魅惑の肥薩線で行く　～鹿児島県最古の木造駅舎に会いに行くのだ～ 大隅横川駅

2022/12/17 - 2022/12/17

娘の用事の付き添いで訪れた九州／霧島市。娘の用事中の空き時間を活用して観光でも…と考えると騒ぎ出した「鉄分」
関東から九州を訪れると、まあ、魅力的な車両、路線が多い。

国分駅で偶然見かけた「新発見！スポットめぐり旅」のポスターとリーフレット。お得な切符を利用すると、往復運賃で500円のクーポンが付いてくる。選べる行き先は「大隅横川駅」か「栗野駅」。なぜ「吉松駅」ではないのだろう？個人的には「吉松駅」まで行きたいのだが。
https://www.ibumaku-hisatsu-tabi.com

そして、選んだ行き先は「大隅横川駅」なにやら駅舎が国の登録有形文化財で、鹿児島で一番古い木造駅舎の駅らしい。そして、駅近くのオシャレなカフェでカレーランチして戻ると、ちょうど良い時間潰しになるぞー
よーし、これだぁ！いくぞぉ！
ってな感じで、プチ旅スタート！

が、何かあるのがkumasuke旅。おー寒いー、お腹減ったー

使用したきっぷは「かごしま満喫きっぷ」2022/12/15から2023/2/27までの販売という、なんという偶然。一昨日から発売じゃないですか。
肥薩線と指宿枕崎線が対象。沿線の提携店でのクーポン券付。このクーポン券分がお得になる。
購入場所も、隼人駅、鹿児島中央駅、指宿駅の３駅と限られている。

隼人駅で「かごしま満喫きっぷ　隼人→大隅横川　1,140円（往復）」を購入　500円クーポン1枚付き　

予定した行程
10：36　隼人駅　
（吉松行き）
11：15　大隈横川駅
　↓
横川kito　で　カレーランチ
　↓
12：37　大隅横川駅　
（隼人行き）
13：10　隼人駅

～肥薩線（に、限らず）災害復旧や、赤字ローカル線に対して感じること～
現在、肥薩線は令和2年7月豪雨の影響で多くの橋梁が流失するなどして、八代駅～吉松駅間が運休し、一部区間が代行バスとなっている。
もともと大きな赤字を背負う路線だけに、一部区間の廃止（バス転換）の話題も出ていると聞く。

いつも思うのだが、鉄道を赤字だから廃止。。。はおかしいと思う。
ただ、ＪＲだって今や営利企業なのだ。民間企業なのだ。
乗ってもらえないで、空気を運んで、収入なし、そりゃ、廃止と言われても仕方がない。
しかし、鉄道を廃止したら絶対に元に戻れない。絶対に街は廃れる。「バス転換だから大丈夫、不便にならない」って言って廃止して、繁栄した街はあるか？維持できた街はあるか？そのうち「バス」まで無くなっちゃう。バスは簡単に廃止できちゃうからねぇ。残念ながらそんなものなのだ。

私は思う。鉄道って、国を始めみんな「公共交通機関」って言うんだよね。「公共」なのになんで企業が支えなくちゃいけないの？同じ公共の道路は、国を始め税金で維持するんだよね。鉄路は違うの？なぜ？
なので、今ある（残れた）鉄路は、せめて道路と同じように管理すべき。つまり、上下分離をするべきだと思う。
今はローカル線だけが上下分離されているが、それ以外の鉄路も全部上下分離。ＪＲは運行だけを行う。そして、線路利用料を払う。
そうしたら、持ち物は国なんだから、ＪＲ以外の会社が運行したって良い。

とはいえ、全路線となると保安設備の問題があるから難しい。
じゃ、標準的な保安設備の路線だけ？それだって良いのでは？ＡＴＳ－Ｐ位までならいけるんじゃないかなぁ？だめかなぁ？

そんなことしたら、税金が上がるんだぞ！って声も聞こえてくると思う。でもね、もっと広い目で見ましょうよ。お得意の「経済効果」で考えてみましょうよ。「公共」交通機関が無くなったら、どうするの？今はいいかもしれないが、車に乗れなくなったら？
そして、有事の時の代替路の確保にだってなる。

そして、地元も「残したい」だけじゃなく、維持するために使う方法をもっと考えましょうよ。便利になれば乗るし、荷物だって運べば良いじゃない。不便だから使わない…じゃなく、便利にするために考えましょうよ。

議員さん、地元自治体の首長さん、職員さん、公務で出かけるとき鉄道を利用してますか？
「残したい」という意見をＪＲに言う代表のあなた。ＪＲの本社に行くとき、県や国へ行くとき、まさか車で行っていないですよね？
と、思う。

例えば肥薩線なら、超ド重量級の「ななつ星」が入線できるんだから、貨物を含め色々な列車が入線できるハズ。
免許？そんなの、国がお得意の規制緩和をすりゃあ良いのよ。
客貨混在だっていいじゃない。路線維持するためなら、収益を上げるためなら、なんだってすりゃいいのよ。
だって、鉄道ってSDG’ｓなんでしょ？追い風なんだし。
そして、需要が高まってくれば、本数だって増やしたくなるし、便利になってくるし・・・

それに、今回のこのプチ旅のきっかけになった「きっぷ」
観光客を呼び込む目当てじゃなくて、逆バージョンで地元の人が「まち」へ行くためのお得な切符にしたって良いじゃない。だめ？

どうでしょうねぇ。言うのは簡単、失礼！　

エリア 霧島温泉郷(鹿児島)

• 旅行の満足度: 4.0
• 交通: 4.5

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: JRローカル
• 旅行の手配内容: 個別手配

今回のプチ旅のきっかけがこちら。

隼人駅のお隣、国分駅の待合所で見つけたパンフレット。
ちょうど、国分駅から隼人駅に向かおうと思っていたので丁度良い。

国分駅から隼人駅に到着したところです。
さぁ、切符を買いに行くぞぉ！　ってところで
偶然、団体の臨時列車のキハ１８５系が来ました。どこまで行くのだろう？いいなぁ。と思いながら見送りました。

隼人駅 駅

隼人駅のみどりの窓口にて購入
こちらが購入した切符とクーポン券です。

通常の往復料金で購入で、500円のクーポンが付いてくる。お得。

あいにくの雨模様ですが、出発を待ちます。
キハ４０の単行です。ローカル感たっぷり。

隼人を出て、ちょうど30分「霧島温泉駅」です。

霧島温泉駅 駅

霧島温泉駅の名所案内によると…
霧島温泉郷まで　東北東18キロメートル　バス40分

「バス」40分！？　最寄りなんですよねぇ

大隅横川駅に到着しました。

ここまで乗ってきた単行のキハ140を見送ります。
キハ140って？これ、キハ40じゃないの？と思って調べると
キハ40のエンジン220ps→360psと大幅アップ。
隼人からずーっと上り坂を、単行ながらぐいぐい？と登っていく。ノーマルのキハ40だと遅いんだろうなぁ。。。

味のある改札口です。
滞在時間は1時間22分。ランチして、周辺を散策して、駅をじっくり見て。
とんぼ返りで帰ると娘の用事が終わるより早く帰れるぜ。
うーん、我ながら完璧！

と、この時までは思っていた。

大隅横川駅 駅

今回利用した切符のパンフレットにあった
「横川kito」でランチを夢見て徒歩5分。
カレーぇっ　カレーぇっ　ってつぶやきながら進んでいくと・・・

まさかのお休みでした。
今日は土曜日。もともとお店は土曜はお休みでした。
もっとちゃんと調べればよかった。

スパイスカレーぇぇぇぇぇ
たべたかったな。

明日の日曜に来ても、臨時休業だったらしく。どうやら今回はご縁が無かった模様。残念。

完璧予定が１コ崩れ去る。

横川kito グルメ・レストラン

こんなマップが書かれていました。地域を盛り上げようとしている感を感じられた。

うーむ。ランチする場所は・・・
散策するにも何もなかった。雨が冷たい・・・

横川kito グルメ・レストラン

温泉も気になったのですが、折り返しの時間も気になってしまうので、駅に戻りました。

急な寒波が襲ってきた時で、滅茶苦茶寒かったです。
雨も何となく霙交じりのような・・・心も寒くなる。。。

でも、見てください！！
この駅舎。歴史を感じる作りです。

同じく鹿児島県で一番古い（同率）嘉例川駅より大きく見えます。

大隅横川駅 駅

隣接する、ひろーい駐車場の片隅に、C57の動輪がありました。

駅の入口です。

柱には「祝　開業一二〇周年」「一九〇三年」とありました。

地域の方が書いた絵が飾ってあったり

駅の中は色々と飾られていました。

地元の人や学生たちの作品や
地域の成人式の写真まで。
地域の人々が、この場所を大切にしている感じがありました。

そうそう、ピアノもおいてあって、今はやりのYoutuber系の方々が弾いたりしに来たりしているのでしょうか？

残念ながら「ピアノは利用をご遠慮ください」とありましたが…
え、お前、弾けないから関係ないだろ？
はい、そのとおりです。

元出札口でしょう。奥のスペースががらんどうで勿体ないなぁ。。。と思いながらのぞいてみた。もう少し、駅っぽく（出札口っぽく）してあげると、もっと風情が出るのでは？なんて勝手に思う。

ちょっと調べてみると、イベントスペースとして使っているらしい。なるほど。
でも、もう少し・・・がんばってぇ～
地域の人の愛はものすごく感じられたので・・・何かを、ぜひ。

柱といい、この看板といい、シビれる。

機銃掃射の後が残っています。
よく見ると、穴が貫通しているのが分かります。

改めてホームを観察。

最近の流行りフレーズで言うならば
THE「昭和レトロ」でしょう。

1時間に1本弱。都城まで直通する列車もあるんだ。
もう、お腹空いたし、外は寒いし、ココでじっとしているかな・・・と半ば途方に暮れていた・・・
その時、電話が。
夕方までかかると思っていた娘から電話。まだ、午前中ですけど。
「もう終わった～」「えっ！？今ねぇ、ちょっと山奥の無人駅に居るんですけど」

こんなトコに居ます写メを娘に送ってみる。
「だいぶ行ったね～」と、ウケた。

完璧予定の2つ目が崩れ去る。
まぁ、どうあがいても次の列車が来るまでなにもできない。しゃーないね。

時刻表に無い時間に、急に踏切の音が鳴り始めて、慌ててホームをのぞき込むと・・・隼人駅で見送ったキハ１８５の団体列車が通過していった。
隼人→都城→吉松→と回ってきた模様。

ちょっと前まで特急「はやとの風」って素敵な車両も走っていたんだよね。
この肥薩線にもD&S列車が復活するといいなぁ。
吉松から人吉間も復旧したら「超」魅力的。

元「はやとの風」車両は、すでに「ふたつ星４０４７」に生まれ変わったらしいが。

やっと、折り返しとなる列車がやってくる。
1時間22分。長かったぁ～　

下り（隼人方面）は、線路を渡って2番線です。
昔はもう１線あったのが分かります。

駅舎を反対側からも眺めてみる。

大隅横川駅、1時間以上独り占め。満喫しました（笑）
こちらのホームには何故か近代的な屋根が。

かえりもキハ１４０の単行でした。
かえりはずーっと下り坂なのか、発車の時にチョイと加速すると、すぐにノッチオフ。静かに走っていきます。惰行時は電車みたいに唸らず、アイドリングに近いエンジン音が心地よくて好きです。

こちらは嘉例川駅。
同じく味のある木造駅舎。歴史も同じ。開業当初からの駅との事。しかし、どうやらこちらの方が有名で人気もある…らしい。観光客らしき人たちもイッパイいた。

予約販売とはいえ、駅弁も販売しているらしい。食べたかったぁ。お腹すいたぁ。
近くには「かれい川ふれあい館」という施設もあるようだ。
うーん、こっちの駅の方が小さいのになぁ。地域の戦略の差か？

さすがに降りてしまうと、時間がさらにかかってしまうので、残念ながら通過した。

嘉例川駅 駅

隼人駅に戻ってきました。

隼人駅 駅

目的は、鹿児島一古い木造駅舎を見に行く。だったので満たされました。
途中の行路も、ローカル色たっぷりで、旅情もたっぷり。

とともに、こういう路線って、道路より大切なんだろうなぁって実感した。

隼人駅の外に出ました。中々シンプルでお洒落な外観。
さすが、ななつ星の停車駅（宿泊地）でもある、という面持ち。

ここで、今日のプチ旅は終了。
約2時間半の行程でした。結果論だが内1時間22分が大隅横川駅の見学時間（笑）

横川kitoで使えなかったクーポン券を使うために、隼人駅そばのケーキ屋さん「手作り工房　かしの樹」さんに立ち寄って、美味しそうなケーキを買って、ホテルへ帰りましたとさ。

雨だったのと、寒かったのと、お腹が空いていたのとが相まって、かしの樹さんの写真も無いし、ケーキも写真を撮らずに食べちゃった。
あー、美味しかった。いちごたっぷりのタルト　と　あまおうのロールケーキ　でした。

今は不通になってしまっているが、人吉まで行ってみたかったなぁ。復旧したときには是非訪れたいと思ったkumasukeでした。

隼人駅 駅