丹後木津温泉とイギリス人の仕込む日本酒の旅

2024/09/10 - 2024/09/11

　丹後木津温泉へ行きました。幾多の病故暫くご無沙汰でした。愚僧の温泉探しの旅の出発駅ともいえる木津温泉は、ご多分に漏れず行基さんの掘り当てた温泉のひとつ。
　暑すぎず温すぎず、真冬に入ると原田を動かすと風邪を引きそうな湯だが、永らく浸かっていると一時間も二時間もホカホカしてくる。人肌のような温泉です。酔客がうるさい蟹の時期、子どもが駆け回る海水浴シーズンを避けた今頃、大人の温泉が楽しめます。

エリア 丹後半島(京都)

　この木津温泉へ初めて行ったのが
　京丹後 木津温泉「ゑびすや」（2006-07-13）
「ゑびすや」は松本清張が「Ｄの複合」を執筆した旅館としても有名。木津温泉独特の、ぬるめ、刺激無し･･･と駄文で紹介していました。

　サライでも特集で取り上げています。斯様な雑誌まだあるのでしょうか。

　繰り返し人なりますが、真冬では「じっと浸かっていないと風邪を引く」という40度の温泉は、日本酒で云えば上善水のごとしというタイプ。硫黄臭だ塩分だ、高熱だと云った流行とは一線を引かれていました、故に随分鄙びた温泉街の鄙びた宿です。

　行基の湯

　ステンドグラスが美しい「静の湯｝。

　大正館玄関

　今も基本的には何も変わっていません。少し先に（西に）夕日ヶ浦という大温泉街が俄に出現しましたが、同じ町内で温泉も木津からパイプで配湯しているが出来上がった温泉街はまるで真逆です。

　ゑびす屋大正館玄関

　本館と大正館の渡り廊下。

　大正館ロビー。

　大正館二階より。

　大正館のドアキー、今は客室として利用されていない。

　旅館からすぐにある、温泉を利用した野菜などの洗い場。

直近に行っていたのが
　木津温泉「ゑびすや」からのかえり （2018-06-02）
　「和久傅」という京都の料理屋さんの女将が、出身地への貢献として「和久傅の森」という安野光雅の絵本の展示と小洒落たレストランを開設しているので、偐山頭火さん一度行かれたらと、女中頭に教示いただき立ち寄ったことがあります。

　パンフレット

　安野光雅作品より

　今回、喰いぞこねたお菓子

　今回木津温泉行の直接のきっかけは「飲み鉄本線・日本旅」で放送された、木津温泉駅からさらに数駅西に走った小天橋近くにある木下酒造有限会社の清酒「玉川」を飲みたくなったからです。イギリス出身の杜氏がこだわりの酒づくりとは！？･･･という紹介で入った番組ではイギリス人の杜氏フィリップ・ハーパー氏が登場して酒倉を紹介し、試飲を勧めて味の評価をさせる。この番組をよく見ていると面白いのが試飲の器の大きさ。プラスティック製の目薬容器から大きなぐい飲み程の大きさまで、ここでは気前よく大きな器で飲ませていた。飲み助の六角にすればこんなに嬉しいことは無い、酒の評価も気前よく上がって行く。あたり前だが見ている方も嬉しくなり、今回出かけたと云うことに相成りました。
　玉川は自宅近くでも取り寄せできるようです

　鉄ちゃんファンの端くれとして。

　北近畿タンゴ鉄道と云えば「青タン」ですね。

　春は桜を共に走る青タン。

　今回訪れた木津温泉駅、基本的には何も変わっていないが駅舎横の通路の境界明示がしっかりとするなど、町に多少の変化をもたらしているようです。

　愚僧なりのお酒の評価としては、古酒風の色が着いていますが、見かけに反して全く角の無い丸い酒でした。調子に乗ってお代わりまでいただき、良い気分で眠りました。温泉と酒は上善に限ると、寝言で行ったつもりです。
ゑびす屋中庭竹林をバックにお料理と玉川を飲む

　翌朝は和久傳の森によって孫達に菓子でも買って帰るつもりでしたが、急に帰らねばならなくなり、道中のローソン製の菓子となりました。往復路共に無料高速が作られて便利になって3時間も掛からず走れましたが、高速二車線は怖いですね。帰宅した数時間後豊岡を走る同じような高速で重大事故が起こっていましたが、ロープかプラスティックのポールの中央線はやはり危険ですね。写真は無料高速にて。


　ようこそおこし　久しぶりです　昔話する
　　　　　　　　　馴染みの宿の　懐かしいお女中　　＜偐山頭火