2022/05/12 - 2022/05/12
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kimi shinさん
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栃木県宇都宮市大谷町「大谷資料館」
『追分地蔵尊』からJR日光線に乗り換え、最終目的地の宇都宮二荒山神社もあと一息。
鹿沼駅で一旦降車し「大谷資料館」に向かう。
- 旅行の満足度
- 2.5
- 観光
- 2.5
- 交通
- 2.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- タクシー JRローカル 私鉄 徒歩
-
栃木県日光市今市『追分地蔵尊』
鬼怒川公園駅から東武鬼怒川線で約35分程の移動時間でここ今市駅に到着。
ここからJR日光線に乗り換えのため市街を歩く。
写真は東武鉄道下今市駅の駅舎。
日光山への表玄関であり、裳階屋根のレトロな外観は好感が持てる。
この駅には登録有形文化財の跨線橋やSL展示館と転車台(全国一ノ宮巡り栃木県day2)があり、跨線橋を渡れば無料で見学でき、運が良ければSL「大樹」を間近で見る事が出来る。
この地は日光街道、日光例弊使(れいへいし)街道、会津西街道の分岐点にあたり、室町時代末期には「今村」と呼ばれる小さなだったという。
江戸時代には日光山の寺領になったのを期に毎月定例日に「市」が開らかれた事から、「今市」といわれ今市宿としても賑わったと云われ、当時は上町・中町・下町とあり、下今市の下はそこから来ているという。下今市駅 駅
-
周辺で見かけたマンホール。
中央は旧市章で周囲に市の花「カタクリ」、市の木「スギ」、市の鳥「カワセミ」が描かれていた。
どれも豊かな自然が残る日光を象徴するもの。 -
下今市駅からJR今市駅に移動の際見かけた「今市追分地蔵尊」の案内板。
さほど遠回りでもないので日光街道、日光例弊使街道の分岐を見がてら道草してみた。 -
下今市駅から徒歩5分程、今市追分地蔵に到着。
写真は追分地蔵右手の日光例幣使街道。
左手に国道121号線、旧日光街道が続き、その分岐に鎮座するのが今市追分地蔵。
国道を行き交う車は多いが例幣使街道を行き交う車は以外に少なく、杉並木の続く道には街道の面影が強く残る。
この街道は江戸時代、家康没後東照宮に幣帛を奉献する勅使(日光例幣使)が通った脇街道。下今市駅 駅
-
追分地蔵尊。
その名の通り街道と街道の分かれ道にあることから追分地蔵尊と呼ばれ、地元では古くから崇められ、吉宗の日光社参時にはこの地に祀られていたともされる。 -
堂内に安置される石造りの座像のお地蔵様は日光市の有形文化財に指定され、像高は2.9㍍あると云う立派なもの。
堂は銅板葺の入母屋平入の大棟から直角に棟が接続し軒唐破風が付く手の込んだ屋根構造で地蔵を安置する堂としては立派なもの。 -
今市追分地蔵尊
制作年代は鎌倉時代から室町時代とも云われ定かではなく、丸彫り坐像の石地蔵として東日本有数のものだと云う。
地蔵は一般的に錫杖と宝珠を持つ姿を見かけるが、こちらの地蔵様は左手の上に右手を重ね、両手の親指の先を合わせ、他の指は伸ばす法界定印(ほっかいじょういん)の手印を結んでいる。
解説によれば1673年(延宝元年)の頃、日光憾満ヶ淵から流されここに来たものとされ、一時期(1886年頃)に於て近隣の如来寺に移されたと伝わるがその後再びこの地に戻されたと云う。
一方で以下の様な伝説が伝わる。
「昔、大谷川の川原で石切り職人が仕事をしていると、ふと触れた石の肌から血が流れだした。
不思議に思い何度か叩くと、どんどん紅の血潮がほとばしり、驚いた石切り職人は人を呼び懸命に彫り出したという。
それは坐像の地蔵尊でその評判は近郷にまで広まった。
一先ず地蔵尊は追分に安置したが、野天に曝すのは恐れ多いと二日かけて?如来寺?に移された。
以降、町の人達の参詣が絶えることがなかったとされるが、やがて妙な噂がたつようになったと云う。
夜遅く地蔵の前を通りかかるとすすりなく声が聞こえ、夜中になると町の中に火柱が立ち、火柱は場所を変え多くの人々に目撃されたと云う。
以降、地蔵尊の怪として地蔵様に近づくものはいなくなり、町の長老達の協議で「あの地蔵は日光憾満ヶ淵の親地蔵様が大水で流されてきたものだ、日光が恋しくて不思議な現象を起こすに違いない、元の様に小倉町の日光が望める所に安置するのが良かろう」となり、ここに移されたと云う。
それ以降不思議な現象はなくなり、再び参詣者で賑わう様になったそうだ。」
日光憾満ヶ淵から今市に流れ着いた地蔵様、日光が見えるこの追分はお気に入りのようだ。
流れ着いた頃は一人ぼっちだった地蔵様だが、今では多くの仲間も増え寂しい事はないだろう。 -
堂の左側の二十三夜尊(左)、くさ地蔵尊(右)がある。
二十三夜尊は月待講の一つで、くさ地蔵尊は子どもの皮膚病を治してくれる地蔵様だと云う。
僅かな時間でしたが、お地蔵様を拝みに訪れる参拝客は一人、また一人と後を絶たなかった。
今市追分地蔵尊
所在地 / 栃木県日光市今市117
東武鉄道下今市駅から徒歩 / 追分地蔵尊まで徒歩5分程
ここからJR今市駅に向かい、鹿沼駅まで約25分の移動。 -
JR鹿沼駅から「大谷資料館」までのアクセスはバスになります。
しかし鹿沼から出るバスの運航本数は少なく、ここは駅からタクシーで「大谷資料館」に向かいます。鹿沼駅 駅
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駅から「大谷資料館」まで概ね15~20分程で資料館に到着。
周囲は大谷石が露出し、いたる所露天掘りの跡だらけ、まるでSF映画のワンシーンに出てくるような光景が広がっています。
この人口的に作られた渓谷の奥に大谷資料館があります。大谷資料館 美術館・博物館
-
資料館の手前の「愛の泉」
謂れや効果のほどは分からないが、縁結びの神に願をかけると固く結ばれるのだそうだ。
冬季この泉が結氷し、その氷が溶ける際に?になるらしく、その時にここを訪れると更に運気が高まると云う。
訪れたのは5月12日、真夏並みの強烈な陽射しが照り付け、氷などある訳もなく。 -
「大谷資料館」と周囲の景観。
入館料は大人が800円、子供400円(小・中学生)
コロナで委縮していたのは過去の事、資料館には修学旅行で訪れた子供達を乗せた多くのバスが駐車し資料館は活気のある声に満ちていた。
資料館周辺は緑の山々に剥き出しの大谷石が露出し一帯が一大採掘地なのがよく分かる。 -
資料館には手掘り時代の道具や大谷石の採掘の歴史や採掘抗の範囲などの資料と共に映画やTVのロケ、CM撮影など数々の資料が掲示されている。
資料内の採掘坑入口から地下に下りていく。 -
採掘抗内は採掘されてできた大きな地下空間が幾つも連なり、坑内の温度は外の熱気とはかけ離れ、当日は7℃ほど、メガネも一瞬で曇ります。
因みにこれを書いているその日の坑内温度は12℃、外のつもりで中に入ると必ず一枚羽織たくなるはず。
この陽気だと一度入ると外には出たくなくなると思う。
坑内は色とりどりにライトアップされ、幻想的な岩の殿堂の趣がある。
資料館の地下採掘場跡は、1919年(大正8年)から1986年(昭和61年)の約70年間、 大谷石を掘り出して出来た巨大な地下空間です。 -
当初は人による手掘りで切り出し、搬出されていましたが、昭和に入り徐々に機械に置き換わっていき、坑内の壁面には手掘り時代の鑿跡と機械で切り出した跡が残り、其々の時代が見て取れます。
写真は初期の機械式裁断機と裁断規格のサンプルが並べられている。 -
大谷石の分布は資料館から1.8km西の多気不動尊あたりから始まり、東は8km先の宇都宮市街地を流れる田川周辺にまで達し、南北に38km、深さは300㍍と広範囲に分布するようです。
当初は人手による下に掘り下げる「平場掘り」と、横から掘り進む「垣根掘り」から始まり、やがてそれらは下に掘り進み、機械化され掘削のスピードもあがり、柱を残しつつどんどん横に下にと掘り進み、採掘区域は東西に約3Km、南北に約6kmにもおよぶと云う。 -
坑内最深部付近から入口方向の眺め、先が見えない。
この光景はまるでお城かカッパドキア? -
採掘によりできた地下空間は戦時中は軍の施設としても利用され、現在は音楽イベントや撮影、結婚式などにも使われているという。
坑内の安定した気温は米の備蓄やワインなど寝かせるのにも最適。
きな臭いこのご時世、いざとにればシェルターとしても使えそうだ。
地下空間は定期的にこうしたオブジェが展示され、ライティングにより幻想的な空間を更に盛り上げている。 -
地下空間の教会では結婚式も行われ、会場までは車で入れるのでハンデがあっても支障はないという。
それにしても12℃は寒いような気もするが? 熱い二人に気温は関係ないか。 -
坑内の解説1。
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坑内の解説2。
坑内は立ち入り禁止区域もあり迷宮状態、地下水が溜まった区画もあり地底湖の様相。
天井のところどころに明り取りと通気のためだろうか小さな縦穴があり外光を見る事も出来る。 -
こうしてライティングされた大谷石は本来の色目とは全く別の代物の様に見える。
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訪れた時は某華道家のモニュメントが展示されていた。
なるほどあの方が作ったのねと感じさせるものだ。 -
かつてはドンペリのレセプション会場として使われこともあるようだ。
ボトルも用意され、これはウェルカムドリンク?…飲めません。 -
これも某華道家の手によるものだろう。
地底湖の水面に写る姿は美しい、見ようによっては雲丹に見えなくもない。
坑内は何度も繰り返しますがとても涼しく別天地、ショットバーとは言わないまでも、せめて坑内に腰を下ろしてノンビリ鑑賞できる大谷石のベンチが欲しい。
この別世界を見せるだけではなく、この環境をじっくり体感できる空間が欲しいかな。 -
ライティングで幾何学的な掘削痕が強調されとても美しく、色合いは氷の壁をイメージし視覚的にも居心地のいい環境です。
岩盤に触れると冷や冷やでそのままへばりついていたいくらだ。 -
こちらは機械による掘削痕。
夏場だけでも坑内体験宿泊なんて企画があっても面白いかもしれない。
他にもいろいろとイベントが作れそうな気がしてくる。 -
ここはイベント時の資材搬入口として使われるのだろう、外光の先は炎天下の現実が待っている。
これが見えてくれば別世界とは間もなくお別れ、次の目的地に向かう事にする。
大谷資料館
所在地 / 栃木県宇都宮市大谷町909
次の目的地は宇都宮、大谷資料館から少し歩いたバス停からの移動となります。
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