
2025/06/04 - 2025/06/06
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2025年6月4日~6日の2泊3日で千葉県北部へ行ってきました。主な観光スポットは水郷のまち佐原と香取神宮、それから成田空港近くの成田市三里塚御料牧場記念館や航空科学博物館です。いつも通り神社仏閣参りが多いのですが、それ以外に近代建築や飛行機に関する博物館見学などバラエティに富んだ観光スポットを取り入れた旅程になりました。
旅行記その3は旅行最終日、成田空港近くに点在する博物館などを見学します。成田空港ができるまで三里塚の地にあった御料牧場に関する記念館、貴賓館とそれに隣接する防空壕などの史跡の見学に続いて、空港や飛行機に関する充実した資料展示を楽しめる航空科学博物館を見学します。さらに成田空港建設に伴ういわゆる「三里塚闘争」に関する展示を行っている資料館も見学できました。あまり観光客が頻繁に訪れるような場所ではないかもしれませんが、どの館も資料は充実していて大人の社会科見学としてかなりハイレベルな楽しみ方ができる場所でした。
そして旅の最後には安食駅で途中下車して「珍スポット」をお参りして帰ります。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 高速・路線バス JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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昨日成田駅のコンビニで購入しておいたパンで簡単に朝食を済ませてしまいます。
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フロントが混雑している恐れがあったので少し早めに部屋を出ましたが、案外スムーズにチェックアウトできました。エントランスには団体ツアーの大型バスがスタンバイしています。
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ホテル前からバスで移動する予定だったのですが、少し早めに出てきてしまったので、最初の目的地、三里塚御料牧場記念館まで歩いてしまうことにしました。
千葉県道106号八日市場佐倉線を成田空港方面に進みます。通勤時間帯で交通量は多かったですが、歩道は完備されていました。道の両側には森や田畑が多く、結構楽しいウォーキングになりました。 -
三里塚御料牧場記念館に到着しました。御料牧場というのは皇室で用いられる農産物を生産している農場(牧場)のこと。
1875年(明治8年)9月、大久保利通によってヨーロッパの王族専用牧場を模して開設されたのが始まりです。1969年(昭和44年)8月、成田国際空港建設計画に伴って閉鎖され、栃木県塩谷郡高根沢町に移転しました。三里塚御料牧場記念館 美術館・博物館
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かつて御料牧場事務所があった場所が三里塚記念公園となり、その中に三里塚御料牧場記念館はあります。
三里塚記念公園 公園・植物園
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記念館が見えてきました。大正8年に牧場の事務所として建てられた建物を再現したものです。
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なんだか偉そうな人の像があります。新山荘輔さんという牧場長を務めた方でした。『日本獣医学の生みの親』と呼ばれているひとらしいです。さらに地域貢献にも熱心だったそうで、退職金の一部で新山荘輔場長奨学金制度を設立し、地域の児童のため、毎年賞を授けていたそうです。(これは1945年まで続いていました。)
まだあります。
日本では馴染みのなかった牧畜に人々が親しむことができるよう、日本人が好む桜を下総御料牧場に五万本植樹しました。昭和時代には桜の名所と知られるようになりました。
そりゃ銅像くらいは建ててあげなきゃですね。 -
館内に入るとすぐに大きなお召馬車の展示があります。
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馬の埴輪。千葉県は古墳の数が全国で4番目に多いそうで、馬の形をした埴輪も出土しているらしい。
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豚肉からソーセージを作っている写真。
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馬の解剖図。
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競走馬の生産も行っていたそうです。
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当時の看板。
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羊の飼育も行っていました。これはなかなかうまくいかなかったようだとスタッフの方が説明してくれました。
館のスタッフの方がとても丁寧に説明してくださるので、予備知識がそれほどなくても十分楽しめる博物館になっています。 -
隣にある貴賓館も希望すれば見学させてもらえます。
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貴賓館は明治8年に創設された下総牧羊場の責任者として明治政府に雇われたアメリカ人アップジョーンズの官舎として今の富里市に建てられたものでした。彼の退職後は事務所として使われていましたが、下総牧羊場が取香種畜場と合併して「宮内省下総御料牧場」となり明治21年に三里塚に移築されました。大正8年、新しい事務所の完成を機に貴賓館として改装し、各国の大公使を招待したり、皇族の宿舎として使われるようになりました。
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屋根はかやぶきです。
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裏に回ると洋風の壁があります。
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奥の部屋だけ洋室になっています。ここで偉い人達がくつろいだりしたのでしょう。
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貴賓館の裏には防空壕があります。昭和12年、中国大陸での紛争が激化する情勢の中、4月に「防空法」が公布され、国内各地に防空施設が作られ始めます。
この防空壕は昭和16年12月8日に完成しました。
ちなみに、宮内省では防空壕のことを「御文庫(おぶんこ)」と呼ばれていました。
出入り口に建屋を建築するなどの整備をして一般に公開するようになったのは平成に入ってからのことです。 -
爆風逃しの穴があります。
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中に入りましょう。
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分厚い鉄の扉。
内部のコンクリート強度は45~69(N/m㎡)これは30階以上の高層ビルに使用する強度なんだそうです。 -
主室の壁は漆喰処理がされているので、結露は発生しないそうです。
私が想像していた暗い防空壕とは全然別ものでした。さすがは「御文庫」です。 -
三里塚記念公園を出て少し早めの昼食にします。近くにバーミヤンがあったので本当に久しぶりに入ってみることにしました。
ウェイトレスさんが猫型ロボットになっていました。 -
皿ワンタンとレモンオーギョーチ。スープは飲み放題。
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五目焼きそば
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台湾大唐揚げチャーハン。
どれも大変美味しい。昔のバーミヤンよりかなり美味しくなってる気がします。 -
2481円。安い。
4月に岡山方面5泊6日、5月に東北方面4泊5日と立て続けに長い旅行に行ってしまったので、今回の旅は近距離・低予算を目指して計画を立てました。
予定通りかなり安上がりな旅になっています。 -
バスで航空科学博物館に移動します。
航空科学博物館 美術館・博物館
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ここは日本最初の航空専門の博物館として1989年(平成元年)に開館しました。
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特に飛行機に興味があるわけではないのですが、観光目的で成田まで来たからには立ち寄らなければなりません。
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大人700円の入館料は割と高めだと思いましたが、中の展示を見たら全然高くないことがわかりました。主翼・エンジンの実物や輪切りにされた客室など、興味深いものばかりです。
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飛行機が好きな子供だったら1日中遊べる施設だと思います。実際子連れ家族の姿を多く見かけました。
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世界で初めて超音速飛行に成功したXS-1の操縦席。
実際に座ることができるのですが、とにかく狭い。 -
4階はレストラン、5階は展望施設になっています。
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成田空港の滑走路や隣の宗教施設(後で行きます)などが一望できます。
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外に出てきました。
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いろいろな飛行機やヘリコプターが展示されています。それぞれの機体に関する知識がないのでボンヤリ眺めるだけですが、結構面白い。
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敷地の奥に何か建っています。「空飛ぶ学び舎ラボ」という会議場やイベントスペースとして利用できる施設のようです。私たちには関係ないのでパス。
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成田空港 空と大地の歴史館に入ります。
この博物館の設立の目的には「成田空港と地域をめぐる歴史的経緯とともに当時そこに関わった様々な立場の人々の苦悩と想いを正確に後世に伝えるため、2011年6月23日に開館しました。」とあります。成田空港 空と大地の歴史館 美術館・博物館
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若い人たちは知らないでしょうが、成田空港と言えば三里塚闘争が有名ですね。私も生まれたばかりの頃なので実際にはほとんど記憶にありません。
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空港に対して反対した人々の歴史もしっかり残すという姿勢は大切だと思いました。
三里塚闘争の教訓から、その後の公共事業における住民との合意形成の重要性が認識されるようになったそうです。 -
血なまぐさい闘争の歴史を紹介する歴史観の横では古代の埴輪たちが虚ろな目つきで飛び立つ飛行機を見つめていました。
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航空博物館の敷地からすこし外に出ます。
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芝山水辺の里という自然公園があります。
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成田国際空港株式会社の空港周辺緑化整備の一環として、空港の南側に作られた公園です。
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大きな沼があって全体が湿地になっています。
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湿地は谷の奥の方まで続いています。帰りのバスの時間があるので全部回ることはできそうもありません。
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空港の近くにこんなに豊かな自然が残っているとは知りませんでした。
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博物館の方に戻ります。
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先ほど展望室から見えた謎の宗教施設に来ました。
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どうやら気軽に入って問題ないらしい。合掌。
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日本山妙法寺成田道場という施設でした。これは藤井日達という人が創設した法華宗系の宗教団体です。世界各地で平和運動を展開していることで知られているそうです。全然知りませんでした。
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成田平和佛舎利塔。
妙法寺は「平和・非暴力」による成田国際空港建設反対運動に加わっていました。
この塔は元々滑走路の建設予定地に建てられていたものなんだそうです。
『塔に据え付けられたスピーカーからは、僧侶の読経や団扇太鼓の音が大音量で流されただけでなく、塔が障害となって計器着陸装置が使えないようになった。当時ベトナムで行われていた焼身自殺を念頭に、「平和の塔を代執行で壊すなら、自分の体に電線を巻き付け、抗議の電気自殺をする」と公言する僧侶もおり、空港建設の障害となったまま手が付けられない状態が続いた。』とウィキペディアの記事には書いてありました。
その後「空港の軍事利用を行わない」という条件で現在の場所にサイズを小さくして移転したそうです。 -
一応本堂があるらしい。
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普通の家の玄関みたいでした。
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靴を脱いで塔に登ってみましょう。
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金色の仏像が四体いらっしゃいます。
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お釈迦さまも空港建設には反対でしたか。
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成田駅に戻ってきました。JR成田線我孫子支線で東京方面に帰ります。
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駅のコンビニでお菓子を購入。
千葉の名産ぴーなっつ最中。ねっとりとしたピーナッツのあんこが美味。 -
そして千葉と言えばぬれ煎餅
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そしてすいーとぽてと。
どれも大変美味でした。 -
安食駅で途中下車します。安食で「あじき」と読みます。『新利根川図誌』に「仁平元(1151)年、度重なる水害で飢えた人々が、駒形神社を建て五穀豊穣を祈願したところ、翌年大豊作となり以来「食に安んずる」ようになったことから、安食の地名が生まれた」と書かれているそうです。
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地名の由来に関係する駒形神社は少し離れているのでパス。
今回は大鷲神社を参拝します。この階段を登れば良いはずですが、鳥居がありませんね。多分裏口から入ってしまったのでしょう。 -
階段の途中に魂生大明神(こんせいだいみょうじん)の社があります。御祭神は魂生神(こんせいしん)で五穀豊穣、縁結び、子授け、安産、夫婦和合などのご利益のある神様です。
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ご神体。日本一大きいと言われる男性器型の石像です。
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周りにも大きな木製の男根が立っています。
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子授け等を祈願して奉納される「魂生こけし」がいっぱい並んでいます。
旅の最後にとても良い珍スポットを見ることができました。 -
神社のしゅうへんの巨木もそれっぽい形でご神木になっていました。
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合体椎の木。
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さらに階段を登りましょう。
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大鷲神社に入ります。
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「お鷲様」の名で親しまれてきた神社で、毎年12月の一の酉の日を含む3日間、酉の市が行われる。福を集めるという福熊手が売られ、たくさんの人が訪れ賑わいをみせる。春日局に縁があるとされ、出世開運の守護神としても有名なんだそうです。
この日は縁日ではなかったので、参拝客は私たちだけで境内はひっそりとしていました。大鷲神社 寺・神社・教会
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賽銭箱には鷲の彫刻。
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裏の本殿を見物します。
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案内看板によると『毎年、十二月に行われる酉の市で大鷲神社境内の特設舞台で唄った当時無名に近い歌手たちが翌年のNHK紅白歌合戦に出場を果たすという不思議が続きました。それは音楽を習う姿のこの彫刻の発する神秘のエネルギーなのだろうか?又、張り出した縁回りの彫刻には筆を持って採点を付けるような神様の姿も見える。ちなみに、近年酉市舞台で唄った歌手は瀬川瑛子をはじめ三笠優子、松原のぶえ、鳥羽一郎、冠二郎等で、今は日本を代表する歌手として活躍されております。』ということでした。
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いつ頃の話なのでしょうか、いまでも売れない歌手が歌いに来ているのでしょうか。
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何にしてもここの彫刻は躍動的でかなりレベルが高いです。
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運勢・鷲の巣占い。柱上部の鷲の巣に福銭を投げて運試しをするらしい。
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境内社がいくつかあります。これは石上神社。
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魂生神が魂生神社に祀られるまで親しまれ続けた魂生旧社なんだそうです。
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力石
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「この辺りに座り目を閉じると何か不思議なパワーが」という看板が気になります。
手前の丸太に座って目を閉じましたが、特に何も感じませんでした。
今回の旅では、あんば様に始まり、佐原の八坂神社、香取神宮、成田山新勝寺、日本山妙法寺、そして先ほどの魂生大明神と、パワーあふれる寺社をたくさん巡ってきたので、すでに私の中のパワーが満タンになっていたのでしょう。 -
神社のある山の裏側に降りる道の途中に鷲之杜稲荷がありました。
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小さな祠でした。
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裏側に降りてきました。ここには鳥居がありましたが多分これは表参道ではないでしょう。
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一応西側にある大鳥居も見ておきましょう。
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安食駅に戻ってきました。
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これで今回の2泊3日の旅は終了です。
予算は1人25000くらいでしょうか。頑張れば日帰りできるエリアをわざわざ2泊してじっくりと観光したので、普通では通り過ぎてしまうようなところまで見て回れたと思います。こういう小旅行も意外と満足度が高くて良いものです。
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