2023/02/18 - 2023/02/18
363位(同エリア1275件中)
さるおさん
昔、「大塚国際美術館」ができた頃、数回訪問したことがある。その時に"凄い美術館だ"と感心した。本物が見れるわけではないが、とても美術の勉強になると思った。あれかから時を経て、2023年2月、久々に訪問してみる事にした。
作品は写真撮影OKなので撮りまくっていたら、絵の写真だけで軽く100枚超えた。普段の一泊二日(何なら二泊三日)の旅行より写真の枚数が多い。とりあえず自分の好きな絵の写真を載せる事にした。それでも、削り切れず結構な枚数に。なのでボリュームの割に何の情報も無い旅行記となっております・・・まぁ、いつもの事だけど。
- 旅行の満足度
- 4.5
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高速舞子から直通高速バスで。10:37着、帰りは15:37発のバスを予約済み。約5時間の滞在。まあ時間足りるでしょ・・・と、この時はタカをくくっていたのだが・・・。
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入口を入って長いエスカレーターでB3Fへ。ミュージアムショップ前で音声ガイドを借りて、そのまま「システィーナホール」に進む。いきなり、この美術館の目玉、バチカンの「システィーナ礼拝堂天井画・壁画」。ミケランジェロの「最後の審判」。アレ、昔はコースの最後の方に見た気がするんだけど・・・。
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初めて、この「最後の審判」を見た時、その大きさと青の美しさに感動して、絶対に本物を見るんだとローマまで行った記憶が蘇る。7月のローマは、とても陽射しが強く、その暑い中二時間並んで見た本物は・・・。礼拝堂の照明が薄暗く、そのせいか青も霞んで見え、何より礼拝堂内の観光客の多さに辟易した。よっぽど「大塚国際美術館」で見た方が良かったというオチ。
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「システィーナホール」でスタッフによる美術館の説明と「最後の審判」のチョコットガイドあり。写真に写した変な顔した人間の皮みたいのはミケランジォロの自画像だそうだ。ミケランジェロさん、なかなかの自虐ネタ。
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「システィーナホール」を後にして進んだところに「エル・グレコの部屋」。
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エル・グレコの「大祭壇衝立」を復元。
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エル・グレコの代表作「オルガス伯爵の埋葬」。エル・グレコにしては登場人物が丹精な顔立ちで描かれている。特に埋葬に参列している人々。
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このフロアは「環境展示」といって、古代遺跡や礼拝堂などの壁画を環境空間ごと再現した立体展示がメイン。写真はフランスの「聖マルタン聖堂」。
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昔の壁画ってコミカルだったりする。太眉が憎めない人。
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ギリシャの「聖ニコラス・オルファノス聖堂」
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近づくと、こんな感じ。バックの濃紺が素敵ね。
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ポンペイ遺跡「秘儀の間」。こちらの背景は「ポンペイの赤」。
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イタリアの「スクロヴェーニ礼拝堂」。実物は高利貸しの父親の罪の消滅を願って息子が建てたらしい。なんて孝行息子。高利貸しは他人に憎まれたかもしれないが、子育てには成功したのかも。
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ジョットの壁画が圧巻。天井は星が煌めく夜空の様。
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トルコの「聖テオドールセイ堂壁画」
環境展示は他に「鳥占い師の墓」(イタリア)など。 -
ポンペイ「貝殻のヴィーナスの家壁画」
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"中世ゾーン"から「ウラディミールの聖母子」。ビサンティン美術の代表作。
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この辺で「大塚国際美術館」の説明を。古代壁画から現代絵画まで、世界25カ国190余の美術館が所蔵する1,000点を超える世界の名画を、特殊技術によって陶板で原寸大に再現し展示している美術館。陶板で作られているため作品の劣化が無く、全作品撮影OK。
勿論本物ではないので五感に訴えかけるものに差異はあるだろうが、これだけの名画が一堂に会する姿は圧巻。本物など見る事が叶わないであろう名画が、コピーとはいえ目の前で鑑賞できることに私は感謝している。大塚製薬さん、ありがとう!! -
「大塚国際美術館」が展示しているのは絵画だけではありません。こちらは国立クリュニー中世美術館の至宝「貴婦人と一角獣」。タペストリー(壁掛け)です。素敵なタペストリーですが、流石に織物と陶板では質感が違う気がする・・・。
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「受胎告知」の作品を集めた展示室。同じ場面でも作者の感性によって表現が変わる。とても興味深い。こういう展示法、好き。
写真はフラ・アンジェリコの「受胎告知」。何点かあった「受胎告知」の作品の中で、天使の羽がカラフルで一番綺麗だった。 -
ルネサンスの若き天才ラファエロの「大公の聖母」
ルネサンスと言えばダ・ヴィンチやミケランジェロなど天才の時代だけど、私は結局、ラファエロが好きかもしれない。この人の描く聖母は、どれも優美で慈愛に満ちている。 -
そして、ルネサンスのスーパースター、美術史に燦然と輝く大御所中の大御所、レオナルド・ダ・ヴインチ様でございます。
「大塚国際美術館」では、「最後の晩餐」の修復前・後共見れますよ。私の旅行記では割愛。なんせ私はラファエロ派なもので。 -
ダ・ヴインチの作品では「モナ・リザ」よりも「白貂を抱く貴婦人」が好き。
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レンブラント「夜警」
夜の闇に映し出される夜警の集団・・・て思ったら、コレ昼間の風景だそうです。レンブラントは光の表現に長けた画家ですが、"昼間の絵までこんな風に描く?"と思っちゃう。超絶技巧を見せたかったのかなぁ(笑)。 -
スペインの巨匠ベラスケス「ラス・メニーナス」
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フェルメール「真珠の首飾りの少女」
"一瞬"を永遠にキャンバスに映し出すフェルメールは、時代を越えた超人気画家。漆黒の中に浮かびあがる少女の顔、これは、少女の振り向き様の一瞬をとらえたように思える。フェルメールは写真の無い時代に、すでに「瞬間」を捉える術を知ってたってことか。 -
「ボンバドゥール夫人の肖像」
ルイ15世の公妾で美貌と知性を兼ね備えていたボンバドゥール夫人。絵よりもこの人自身や当時のドレスに興味惹かれる。 -
「皇帝ナポレオン一世と皇后ジョセフィーヌの戴冠」
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ドラクロワ「民衆を導く自由の女神」
ルイ15世の華やかなロココの時代、皇帝ナポレオンの出現、そしてこの絵の題材となった7月革命と、フランスに流れる時代の波。絵画は歴史をも学ばせてくれる。 -
ミレー「落ち穂拾い」
ボンバドゥール夫人の華やかさから貧しき農村の労働者階級へ。時代と共に絵の題材も変わっていく・・・。 -
エル・グレコ、ベラスケスと並ぶスペイン美術界三大巨匠の一人ゴヤが描く「着衣のマハ」。
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そしてコッチが「裸のマハ」。同じモデルを使って着衣と裸を描く、洒落たことをする画家だなぁと思っていた。王族を描く時も盛らないしね。面白い画家だと思っていたけど、後半の作品はは「黒い絵」など薄気味悪い絵が多くなり(巨匠に失礼な!)、好みの作家ではなくなった。
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そしてゴッホ。ゴッホと言えば"ひまわり"。生涯で"花瓶にはいったひまわりの絵"を7枚描いている。「大塚国際美術館」では、その7枚全てを見ることが出来る。
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大正時代に日本の実業家が購入した「ヒマワリ」。残念ながら空襲で焼失してしまった。
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モネ「大蓮連」
オランジュリー美術館で展示されている「大蓮連」。「大塚国際美術館」では屋外に展示。訪問当時、絶賛工事中。よって写真をアップで写したため屋外感は全くありません。 -
これは室内に展示してあった「睡蓮」。一言に「睡蓮」といっても描く季節や時刻によって多種多様の「睡蓮」がある。きっと貴方の好きな一枚が見つかる筈だ。
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モネ「ラ・ジャポネーズ」
モデルは画家の妻カミーユ。幸せそうな表情のカミーユは、この三年後に亡くなっている。 -
ドガ「花束を持つ踊り子」
ドガの踊り子の絵は好き。可憐な絵だけど、ドガ本人は気難し屋で攻撃的な性格だったらしい。 -
ルノワール「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」
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ルノワール「ブージヴァルのダンス」
モデルの女性はユトリロの母シュザンヌ・ヴァラドン。画家であったが恋多き奔放な人生を送っている。 -
どうやら私はルノワールの絵が好きなようだ。特に好きなのが、この「桟敷席」。ファッショナブルな女性と洒落た男性のカップル。ルノワールが描く柔らかな女性は魅力的だが男性も粋に見える。
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ルノワール「舟遊びをする人々の昼食」
多分、世間的には、同じ男女の集団を描いた「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」のほうが評価は高いのだろうけど、私はコチラの作品の方が好きだ。皆、長閑で楽しそうだ。 -
"印象派の父"と呼ばれるマネ作「フォリーベルジェールのバー」
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マネ「草上の昼食」
サロンに落選した作品を集めた落選者展で話題をさらった作品。M1の敗者復活のようなもの? さしずめマネはサンドイッチマンか。
※2007年のM1で敗者復活戦で勝ち上がって来たサンドイッチマが決勝戦を制し、その年のM1優勝者となった。 -
ゴーギャン「イア・オラナ・マリア」
この辺りになると、もう駆け足で回ってます。現在2時過ぎ。帰りのバスまで後一時間ほど。まだお昼も食べてない。1Fと2Fは手つかずの状態。ショップにも行けない。全く時間が足りない! -
ゴーギャン「ヒマワリを描くゴッホ」
時間が無いけど・・・。ゴーギャンが描いたゴッホなんて無視できんでしょ。 -
そしてゴッホ再び。
昔、メトロポリタン美術館だったと思うけど、ゴッホの作品ばかりを展示した部屋があって、その部屋に入った瞬間、四方八方に飾られた作品から作家のエネネギーを感じて目眩しそうになった。
誰かが“ゴッホの絵はリビングに飾れない”と言った人が居たけど、私も同感。この人の絵には、居心地の悪さと、それでも目を釘付けにするパワーが同居している。ここは陶板のコピーなので、そこまでの圧は感じないけど、それでもこの人の作品を見ると、筆のタッチだったり色合いだったりが独創的で常人には描けない絵だと思う。他に類を見ない唯一無二の画家だ。 -
「ローヌ川の星月夜」
ゴッホの中でも好きな作品。星も水面もホントに煌めいているように見える。この作品を見ていると童話の世界に引き込まれるような感覚になる。 -
2時半も過ぎたので、いい加減にランチ。「大塚国際美術館」には3つの飲食施設があるのだが、現在、営業しているのは1か所のみ。注文したのは「ヴィーナスカレー」、ボッティチェリの名画"ヴィーナスの誕生"をモチーフにしていると思われます。
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カレーの元ネタ、ボッティチェリ「ヴィーナスの誕生」。ホタテ、美女、ヌードと言えば武田久美子のダイナマイトボデイしか思い浮かばん(笑)。
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もう一つ、ボッティチェリの作品「春」。「ヴィーナスの誕生」にしてもそうだけど、ボッティチェリの絵は女性のドレスが可愛いです。素敵な花柄がラブリー・・・って、まぁ私の芸術鑑賞なんて、こんなモンです(笑)。
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アンリ・ルソー「子供と人形」
子供の顔が憎らし気で、吹きだしてしまったので載せてみました。
昼食後、帰りのバスまで数10分しか時間が残っておらず、まだ見てない作品の多さにウロがくる。館内をアッチに行ったりコッチに行ったりするだけで何も見ていない。もう敗北感しかない(笑)。というわけで翌週出直します。一気に有名作品が見れるのは有難いけど、1000点は多すぎるわぁ~。 -
翌週週末、再訪。前回と同じ時間に到着。でも、帰りは一時間後遅い4時代のバスを予約した。今回は、前回手つかずだった2F から回って行きます。
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2Fはテーマ展示。テーマの一つ「レンブラントの自画像」から、若きレンブラント。
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年老いたレンブラント。若い時と同じ顔してるわぁ。そりゃそうだけど・・・、本人だから。人間は、こうやって老けていくのか・・・と面白かったので載せてみました。
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テーマ「運命の女」。神話や民話に出てくるヒロイン達の絵、私、こういうテーマ、好物です。
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テーマ展示「運命の女」から。クリムト「ユーディットⅠ」。ユーディットは、自分の住む街を攻めてきた敵の司令官の首を斬り落とし街を救った女性です。旧約聖書外典「ユディト記」に登場します。クリムトが描くと、こんな仕上がりになるのね。
退廃的でゴージャスでファツショナブルです。 -
こちらはムンクの「マドンナ」。ムンクといえば「叫び」ですが、私はコチラの絵の方が好きなので・・・。
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ヌード続きで、もう一つ裸婦の絵を。モディリアーニ「座る裸婦」。
モデイリアーニと言えば36歳で病死した早逝の画家ですが、その後の話がロマンチック。妊娠中だった恋人ジャンヌがモデイリアーニの死後21歳の若さで窓から飛び降りて死んでしまうのです。絶望? 純愛? この二人の話は映画化もされているので興味のある方は映画「モンパルナスの灯」をご覧あれ。 -
ギュスターヴ・モロー「一角獣」
ギュスターヴ・モローも好きな画家です。幻想的で衣装が豪華だから。結局、私はドレスが素敵な絵が好きなだけかもしれない(笑)。 -
「大塚国際美術館」でも人気上位に入る「オフィーリア」。私も好きな作品です。幻想的で、綺麗で、儚くて。でも、作者が誰か知らないという・・・。
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シャガール「イカロスの墜落」
2Fは人が少なくて、ゆっくり鑑賞できます。 -
中庭。海も見える。気分転換に屋外で深呼吸。
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ピカソ「ゲルニカ」
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ピカソ「窓辺に座る女」
この辺りは、さほど好みではないのでサッサと行きましょう。 -
ミロ「耕地」
ミロの絵もよく判らんが、なんかリズミカルだ。 -
アンデイ・ウォホール「マリリンの二連画」
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この日のお昼も2時半を過ぎるものの、二日目は、ゆっくり鑑賞できて満足。お昼の海鮮丼も美味しくて満足。満足感と満腹感で、ランチの後は集中力が途切れてしまった。絵画を見るにも集中力が必要なんだな。残りの時間はショップで買い物をし、センターホールで放映中のスタッフによる展示作品の解説などを見て過ごす。
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ショップで買った美術館のガイドブックと美術本。私は専門書など読まないけど、ちょっとしたトリビアというか、誰と誰が仲悪かったとか、この絵のモデルに恋をしたとか、そういう噂話的な本が好きで、本屋で探しても中々見つからないのだが、最近は美術館のショップに置いてあることが多い。なので、美術館のショップは必ず覗くようにしています。今回購入した一冊「印象派の画家たち」より、"ドガとマネは喧嘩ばかりしていたらしい"(笑)。
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