2023アメリカ（LA、サウスウエスト）編6 ～友だちと一緒にアリゾナのハードな過去を垣間見る～

2023/10/11 - 2023/10/11

この日は友だち夫婦の案内で半日フェニックス観光。リクエストしたのは辛いソースが買える場所、ネイティブ・アメリカンの博物館、ネイティブ・アメリカンが作ったアクセサリーが買える場所。ランチはインディアン・フライブレッドにしてアメリカ先住民尽くしの日になった。
休みをとってアテンドしてくれた友だちに大感謝である。

エリア フェニックス(アメリカ)

友だち夫婦に手作りポストカードをプレゼント。英語の先生として5年間暮らした青森の写真。数年以内に家族で日本に行く！と宣言してくれた。その時はワタクシが力になるんだぜ。

友だちの子どもたち。両親のお手伝いもしっかりやる双子ちゃんである。
パパとママの影響で任天堂のゲーム、日本のお菓子が大好き。

友だちの住む住宅街には素敵なコミュニティスペースがある。友だち宅にプールはないが、ここのプールを自由に使えるそうだ。植物園もある。

10月でも砂漠の中にある都市・アリゾナは暑い。友だちによると、夏場は絶対来ない方がいい、とのこと。住民コミュニティセンターにはクールシェアできる場所完備。しかもオシャレ空間

まずは辛いソースを買いにメーカー直営ショップへ。攻撃的なロバのキャラクターが目印。ガソリンスタンドのお土産コーナーでも売っていたので、西海岸や中西部ではわりと名の知れたメーカーなのかも知れない。

アメリカ中西部の農場をイメージしたエントランス前

自社ソースフレーバーの缶ピーナッツも売っている。
ちょっぴり辛いやつから、翌日の尻に大ダメージを与える地獄の辛さまで、豊富なホットソースを取り扱うカンパニーである。

つづいてネイティブ・アメリカン中心の展示をしているハード・ミュージアムへ。博物館と美術館を合わせたような場所だ。
まずは「先住民の進化」と名付けられたアート作品が出迎えてくれる。ガラスなどが用いられた美しい作品である。

ハード美術館 博物館・美術館・ギャラリー

ネイティブアメリカンは土器も作る。発掘された古いものから、現代のアーティストが作った新しいものまで展示されている。

土オーブン
ネイティブ・アメリカンは狩りの獲物のほか、とうもろこし、豆、かぼちゃなどを食べてきた。

インディアン・ジュエリーといえば銀細工とターコイズをイメージするのではないだろうか。しかし、これらが多く用いられるようになったのは1800年代。割と最近らしい。
紀元前から作られてきたネイティブ・アメリカンの装飾品は石、貝殻、動物の骨・羽・角などを素材にしていた。白人との接触によってシルバーが取り入れられたんだとか。468へぇ
ズニ族のジュエリーはターコイズをふんだんに使う。

ホピ族のジュエリーはターコイズ控えめの銀多め。

ホピ族の花嫁衣装。やはり白なのね。

ハード美術館のカチーナコレクション。カチーナはホピ族が作る精霊の人形。雨乞いや無病息災など、人形の衣装やポーズによって様々な意味が込めらている。

ホピ族のゆるいセンスはかなり好き。現代でも通じるチャーミングさである。

ネイティブ・アメリカンの世界観が読み取れるタペストリー。どの部族も文字を持たなかったはずなので、口承とこういった図柄で自らの歴史を後世に残してきた。

木造建築のレプリカも。流石に電気はなかったと思うが。

織物も得意なネイティブ・アメリカン。トライバル模様は日本でも根強い人気がある印象。

1840年代に撮影されたセネカ族長の末裔、キャロライン・パーカーの写真。ネイティブ・アメリカン名はジコンサセー（読み方が合ってるかどうか自信ない。部族の母という意）。彼女の衣服は彼女自身が縫ったもので、実物がニューヨークの博物館に保管されている。

ゆりかご。日本のアイヌ民族も天井からこんな板を吊るして赤ちゃんを乗せてた気がする。ウポポイで見た気がする。でもこんなにカラフルではなかったかも。

ここはアリゾナだが、寒い地域に暮らすユピック族の衣装も展示していた。海鳥の羽根をむしらず、ほぼそのまんまボディ部分に使ったコート。

白人とキリスト教襲来。これは試練だ。

ネイティブ・アメリカンにも日本のアイヌ民族のように同化政策がとられたが、アイヌに比べれば人口は桁違い。その規模は凄まじいものだった。

豊かな黒髪は切られ、家族あるいは自身が願いを込めて縫い上げた衣服は取り上げられた。それはネイティブ・アメリカンとしての尊厳、アイデンティティを奪うことを意味していた。

アリゾナには大きなボーディング・スクール（寄宿学校）があり、ネイティブ・アメリカンの子どもたちを集めて同化政策を進めていた。髪型や衣服は白人と同じものにし、教育や職業訓練をしていた。先住民たちの文化からできるだけ遠ざけるため、寮で生活させた。
中段の男性ビフォーアフター写真は、アメリカでは結構有名な写真らしい。ワタクシはビフォーの方が断然イケてると思う。

友だちは「自分たちの先祖がやってきたことは許されるものではないけれど、それぞれの伝統、文化を互いに尊重して共存していかないとだめだべ」と話していた。
フェニックスはこの施設があることや、先住民の子孫が多く文化活動も盛んなせいか、うまいこと良い関係を築いているように思えた。しかし、先住民の末裔たちは白人と比較して収入が少ないケースも多く、薬物依存などの問題も抱えている。

ランチは友だちがリサーチしてくれたインディアン・フライブレッドのお店へ。人気店らしく、様々なルーツをもつ人たちがお昼ご飯を楽しんでいた。
インディアン・フライブレッドは約150年前から親しまれる先住民のソウルフード。インディアン・タコスとか、ナバホ・タコスとも言うらしく、平たい揚げパンに野菜、豆、チーズなどをたっぷりトッピングし、サルサをかけていただく。完食できるか一瞬不安になるボリュームだったが、野菜たっぷりなうえ、酸味と辛味の効いたソースのおかげでペロッと食べてしまった。日本でも作れそう

楽しい時間もあっという間、友だちがフェニックス空港まで送り届けてくれ、青森で再会することを約束したらロサンゼルス行きの飛行機を待つ。
アメリカでいちばんフレンドリーな空港、それがフェニックス・スカイハーバー国際空港。

フェニックス スカイハーバー国際空港 (PHX) 空港

AGT（アメリカズ・ゴット・タレント）やってた。世界中でご当地版作ってるオーディション番組。

サンキューフェニックス、フォーエバーフェニックス。
サウス・ウエスト航空は青、赤、やまぶき色がシンボルカラー。

さらばアリゾナの大地。来てよかった。

この日の宿は明日会うカリフォルニア在住の友だちがおすすめしてくれた、リダックゲートウェイホテル。日系のホテルで、チェックインも日本語でイケた。そして至るところに日本語併記。数時間で日本に戻ってきた気分。

リダック ゲートウェイ ホテル イン トーランス ホテル

タオルでこんな演出しちゃう。

さすが日系ホテル、ウォシュレット完備

ここは海外のホテル感。高いところから広い範囲にお湯がいきわたる固定式シャワー＆真ん中の部分が分離するハンディシャワー。なにこれほしい

歩いていける範囲にお夕飯を食べられる所を見つけられなかったので、ウーバーイーツでタイ料理を食らう（量が、多い）。日本の店と比べて甘めの味付けだったパッタイ（タイ風米麺焼きそば）。ホテルで買ったアメリカ仕様のサッポロビールで乾杯である。

明日はカリフォルニアの友だちとロサンゼルス観光、そしてアメリカ編は最終回である。

つづく