2023/10/07 - 2023/10/10
64位(同エリア229件中)
国電さん
■はじめに
若い頃から旅行好きであったが、もっぱら国内ばかりであり、海外旅行は四十路を過ぎた2010年が初めてであった。最初はシンガポール(4月)で、その次に台湾と香港(5月)。そして、6月と7月に連続でマレーシアに来たが、それ以来の再訪である(その後に、ボルネオ島やインドネシアのスマトラ島に行く際に寄ったことはあるが、マレー半島の鉄道旅行となると13年ぶりである)。
マレー半島の鉄道自体は上述の旅行で乗車済であるが、シンガポール側は出発駅がウッドランズになってしまっているし、マレー半島内も高速化が終わってかなり様子も変わっている。ということで、今回は特段珍しいものはないが、三連休は以下のような旅程となった。
初日:0時台の便でシンガポールへ。廃線跡巡りをしてからウッドランズに移動し、鉄道でマレーシアに入国(ジョホールバル泊)。
2日目:ジョホールバルからグマス行に乗り、同駅からクアラルンプール・セントラル行に乗り継ぐ(クアラルンプール泊)。
3日目:クアラルンプール・セントラルからタイピン行まで往復。空港へ行き、成田行に搭乗(機内泊)
4日目:成田到着後はいったん自宅に戻り、遅刻扱いで会社へ。
鉄道の切符(5本)はすべて、事前にネットで予約・決済しており切符も印刷済である(座席も自由に選択できた)。13年前は現地での手配が大変であったが、時代は変わったものである。
@ブキッ・ティマ駅跡にて
- 旅行の満足度
- 4.5
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-
■2023.10.7
0時05分発の便でシンガポールに飛び、6時15分に着陸。外はまだ薄暗く活動を始めるにはまだ早いため、トイレで洗顔をし、ベンチ(電源あり)で朝のルーティーン検索等を実施して、さらにJEWELという場所を見学してから第2ターミナルへと移動した(MRT用のICカード「EZ-Link」の扱いが、こちらのターミナルで8時からしかできないため)。
@移動はこれで(プチ鐡ネタ) -
8時少し前にMRT乗り場付近にある窓口に向かったが、20人くらいのとんでもない行列である(早朝のためどこも閑散としていたチャンギ空港で、唯一の行列)。急ぐ旅ではないので、第2ターミナルを散策したりベンチでスマホをいじったりして、8時30分頃に窓口に戻って来た。
ここに来た理由は、「期限切れのEZ-Linkカードは窓口で新しいものに交換してくれる(ただし3ドル引かれる)」というネット情報を頼りにしたためであるが(私が持っているカードの最終利用は2013年)、しかし、実際には「できない」という答えであり、仕方なく新しいカードを購入した。
@柄は可愛い -
改札を通り、ひたすらMRTを1時間くらい乗り継いで、ヒルビューで下車した。今日はまず、2011年に廃線となってしまった区間(ウッドランズ~タンジョン・パガー)の廃線跡巡りである。
駅の西側に行くと、いかにもな橋があるが、これが廃線跡である。北側はまだ遊歩道が工事中であるが、ここから南側はすでに整備がされている。
@レールも少し見える -
廃線跡を利用した遊歩道となると、日本ではあまり活用されていない(人がいない)のがほとんどであるが、ここでは散歩やランニングやサイクリングでかなりの人が利用していた。緑も多く、公園のように整備されている。建物だらけのシンガポール中心部では、数少ない「緑がある場所」なのであろう。
10分ほど歩いて南下していくと、大きな橋が見えてきた。ここは、レールがそのまま残っている。
@レールそのまま -
橋を過ぎると休憩所が奇麗に整備されていたのでそこでトイレ休憩をし、さらに南下を続けた。いつの間にか砂利道になっているが、歩いている人は相変わらず多い。
ふと前をみると、猿の家族が横切って行った。シンガポールで野生動物に巡り合うのは、非常に珍しい。
しばらくすると、小さな橋とレールが見えてきた。
@所々にレールが残っている -
木陰が多いとはいえ、東南アジアの国であるから激暑である。汗を拭きながら、南下を続けた。
再度大きな橋を渡りブキッ・ティマ駅跡が近付くと、周辺もかなり整備されていた。ベンチの仕切りにも、レールが使われていたりしている。
@下に降りて撮影してみた(鉄道橋) -
では駅跡に、となる前に、手前にあった休憩所でしばし休憩である(1時間以上も歩いてため、プチ熱中症のような感じであり、気持ち悪くて頭が重い)。
長いベンチがあったので、仰向けに10分ほど休憩したらだいぶ楽になった。その休憩所の壁には路線の歴史が詳細に書いてあったが、大昔は中心部のルートが違っていたのだという(これは初耳)。
とにかく、まずは駅跡訪問である。
@奇麗に整備されている -
駅名標なども、修復されているが趣のある感じである(表紙写真)。2010年6月の旅行でここの部分は滑り込みで乗車しているが、せめてあと1回くらいは乗ってみたかったと思う。
なお、駅敷地内にある職員宿舎は、カフェとして再利用されていた。
この時点でまだ11時前である。せっかくであるから終点であったタンジョン・パガーまで行くが、当然ここから先は地下鉄で移動である。
地下鉄のキング・アルバート・パークから乗車し、ブギスで乗り換えてタンジョン・パガーまでやって来た。しかし、旧鉄道駅はここから10分以上歩かなければならない。
@やっと到着 -
この区間が廃線になった後、この駅は「鉄道博物館になる」というニュースがあったのだが、いつになっても出来上がらない。未だに、外装の改装中である。
MRTの駅に戻り(途中にスーパーがあったので涼みがてらジュースを購入し、その店の前の露店に旨そうなフライドチキンがあったので夜用に購入し)、適当に歩きながら様々な寺院などを見学したりして、お上りさん的にマーライオン(改装中で覆われていた)のところまでやってきた。
@散策中の一例(なぜか「北海道ソフト」) -
この時点でまだ13時過ぎである。こうなるのは分かっていたので、ウッドランズ発の列車は16時くらいのを考えていたが、今日私が持っている切符は18時45分発である。「予約しなくてもいいか」と思っていたが、1週間くらい前に「やっぱり買っておこう」と思ってサイトを確認すると、なんと朝から17時台まですべて売り切れいていたのである(慌てて購入)。
仕方ないが、もう行きたい場所もないので、ウッドランズに行ってしまうことにした。
駅付近に地下街があったので時間潰しであれこれ見て回り、それからMRTで移動をした。なお、MRTのウッドランズ駅とKTMのウッドランズ駅(ウッドランズ・トレイン・チェックポイント)は全く違う場所にある。多くの人はバスで向かうようであるが、私はMRTのマーシリングから歩くことにした。
@とにかく歩く -
マーシリング駅から北上し、学校とアパートの間にある通路を抜け、その後は公園に沿う大通りを歩き、30分くらいでチェックポイントに到着した。
この時点でまだ15時15分であり、出発まで3時間以上もある。仕方ないので、切符売り場(冷房が効いている)の隅に座り込んで、この旅行記を書いたりして時間を潰した。
なお貼り紙によると、今日の列車はすべて売り切れであるという。
@ネットで買っておいて良かった -
手持ち無沙汰が激しいので、チェックポイントの西南側に行って廃線の状況を見てみようと思った。
太陽の角度も低くなり、多少は暑さも和らいだ中を歩き始め、高架橋の道路を渡ってみたが、チェックポイントのホームが長く、まだそれが続いている状態であった。いずれにしても、チェックポイント内は撮影不可であるため、その様子を写真に撮っておいた。
@これが限界 -
チェックポイントに戻り、空調のある切符売り場でひたすら待ち続ける。17時30分発の列車を見送り、その後は連絡橋にある列に並び始めた(冷房はないが、長椅子があるため)。
18時05分に手続きが開始。パスポートを確認して建屋内に入り、シンガポールを出国してからすぐにマレーシア入国手続きとなる。タンジョン・パガー時代は、まだシンガポールを出国していないのに同駅でマレーシア入国をするという、非常に曖昧な手続きであったが、今はちゃんとした手順になっている。
手続き終了後は待合室でしばしまち、ドアが開いてから車両に向かった。車両の撮影をしたいが、ここの内部は撮影禁止である。
18時43分、定刻より早発した(全員の手続きが済めば問題ないのであろう)。すぐに橋を渡るが、夕日が美しい時間帯であった。
@やっと撮影 -
早発したため、ジョホールバル・セントラル到着も定刻より3分早い18時47分であった。もう何も制限がないため、やっとここで機関車や客車の撮影である。
@解禁 -
その後は、駅から歩いてすぐの安ホテルに投宿した。
さて、マレーシアで問題になるのはアルコールの入手である。フロント氏に聞くと、すぐ近くにある大きなホテル内にあるセブンで売っているというので、早速そこに行って3本ほど買ってきた。500mlで450~500円もする「マレーシア価格」で日本よりかなり高いが、今日はかなり汗をかいたので、「ビールなし」はあり得ない。
ということで、シンガポールで買っておいた巨大チキンとコンビニおにぎりを頂いて、今日は終了である。
@安い晩餐(ビールは高い) -
■2023.10.8
7時頃にチェックアウトをして、まずは海方面へ適当に散策。インド寺院などを経て駅に戻って来た。切符売り場を確認してみると、ウッドランズ方面は今日もすでにすべて売り切れであるという。
この時点でまだ7時40分くらいであり、グマス行の出発(8時30分)までかなり時間がある。駅構内をあれこれ歩いているうちに、美味しそうなミーゴレンが50リンギット(約150円)であったのでそれを頂くことにした。マレーシアにありがちだが、かなり辛い味付けであった。首元に汗が滴り落ちて来る。
@朝から激辛 -
左手の改札には行列が出来ているが、これはウッドランズ行に乗る人たちである(8時15分に改札開始予定)。グマス行については、8時10分頃に係員が来て右手側で改札を開始し始めた。周囲にいた人がちらほらと、そちらを通って行った。
駅の案内板では「クアラルンプール方面は3・4番線」と書いてあったが、実際には2番線からの出発であった。私の車両は、一番後ろのA号車である。
@最後尾車両 -
座席に荷物を置いてから、出発までまだ時間があるため編成を確認しに行った。後ろから順に、A・B・C・D・カフェ(売店)・E・F・電源車・機関車である。
確認後は、自席に戻った。冷房はかなり効いており、今はミーゴレンのせいで体が熱いが、そのうち上着が必要になるかもしれない。
なお座席の向きは予約時に選べるが、「柱部分との相性」は運しだいである。幸いにも、景色が一番見やすいパターンの場所であった。
@ラッキー -
定刻の8時30分、ジョホールバル・セントラルを出発した。昨日の旅行内容はほぼ前座であり、やっと本格的な鐡旅の開始である。
この路線のグマスまでは1日を通しても4往復しか走っていないが、現在は高速化に向けた改修中であり、電化及び複線用の工事が進行中である。
@工事用車両 -
新しい路盤からはいったん離れ、8時45分にクンパス・バルに到着した。同駅を定刻の8時50分に出発。
同駅出発後しばらくして、また工事区間と沿うようになった。架線はまだ張られていないが、電化用の電柱もあちこちで立っている。
9時10分、クライに到着した。KTMのウェブサイトには出発時刻しか記載されていないが、この駅の出発は9時17分である。元から余裕がある設定なのか、それとも新しい路盤を走る区間が多くなっているため早着しているのか、謎である(たぶん後者)。
定刻に出発し、次は9時47分にラヤン・ラヤンに到着したが、なんと新駅は6番線まである大きな駅であった。複線電化後、どれほど増発させる気なのであろうか。
@でかい -
なお現状(1日4往復)では、まだ新駅舎は使用していない。停車するのは、新駅の先にあった簡易ホームのような小さな駅であった(この後、すべての停車駅が同様の方式であった)。
9時58分にルンガムに到着して同駅を10時00分に出発し、続いてクルアンには10時32分に到着した。44分発予定であるため停車時間は12分もあるが、実はこの駅の手前(駅がない場所)でかなりの時間停車していたのである(それなのに停車時間が長い)。
謎の停車が長いが、旅行者にとっては有難いので、ホームに降りて撮影タイムである。
@暑い -
なお6割くらい埋まっていた座席であったが、この駅で半分くらいは降りてしまった。ここまではジョホールバルから2時間程度であったが、複線電化+停車時間の削減で、1時間くらいになると予想される。そうなれば、もっと利用者は増えるのであろうか。
同駅を定刻の10時44分に出発。同駅の新駅となる大きな建物を通過していった。
しばらくすると、田舎の景色になっていった。最後尾であることを思い出し、後ろのデッキに行って撮影である。
@雄大 -
11時04分にパローに到着し、またしても長時間停車して、11時13分に出発した(1分の早発)。なおこの駅では、仮のホームが短すぎて、A号車とB号車は外れてしまっていた(降りるためにはC号車に行く必要があり)。
カフェ車に行っても面白そうであるが、以前の経験からするとカップ麺やお菓子程度しかないため、今日は昼食を持ち込んである。朝のミーゴレンを買って店で入手しておいた、アヤム(鶏肉)付きのナシゴレンである。
@これも辛かった -
その後も、停車予定駅で「数分の停車」「1~3分の早発」を繰り返していった。途中でジョホールバル・セントラル行の列車とすれ違ったが、あちらはかなり短い編成のようであった。
昼食を食べたこともあり、少しウトウトとしてしまった。ふと目を覚ますと12時を過ぎており、隣の路盤を見てみると架線もすでに張っている状態であった。
@電化近し -
終点のグマスまでまだ1時間以上あるが、すでに係員が来て折り返しの準備を始めている(座席のリクライニングを戻したり、カーテンをまとめたり、掃除をしたり)。A号車には偶然10人くらいの乗客がいたが、別の車両を見に行ってみると、BやCはもう2~5人くらいしか乗っていなかった。
スガマッを12時39分に早発し、終着のグマスには13時04分に到着した(時刻表より10分の早着)。
さて、ここで日本の鉄道ファンに悲報である。JRからマレーシアに譲渡され、その後「マラヤン・タイガー・トレイン」として営業を開始したもののすぐに運行を中止していたブルートレインの車両であるが、新グマス駅の係留線で朽ち果てるように放置されていた。
@無念 -
再度走ることを期待していたが、これではもう無理そうである。寝台や座席車両、10両くらいはあったであろうか(貴重なBソロ用の寝台もあった)。
さて、ここで乗り継ぎ時間が2時間くらいもある。取り急ぎ、旧グマス駅に向かってみることにした。
すると、駅舎はミュージアム及びレストランとして再利用されていた。これは、良い時間つぶしになる。
@あれこれ見学 -
時間潰しにはなるが、さすがに2時間は潰せない。となると散策であるが、今日は劇的に蒸し暑く、そもそもグマスに観光スポットはないため、それもやる気になれない。ということで、空調はないが新グマスの待合室に行き、この旅行記を書いたりして時間を潰した。
(前回のグマス訪問時は、散策途中で豪雨に遭って非難した東屋で猫と出会ったが、今回は新駅舎で猫と出会った)
@グマスと言えば猫(私的に) -
しかしそんな暇潰し(旅行記作成)も、30分もあれば終了である。かといって、外歩きをする気にもなれない気候である。
仕方なく、再度駅構内を適当に歩いて、掲示してある案内などを(もうすでに見終わっているが)再び見たりしていた。
そこでふと首を上げると、入口の上部に、以前の駅で掲示されていた大きな鉄道の絵が移設されていることに気付いた。こういう傾向(すべてを壊すのではなくて、再利用する)は、嬉しい。
@久々の再会(13年前の旅行記でも紹介した絵) -
14時半を過ぎると、待合ロビーで列車を待つ人の数もかなり多くなっていった。
14時50分に改札が開始。何番線に行けばいいのか分からないが(アナウンスはあるが、英語は皆無)、人の流れに沿って行けばいいであろう。
人の流れを追っていくと、一番奥の6番線に辿り着いた。まだ電車のドアは開いていないが、6両編成のETS(エレクトリック・トレイン・サービス)が停車しており、これがこれから乗車するバタワース行である。暑い中、ひたすらドアが開くのを待ち続けた。
@新しい電車 -
15時頃にドアが開いたので、早速中へ。逆に車内は、凍えるような寒さである。座るや否や、上着を着込んだ。
定刻の15時20分、グマスを出発した。ジョホールバルから乗り継ぐ人などいないと思っていたが(グマス下車時点で数えるほどしか乗客はいなかった)、A号車で見かけたおじさんが同じ車内にいたのが驚きであった。
列車は快走を続ける。新しい路盤が安定していることはグマスまでの乗車でも分かっていたが、新型の電車であると、さらにスムーズである。
@景色は似たり寄ったり -
15時51分、タンピン(駅名表示はPulau Sebang)に到着した。ホームにはかなりの乗客が待っており、私が乗っている号車も満席状態となった。グマスからKLセントラルまでのETSは1日に2往復しかないが、もっと増やしてもいいのではないだろうか。近郊列車(コミューター)よりは、収益的に儲かるはずである。
同駅を定刻の15時51分に出発。列車は、140キロで快走していく(速度は車内表示による)。
新型の車両であるが、敢えて難点を指摘するとなれば、出入口付近に荷物棚がない席があるためその人たちの荷物が中央に押し寄せてくることと、日除けが「2列で1枚」であるため(韓国KTXのように)、他人に閉められてしまう可能性がある点であろうか。
しばらくすると、コミューターの駅を通過するようになった。
@コミューターの車庫 -
快走を続け、各駅を定刻で出発していった列車であるが、セレンバン以降は所々で鈍足となった。路盤も以前のものを利用しているようで、右に左にとカーブが増えている(駅自体も、セレンバンからは新設ではなくなっていた)。時折、「ガタンゴトン」と音がする区間もあるくらいである。
カジャンを出発すると、もうクアラルンプールは近い。左手には複線の立派な路盤が寄り添ってきたが、これは空港連絡のKLIAエクスプレスである。
@空港行 -
時折超鈍足となったが、KLセントラルには17時54分に到着した(同駅発は18時00分であるから、定刻の範囲であろう)。
すっかり体は冷え切ってしまったが(上半身は西日を浴び続けたからまだマシだが、足元は冷え冷えである)、予約してある駅近くの安ホテルに投宿した。
■2023.10.9
今日はまず7時08分発の列車に乗るが、念のため早めの6時半過ぎにホテルを出た。結局、これが大正解。昨日と同じルート(モール街)を抜けようとすると、ビルの出口が閉まっていたため、大きな建屋自体をぐるっと迂回する必要があったためである。
KLセントラル駅での長距離列車の手続きについては、コミューター等よりも1フロア上でやることは知っていたのでそこに向かったが、改札はあるものの、1・2番線は閉鎖されてしまっている。
@閉鎖中 -
電光掲示を見ても、これから乗るETSは「3番線」出発となっている。
結局、「ある程度人数が集まったらプラカードを持っている係員に引率されて移動し、コミューター等の改札の横を開けて団体で通っていく」というアナログな手法でホームへと向かうこととなった。
待ち構えていたのは、7時08分発予定のパダン・ブサール行である。
@先頭(最後尾)車両 -
今日はタイピンまで往復するが、お試しに往路はビジネスクラスにしてある。横3列の座席で、食事等のサービスも付いているという(ただし、復路が2,000円程度に対して、往路は倍の4,000円程度である)。
撮影を終えてから、早速車内へ。一般席と比べると大きな座席であるが、フィット感はそれほどでもない感じである。そして、各席に電源もある。なお、窓との相性はあまり良い席ではなかった。
@壁部分近し -
スクリーンが収納されていたので、それを出してみた。食事の注文(自腹料金)や、インターネットができるようである。ネットは試してみたが、日本語表示はあまり得意ではないようで、接続速度はあまり早くなかった。そもそも、これを出して利用している人は、周囲に見当たらない。
@あまり使われていない? -
定刻にKLセントラルを出発。備え付けスクリーンのインターネット以外に、Wi-Fiも飛んでいるので利用可能である(ただし、田舎で高速走行になるとあまり繋がらなくなる)。
クアラルンプール近郊では、コミューター路線もあるため、あまり速度は出せない。ただし、改修中の路盤があちこちであるため、そのうち高速化がされるのかもしれない。
しばらくすると、朝食が配布された。サンドウィッチとジュース等、それにイヤホンや水である。余所様のネット記事によると、昼などはマレーシアっぽい食事が出るらしいので、そうすれば良かったかと後悔した。マレーシアっぽいものは、タイピンで探すしかない(と、この時は思っていた)。
@サンドウィッチの右側にある品が、箱の中身にあったもの) -
郊外に出ると140キロで快走する場面もあるが、所々で低速走行となる区間も多い。それでいて時刻表からは遅れていないので、「本格的な高速化の途中」なのであろうか。ずっと高速で走行すれば、もっと時間短縮ができると思われる。
@沿線でボロ車両発見 -
9時46分、イポーに到着した。沿線の中では大きな都市であるためここで大量に降りるのかというと、誰も降りない。これは、切符の販売システムに関連があるのかもしれない。
当初イポーに行くことも考えて時刻検索をしたのであるが、私が今乗っている列車は検索結果に出ず、KLセントラル発8時47分発の列車(イポー止まり)が朝一番であったのである。もしそのような売り方をしているとすれば、確かに売れ残りは少なくなるであろう。
同駅を出発すると、再度ワゴンがやって来た。「お菓子タイムか、それとも飲み物の追加かな」と思っていたが、なんと昼食であった(時刻はまだ10時ちょっと過ぎ)。
@まさか -
昼食にしては早すぎるが、いずれにしても私はタイピン(10時28分発予定)で降りるため、これはありがたい計算外であった。
タイピンが近づくと、女性係員が「タイピンで降りますよね」と念押しに来てくれた。同駅で降りたのは私だけであるが、まさかそのために昼食を早めたわけでもあるまい(それにしても、10時ちょっとは早すぎるが)。
予定通り、タイピンで下車。この町にある博物館に鉄道車両があるらしいので(ただし1両のみ)、そこに行く予定である。
暑さの中必死に歩き始めたが、駅から10分ちょっとで、予想外に機関車と出会うこととなった。
@とんでもない偶然 -
なぜここに機関車があるのかは不明であるが、タイピンの駅名標なども近くにあった。
このような旅行方法をしていると、知り合いから「なんでタクシーとかに乗らないの?」と聞かれることもあるが、やはりネタは足で稼ぐものである。
駅から30分ほど歩いて、ペラ州立博物館に到着した。瀟洒な建物であるが、道路向いは刑務所という面白い立地である。
@やっと到着 -
外国人料金(5リンギット)を払って、建屋内へ。まずは日本軍関係の資料である。奥に進んでいくと、民族や歴史に関する様々な資料がたくさんある。それらについては正直なところあまり興味はないが、いかんせんクーラーが効いているので、3周くらい見続けて体を落ち着かせた。
その後は、やっと屋外展示である。自動車やバスや船、そして航空機とともに、小さな鉄道車両も展示されている。
@これが目当て -
見学後は、また30分以上かけて駅に戻っていった(往路とは少し違うルートで)。暑いが、所々で瀟洒な建物があったりウォールペイントがあったりして、街歩きは楽しむことができた。
最後の鐡ネタは、タイピンの旧駅舎であろうか。レストランやカフェとして再利用されており、中には「STATION」というそのままの命名のレストランもあった。
@もう駅ではないですが -
駅に戻り、この時点で12時40分頃。戻りの列車まで1時間ほどあるが、旅行記を作成する気力もなく、天井にある扇風機の風が当たる席でしばし休憩+うたた寝である。
体力を回復してから、13時42分発の列車でKLセントラルに戻った(17時05分到着)。
さて、後は日本に帰るだけである。経費削減という意味でバス(15リンギット)にて空港に行こうと思っていたが、次の出発は18時とのこと。それでも十分に間に合うが、面倒なので、KLIAエクスプレス(55リンギット)で移動することにした。
切符を買い、エクスプレスに乗車。しばらくすると、昨日乗車していた路盤と寄り添うが、高速鉄道という意味ではこちらのほうが数段上である。スカイライナー並みの高速走行である。
@今日はこちら側から撮影
飛行機の出発は22時50分だというのに、18時過ぎには空港に来てしまった。とりあえずラウンジでまったりしてから、帰るだけである。
*旅行記および私の詳細については以下で。
「鐡旅」http://www2u.biglobe.ne.jp/~kokuden/tetu.htm
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この旅行記へのコメント (2)
-
- きつねうどんさん 2023/10/12 00:27:01
- 私はクアラカンサーまで利用しました。
- こんばんは
ビジネスクラスがあるとは知りませんでした。
ホームがいったいどこなのか。
チケットをネット検索した時に、イポー行きだと7:08が出てこないこと。
分ります!誰に相談しても分かってくれなかった。
共感しすぎて楽しく拝見しました。
きつねうどん
- 国電さん からの返信 2023/10/12 20:09:34
- Re: 私はクアラカンサーまで利用しました。
- きつねうどんさん
ご訪問ありがとうございます。
ビジネスクラスは、席を選ぶときにA号車にすると、横3列(2+1)の席になって値段が倍くらいになります。まぁ、その価値があるかどうかは微妙ですが(普通席に乗って、差額でマレーシアグルメを満喫した方が良さそうです)。
当初は「朝一番でイポーに行って、昼過ぎにKLに戻ってきて観光」というのも考えたのですが、イポーを目的地にすると7時台は出てこなくなる…。かなり悩みました。何度やり直したことか(笑)。
結局、鉄道車両目的でタイピンにしましたが、モスク等を巡るのであれば、クアラカンサーもアリですね。
またのご訪問をお待ちしております。
--
国電
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