2023/10/04 - 2023/10/04
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カンボジアのヤシ砂糖
ヤシ砂糖製造は重労働です。
東南アジアにはヤシ砂糖を製造し、料理に使用する習慣があります。カンボジアでも古くから全土で製造 され、
料理には欠かせない調味料となっています。製造にあたっては特に大がかりな工場ではなく、いま だに各農家がそ
れぞれに家内工業で製造しています。
ヤシ砂糖はカンボジア語で「トナオッ」と呼ばれ ある砂糖ヤシの樹(パルミラヤシ)の樹液を原料に作られます
が、この樹液の採取がなかなかの重労働です。ヤシの花の先端から染み出る樹液を「アンポン」と呼 ばれる竹筒に
ため、それを朝夕の2回樹に登って採 取します。しかし、この砂糖ヤシの樹は10~20mも の高さに成長し、花は当
然、頂上部分の葉が密集するあたりに咲きます。そのため、一度に十数本の樹に登り降りしなければならない樹液採
取はけっこうな重 労働となります。この樹液は採取された直後はやや酸味 のあるサッパリとした味で、これが砂糖
になるとは とても思えません。ちなみに、この樹液を発酵させた物がヤシ酒となります。
さて、ここまでは男性の仕事でここからは女性に バトンタッチです。集められた樹液はすぐに発酵が始ま そうな
るとヤシ砂糖造りには向かなくなります。樹 液には発酵を遅らせるため 「ポペール」と呼ばれる木の枝を入れてお
くが、それでものんびりとはして いられません。すぐに女性たちが家の庭先で大きな鍋 を用意し作業を開始しま
す。作業といっても4~5時 間はただ樹液を煮詰めるだけです。大変なのは焦げ付か ないよう目が離せないことで、
またときおり大きな ヘラでかき混ぜなければなりません。わずかでも焦げ 付けば味が落ちるため、いっときたり
とも離れられ ません。ちなみに後記のヤシ砂糖造りの見学は、この煮詰める作業を見学することになります。
じっくりと5時間ほどに煮詰められた樹液は粘度 のあるドロドロの茶色いアメのようになります。ここから火を落
とし、冷めていくまでの間に大きなヘラで さらにかき混ぜ続けていきます。ここまでくれば味はもう立派な砂糖に
できあがっています。指先に付けてなめてみれば、このままおやつでも食べられそうです。
これで製造作業はほぼ終了です。できあがったアメ状 のヤシ砂糖は、一部は固まる前にバケツに移し市場 などへの
出荷用に保管します。残りは筒状のカンに入れて固形状にして、取り出したあと、ヤシの葉でくあるんで固形のヤシ
砂糖にする。農家の庭先や市場で みやげ物用として売られている物がこれにあたります。
ヤシ砂糖は重要な現金収入です。
このヤシ砂糖製造は11∼2月の乾季のみに行わ れています。樹液採取から製造、運搬まですべて家族のみで行うため
人件費がかかりません。経費はせいぜい煮詰めるための薪代くらいです。砂糖ヤシの樹も自分その土地の物なら経費
はかからず、借り物ならその賃 料を持ち主に支払うが高額ではありません。したがってヤシ砂糖販売のほぼ全額が
家族の収入となるため、農 家にとっては重要な現金収入源となっています。
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