「安藤忠雄展 青春」見学から梅田阪急百貨店「東洋亭」でランチ

2025/03/21 - 2025/03/21

2025年3月20日から7月21日まで、JR大阪駅前に新しくできた「グラングリーン大阪」の「VS.（ヴイエス）」で、安藤忠雄さんの展覧会「安藤忠雄展 青春」が開催されると、関西の数々の情報番組でも特集されていました。

私も凄く興味があり、奥さまに「是非行って見たいんだけど･･」とお願いし、OKとの事で開幕の翌日に二人で出かけてきました。

今回のテーマは「青春」。

安藤さん80歳を超えておられるのですが、今もなお、第一線で活躍し続けている原動力は「挑戦精神」という事で、これまでの挑戦の軌跡から、現在、そして未来のビジョンまで、安藤作品の凄さを見せて頂きました。

2017年に東京 六本木で開催された「安藤忠雄展　挑戦」以来の大規模な展示で、安藤さんの「永遠の青春」を体感することができ、運よく安藤さんも会場に居られ、ご本人による解説もお聞きすることが出来て、凄く嬉しかったです。
目の前でサインを頂いた本を手に、阪急百貨店を巡り、奥様御推薦の東洋亭でランチを頂いて、ワクワクした休日となりました。

エリア キタ（大阪駅・梅田）(大阪)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 5.0
• グルメ: 4.5
• ショッピング: 4.5

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: 自家用車 徒歩

グラングリーン大阪です。
2013年まで梅田貨物駅として使用されていた、大阪最後の一等地とも称される広大な再開発エリアの、うめきたに北街区と公園の一部が2024年9月に先行街開きし、2025年3月に南館が開業しました。

安藤さんは、うめきたエリアと大いなる関わりがあり、「大阪は緑が少ないと言われてきたが、駅前にこれだけの緑を設けた。これからも他の街にはできないことを実現し、発展して欲しい」との想いがあるようです。
うめきた公園は、約45,000m2の広さがあり、関西の財界人、政界に対し、建物を建てるのではなく、公園の重要性説き実現させた方です。

グラングリーン大阪 ショッピングモール

会場は、グラングリーン大阪内の「VS.（ヴイエス）」です。

安藤忠雄建築事務所がデザイン監修した「VS.（ヴイエス）」は、異彩を放つ２つの箱で構成されていて、「２つ」というキーワードが、VS.という様々なジャンルの人やアイデアが鼓舞し合い、「良い対峙」をしながら新たな価値や関係性を生むというコンセプトにリンクしているそうです。

それぞれが持つ創造力を、自由に解放する新しい文化装置として、いかなる革命的なアイデアやプロダクトも、作り手と受け手の相互作用があって成立するという
事を、VS.の外観で「２つ」の美しい四角の建物で表現されているようです。

内部は、外観からでは予想がつかない空間となっていて、建物地下に広がる2つの展示エリアに、安藤作品のスケッチや模型、ドローイング等が展示されています。

VS. (ヴイエス) 美術館・博物館

「VS.（ヴイエス）」前面に拡がる芝生広場には、本展のテーマ「青春」を象徴する直径2.5mの「青りんご」のオブジェがあります。

青リンゴは安藤さんにとって、青春のアイコンのようです。

安藤作品には、青リンゴのオブジェが設置されている事も多く、台座には、詩人サムエル・ウルマンの「青春」の詩と共に、安藤さんからのメッセージが刻まれています。

「人間も建築も、いつまでも青いまま、挑戦心にあふれていたい」、青春のシンボルですね。

展示は、各エリアにあるスタジオ丸々1室を使った、インスタレーション空間です。

先ず初めのエリアは、1969年から半世紀に及ぶ安藤さんの挑戦の軌跡を、230点余りのスケッチ、ドローイング、図面、模型等を通して約60のプロジェクトを紹介している「挑戦の軌跡」エリアです。

これは、安藤さんが世に出た代表作、住吉の長屋ですね。

こちらは、2015年の札幌市真駒内 滝野霊園頭大仏です。
　
モニターには、その建築の映像だけでなく、建設中の映像等が流れ、創造の軌跡を辿る事が出来ます。
雪の中から大仏の頭だけが見え、佇む姿は綺麗でした。

近年では、子どものために図書館を自ら設計し寄贈する「こども本の森」プロジェクトにも取り組んできた。青リンゴは安藤氏にとって青春のアイコンとされ、各施設には青リンゴのオブジェが設置されている。会期中は、地上の芝生広場上に直径２.５ｍの青リンゴが登場。「青春」の詩とともに台座に刻まれた安藤氏のメッセージにも注目だ。

こちらは、環太平洋大学（IPU）です。

安藤さんが手掛けた、PHILOSOPHIA（フィロソフィア）、TOPGUN（トップガン）、HARMONY（ハーモニー）、DISCOVERY（ディスカバリー）、 INSPIRE（インスパイア）という?5棟の学舎があります。

フランス パリの作品、ブルス・ドゥ・コメルスのギャラリートークを聞いていると、安藤さんの忖度ない厳しい毒舌の中に、優しい人間味溢れる「自らの情熱を貫き、青春を懸けて夢を追うこと」の想いを知ることが出来ました。

大阪で生まれ、大学や専門学校には行かず、独学で建築を学び、大阪に育てられた建築家として、民の力で橋を架け、道路を通し、市民ホールをつくって、城を建て直してきた大阪人の公共精神の遺伝子を、受け継ぎ、伝承していくという強い意志を感じました。

これまでに国内外多くの作品を手掛け、世界的な建築家になられましたが、大阪の一等地に広い緑の公園を作らせた、その行動力は驚愕ですね。

「安藤忠雄の現在」エリア。

最近作と共に、進行中の仕事を「37年目の直島」「時間をつなぐ」「つくる／育てる」「こども本の森」「都市ゲリラ2025」「大阪から」の6つのテーマに沿って紹介されています。

公民連携による運営スキームも含めて設計された「こども本の森 中之島」や、福武書店の福武總一郎氏の構想でスタートした、直島アートプロジェクトの、最初から今日まで関わり続け、「ベネッセハウス ミュージアム」や2025年5月に開館予定の「直島新美術館」等、10の作品が完成しています。

こちら、豊島プロジェクトの前でも、安藤さんのギャラリートークをお聞きしました。

生物が増殖するように成長を重ねる直島の37年に及ぶ物語を、模型と音楽、映像が一体となった空間インスタレーションで紹介されています。

日本最大規模と言われた、有害な産業廃棄物の不法投棄の部隊となった豊島を、瀬戸内海エリアの美しい自然環境を守り、豊島を昔のような緑溢れる島に戻したいという、この事件の弁護士 中坊公平氏の言葉を聞き、安藤さんは中坊氏と「瀬戸内オリーブ基金」を立ち上げ、その一連の建築プロジェクトの重要作品である豊島美術館を始め、直島のベネッセハウス ミュージアム等々、30年以上にわたり瀬戸内の数々の建築を手がけられています。

「こども本の森」プロジェクトは、未来を担う子供達に豊かな読書体験が必要と、安藤さんが設計、建設費を負担し、将来の維持メンテ費用を含めた管理体制のスキームを構築し、自治体に寄付するという活動は、大阪の中之島からはじまり、遠野、神戸、熊本で実現しています。

香川・瀬戸内で、子供達の無限の好奇心を引き出す図書館船「ほんのもり号」です。

世界の宝石とも称される、瀬戸内の島々を巡り、海・島・読書の楽しさを届ける船で、旅客船を改修し、香川県に寄贈されました。

「挑戦の軌跡」エリアには、安藤さんの代表作である北海道 トマムの「水の教会」を原寸で再現されていました。

北海道の雄大な自然を背景に、水上に十字架が浮かぶ情景をパノラマ映像で流し、実際に水を使った水盤を設置することでリアルに表現されています。

最後の「安藤忠雄の現在」エリアでは、天井高約15ｍの巨大モニターに、神々しさを感じる「光の教会」や、ラベンダーと大仏の頭という、異色の組み合わせの「真駒内滝野霊園頭大仏」、2021年に開館した、パリの現代美術館「ブルス・デ・コメルス」が8Ｋ映像が、音楽と共に映し出されました。

3月19日のお披露目会では、安藤さんから来場者へ「こんなことやるやつがおるのかと楽しんでもらえたら」とのコメントがありましたが、80を超えても関係なしに熱量が凄いです。

安藤さんは、ガン等で大きな手術を沢山受けてこられ、胆嚢、胆管、十二指腸、膵臓、脾臓を摘出していて、臓器が5つ無いのですが、それを「5つ臓器が無かったら軽くていい」と笑いに変えておられましたが、イヤイヤ凄いですよ。

ショップで、「安藤忠雄展　青春」図録を購入、安藤さんのサインと、私の名前を記入して頂きました。

安藤さんの挑戦の軌跡を辿る、304ページのハードカバーの豪華な図録です。
建築写真と、安藤さん執筆の序文、長年歩みを見つめてきた建築史家の三宅理一氏による安藤忠雄論や、作家 原田マハ氏による書き下ろしエッセイも収録されていました。

大阪駅近くの一等地、本来なら商業施設やマンションで埋め尽くされていくのが都会の常ですが、グラングリーン大阪には大きな緑の広場が残りました。

「緑」約45,000m2の都市公園が残ったのは、安藤さんとが関西経済同友会や大阪市長に働きかけたのが大きかったようです。

安藤さんは、若い頃から「暴走」し続けていたから、実現できたというような話をされていました。
中之島の子供図書館でも、公園の地下に博物館や美術館を埋め込んで文化コンプレックスにしたらどうかや、中央公会堂の中に卵型のホールつくって再生できないか、等々色々考えて10mを超えるようなドローイングを描いたり、巨大な模型をつくったり、考えてみたら途轍もないエネルギーの無駄遣いをして、それを見て「あの人間の生き方は面白い」と思ってくれる人が現れて、賛同者が集まって来るという感じのようです。

サントリーの佐治さん、アサヒビールの樋口さん、京セラの稲盛さん等等、名経営者と呼ばれる方達ほど懐が大きく、安藤さんの建築というよりも、生き方とか、何かを目指しているか、といった部分を見てくれていたと言われていました。

下段は、YUMEMITAIというイスラエル出身の主にオランダで制作を行っている、ラム・カツィール氏による作品です。

フランスを代表する現代アーティスト、ファブリス・イベール氏の「テッド・イベール」。

創立90周年記念かな、阪神タイガースのユニフォームを着ていました。

阪急百貨店でランチタイムです。

9階の「祝祭広場」は、いつもイベントで賑わっていますね。

阪急うめだ本店 百貨店・デパート

奥様お勧めの、グリルキャピタル東洋亭で頂きます。

1897年に京都で開業した洋食店で、当時は高嶺の花だった「西洋料理」の美味しさを、京都の町衆に食べて欲しいとの想いで、京都・大阪で9店舗を営業されています。

グリルキャピタル東洋亭 阪急うめだ本店 グルメ・レストラン

地域を限定した、丸ごとトマトサラダは絶品でした。

牛蒡のスープも美味しかったです。

ルミホイルに包まれ、ビーフシチューがたっぷりかかった、東洋亭ハンバーグステーキ「百年洋食ハンバーグ」が有名のようです。

東京の、ツバメグリルのようなお店ですね。

Cランチコースで頂くと、丸ごとトマトサラダ、スープ、ライスにケーキと珈琲が
セットとなります。

美味しいケーキまで頂いて、大満足のランチタイムとなりました。

お腹も一杯となり、散策していると13階に「稲荷大明神」なるものを発見。

元は阪急百貨店うめだ本店の企業内神社として祀られたもののようですが、2012年の新店舗開業に合わせて、一般の人達も参拝できるように整備されたようです。

この附近は、古くは「埋田内角田（うめだのうちかくた）」と呼ばれていた場所で、梅田の由来となったと言われています。

祭神は、京都の伏見稲荷大社から勧請された「宇迦御魂大神で、社殿は流造の銅板葺きです。

周辺は屋上庭園となっていて、ジュウガツザクラが咲いていました。

折角、梅田に出てきたのだからと奥様、恒例の阪神電車コンコースのミックスジュースを飲み、おこっぺミルクスタンドでフロートを頂き、本日の〆となりました。

今回、これまで。

オホーツク おこっぺミルクスタンド 阪神梅田本店 グルメ・レストラン