2025　サマルカンドでタイルを撮りたい！②（タシケント編）

2025/09/03 - 2025/09/11

ずいぶん昔から知ってはいた青の都。しかし中央アジアの壁は高く、テレビで見ているだけだった。
それが、仕事で滞在していた方のブログを読んだり、テレビ番組で大きく取り上げられたりして、個人旅行で行けるかも…
この先にチャンスは少ないと思い、2ヵ月前にチケットを購入した。

一番の目的は美しいタイルのアップの写真を撮る事。全体を写した写真はネット上にあふれているがアップは少ない。
それを元に刺繍の図案を起こして作品を作りたいのだ。足腰が弱くなって旅行に行けなくなっても刺繍はできる。老後の楽しみだね。知り合いは機織りの図案にしたいと言っていた。やはり惹かれるものがあるのだろう。

シニア女性のひとり旅、今回は安心安全を一番に予定を組み立てていく。

エリア タシケント(ウズベキスタン)

2025/9/3（水）　成田 ～ 仁川 ～ タシケント
いよいよ出発。久しぶりのひとり旅なのでいつものドキドキ＋アルファ。
前回のチェコ旅と同じ33Lのリュックとショルダーバッグ、合わせて8㎏くらいかな。旅行日数が変わっても持ち物ってあんまり変わらない。夏旅に限るけどね。

9:00発のアシアナ航空仁川行きはほぼ満席っぽい。2時間10分のフライトなのに機内食が出た。CAさんたちは大忙しだ。
ほぼ真西に飛んで仁川に定刻到着。トランファーエリアまで結構歩かされた。パスポートの読み取りとセキュリティーチェックを抜けるとすぐ3階へ上がって出発エリアだ。乗り継ぎが4時間以上あるのでプライオリティパスを使ってアシアナビジネスラウンジでゆっくり待つことにする。
1時間くらい前にゲート前へ移動したのだが、馴染のない系の顔立ちがいっぱい。アラブ系でもなくアジア系でもなく。調べたらウズベキスタンはトルコ系が多いらしい。
飛行機に乗り込んでからが大変だった。帰国すると思われるトルコ系の顔立ちの男性たちがあっちへウロウロこっちへウロウロ。私は真ん中のブロック4席の右端、左3席は空いていたはずだ。しかし左端の席に男性が座り込んで2席を占領した。何とか楽に過ごせるようにと空いている席を求めてわいわいやってるのだ。自由だな～。CAさんたちは何も言ってこないからいつもの事なのかもしれない。
タシケントまでは8時間弱だけどそんなに長くは感じなかった。2席使えて足を上げることができたしヨーロッパ線に比べれば...
到着の1時間前に軽食が出た。箱に入った熱々のピザ！これが結構おいしかった。
定刻にタシケント到着。なかなかきれいな空港だ。ずいぶん歩かされたけど入国審査の窓口がたくさん開いていて5分もかからず通過。目の前が荷物受け取りエリア。壁際にあったATMでキャッシングしようとしたが金額の指定ができず断念。
そして出口のところにはたくさんのお迎えの人たちが。迎えを頼んであるのでホテル名のボードを探すもすぐには見つからず。私は紙にマジックで書いたホテル名を自分から掲げて逆指名。それでも会えずウロウロしていると知らん人が、あっちにいたよと教えてくれた。無事に会えたので逆指名ボードの効果があったということか。
空港前の駐車場は大混雑。広い道路に出たらすごい車の量に驚く。
ホテルまで10分以上かかったかなあ、スムーズにチェックインして5階の部屋に落ち着いた。エアコン、冷蔵庫、湯沸かしポット、コーヒー・紅茶、スリッパ、バスアメニティ完備、硬いがティッシュもある。広くてきれいで文句なし。ただバスルームに換気扇がないのでちょっと匂うかな。
Clouds Hotel（Booking.com）

2025/9/4（木）　タシケント
昨夜は12時ころ寝たのだが6時間ぐっすり寝られた。時差4時間って楽だな。
天気予報を見て驚いた。東京より気温が高い！湿度が低いので日影はいいが直射日光には気を付けにゃ。
朝食はなかなか豊富な取り揃えだが見慣れぬ物が多い。食べられそうな物を少しずつ試す。フルーツが豊富でどれも甘い。ブドウなど本当に甘い。緑のブドウはまるでシャインマスカットだ。焼き菓子系はどれも甘いものでみっちりぎっちり詰まっているものが多かった。

朝食室のテレビチャンネルが良かったので設定の仕方をレセプションへ聞きに行った。そうしたら部屋まで行くと言う。ちょっと驚いたが部屋のドアを開けたままリモコンの設定をしてもらった。翻訳アプリのお陰で何でも聞ける。

さあ出かけるぞ！今日のミッションは3つ。①ヤンデックスのアプリを使えるようになる　②駅でチケットをキャンセルする　③キャッシングをする
まずは駅まで行ってチケットのキャンセルをする。
レセプション前でヤンデックスのタクシーを呼ぼうとアプリと格闘するがいまいちスムーズに行かない。親切だったレセプションのスタッフに教えてもらって何とか設定できた。そして覚えたぞ。
ホテル前で待っていると車がやって来た。アプリに表示されているナンバーと同じであることを確認して合図した。「ハロー」と言って乗り込む。窓の外を眺めながら黙って座っていたが、周りはすごい渋滞だ。さすが中央アジア一番の大都市。列車に乗るため明朝も駅に行くが、ちょっと余裕持って出発した方がいいなと思った。

2025/9/4（木）　タシケント　列車チケットの払い戻し
駅舎らしき建物の前で停まったタクシー、「サンキュー」と言って降りるだけ。
駅舎の左端がチケットオフィスだ。がらんとした部屋の中央にインフォメーションがあったのでキャンセルしたい旨を告げると、左側にずらりと並ぶ窓口の一番奥を指さした。列の2番目に並ぶ。後から並ぶ人たちもみな旅行者みたいだ。
印刷してきたチケットを出し、キャンセルしたいとスマホ（翻訳アプリ）を見せる。しばらくカタカタやってからプリンターから出てきた紙を差し出してきて数字のところにビッと線を引いた。これで終わりみたいだ。クレジットで払ったのでそこに戻るらしい。
まったく読めないのでインフォメーションの人に、この数字は返金額を表しているのか？と聞いたらそうだと言う。手数料としては200円くらいか。ちゃんと返金されたらラッキー、ぐらいの気持ちでいる。ミッションクリア。

外に出て階段を降りたところにBOX型のATMがあったのでキャッシングにトライ。ここでは金額指定ができた。よし。4,000,000スム（5万弱）を指定したら200,000スム札がバババババ...っと出てきた。現金払いのみのホテル代、入場料、飲食代を計算しての金額だ。しかし分厚い。
ミッションクリア
この時点までスム一文無しだった私、なかなか図太くなったものだと自画自賛。笑

2025/9/4（木）　タシケント　ウズベキスタン国立応用美術館
ATMから出てきた私を待ち構えていたのが客引き。「タクシー？」「タクシー？」と控えめな声を掛けてくる。ノーノーと断ってちょっと離れたとことからヤンデックスアプリを開く。次の目的地はウズベキスタン国立応用美術館だ。「どこから？」は既に現在地が示されているので「どこへ？」をタップして地図を開く。が、この地図がほんとわかりずらい。街が頭に入っていないのもあるけど地図には番地だけで建物の名前とかがないのだ。グーグルの地図と見比べながら降車地を探して行く。やっと設定が終わって待つこと数分。タクシーが来た！ミッションクリア

そろそろかな、と思っていたらドライバーが何か言ってきた。どうやら指定の場所がおかしいとか無いとか。えーっ？グーグルマップを開き美術館をタップして画像を見せたらわかったらしくまた走り出した。
無事到着出来てほっとした。入場料40,000スムを払って中に入る。
そこは中庭で、おばちゃんたちが伝統的と思われる踊りを踊っていた。取り囲んで見ている観光客。それを尻目に右の建物へ入る。

2025/9/4（木）　タシケント　ウズベキスタン国立応用美術館ト
目の前にはアドラス柄の織り機。確か柄の染めは縦糸だけだったと...

2025/9/4（木）　タシケント　ウズベキスタン国立応用美術館
街角で見る柄とは違い凝ってますな。

2025/9/4（木）　タシケント　ウズベキスタン国立応用美術館
スザニ刺繍の壁掛け（19世紀の作品）
生地は木綿、刺繍糸は絹、ハンドメイド

2025/9/4（木）　タシケント　ウズベキスタン国立応用美術館
絹糸の光沢、そして針目の美しさよ！

2025/9/4（木）　タシケント　ウズベキスタン国立応用美術館
「孔雀」（1961年）　ベルベットに絹糸で刺繍（機械）

2025/9/4（木）　タシケント　ウズベキスタン国立応用美術館
手刺繍された帽子たち
クロスステッチやビーズ刺繍など手法もさまざま。

2025/9/4（木）　タシケント　ウズベキスタン国立応用美術館
隣の建物に来た。おおっ、天井も壁も美しい！

2025/9/4（木）　タシケント　ウズベキスタン国立応用美術館
壁というか柱にあったレリーフ。
これで何か作品できないかな～。レリーフを表すのにクロスステッチでは難しいしオリジナルな方法で...とか色々考えこんでしまった。

2025/9/4（木）　タシケント　ウズベキスタン国立応用美術館
装飾の施されたナイフなど

2025/9/4（木）　タシケント　ウズベキスタン国立応用美術館
いったん外に出ると中庭の端にザクロの木が。ザクロってでかいな。直径7～8cmくらいはある。
スザニ刺繍のモチーフに多用されるザクロ。ザクロは子孫繁栄や豊かさ、豊作の象徴とされているらしい。
この美術館では、織物、刺繡、木彫、彫金、細密画などの細かい手仕事の作品を見ることができた。なかなか間近で見る事のない文化に刺激を受けた。

2025/9/4（木）　タシケント　アブドゥルカシム・マドラサ
またヤンデックスを呼んでアブドゥルカシム・シェイク・マドラサへ移動した。
マドラサとは昔神学校だったところだ。今は中庭に面したたくさんの小部屋に職人たちが作業をしながら作品を販売しているようだ。細密画や彫金など実に細かい手仕事だ。

2025/9/4（木）　タシケント　アブドゥルカシム・マドラサ
作業をしばらく見せてもらった。
土台の箱に下絵が書いてあって、ある部分にだけ筆で接着剤を塗っている。しばらく乾かしてから接着剤の部分にペラッペラな金色のシートを押し付けてパリっとはがす。なるほど、金彩の部分はこのようにしてできあがるのか。この後彩色していくのだろうが本当に細かい。日本人も器用だと思うけどこちらの人もスゴイ。
商品に値段が付いているのを見たことが無い。すべて交渉なのだろう。素晴らしい作品だとわかるが、家に置いといてもな～。記憶と写真だけでいいか。
（画像の物で10cm角くらいだったかな）

2025/9/4（木）　タシケント
マップで調べて近くのウズベキスタン茶屋へ行ってみた。
乾燥しているとはいえ暑い。日影を選んで歩く。
15分ほどで着いた店は地元の人で大混雑。それでも席にはつけたのでレモンティーとトマトのサラダを注文した。運ばれてきたポットの蓋をあけてびっくり。6分の1カットのレモンがそのまま浮いている。喉が渇いていたのでゴクゴク飲んだ。
サラダはヨーグルトソースのようで味が薄い。
飲んで休んで回復したがチョルスーバザールへ行くことは止めてホテルに戻ることにした。支払いをしようとレジへ行くがレジ前にわちゃーっと人がいてちゃんと並んでいない。横入りもあるし。
午後1時過ぎ、そしてまたヤンデックスタクシーを呼んだ。

2025/9/4（木）　タシケント
タクシーを降りて目の前の小さな店でペットボトルを購入。
かいた汗はすでに引いていたがシャワーを浴びてスッキリ。パジャマでごろごろするが何だか休まらない。さっき買った冷えたレモン水（甘かった）を飲んだら落ち着いた。常に水分だな。だけどお腹が重く感じているのがちょっと心配。

昼寝をして午後6時を過ぎたので夕食に出かけることにした。
ある方のブログで知ったラグマンの美味しいお店 ANOR。広い店内はそれほど混んでいなかった。ガラスの向こうで麺を打っているのが見える。右の人が糸で言えば紡ぐ役、左の人がカセにして頭上からダァン！とまな板に麺を打ちつけてのばす。ガラスには水が流れていて清涼感とぼかしのダブル効果だ。

ラグマンとは具だくさんのうどん。注文したチキンラグマンはスパイシーなスープも飲みやすく麺がもっちもちでとても美味しかった。お茶を飲みながら完食。小サイズだけどお腹いっぱいだ。帰国前にもまったく同じメニューを食べたので画像は下の物を参照して。

夕食を食べるだけなのに往復ともタクシーを使うだなんて...ゼイタク。
明日は朝から駅に行って列車でサマルカンドへ移動だ。
（サマルカンド編につづく）

2025/9/9（火）　サマルカンド ～ タシケント
（サマルカンド編からのつづき）
20時過ぎにタシケント駅に着き、サマルカンドから戻って来た。
早速ヤンデックスで宿まで行こうとするがマップがわかりにくくて呼ぶのに時間がかかった。そして指定の場所に着いたが...ドライバーも心配する程の薄暗い小道。えええ～なにコレ？！ほんとにココなの？ちょっと先に別のホテルが見えて明るい。そこで降りてスマホで確認しているとそこのホテルの人が親切に検索してくれたがわからず。わざわざ電話もかけてくれたが出ず。私もメッセージ欄から連絡入れてみたが返事なし。途方に暮れるとはこの事だ。Webで調べてもマップは予約サイトと同じだったので薄暗い方へ戻ってみる。小学校高学年くらいに見える男の子が声をかけてきた。ここを探している、と予約票の紙を見せたらここだよと目の前の家のチャイムをピンポン。すぐにドアが開いてオーナーが出迎えてくれた！建物には何の案内もなかったから全くわからなかった。だってフツーの家なんだもん。
いやぁ~参った。こんなに心細い思いをしたのは初めてだった。夜到着する場合は分かりやすいホテルにしようと心に誓ったのだった。
Rano's fayzli Family Guest House（Booking.com）画像はサイトからお借りした

2025/9/10（水）　タシケント ～ 仁川 ～ 成田
だけどこの宿は本当にいい。オーナーのマダムの人柄が最高だ。まるで友達の家に招かれたかのようだ。翻訳アプリを使ってお茶を飲みながらおしゃべりをする。
チェックアウトは13時となっているがお掃除をしたいので12時に空けてほしい、そのかわり夕方までダイニングにいてもいいと言われた。そもそもそんな設定にするなよと突っ込みたくなるが、フライトは21:40なので夕方までいさせてもらえるのはとても助かる。
12時に荷物を廊下に出して昼食とお土産を買うために出かける。もちろんタクシーで。大きいと思われるスーパーカルジンカへ行ってみた。
全然大きくなかった。残念。ドライフルーツやナッツを買おうと思っていたのだがまったく置いていない。今からチョルスーバザールへ行く気にもならないし。しょうがないから紅茶やチョコなどを買ってスムを消費した。
お昼ごはんはタシケント2日目に行った ANOR を再訪してまったく同じ物を注文。やっぱりウマイ。２品で65,000スム。これでスムの残りは100円くらいになった。
宿までは10分ちょっとだったのでぷらぷら歩いて帰った。

部屋はもう使えないのでダイニングでスザニ刺繡をしながらおしゃべりをして過ごす。チェックアウトした後空港へ行くまでの時間をどう過ごそうかと悩んでいたからとても助かった。
しかし、昨夜3時間しか寝ていないマダムがお昼寝すると言って2階に行ってしまった。（！）ひとり黙々と刺繍をする私。楽しい。17時を過ぎたのでお礼のメモを残しそっと出発した。
タクシーで空港へ向かうがちょっと高めの金額。思うに空港へ入るのにお金がかかるんじゃないかな。カウンターオープンまで1時間、イスにすわってまた刺繍。
時間になりチェックインしてセキュリティーを抜けた。あれ？そう言えばショルダーバッグにペットボトル入れたまんまだわ。何も言われなかったぞ。ザル？
その後はプライオリティパスを使ってラウンジで過ごした。カフェラテ飲みながらまた刺繍。プロフがあったので試しに少しだけ食べてみた。油ギッシュでギブ。食べられそうな物があんまりない。
1時間前になったのでゲート前へ移動しようと思った。B1～B4ゲートへ通じる入口があるのだがロープがあって先へ行けない。手前の待合室みたいな場所にたくさんの人がいるからみんな待ってるんだ。20分前に係員が来てZONE1から呼び出した。えー、ここでそれをやるんだ。ここを含め搭乗券チェックが3か所あった。最後のところで呼び止められる。ん？何でも私の席のモニターが壊れていると。OK 問題ない、と言うとちょっと驚いていたが、隣の3席が空いているのでそっちを使ってくれとのことだった。4席の真中ブロック、右端の席についてみるとライトが付きっぱなしで消えない。隣の席も同じだ。これでは明るくて寝られないな。モニターは動作している。壊れているのは隣の席だ。
シートベルト着用サインが消えてすぐに4席を使って横になった。多少ぼこぼこしているけどこれは楽だ。ミールもパスしてほぼ横になったまま仁川まで行った。

往路と同じトランスファーのセキュリティーを通り上の３階へ。乗り継ぎは1時間くらいしかないのですぐにゲート前に行って待っていた。おおー！機体はA380-800、２階建てのデカイ奴だ。初めて。乗り込んだアッパーデッキはほぼ満席。下のメインデッキはどうなんだろう。座席を選択する時には気が付かなかったなー。

何とか無事に帰ってこられた。出発する前までは24時間エアコン生活だったので暑さにやられた感はある。生水は飲まなかったにしてもサラダや果物を食べたのでちょっとお腹に来てしまったこともあったが大事には至らなかった。それが無ければもっと色々な食べ物を試してみたかった。まあ念願のひとつが叶ったのだからよしとしよう！
ウズベキスタンの親切だったみなさん、ありがとう！

＜　旅の費用　＞　1スム 0.012~0.013円
航空券　　　　　　　97,630
交通費　　　　　　　21,721（国内移動含む）
宿泊費　　　　　　　45,134（7泊分）
食費　　　　　　　　13,419
その他　　　　　 　　9,727（旅行保険、入場料など）
合　計　　　　　　187,631円


2025　サマルカンドでタイルを撮りたい！①（準備編）
　　　　　https://4travel.jp/travelogue/11989178
2025　サマルカンドでタイルを撮りたい！②（タシケント編）

2025　サマルカンドでタイルを撮りたい！③（サマルカンド編）
　　　　　https://4travel.jp/travelogue/11989181
2025　サマルカンドでタイルを撮りたい！④（タイル写真集）
　　　　　https://4travel.jp/travelogue/12006478