2023/08/03 - 2023/08/03
622位(同エリア667件中)
ドクターキムルさん
- ドクターキムルさんTOP
- 旅行記7569冊
- クチコミ134件
- Q&A回答247件
- 7,176,154アクセス
- フォロワー40人
三渓園に移築されている御門と海岸門はいずれも京都東山の西方寺にあったものである。
やはり、御門の屋根を見ると飾り瓦を載せる形に見える露盤が上がっていることに気が付いた。
今日は入園者が殆どいないので職員に聞いてみたら、事務を担当しているので分からないということで学芸員がいるのでと呼んでくれた。
飾り瓦に詳しい人は存じ上げないが、三渓園にある2つの門の屋根には飾り瓦が上がっていることは前回に訪れた際に見ているが、海岸門の飾り瓦が何であったかは忘れてしまっていた。
飾り瓦については何も知らない学芸員に飾り瓦について少し講義した。
寺社の屋根には唐獅子などの飾り瓦が上がっている。奈良や京都では浪の飾り瓦は東大寺、法隆寺、當麻寺でしか見たことがないが、鎌倉や横浜では神社の屋根の半数余りは浪の飾り瓦である。唯一、新選組で有名な壬生寺にはこの浪の飾り瓦が上がっていて驚いたことがある。住職に話を聞くと、瀬戸の製品カタログにあったのでWebで購入したというのだ。しかし、寺格にあった飾り瓦でなくては。なお、天皇陛下に関わる建物で瓦屋根なら菊の飾り瓦が上がっており、京都御所の仙洞御所や桂宮邸跡の表門には桃の飾り瓦が上がっており、京都の門跡寺院などには桃の飾り瓦が上がる格式の高い寺院もある。この辺りでは鎌倉の建長寺の門が昭和17年(1942年)に京都の門跡寺院から移築したもので、寺格にも合わずに桃の飾り瓦が上がっている。
実は、海岸門の屋根にもこの桃の飾り瓦が上がっているのだ。それを講義している私も聞いている学芸員も気が付いてはいない。
御門の露盤はかつて訪れた奈良の裏にある円成寺(えんじょうじ)の庫裡に上がっていた。円成寺は仏師運慶が若い頃に彫った大日如来像(国宝)があることで有名であり、春日堂と白山堂(いずれも国宝)がある古刹でもある。
あるいは、鎌倉の長寿寺の観音堂は鉄筋コンクリート造りになる前の円成寺の多宝塔を移築したものである。
したがって、こうした各式が高い寺院では露盤を上げるのかとも考えていたからだ。
それにしても建長寺に移築された般舟三昧院の門といい、三渓園の海岸門といい、各式の高い寺院から移築したものだ。
しかし、何とこの御門に上がっている露盤は三渓記念館に展示されている昔の写真にはないではないか!ではどうして御門に露盤があがるようになったのか?
こうした歴史的建造物を移築した三渓園において、由緒ある建物の外観を変えてしまったのでは「捏造ではないか?」
まったく、声も出ないほどのショックであった。
したがって、旧燈明寺本堂の屋根に上がる露盤も怪しいものだ。
(表紙写真は三渓園の御門)
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
ドクターキムルさんの関連旅行記
本牧・根岸・磯子(神奈川) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
3