www.pref.mie.lg.jp/common/content/001124204.pdf
清光寺の国指定重要文化財『木造阿弥陀如来及脇侍坐像 附 木造観音菩薩坐像』。
本堂中央の「木造阿弥陀如来坐像」は,既に明治45(1912)年に重文に指定されていますが,令和6(2024)年8月27日,同じく平安後期の作と考えられる,向かって左側の『木造勢至菩薩坐像』が重文に追加指定。同時に,江戸時代の補作と考えられる,向かって右側の『木造観音菩薩坐像』も附(つけたり)指定を受けました。 -
15:00発の伊勢志摩ライナーで帰路につきます。松阪から大阪難波まで92分(停車駅は,伊勢中川,榊原温泉口,伊賀神戸,名張,榛原,大和八木,大和高田,鶴橋,大阪上本町)。デラックスシートを利用しました。
「伊勢志摩ライナー」の運賃・料金(松阪~大阪難波)は,デラックス料金 320円を含め,ひとり片道 3,540円。
15年ぶりの伊勢志摩,そして初めての松阪への旅も大団円です。
『観光特急「しまかぜ」で行く伊勢志摩『御宿The Earth 』プールスイート宿泊記』はこちらからご覧ください。
https://4travel.jp/travelogue/12007532松阪駅 駅
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