2023/05/04 - 2023/05/04
95位(同エリア123件中)
gianiさん
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はなり?なはり?と戸惑う名称。
新線の終着駅は、土佐の交通の要所でした。
古い町並みが残る乙な宿場です。
伊尾木洞は、らんまんのロケ地でおなじみ。
幻想的な世界が広がります。
海岸線の近くに位置することもビックリです。
- 旅行の満足度
- 5.0
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高知駅から直通列車が。
1時間ほどの旅で終着駅。
奈半利(なはり)駅到着です。 -
ハザードマップですが、位置関係を把握するのに役立ちます。
高知から海沿いに徳島まで続く土佐浜街道(土佐東街道)の宿場町でした。
奈半利川の河口に位置します。
室戸岬をショートカットする野根山街道の基点でもあります。奈良時代に整備され、参勤交代ルートでもある由緒ある山道です。 -
まずは東山家住宅。
1905年築の母屋は、典型的な、つし二階の商家造り。むしこ窓もしっかりと。趣のある奈半利の古い町並み(登録有形文化財) 名所・史跡
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製材業を営んでいましたが、土蔵を薬局に改装。
壁の水切瓦が。土佐らしい景観を醸し出します。 -
裏側から
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濱田家住宅(明治後期)
発注した濱田寅太郎は、小作人を多数抱える大地主でした。主屋の内装は、意匠が随所に反映されています。 -
濱田家土蔵(1934年築)
壁の水切瓦の段数が印象的。段数が多いことは、経済力の指標でもあります。 -
圧巻です。
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匿名宅。
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つし二階と石塀
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概ね、土佐東部の沿岸地域で観られるスタイルです。
丸石か丸石を半分に砕いたものを積み上げ、隙間は赤土か漆喰で埋めます。
ここは台風銀座。外洋から直接吹き付ける強風対策です。 -
街道筋には、古い商家も、
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竹崎家住宅
屋号は高田屋で、樟脳業で栄えました。主屋/離れ/蔵は1890年築。
喫茶店として一般公開。高田屋 グルメ・レストラン
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蔵の上部は漆喰塗りで、水切瓦によって、壁に打ち付けた雨水を速やかに排水します。
下部は表面を焼いた杉板で、下見板張りによって、壁の水切れを良くしています。 -
押縁(おしぶち)下見板張り
全国各地で普通にみられる伝統的な構造。
壁を覆う板を垂直に張り合わせるのではなく、傾斜をつけて張り合わせることで、板壁に打ち付けた雨水の排水速度を上げます。押縁と呼ばれる縦方向の角柱で下見板の左右両端を押さえます。押縁は、下見板の傾斜に合わせてギザギザに切り込みが入っています。 -
伝統的町並みにも、高密度で津波避難タワーが点在します。
(冒頭のハザードマップを参照) -
浜田家(1903年築)
上のタワーの右隣の家で、屋号は増田屋。
1795年創業の造り酒屋で、質屋も営みました。 -
右側には、うだつが写っています。奈半利では、レアらしいです。下はナマコ壁。
土間の梁は50㎝角で長さ12m、しかも松材でこの寸法!
奈半利は、奈半利川沿いで伐採された木材の集積地。船で大阪まで運ぶ廻船業で栄えました。 -
お約束の水切瓦。
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レンガ蔵(1903)
材木を積んだ船は、帰路はバラスト代わりに関西の赤レンガを積んで帰りました。
敷地内には幕末築の酒蔵もありますが、道路からは見えません。 -
続いては、森家住宅(1918年築)。
元々は、野村茂久馬(1870-1960)邸宅。茂久馬は土佐の交通王と呼ばれ、四国最大の交通網を形成します。室戸岬の中岡慎太郎像、桂浜の坂本龍馬像、高知城の板垣退助像の建設にも奔走します。 -
戦後は、料亭として使用された面影が残ります。
現在は、水道工事店です。 -
石壁も1918年築で、東側のレンガアーチの門が、アクセントです。
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石壁に沿って北上すると、
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藤村製糸工場跡
2005年のブラジル移転まで稼働。
土日祝以外のオフィスアワーなら、見学もできるそうです。
次回は、平日に訪問します。 -
繭蔵(1899年築)
酒蔵として建設されたものを、1917年の創業に伴い、絹糸を取り出すための蚕繭を収蔵する蔵に転用。 -
水切瓦は、奈半利最多の6段。といっても背が高いので、金満感よりも必要(実用)に迫られて感を感じます。
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中を見られないのが、残念です。
四国で、最後まで創業した製糸場でした。 -
改田家住宅(明治初期)
藤村捕鯨株式会社(土佐の近代捕鯨3社の一つ)の役員を務めた家柄です。
石壁は、高さ210㎝厚さ35㎝全長23m。一方、門の写る東西面は、独特の石壁。 -
高札場
藩や幕府のお触れを掲示し、宿場の中心に設置されます。
ここから野根山街道が分岐します。718年には既に確立された古い道です。高札場 名所・史跡
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高札場には、地蔵堂が。
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ディナーは、奈半利駅ホーム向かいのイタリアン。
地場食材の使用状況が明快なメニューが魅力です。イタリア食堂トンノ グルメ・レストラン
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白身魚のフリッター 北川村ゆずのソース
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ピッツァなはりたん
やっこねぎは奈半利産、豚肉は高知産。 -
本日のケーキ
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結局、生チョコのチーズタルトアイス添えをチョイス。
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こんな感じで、列車乗場とツーカーの位置関係(笑)。
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青空ホーム
各駅に、やなせたかしさんがデザインしたキャラクターがいます。奈半利駅 駅
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タイガース列車で移動。
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車内
背番号00は、亀山努ではありません。 -
車窓の夕日
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同上
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海に沈む夕日
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伊尾木駅
なぜ寅さんかというと、ここが49作目のロケ地だから。
でも、渥美清さんの死によって実現には至りませんでした。伊尾木駅 駅
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国道55号線沿いに、観光ステーションがあります。
今回は朝の早い時間帯を狙ったので、公民館で杖を借りて臨場。 -
国道から、こんな感じで道が。
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地図で表記すると、こんな感じ。
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天然のトンネルを潜って、いざ潜入。
伊尾木洞シダ群落 自然・景勝地
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伊尾木洞
暗い行き止まりではなく、トンネルを潜ると渓谷が広がり、反対側へ歩いて抜けられる安全な道です。 -
後ろを振り返ります。
学術的には、水成岩で構成されているとのことです。よくわかりませんが、地上2m付近で、上下の浸食の性格が異なります。 -
公民館で借りた杖をスケールに。
杖は、この後の悪路で大活躍します。 -
出口が見えました。
山奥ではなく、海岸線の近くにこんな世界があることに本当にびっくりです。 -
幅3m高さ5m全長100mのトンネルの出口(反対側)。
小川の地道な浸食で、穴が開いたみたいです。 -
手前へ引いた構図。
シダ植物が繁茂しています。 -
5月下旬の朝の7時台。ちょうど日が差し始めた感じです。
壁は苔や羊歯植物が繁茂。
湿気を好む植物がらんまんです。 -
牧野博士が、植物採取に励んだ場所です。
ドラマのオープニングや、要所で映されるスポットですね。 -
伊尾木洞の羊歯群落
1926年に国の天然記念物に指定。固有種はありませんが、各種が一堂に会するシダの見本市的スポット。理屈はともかく、海外旅行並みのインパクトがあります。きっとインスタ映えすることでしょう。 -
早起きは、三文の得です。
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ドラマ「らんまん」でおなじみの倒木のあるカット。
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竹を発見!
※竹雄ではありません。 -
伊尾木洞の地層
トンネル部分とその先は、砂岩の穴内層。その先は礫岩の六本松層です。
上下に地盤が動いて、時代の違う地層が隣り合わせになっています。 -
朝日の当たらない部分。
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壁には礫も残ります。
以前に川原だった部分が隆起したとわかります。
礫の粗さから、地面に近い部分ほど、歴史が新しい(石が大きく鋭い)のも分かります。 -
滝を目指します。
見えにくいですが、前を牧野先生が誘導しているのがわかりますか? -
滝に到着
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静かです。
比高10mほどの丘を越えて、反対側へ抜けるルートもありますが、私は引き返します。 -
苔、羊歯、竹、乙な組み合わせです。
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濡れた場所を飛び越えるのに、杖が大活躍。
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水面をクローズアップ。
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隙間から差す光。
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カメラの露出を+1.5に補正。
人間の目は賢いので、自動的に瞳孔を調整するので全然意識しませんが、これよりも明るい感覚です。なので、足元もはっきりと見えて安全です。時々カメラのファインダー目線で見ると、場所ごとに照度がだいぶ違うことに気付かされます。 -
洞穴が近づきました。
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洞穴内は、年間を通して20℃前後に保たれるそう。
このあと、安芸市は30℃超えです。
朝の涼しい散歩でした。 -
伊尾木駅へ戻ります。
近所の寅さん地蔵は、スルーしました。
安芸市街へ向かいます。
次の旅行記↓
https://4travel.jp/travelogue/11839087
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