近くない・遠くない 絶景の新潟へ　後編

2022/10/31 - 2022/11/01

今回は越後村上と、いつか旅してみたかった阿賀野川周辺を
めぐります。　二日目はこの旅のハイライト、阿賀町津川の
麒麟山温泉へ。　山紫水明の阿賀野川は果たして・・・

エリア 咲花・三川・阿賀野川周辺(新潟)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 3.5
• ホテル: 5.0
• 交通: 3.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 5万円 - 10万円
• 交通手段: レンタカー

一夜明けて観光開始。　今日は移動距離が短いので、
寄り道スポットでやや時間調整しながらね。

先ずは三面川（みおもてがわ）河口の「イヨボヤ会館」で鮭のお勉強。
イヨボヤとは昔の言葉で、「魚の中の魚」の意味らしい。　

「鮭のまち村上」その歴史は古く、文献によれば、平安時代に
京の都の朝廷に鮭を租税として納められていたとされます。
鮭が遡上する三面川には、世界初の人工増殖に成功した歴史が
あり、以来藩を上げて取り組んできたのだとか。

イヨボヤ会館 美術館・博物館

館内には三面川を一部引き込んだ設備があり、
回帰してきた鮭が産卵する様子が見学できます。

イヨボヤ会館 美術館・博物館

さて、お次は新潟市のすぐ近く、弥彦村にあります越後一宮
「弥彦神社」です。　ほんとは「彌彦神社」が正しいとか。

日本人が大好きな三大なんとか。　ありましたー　三大彦山。
英彦山（福岡県）　弥彦山（新潟県）　雪彦山（兵庫県）だとか。
「彦」は男性首長の尊称で女性の「姫」と対をなす、極めて古い
名称だとか。

彌彦神社 寺・神社・教会

おりから、菊まつりが開催されていました。
多くの愛好家が丹精作出した見事な菊が参道に並びます。

弥彦菊まつり 祭り・イベント

彌彦神社到着！　パン・パン！　「神様にはご機嫌麗しく、
お会いでき誠に喜ばしく・・・あれやこれ、まとめてお願いしまーす」
いい加減・欲張りなお参りごめんなさい。

彌彦神社 寺・神社・教会

弥彦山は弥彦神社の御神体で、標高６３４ｍ。
ロープウェイ5分で、頂上近くまで登れます。

弥彦山ロープウェイ 乗り物

弥彦山到着！

弥彦山 自然・景勝地

ここまで登ると眼下には日本海と佐渡島。

弥彦山 自然・景勝地

振り返れば美しい越後平野が。

さて、お次は今回のハイライト麒麟山温泉に向かいます。

弥彦山 自然・景勝地

新潟県東蒲原郡阿賀町津川・・・

チェックインにはまだ早いので、「狐の嫁入り屋敷」見学。
この地では狐火が見られたり狐にまつわる昔話が多いらしく、
それに因んだ施設です。

つがわ狐の嫁入り行列 祭り・イベント

ミニチュアの狐の嫁入り行列

つがわ狐の嫁入り行列 祭り・イベント

風景がいいから、こういう展示物も映えるね。

つがわ狐の嫁入り行列 祭り・イベント

この津川地区は越後と会津を結ぶ、交易路の重要な中継点でした。
河口部の新潟から中流域の津川までの区間は水運で、津川から
会津若松は陸運とし、現代でいうロジスティック・ハブとして大いに
栄えたということです。全盛時には河港の津川には帆掛け船が150隻も
発着していたとか。 今となっては往時の賑わいを想起するのは難しい。
けれど、街のそこかしこに豊かさの蓄積、あるいは繁栄の面影が見受け
られました。

麒麟山温泉 温泉

麒麟山温泉は「福泉」と「古澤屋」の二軒が、隣り合わせにあるだけの
小さな温泉地です。

本日のお宿は「古澤屋」。　ここは以前本で読んでから、ずっと思慕して
きたお宿。　どんなかなあ、ワクワクする。

雪つばきの宿　古澤屋 宿・ホテル

入り口のアプローチですでに素敵過ぎる！

雪つばきの宿　古澤屋 宿・ホテル

館内も凝りに凝った設えで、廻廊だけでも「ほう」と嘆息。

雪つばきの宿　古澤屋 宿・ホテル

いや、こんな景色が部屋の窓いっぱいに！！

かって読んだ本に「山紫水明の地」とあったけれど、大袈裟でなく
そう思えます。　リアルな水墨画というか、嗚呼、ぼくの拙い
表現力ではこれ以上・・・

雪つばきの宿　古澤屋 宿・ホテル

露天風呂「ザブーン」　どこから見ても絶景です。
絶景すぎて陶然としてしまう。　上がっては入り、１時間以上
ウダウダしてしまう。　他のお客さんにも合わなかった、ラッキー！

このお宿はぼくの生涯、眺めの良さナンバーワンとなりました。

雪つばきの宿　古澤屋 宿・ホテル

建物の柱にいくつもの金具が・・・

ご主人に伺うと、つまりは雪支度のためであると。
このあたり、冬期は１５０ｃｍ以上の積雪になる。
ガラスを守るため、頑丈な板を渡して、ぐるりと囲んで
しまうのだとか。　都会の人間には想像できない。

「雪景色の阿賀野川が最高に綺麗だから、その時季にも
いらして下さい」とお誘いあり。　「絶対来たい！　でも、
雪の中の運転は自信がないし」と、早くも再訪の心配を。

雪つばきの宿　古澤屋 宿・ホテル

お食事もまことに結構。　質・量ともに文句なし。
盛り付けの美しさ、味付けの洗練、やるなあ。

雪つばきの宿　古澤屋 宿・ホテル

も一度露天にザブーン！
小島にほのかなスポットライトが。　なるほど、あたりは漆黒の闇、
照明ゼロなら眺望ゼロというわけね。　憎い心遣いだなあ。

すっかり堪能して、深ーい眠りについたのでした。

雪つばきの宿　古澤屋 宿・ホテル

明けて食事処

この庭も素敵です。　ことさら銘石を配置するような作為がない。　
野の花木を自然に植え、まわりの景色との調和を重んじている。
ご主人のセンスに脱帽です。　嗚呼、大好きな宿が一つ増えた。

新潟側からも福島側からも、アプローチに不便な場所・・・　
近隣に目ぼしい観光スポットはなく、他所との組み合わせプランが
立てにくい「ポツンと感」・・・にもかかわらず、近い内の再訪を
期している私です。

雪つばきの宿　古澤屋 宿・ホテル

そろそろ帰途につきましょう。

行きは関越自動車道でしたが、帰りは東北自動車です。
旅の締めくくりに、南会津の「大内宿」に寄って帰ります。
昔の宿場町の雰囲気がよく残されていて、週末などは観光バスで
旅行者が大挙やって来ます。　今日は平日なのでのんびりと。

大内宿 名所・史跡

お昼ご飯は名物のねぎそばを。　ま、一度ものは試しで。
箸の代わりにねぎ一本でそばを掬いあげる（箸もついているけどね）。　
で、時折ねぎのはじをガジガジと齧る。　お味はねぎの辛さだけが
印象に・・・

長々と引っ張ってきた新潟の旅、最後までお付き合いいただいて、
ありがとうございました。　

私達はまだまだ旅の途中。　次は何処へ。

大内宿 名所・史跡