春風そよぐパッチワークの丘と雪解けの花畑　美瑛・中富良野

2023/05/13 - 2023/05/24

遥か十勝岳連峰にはまだ残雪がある中、美瑛・富良野もようやく春を迎えました。

丘の畑では秋まき小麦が長い冬から目覚めてすくすくと育っています。そんな折、5月中旬と下旬に2回、美瑛方面へドライブしました。この時季はトラクターで畑を耕す作業が終わりに近づいたようで、これからジャガイモや小豆、大豆、トウモロコシ、ネギ、ソバ等の野菜が植えられていく時季になります。

昨秋、褐色にそまったカラマツの木々も新芽が出て緑萌える春になりました。中富良野のファーム富田や美瑛四季彩の丘にも春の花が咲き、これから夏の花も成長して少しづつ鮮やかな色にそまってくることでしょう。

そんな、美瑛・富良野の丘や畑を2日に分けていつものように廻ってみました。私の旅行記では頻繁に登場するスポットばかりですが、もしよろしければ写真だけでも覗いていただければ嬉しいです。

エリア 美瑛（びえい）(北海道)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5

• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: 自家用車 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

今回訪れたのは
《5月13日》
①四季彩の丘（美瑛町）
②パッチワークの丘（美瑛町）
《5月24日》
①パッチワークの丘、マイルドセブンの丘、親子の木、ケンとメリーの木
　クリスマスツリーの木（美瑛町）
②ファーム富田（中富良野町）

以上のスポットです。最後までお付き合いいただければ幸いです。

5月13日、四季彩の丘に出かけました。今年になって初の訪問です。例年だと混色の色とりどりのチューリップ、そしてムスカリが咲いている頃です。でも、花は少ないので駐車場、入場料も無料です（昨年は6月いっぱいまでは無料でした）。それから、一番の狙いは直営農場のアスパラの販売です。驚いたのはこの時季に観光バスが4台も停まっていたことです。観光地が少しずつ活気を取り戻してるのはいいことですね。

四季彩の丘 公園・植物園

入場口からまっすぐ丘の花畑まで歩きました。見えません！チューリップが。あれ～どうしたの？どこを見てもチューリップは見えません！今年はチューリップ畑はやめてしまったようです。残念です。何か事情があったのでしょうね。

四季彩の丘 公園・植物園

ちなみにこれは2019年のチューリップ畑です。2021年までは、ここにあって、2022年には場所を変えてチューリップ畑を移動はしたばかりなのですが・・・・。返す返すも残念です。

四季彩の丘 公園・植物園

ただ、ムスカリの畑だけはきれいに咲いていました。

四季彩の丘 公園・植物園

大きさは昨年より若干小さめです。

四季彩の丘 公園・植物園

広い場所に植えているので見応えはあります。残念ながら見頃はこの畑だけでした。帰りにお土産店で直販のアスパラを見てみたのですが、僅かしか置いてありません。まだちょっと時季が早かったようです。

四季彩の丘 公園・植物園

ちょっとがっかりでしたが、四季彩の丘を出ました。途中に丘陵の小麦畑と残雪の十勝岳連峰を見ながら帰途に着きました。

四季彩の丘 公園・植物園

そして、日が変わり5月24日、連峰の雪は前回よりも溶けてきましたが、残雪の美瑛をちょっとだけ散策することにしました。マイルドセブンの丘のカラマツの林は相変わらず元気です。手前の芝生にはタンポポがいっぱいでした。土の部分にはこれから牧草を植えるのだと思います。

マイルドセブンの丘 自然・景勝地

ここも定点観察の場所ですが、今日は天気が良すぎます。全く雲がありません。空にもアクセントが欲しかったです。

四季彩の丘 公園・植物園

林のそばまで来ました。

そしていつもの2本のポプラの木。畑には何を植えるのでしょうか。

十勝岳方面の空は曇りではないのですが、若干薄いもやがかかり空はすっきりとした青ではありません。

こちらの畑は耕したばかりのようです。トラクターが通った黒い筋もきれいに見えます。

見ようによってはバーコードにも、幾何学模様にも見えます。

波状丘陵の畑のパッチワークは単純な物でも線や形が私には実に芸術的に見えます。

途中の牧場には羊が放牧されていました。のどかな風景です。

農家の皆さんは病虫害駆除のために田の「あぜ」や畑周辺・道路際まで草刈りをしてきれいにするのですが、まだ、刈っていなくかろうじて咲いていた春先ヤマガラシを見つけたので、ここから連峰の山を背景に撮ってみました。

十勝岳 自然・景勝地

親子の木です。この畑、今年は何が植えられるのかな？

親子の木 自然・景勝地

山を背景にしたケンとメリーの木です。ここも耕したばかりのようでトラクターが残したラインが斜めに幾何学的で美しい。そして、残雪の山も美しい。

ケンとメリーの木 自然・景勝地

次に車で20分程かけて春のファーム富田を訪れました。花が少ないこの時季は、まずは、ドライフラワーの舎をじっくり鑑賞するのもいいですよ。

ファーム富田 公園・植物園

入口外の壁、天井、中の壁や天井にたくさんのドライフラワーが飾られています。咲いていた当時の華やかな色はありませんが、くすんだその渋い色でも多くの種類の花をこのように飾ると、不思議な魅力があります。デザイナーの才能、センスの賜物でしょうね。

ファーム富田 公園・植物園

店の中にもたくさんのドライフラワー。ちなみに展示されている広さは日本でも最大級ということです。

ファーム富田 公園・植物園

ここのドライフラワーの展示はオランダのデザイナーの方の作品だそうですが、ため息が出るほど見事な作品ばかりです。

ファーム富田 公園・植物園

今年初めてのラベンダーソフトをいただきました。今回は久しぶりでラベンダーとバニラのハーフ。滑らかでクリーミーで私の好みです。

ファーム富田 公園・植物園

さあ、西側にある春の花畑を見に行きます。手前に見えるのはやや時期が遅かったでしたが確かキャットミント（ネペタ）と呼ばれるハーブだったと思います。そして、向こう側には色とりどりのアイスランドポピーです。

ファーム富田 公園・植物園

真っ青とは言えませんが、残雪の富良野岳もはっきり見えます。

ファーム富田 公園・植物園

アイスランドポピーは細い茎に薄紙のような花弁で、茎も細くちょっと風が吹くと倒れそうになります。

ファーム富田 公園・植物園

揺れているので、そばへ寄っての撮影はちょっと難しかったです。

ファーム富田 公園・植物園

白から黄色、オレンジ、朱色まで混じっていますが明るく優しい色で心が和みます。アイスランドポピーの奥にはこの後カリフォルニアポピーも咲きますよ。

ファーム富田 公園・植物園

混色のポピーは今が見頃のピークのようです。

ファーム富田 公園・植物園

こちらには春を謳歌する芝桜が満開です。

ファーム富田 公園・植物園

シラカバの並木道の両側には黄色いチューリップのプランターが並べられていました。

ファーム富田 公園・植物園

ここは通りの脇、花人の畑の隣にあるグリーンハウスです。窓側一帯が色違いのゼラニウムの花壇になっています。

ファーム富田 公園・植物園

この時季こちらに来たら必ず色鮮やかなゼラニウムを鑑賞するのが私の楽しみです。こちらのゼラニウムはとにかくきれい。つやがあってピカピカです。

ファーム富田 公園・植物園

花付きもいいです。1本の茎からたくさん花が付いています。さすが、お世話が行き届いていますね。

ファーム富田 公園・植物園

混色のゼラニウムも清楚できれい。奥の並木の枝は何？と思われた方もいるでしょうね。あれ、もっと枝や葉がびっしりと出ていたのですが、今年か昨年、かなり剪定したようです。木を丈夫に長生きさせるためには剪定が大事なんですね。

ファーム富田 公園・植物園

ハウスの中は暖かいのでプランターに植えたラベンダーはもう咲き始めました。

ファーム富田 公園・植物園

焼き立てメロンパンを2個、自宅のお土産に買い求めました。隣のメロンハウスのメロンパンも美味しいのですが、今季はまだ営業していないので、ここが開いていて良かったです。

ファーム富田 公園・植物園

花人の舎の前にはビオラのハンギングバスケットが飾ってありました。

ファーム富田 公園・植物園

花人の舎から畑の方を見て撮影しました。こちらは黄色のビオラです。花壇には夏の花の苗を定植したばかりのようです。

ファーム富田 公園・植物園

お馴染みのラベンダー色の郵便ポストです。マスコットキャラのラべさんも描かれています。そう言えば、昨年、数回来ているのですが、ラべさんには1回も会いませんでした。最後に会ったのは3年前くらいかな？

ファーム富田 公園・植物園

ファーム富田を後にして、今回は久しぶりに上富良野町の千望峠まで車で行ってみました。見晴らしがいいです。峠の下には上富良野の街並み、遠くには十勝岳連峰の山々が見えます。

千望峠 自然・景勝地

中央で噴煙を上げているのが十勝岳です。薄雲がもやのようにかかっているのが残念です。左端のやや欠けていますがオプタテシケ山から、見づらいですがベベツ岳、石垣山、美瑛富士、美瑛岳、鋸山、そして十勝岳、カミホロカメットク山、三方山、上富良野岳、富良野岳まで連なっています。

千望峠 自然・景勝地

次に、10日前に訪れた四季彩の丘を訪れました。丘の畑を覗きました。前回は少しだけですがスイセン、ムスカリが咲いていたのですが、今回、ひょっとして何か別の花が咲いていたらラッキーと思って。否、本当ははそれ以上に四季彩の農園直送のアスパラ狙いです。花畑は今、苗を植えたばかりなので、大きくなるまで、もう少しの辛抱です。

四季彩の丘 公園・植物園

そして、本来の目的のアスパラがありました。こちらの農場で作ったアスパラを今ここで選別して袋に詰めたものなので新鮮そのものです。B品を購入しました。細目ですが新鮮で美味しいです。今日は茹でアスパラとアスパラ炒飯です。アスパラを一緒に炒めた炒飯、これ、なかなかいけますよ。

四季彩の丘 公園・植物園

これから丘の風景を見ながら帰宅します。湾曲した丘の窪地。ここには何を植えるのでしょうね。

オプタテシケが半分だけ見える風景、この眺め、私は好きです。

寒い冬と深い雪から解放された美形のハンサムくん（美人さん？）。元気です。

いつ見ても美しい姿形ですね。

三愛の丘から眺めた連峰の山々です。昨年、駐車場周辺にツツジや野草のハルサキヤマガラシがきれいに咲いていたのですが昨年刈り取られて今はもうありません。寂しくなりました。

三愛の丘展望公園 名所・史跡

波状丘陵の畑は合い変わらず可愛らしい。童話に出てくる畑のようです。農家さんのご苦労を考えないで発言しています。申し訳ありません。

クリスマスツリーの木も今年は雪解け後、初めてお会いしました。お～い。元気か～い！と声をかけて、次の場所へ。

クリスマスツリーの木 名所・史跡

褐色のカラマツ林も若芽がいっぱい出てすっかり春色になりました。

ずっと遠くまで見渡せる丘の道路を走ります。秋まき小麦はこの通り元気いっぱいです。

さながらごゴルフコースのような小麦畑。

尾根と尾根の間の沢沿いにはまだかなりの雪が残っています。山が一番変化に富み、美しい時季です。道路もさながら滑走路のようで、このまま山に向かい飛行機のように飛び出していきたい気分です。

そして、とうとう見つけました。「働く車」「人間の営み」。トラクターです。植え付けに間に合うように一生懸命耕しています。この自然と人間の関わりがあると、美瑛の景色はより生き生きとするような気がします。

こちらにはお昼休みで休憩中の働く車です。

黒い土の中でも緑の畑の中でも、「働く車」はカッコいいです。そして絵になります。

美瑛の農家の皆さんは秋の収穫までに多くの農作業に汗を流します。その汗が報われますように、農作物が豊作になりますように祈りながら帰宅しました。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

この旅行記へのコメント （7）

• travelさん 2023/06/24 14:28:19

  新鮮なアスパラ

  takaさん、美瑛の風景を毎日見ているときっと近視だった目も回復するんじゃないかと思う程素晴らしいですね。
  遠くを見渡せるスポットって中々近くにはないので羨ましい限りです。
  波状丘陵の畑の風景は特に好きです。
  北海道のとれたてのアスパラは味が一段と美味しいのでしょうね。
  アスパラ炒飯、美味しそうです。
  
  早速にルツェルンの旅行記に訪問頂き有難うございます。
  夏が近づくとスイスが懐かしくなります。
  海外旅行とは縁遠くなってもう4年目です。
  
  今年の夏はエルニ－ニョ現象で暑くなりそう、暑さに負けてしまいそうです。
  
  　　travel

  takaさん からの返信 2023/06/24 15:24:15

  RE: 新鮮なアスパラ

  travelさん、こんにちは。
  
  美瑛は丘の町なのですが、その波状丘陵のせいで平らな土地よりも何倍も景色が美しく感じます。連峰の山の雪が溶け始める春、小麦が黄金色になる夏、カラマツが赤く染まる晩秋、雪に埋もれる冬、それぞれに変わった四季折々の風景がたまらなく好きで、頻繁に通っています。
  
  知り尽くしてない場所もたくさんあります。同じ場所でも季節ごとに眺めるのも楽しいです。
  
  こちらのアスパラはもう3回ほど、たばにして5束ほど買っていただきました。茹でて、炒めて、炒飯でも美味しかったです。
  
  フレスコ画や花がいっぱいのルツェルンの町は明るくきれいですね。建物も歴史がありそうな典型的なヨーロッパ建築もいいですね。
  
  細部まで細かく表現されている瀕死のライオンの彫刻は、不思議な感じですね。この彫刻をどう受け取っていいのか理解しかねますね。これは革命に反対するイタリアの保守派の傭兵を悼むものなのですね。自国の兵士を悼み、讃える彫刻であるならば、もっと勇気のある勇ましく逞しいものである必要があるのでは。
  
  この彫刻だけ見ると瀕死のライオンはむしろ、悪は滅びるというイメージに感じるのですが。どうしてこんな彫刻を建てたのか謎が深まります。難しいというか、不思議と言うか、何故というか、日本と西洋人の感性の違いもあるのかなと感じました。ありがとうございました。
  
  　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　taka
  

• senseさん 2023/06/12 20:45:21

  美しい北海道の大自然

  素晴らしい北海道の写真。
  みているだけで、心が広がります。
  
  いつもご訪問ありがとうございます、
  senseと申します。
  
  フォローさせていただきたいと思います。
  これからもよろしくお願いします。

  takaさん からの返信 2023/06/13 08:19:55

  RE: 美しい北海道の大自然

  senseさん、こんにちは。
  
  takaと申します。いつも勝手にズケズケとsenseさんのページにお邪魔してすみません。旅行記をずっと拝見して、日本だけでなく海外の素晴らしい景色も羨ましく見せていただいています。
  
  そして、ただの旅行記だけでなくsenseさんのお人柄がわかるような日常のふとした出来事や自らの好きなことなどもおりまぜて紹介いただき、その上品な語り口や優しい文章に惹かれながら拝見しています。
  
  これからもまたお邪魔させてください。ありがとうございました。
  
  　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　taka
  

  senseさん からの返信 2023/06/13 10:00:41

  Re: 美しい北海道の大自然

  こちらこそ
  よろしくお願いします

• 電動自転車さん 2023/06/10 10:32:12

  しあわせに深呼吸

  いつも、素晴らしい風景をありがとうございます。
  そして今回も。
  
  あのポピーはファーム富田なんですね。
  ポピーは可愛いですよね。
  takaさんにかかると可愛いらしさ倍増。きっとポピーも喜んでいます。
  
  畑は数日違うだけで表情が変化します。
  拝見しながら畑を思い出し、しあわせに深呼吸します。本当に農家さんには感謝です。
  
  私も働く車好き
  電動自転車

  takaさん からの返信 2023/06/10 21:55:16

  RE: しあわせに深呼吸

  電動自転車、こんばんは。
  
  いつもありがとうございます。富田ファームで春、最初に広い場所に咲くのはこのアイスランドポピー、そして、その後、隣の場所にオリエンタルポピーが咲きます。そして、四季彩の丘に咲くカリフォルニアポピーもとてもきれいですよ。確か電動自転車さんも見ているような気がしますが。
  
  本当に畑は数日違うと様子がガラッと変わりますね。先日、上野ファームに行ったのですが、このところ、こちらはずっと天気が悪いんですよ。それで、6月の初め、やっと晴れた日にアリュームにはちょっと遅いかなと思って行ったらやはり、枯れた花が多くなって紫色がくすんできていました。そして、3日後、晴れた日にもう一度行ったのですが、ほぼ終わってしまっていました。春から夏の花畑は移り変わりが早いです。
  
  農家の畑も同じですね。ところで今年は天気に恵まれません。ガーデンだけでなく、米や麦などの畑でも特に米は日照時間が大きく影響すると言われています。今年は雪解け後、晴れた日は少ないです。だから、出かけるタイミングもなかなか取れないでいます。農家（第1次産業）が不振だと全ての景気に影響します。これからの好天を祈っています。
  
  働く車、いいですね。働く人もいいですね。人はあまり入れられないですが、自然に立ち向かい凛とした逞しい姿は自然の景色を何倍にもエネルギッシュでアーティスティックなものに変えるような気がします。そんな姿を撮影できればと常日頃、思っています。ありがとうございました。
  
  　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　taka