2024/06/16 - 2024/06/16
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mom Kさん
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“重要伝統的建築物群保存地区”の冠が、今ほど闊歩していなかった時代。
40年余り前になる。町の普通の人々の詳細な今井町調査記録にあった。数年後、○○ガスのTVコマーシャルで「今井町・・・」と流れ、その姿を初めて見た。
ここが、あの今井町ですかあ。画面には、土間から通りを見る夕暮れ時、下駄の音、子供の声、竈からの湯気、一言か二言のナレーション。あたたかさ溢れるシーンだった。TVCMが、上質の映画だった。なのにこの町へ出かけていない。お隣の県なのに。
せめて10年前に訪れるべきだったと、今回、激しく後悔した。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通
- 3.5
-
午後になって今井町に着いた。車から見て、気になった建物へ。
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ゲストハウスでも個人の会社でもなく、公共の施設とは。保存地区のかつての濠を隔てた場所。
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細道をはさんでお隣。表札に驚いた。出自は公共建築物!
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またその並びは、これですかあ!
好み。
次の写真と一続きの棟。 -
全部現役のお住まいです。
2時間後、最後にもう一度ここをと、戻ってきたら、素敵な出会いが待ってくれていました。
<2時間後>
軒下で、白い縮地の下着シャツに長ズボン姿のおじいさんがすだれを仕舞っていました。「こんにちは!こちらにお住まいですか。」♂「ハイ。」目が穏やかで、とても日に焼けている。♂「ワタシ、一人で住んでいます。私は、○○歳です。」驚いて目が大きくなる私。「お一人で、このお家を切り盛りされているんですね。いいですね。」♂「ハイ、息子は△△に家があります。娘は▲▲に住んでいます。」息子と言っても、彼の年齢から推し量ると、60代、もしかして70代ですよ。「このおうち、いいですね。ご近所も皆さんお住まいで。」♂「はい」・・・・
私のサヨナラに返ってきたおじいさんの言葉は、「ゆっくりしていってくださいね。」
私は、町を代表してのおもてなしの言葉をいただいた気分で駐車場に向かいました。 -
ひとつの屋根に隣り合わせの同じデザインの玄関。
アデアの藁ぶき屋根のおうちの形式。
ここは、表札一つだった。 -
有料と書かれている高木家住宅に入りました。
当家の女性が付きっ切りで説明してくださいました。
大名門という通称は、大名等人目をはばかる人たちが、お金を借りに来るときや買い物に出入りした玄関。外からはそれと分からない。お籠が置けるスペース。 -
今井町内の他の文化財指定家屋は、高木家より古いので、書院造りはない。
ここは、19世紀の建物なので、許された最初の家。今上天皇が学生時代に、♀「私がお茶を差し上げたんですよ。・・・・」説明は止まらない。40年以上の説明案内歴で、テレビ出演も。♀「ワタシ、NGないんです。」 -
辞去して、道路からの大名門。なるほど、素っ気ない。立派な勝手口という風情。
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すぐの並びに河合家がありました。河合酒造。拝見がてら、お酒を買おう。車だからためらいなし。“出世男”このネーミング。まるで贈り物用命名。お味は二の次だったらちょっと困るけど、冷酒を頼むと年配女将さんは、冷蔵庫からとりだして、丁寧に包んでくださった。♀「どうぞ中の方も見て行ってくださいね。」
店舗エリアは、狭く、次がここで、その向こうは、以前の台所。 -
祖母たちが「アカ」と呼んでいた材質。
建具屋さん大工さんのお仕事のようで、支えている部分の木枠も美しい。 -
今だ現役です。くず入れとスポンジを下に置き、もう一度撮影。
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カーブの辻を曲がったら、この戸口。見回しても、通常がここの出入り口みたいです。小さなおばあちゃんが自転車を止め、入って行かれました。
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声がしたかと思うと、”くぐり戸”の名の通りに小柄な彼女が出て来、荷台から荷物を外して、また入っていきました。
中は、きっと土間。ひんやりと涼しいことだろう。 -
先ほど耳にした復元南門とやらを見てみたい。暑い。
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地図にも東西の通りしか名称が書かれていない。中でも御堂筋と本町筋が大きく太字。三番手が、中町筋とみた。
南北は、どうやら脇道扱い。 -
お味噌屋さん
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床屋さんのくるくるサインも小さく慎ましい。格子戸の合間からあの椅子が見えていた。大ぶりだった。今度相方を連れてきて、髪の手入れをしてもらおう。剃刀をあれで研ぐのがミタイ。
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長い通りで、先はずっと向こう。今井まちや館で南門の場所を尋ねて向かう。
暑い。 -
明治10年、郷土館説明版では9つ、まちや館ガイド氏曰く7つあったという町の出入り門は、全て壊されたという。まちや館ガイド氏曰く、理由、「不要」だから。
そして、南門だけ再建。今度は「必要」ですって!
「お上のすることは・・・」とつい心が愚痴る。 -
右手の道路は、壕があった部分。今井地区の前には、細い飛鳥川が流れているが、それとは離れて独自に町を囲む。予想以上の壕の幅だ。
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三和土。
自然のひんやりに足を踏み入れる。 -
町に合わせた今風のお店屋さん。衣料はレトロデザインだけど、某国製。
足元には、昭和期の保温ジャーやお皿たち。 -
もうどなたも住んでおられない様子。愛しくなる建具。
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右のおうちも。
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脇道のこのずれ具合。そうです。そうです。とうれしい。
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やややや、好き好き。
地図を見れば、大工町筋だろうか。
北口門に近い。 -
ここだけだったと思います。このデザインの溝。見逃さずに済んだ。
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長屋。現役ではないようで、残念。記憶を閉じこめた建物の持つ迫力。姿も美しい。
映画村もどきになっている大店も私には貫禄負け。
手入れ手入れで保たれ、せいぜい大正時代だろうか。
できるだけこのまま生き続けるようにケアしていってほしい。
今井町保存地区の縁の下の力持ちとなる建物と思う。 -
この暑さ、車とは言え、持って帰れないなあ。
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ガイド氏は、ずいぶん年配の方。土間で行きつ戻りつ、ご自分から話しかけず、でも案内の準備はいつもできています、というふうです。ほかには、わんぱく盛りの子連れ女性と、私だけ。
「このおうちは、以前は、何のお商売でしたか。」♂「金物屋です。」途中で代替わりしているという。使用人は、近くから通っていたと、高木家の女性が教えてくれていた。それで、渋い長屋を多く目にするわけだ。そのことを彼に尋ねてみたら、
♂「そうです。どの大店も貸家をたくさん持っていましたし、明治に入ってからも家賃収入のために増えました。」
上がり框のすぐそばに年季の入った段梯子が見え、尋ねたら、♂「丁稚だけが、この上で寝泊まりしていました。」
一向宗の僧兵たちの存在と、織田信長や利休当時のことを数十年前の出来事のように話されるので、楽しく味わい深い案内を頂けた。 -
高木家の女性の話では、今井町は火事が少なかったという。土壁だからですと言われたが、それだけではないだろう。町びとたちの自治意識は、それだけ浸透し、”始末”という商人の美徳が暮らしの隅々にまで徹底していたことも大きいだろう。
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住んでみたいお家。
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今西家 今井町惣年寄りの筆頭。慶安3年(1650年)に再建。
他の住宅と全く異なる城郭風外観。見学に予約必要。
西日に光っている。今日は格段の暑さ。 -
やはり正面を見てみたい。車を路上駐車して走り寄った。
本日は、今井町訪問のイントロ。
冬に来よう。泊まって味わうべき町。
師走か、キンキンと冷え込む大寒のころに、必ず。あのCMのような夕暮れと早朝に歩こう。
お昼は、千年を想う贅沢なお昼寝。
と、汗だく空腹で車に戻り、帰り道にかかった途端、思い出した。
“だんご庄”!
今日は、もうだめ。
もう一度来ます!
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この旅行記へのコメント (6)
-
- エフサさん 2024/06/20 07:21:58
- 32℃ですか!
- なんか 奈良盆地=暑い って言うイメージありますよね。もうすっかり夏ですね。
深掘りして感慨に浸る Kazukoさんの洞察、観察、そして旅心には、いつもウ~ムと感心させられっぱなし。 ワシの薄っぺらい旅行とは比較にならない新たな視点に、たくさん気付かされる思いです。
もう少し時間と心にゆとりを持って旅せにゃぁいかんと反省しつつも、節穴の目ではどうしようもない。 Kazukoさんの様な心眼が欲しいなぁ。でもこればかりは無理だなぁ。ただただ憧れるばかりです。
あ、団子、残念でしたね。
- mom Kさん からの返信 2024/06/20 17:26:17
- 新たな人生のミッション
- エフサ師匠!
弟子の考えを聞いていただきたい。
どの旅も素敵なんです。どの旅も。私は、ポシェットごと引き倒され、ピソ(スペインのアパート)の鍵もカメラも盗まれ、膝小僧をすりむいて、おまわりさんが優しく手当てしてくれたり、コロンボの空港ではオーヴァーブッキング(日本でチケット購入)だと言われ、1昼夜、目途もなくロビーで過ごしても、それでもあの時しかできなかったこと、出会えなかったことがたくさん。失敗も全て愛しい。だから、「私の旅」は、手放さない。多分、これについては、世の多くの旅人は賛同してくれる自信がある。
パック旅行でも弾丸旅でも、旅する人にとって、その時のかけがえのない旅。ご自分が選んでいるにもかかわらず、“旅”に不満を持つなんて、“旅”がかわいそう。勿体ない。
師匠の今の旅は、ご自身にとって最高最適だと思うんです。(不遜な進言と思いつつ)
私は、心眼会得に勤めます。そのプロセスを味わいます。例え未完に終わると分かっていても。
いつもエールを感謝します。今年の北の大地行ルートは、昨夏帰りの機中で決めました。内緒です。自力で決定。いよいよ1本立ち北海道旅。
- エフサさん からの返信 2024/06/21 06:04:30
- Re: 32℃ですか!
- 言葉とは難しいものですね。
書いた本人の意図しない方向へどんどん一人歩きしてしまう。
Kazukoさんの言葉、 稚拙な表現しか出来ない自分への戒めとします。
- mom Kさん からの返信 2024/06/21 12:07:38
- ムズカシスギマス
- う~ん う~ん う~ん・・・う~ん
師匠のご案内ご紹介“大和名物”
翌朝直行しました。
感謝です。 拝
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- pedaruさん 2024/06/19 06:29:20
- 今井町
- mom Kさん おはようございます。
小説家のような文章に心動かされました。
もう50年くらい前になるでしょうか、テレビで奈良県五条町というところをリポートしていました。画面には本物の昔が写っていました。
旅慣れない私たちでしたが、一週間もたたないうちに、この五条町を見るだけのために出かけました。正月の元旦か、二日目だったか。朝の町は、正月のせいか、まだ時間が早いせいか、人通りはなくあっという間に見終わりました。
ただ年配の上品なご婦人が自宅に誘ってくださったのに、辞退したのは残念でした。
このころ今井町を知っていたら、きっと訪ねたに違いないのですが、これも残念です。今井町は是非行ってみたい所にだいぶ前からリストアップしております。
概要がわかって大変参考になりました。
pedaru
- mom Kさん からの返信 2024/06/20 04:35:42
- pedaruさんの「残念」の輝き
- おそれいります。
何より、pedaruさんの半世紀を超えての旅の後悔を蘇らせられたのなら、本旅行記の価値があったというものです。
私の場合も観光対象そのものでなく、その時はどのように出合い、何に最も心動かされたかを記録にとどめたい。その旅をまるで飴玉を舌に転がしているように、長く味わいたい。そのためなんです。できるだけ自分の心象に合う言葉を探しているだけなんです。pedaruさんは、そこを読み取ってくださったのですね。ありがたいです。
pedaruさんが、奇しくも「残念」と言われておられることも、喜びとともに私には旅の素敵な記録。それに支えられてこそ、新たな出合いがかけがえのないものになる。そう思っています。
世界には、「本物の昔」がまだまだたくさん。簡単には出会えない。自身の旅の感度をupさせ、お互い健康健脚を心がけたいものですね。感謝します。
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