2024/05/11 - 2024/05/11
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SamShinobuさん
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生田緑地は今まで数え切れないくらい来た。自宅から車で20分なので息子たちが小さい頃は重宝したものだ。近年は生田緑地内の日本民家園にある蕎麦屋が気に入って、一人でよく食べに来ている。
今日は生田緑地ばら苑でジャズライブがあり、その演奏を聴きがてら生田緑地を散策した。
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宿河原駅
今日は訳あって電車で来た。そのため南武線宿河原駅からばら苑まで約20分かけて歩いた。正面ゲートからの坂道と階段がキツく、着く頃にはうっすらと汗をかいていた。 -
生田緑地ばら苑
かつてここには向ヶ丘遊園というド昭和な遊園地があった。昭和2年に開園した向ヶ丘遊園は、僕が子供の頃でもすでにレトロ感満載なレジャーランドだった。残念ながら平成14年に惜しまれつつも閉園してしまったが、遊園地の片隅にあったばら苑は隣接する生田緑地に引継がれた。 -
生田緑地ばら苑は薔薇の開花時期に合わせて春と秋に開苑する。今春は5月9日~5月26日の18日間の公開だ。なんとジャズライブまで含めて全て無料。
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Izzy’s Cafe
キッチンカーも出ている。喉がカラカラだったので、ロングブラックコーヒーのアイスを購入。 -
芝生広場から演奏が聴こえてくる。
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Machida Jazzoo Quintet(MJQ)の演奏が始まっている。
MJQのメンバーは、安田昇司(ts)、秋山映一(gt)、小野木淑子(p)、中野利彰(b)、コウヘイ(dr)。
「酒とバラの日々」、「ON THE SUNNY SIDE OF THE STREET」等、誰でも知っているジャズスタンダードをご機嫌な演奏で楽しませてもらった。 -
MJQの演奏が終わったので、ばら苑を見て回ろう。
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苑内には800種約3,300株の薔薇が咲き誇っており圧巻としか言いようがない。今日はまさに見頃だろう。
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ベティ・ブープ
1930年代からいまだに愛されているアニメキャラ、ベティ・ブープをイメージした薔薇。確かにこの赤、ベティちゃんの色だ。 -
イングリッド・バーグマン
絶世の美女の名を冠するだけあって、本当に美しい濃緋色の薔薇だ。 -
スパニッシュビューティー
透き通るようなピンクでエレガント、香りも凄い。 -
ロイヤルコーナー
敬宮愛子内親王殿下の誕生を祝して名づけられたプリンセス・アイコなど皇室にちなむ薔薇が集められている。 -
プリンセス・ミチコ
皇太子妃時代の上皇后美智子様に捧げられたプリンセス・ミチコ。 -
さすがに800種の薔薇全部を観賞するには時間が足りない。今日のお目当ての小林宏衣さんと吉野悟さんのDUOが始まる時間だ。
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小林宏衣さんと吉野悟さんの演奏がスタート。
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昨年の秋もここでお二人の演奏を聴いているが、スタンダードジャズ・ボサノバ・ネオソウルやエド・シーランとレパートリーは相変わらず広い。
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実はこの前日も野毛のジャズバーで、22:30まで吉野さんの演奏を聴きながら飲んでいた笑。
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午前中のジャズライブはなかなか珍しいし、まして青空の下というのも健康的で妙な感じがする。でもそこはベテランのお二人だけあって、そこはかとなく漂う薔薇の香りに包まれながら聴いていると、お酒は無いのにほんのりといい気分になってくるのが不思議だ。
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山道ルートを15分歩いて生田緑地ヘ。
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生田緑地
川崎市最大の公園は広大な森林の中に、日本民家園、岡本太郎美術館、かわさき宙と緑の科学館などの施設がある。 -
雑木林
クヌギ・コナラを主体とした落葉広葉樹林が広がっている。子供が小さい頃はよく昆虫採集に来たものだ。 -
しょうぶ池
カエルの合唱を久しぶりに聴いて心が和む。 -
池のハナショウブはまだ早いが、キショウブが少しだけ咲いていた。
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日本民家園(入園料550円)
江戸時代に建てられた古民家を中心に、重要文化財など25件を移築した野外博物館。 -
そば処白川郷(山下家住宅)
まずはここで腹ごしらえ。
飛騨白川村から移築された合掌造りの山下家は、江戸時代後期の建築だ。豪雪地帯でもある白川郷に建てられた茅葺屋根の民家は、実に荘厳で圧倒される。それでいて大きな三角屋根の木造建築は温かみがあり、優しく包み込まれるような感覚になる。そこで美味しい蕎麦が食べられるなんて何という贅沢だろう。 -
巨大な切妻屋根の屋根裏には何層にも床が張られて、かつては養蚕が行われていた。
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ちなみに日本民家園に入らなくても、ここで食事はできる。店の横っちょから入って横っちょから出ればOK。
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冷酒(600円)を注文する。合掌造りの古民家で飲む日本酒は格別だ。だから車ではなくわざわざ電車で来たのだ。蕎麦前にもつ煮(400円)もお願いする。時と空間を超えて嗜むお酒ともつ煮に体が蕩けそうだ。
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もりそば(700円)
山梨県の忍野村の湧き水を使った自家製麺は、麺喰いには堪らない。すっかり身も心も癒やされた。 -
原家住宅
一旦民家園の入口に戻り、順路通りに見ていくことにする。 -
この豪奢な民家は川崎市中原区小杉陣屋町からここに移設された。川崎市重要歴史記念物に指定されている大正2年竣工の建物は、完成まで22年もかかっている。家を建てるのに20年以上もかけるなんて、一体どんなこだわりがあったんだろう。
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原家はこの辺りの大地主で、武蔵小杉を中心に広大な土地を持っていた。かなりの財力があったんだろうな。戦後は一時料亭として使っていたそうだが、こんな立派な料亭があったなんて当時の中原街道の賑わいが偲ばれる。
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古民家カフェうつろい
原家住宅内に不定期にオープンするカフェがある。ここでコーヒーを飲もう。(SNSの掲載了承済み) -
古民家にコーヒーって何故かよく合う。
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しばしのんびり寛いだ。
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宿場
全国各地の宿場町から移築した民家が建ち並ぶ。静かな宿場にうぐいすが鳴いて、旅人気分にさせてくれる。 -
鈴木家住宅
鈴木家は福島県にあった奥州街道の宿場町の馬宿だ。馬宿とは馬を連れた客を専門に泊める旅籠で、馬の面倒もみた。 -
土間が広いと思ったが、ここに馬をつないでいたようだ。
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佐地家の供待
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供待(ともまち)とは、お供の者が主人を待つ控え部屋。名古屋から移築した。
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三澤家住宅
長野の伊那部宿にあった薬屋。江戸時代には代々組頭役を務めていた家柄なので、随分と立派な民家だ。 -
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へっつい(竈)
かまどを「へっつい」というなんて落語を聞いていなかったら知らなかった。「へっつい幽霊」ですな。 -
宿場を出ると、今度は信越の村へ。
道祖神、庚申塔、馬頭観音。 -
水車小屋
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長野から移築したそうだ。
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水車内部のつきうす、粉挽き。
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佐々木家住宅
享保16年(1731年)に長野県の千曲川沿いに建てられた佐々木家は、土地の有力農家だった。 -
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囲炉裏
暖房、夜間の照明、調理、防虫効果と民家には無くてはならない囲炉裏で休憩させてもらった。 -
自然の炎を見つめながら、ボランティアの解説員の方としばし歓談。
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鍋を掛けている自在鉤に魚が多いのは、魚は水に通じており火事を避けるお守りの役目をしているから。それに魚はまぶたがないので、火を24時間見守るという意味もある。
炎の揺れやパチパチという薪の燃える音はリラックス効果抜群だ。 -
江向家住宅
江戸時代中期に富山県の庄川沿いに建てられた合掌造民家。
2階3階は養蚕などに使われた。 -
いろりの上の大きな棚は、火の粉が上がるのを防ぐとともに濡れたものの乾燥などに使った。
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山田家住宅
こちらも富山県の合掌造り。 -
すっかり囲炉裏が気に入って、ここでも囲炉裏端で寛いだ。
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沖永良部の高倉
鹿児島県沖永良部島の食糧倉庫。 -
ここから関東の村。
太田家住宅 -
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岩澤家住宅
17世紀の神奈川県清川村にあった民家。ここにも囲炉裏があり、思わずまた上がりこむ。囲炉裏を見たら火にあたらずにはいられない囲炉裏中毒になってしまったようだ。ボランティアのおじさんに「薪の炎はいいですねえ」と言うと、はりきって火吹き竹で火を大きくしてくれた。 -
船越の舞台
三重県志摩半島の漁村にあった歌舞伎の舞台。
回り舞台まである本格派。それにしても漁村に歌舞伎舞台があったなんて、かつては歌舞伎が大衆芸能だったことが伺い知れる。 -
回り舞台。
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奈落にある回り舞台を回転させる装置も見学できる。装置と言っても、人海戦術で回していた。
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川崎市伝統工芸館
予約すれば藍染体験ができるそうだ。 -
全ての古民家を見学するのは大変なので端折りながらまわったが、それでも2時間以上かかった。今日はこのくらいにしておこう。
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メタセコイヤの林
真っ直ぐ伸びる樹形が美しい。11月の紅葉もまた見事なんだよな。 -
メタセコイヤの林を抜けて岡本太郎美術館に向かう。
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母の塔
岡本太郎と言えば太陽の塔が有名だが、大阪万博(1970年)には母の塔も展示されていた。本物は残っていないので、これはそれをかなり忠実に再現したもの。高さ30mのモニュメントは、見る者を圧倒する。 -
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母の塔の下から。
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岡本太郎美術館
今年は原田マハを全作読破しようと読み漁っているが、彼女の作品はアートフィクションが多い。そのため最近は絵画や陶器が面白い。原田マハの受け売りだが、今はゴッホ、ゴーギャン、ピカソ、ルソーあたりに興味が湧いている。そこでピカソやクルト・セリグマンに影響を受けた岡本太郎の作品を改めて鑑賞したくなり、久しぶりにこの美術館に入ってみた。 -
エントランスホールでは、いきなり顔のついた赤い手と青い手がお迎えしてくれる。1981年制作。
観覧料は企画展込みで900円。
常設展は撮影不可だが、企画展はOKとのこと。 -
常設展の中でここだけは撮影可だった。
常設展「前衛たちの足跡 岡本太郎とその時代」の中で、1947年の油彩《夜》は、岡本太郎の代表作だけあって惹きつけられた。 -
手の椅子。
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坐ることを拒否する椅子。岡本太郎が、俺の椅子は寛がせないぞと言っているよう。
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ここからは企画展「生命の交歓 岡本太郎の食」。
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《サカナ》1960年。コンクリート。
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《傷ましき腕》1936年(1949年再制作)。油彩。
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《森の掟》1950年。油彩。
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《愛撫》1964年。油彩。
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子供の頃、岡本太郎と言えばやたらテレビCMやバラエティ番組で見かける変なおじさんだった。
特にマクセルのCM「芸術は爆発だ!」は当時大流行したので、知らない人はいないだろう。
大人になって改めて岡本太郎の作品を観ると、その全てに計り知れないパワーを感じ、強烈な個性にもかかわらず様々なアートに影響を与えていることが分かる。 -
カフェテリアTAROの横の池に展示されている《樹霊Ⅰ》。大阪万博(1970年)で展示されたものだ。原始の呪力が生々しく投影された姿らしい。よく見ると怖いね。
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カフェテリアTARO。
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ここでコーヒーを飲む。
《樹霊Ⅰ》とTAROのコーヒーカップ(^^) -
中央広場に戻ってきた。
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スハ42客車
「上野発の夜行列車降りたときから青森駅は雪の中~」
石川さゆりの「津軽海峡・冬景色」は、おじさんには沁みる名曲だ。この曲に登場する夜行列車はまさにこれ。上野~青森間を約37年間走っていたそうだ。 -
硬めのボックスシートに座ると、鉄ヲタでなくても思わず旅愁に浸ってしまう。
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D51形蒸気機関車
通称「デゴイチ」。昭和15年から約30年現役で走り続けた。 -
昭和46年から生田緑地に静態保存されている。
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かわさき宙(そら)と緑の科学館
サイエンスプリンと呼ばれる建物は、確かにプリンのようだ。以前は「川崎市青少年科学館」という名称だった。僕はそちらのほうがずっと愛着がある。 -
ここは川崎の自然に関する展示とプラネタリウムがある博物館。入館無料。
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プラネタリウムは一般400円。
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へぇ、川崎にもマンモスのような象がいたんだ!
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大平貴之氏のプラネタリウム
2004年に「かわさき宙と緑の科学館」の前身の「川崎市青少年科学館」がプラネタリウムのリニューアルを行った。その際、採用されたのが大平貴之氏が開発したMEGASTAR-Ⅱ。そのニュースを聞いた時、天文ファンとしてはメーカーの製品ではなく一個人が作ったプラネタリウム?と思った。でもその直後に大平氏のMEGASTAR-Ⅱ cosmos(投影星数560万個)がギネスに認定されると、彼の名前は世界的に有名になる。2008年には投影星数2200万個のSUPERMEGASTAR-Ⅱを発表し、今やプラネタリウムクリエイターとして世界で大活躍している。そのきっかけがこの川崎市青少年科学館で、ある時上映終了後に小学生の彼に解説員が機械の操作をさせてくれたという。その体験が今の彼の成功を作ったと思うと、夢のある話だよなあ。
ちなみにお気に入りのプラネタリウムバーが白金台にあるが、そこのプラネタリウムも大平氏のMEGASTAR-ZERO Platinumを使っており、時々満天の星空の下でジャズライブが行われている。 -
こちらは1980年から2010年まで30年間使われた五藤光学研究所のGM―Ⅱ投影機。
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生田緑地には他にも、枡形山展望台と言って源頼朝の侍大将であった稲毛三郎重成の城跡や野鳥の森など見どころはまだまだあるが、広すぎて全クリは無理。
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可愛いカタツムリを発見!
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今日は生田緑地で、ばら苑、ジャズ、岡本太郎、古民家と囲炉裏、そして合掌造りでいただく日本蕎麦にどっぷり浸った一日でした。
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