「なまら蝦夷だべさ」羽幌沿海フェリーと焼尻島の旅

2023/08/13 - 2023/08/13

「嗚呼、羽幌沿海フェリーに乗って焼尻島のサフォークラム食いたいべさ」という心の叫びを実行すべくいざ抜錨。
羽幌港まで片道180キロを車でお冬さん岬経由で北上して羽幌沿海フェリーの高速艇に乗って焼尻島のサフォークラム食べにいざ上陸。
流石に気分が高揚したべさ。

＜目的＞
・離島航路の羽幌沿海フェリーの天売焼尻航路を体感する
・焼尻島をトレッキングした後に希少種のサフォークラムにがっつく
＜所感＞
・羊肉特有のクセのない噛み応えありすぎてフランス料理向けに特化したラム肉だった
・粟島に「わっぱ煮」を食しに行く恰好の演習となった。

エリア 苫前・小平・羽幌(北海道)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 5.0
• グルメ: 3.5
• 交通: 5.0

• 一人あたり費用: 1万円 - 3万円
• 交通手段: 船 自家用車 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

この日は焼尻島へ向けて始発便となる「さんらいなぁ２」は122トン夏季限定の高速艇に乗り込む事にした。

巡視艇を手掛ける墨田川造船製のウォータージェット推進で23ノットで25キロの片道を30分で駆け抜ける動力性能を持つ。

そんなこんなで羽幌フェリーターミナルをフェリー「おろろん２」より１０分早い出航となる。
しかし速力が段違いなので追いつけませぬ。

これが高速艇の船内なのです～（電）

高速艇のデッキプランなのです～（電）

出航するや否なワイルドな海岸線の北海道本島を見ゆ。
日本海名物の風車が強風地帯であることを物語る。

何やらデカいプレジャーボートのような風情の高速納涼艇である。

高速艇の後部より羽幌港を見ゆ。

ウォータージェットと思しき高速納涼艇のウェーキーと北海道本島の天塩山地を見ゆ。

ウミネコがこんな沖合くんだりまで追撃してきました。

左舷前方にオロロン鳥で有名な天売島を見ゆ。
この島は更に遠くて地形が険しいため、日帰り行脚は困難でしょう。

そして目的地の焼尻島へ向かって矢のように刺さって行きます。

定刻通り30分後に焼尻島へ着岸せり。

側面にプリントされた留・萌っ娘が何やら「艦これ第六駆隊の雷（いかづち）」かと思ったぞう。

高速艇「さんらいなぁ２」は迅速に天売島へ向かいます。

往路「さんらいなぁ２」御船印なのです～（電）

上陸地点となる焼尻島の看板がやたらデカいのです

焼尻島フェリーターミナルの左隣に焼肉屋が隣接しておりまする。

島内一周12キロ行脚を決め込み、とりあえず漁港と兼用の焼尻港を見下ろします。

島の道幅は概して狭いものです。
広島県の江田島も然り。

工兵街道記念碑に来てみます。

もちろん天売島もすぐ目の前に望めます。
焼尻港から天売港までは11キロあります。

何と130キロ真北に利尻島（1721m)が浮かんでるではありませんか。
余談ですが海面からの標高差は涸沢から奥穂高岳に匹敵します。

そして島の原生林と称されるオンコ林へ突入します。
行った事がないのですが、「ヤマタイカ」でもおなじみの久高島の聖地（大御嶽）のようですな。

暫く歩くといきなり視界が開けて高台のめん羊牧場へ躍り出ます。

オンコ海道から北海道本島を見ゆ

ゴトシープのような羊が居ないと北海道というより沖永良部島とか南大東島のような風景に見えます。
居ればスウェーデンのゴトランド島のような様相になる事でしょうが。

しかし北方に目を転じれば利尻山が望めます。

道端にはオニユリが咲きます。

そして高山植物である筈のミヤマリンドウも咲きます。

ひたすら一本道をてくてく歩き倒します。

そんなこんなで「鷹の巣園地」と呼ばれる岬に説きます。
このあたりが島の最高地点だそうです。

天売島が目の前ですな。

鷹の巣園地から見ゆ武蔵水道越しの天売島、何やら牡鹿半島から見る金華山を彷彿させます。

オロロン鳥の聖地・赤岩付近をズームアップ
あえて天売島を別の機会に愉しみとしてとっておくのが粋というものです。

鷹の巣園地から25キロ先に北海道本島を見ゆ。

ハイエースの観光タクシーがさも邪魔臭そうにすり抜けていきます。

これが島唯一のビーチ、白浜海岸です。
どう見ても岩場だらけで白浜には見えません。
見るからに足の裏が痛くなりそうな海岸です。

この僅かな砂浜でしか海水浴ができませんが、お盆前なのであの世の亡者からお呼びがかかって泳ぐ気にはなれません。
（お盆前に泳ぐ気になる人はおそらくお呼びがかかってるのでしょう）

ランランルーなドナルド・マクドナルドの碑。
遂にドナルドの正体顕る。
マックの店舗を焼尻島に設けるべきですな。

島で唯一の灯台「焼尻島灯台」
灯台までの道路標識がなく、藪こぎ必至なので行くのに苦労させられます。

焼尻島灯台の能書です。
灯台マニアの方々はスペックを参考にして下さい。

そんなこんなで、2時間半で島を一周して焼尻港へ戻ってきました。

そして最大の目的である、サフォーク種の焼肉ランチの開催です。
希少種だけに値段は強気な三千円のため、レンタルサイクル代を浮かせて充がうのもあり徒歩で一周した経緯もあります。

サフォーク種は草しか食べさせないため、生焼けでも頂けるそうです。
でも弾力があり過ぎて噛み切るのに苦労するので、マニュアル通り徹底的に焼くことにします。

火力を上げて、油の旨味を引き出します。
確かにクセがなく羊肉が苦手な内地人には喜ばれる味ですが、道産子にとっては逆に物足りなさが禁じ得ません。
聞くところによるとフランス料理向けの食材のようですが、何となく理由が分かる気がします。
あといかんせん肉の量が少ないので、コスパの悪さも禁じ得ませんでした。

余談ですが後日、石狩当別で成吉思汗定食頂きましたが味・コスパ共に上でした。

まだフェリーの乗船時間まで間があるので、オンコ林で森林浴します。
施工が綺麗な人道橋が三か所ばかりあります。

これが島内最大のオンコの木で、島開墾のために伐採しようとした人が呪われてお亡くなりになったそうです。
それにつけても「触らぬ神に祟り無し」ですな。
ましてや屋久島の縄文杉など伐採しようものなら亡国モノでしょう。

帰りは鉄道車輛メーカーとして名高い新潟鐵工所製の羽幌沿海フェリー「おろろん2」で羽幌まで戻ります。

接岸間近の「おろろん2」
鉄道車輛メーカー新潟鐵工所製の489トンの小型フェリーで15ノットで1時間で航海します。

「おろろん2」の一等船室リクライニング席ですが二等で乗船券購入して、始終デッキに居たので利用してません。

忘れてはならない「おろろん2」のデッキプラン。

出航するや否や、実に見た目が怪しげな岩を目にします。

そして僅か７時間の滞在時間を終えて焼尻島を後にします。

「おろろん２」のブリッジ越しに進撃する。
何しろこの角度のフェリーが大のお気に入りです。

「おろろん2」のファンネル
巨大フェリー（新日本海フェリーや太平洋フェリー）のファンネルを見慣てしまったせいか、実にかわいらしく見えます。
あまつさえ彼の青函フェリーが大きく思える程です。

「おろろん２」の航海設備。
船の大小を問わず基本は同じのようです。

行き合いの「さんらいなぁ2」越しに百名山の利尻冨士（1721m)を見ゆ。

そんなこんなで、遂に北海道本島へ戻りつつあります。

復路「おろろん2」の御船印なのです～（電）

そんなこんなで羽幌フェリーターミナルへ到着しました。
苫前で車中泊して士別でサフォーク種をハシゴするつもりでしたが味覚の琴線に触れない種だったので、トンボ帰りを決め込むことにしました。

行脚の汗を流した苫前温泉「ふわっと」
強塩性の温泉ですが、ちと癖のある匂いの温泉でした。
露天風呂からは天売・焼尻諸島が望めますが、道内ツーリング客でごった返してたので露天風呂からの絶景を控えざる得ませんでした。
ただ、接客が地方商工会議所レベルなのが痛かったです。

あと「三毛別羆事件」のDVDなど販売してましたが、「羆嵐」小説でも周知の通り余りに惨い内容のためとてもではないが購入する気にもなれませんでした。