近くない・遠くない 味わいの新潟へ　前編

2022/10/30 - 2022/10/31

猛威を振るったコロナもようやく下火となり、２０２２年１０月には政府の
全国旅行支援が始まりました。　前回旅したのが２０２０年１０月ですから、
２年振りの旅です。
　
さて、何処へ。　まだまだ人混みを避けつつ、コロナへの注意は必要な
状態です。　だから、今回は遠すぎない所がいい。　でも、近すぎると
日常生活の延長のようで、「旅した」感が足りない（因みに筆者は東京
在住）。　それから、混雑しない穴場がいいなあ。

結局、選んだのは越後村上と、いつか旅してみたかった阿賀野川周辺。
温泉も楽しみますよー。

エリア 瀬波温泉(新潟)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.5
• ホテル: 4.5

• 同行者: カップル・夫婦
• 一人あたり費用: 5万円 - 10万円
• 交通手段: レンタカー
• 旅行の手配内容: 個別手配

東京から約360キロ。　ほぼ高速道路だけの移動だから、
朝出て、お昼には村上に到着です。
　
村上市は新潟県の最北且つ最東の市で、人口約６万人。　かっては
村上藩の城下町として栄えました。　以前「美しいまちなみ大賞」を
受賞しただけあって、中心街には風情ある町家が残されています。

名物は「北限のお茶」と三面川（みおもてがわ）の鮭です。

益甚 専門店

こちらが一番有名な塩引き鮭のお店「きっかわ」
往時の町家を保存しつつ、塩引き鮭も昔式の製法を守っています。

千年鮭 きっかわ／きっかわ グルメ・レストラン

昼食の頃合いなので、何はともあれ名物の塩引き鮭が食べたい。
ということで、一番有名な「千年鮭きっかわ」経営の「井筒屋」へ。

井筒屋 宿・ホテル

なんとしたことか、1時半ですでに満員・受付終了・・・

気を取り直し、近くの食事処へ。

海鮮一鰭 グルメ・レストラン

「これこれ！」　近頃の水っぽい、塩水漬けのサーモントラウトとは
別次元です。　安物の弁当に入ってるペラペラ且つ水っぽい塩鮭、　
あれは、だいたい鮭ですらない。　養殖ニジマスの一種なり（ほんとは
内緒にしておきたいらしい）・・・

で、この塩引き、身の厚い部分はほっくりとして、塩辛さより旨味が
強烈です。　村上の「塩引鮭」は他所の「新巻鮭」とも異なる、独特の
製法がある。　これは、また後程。　

取り敢えず、美味い鮭でご機嫌になりました。

さーて、「きっかわ」に戻って見学とお土産を。

千年鮭 きっかわ／きっかわ グルメ・レストラン

大変な数の干し鮭

家の中は独特の香りで満たされています。
このカラカラに干して熟成した鮭は、ごく薄くスライスして、
酒をふって賞味します。「鮭の酒びたし」です。　塩鮭のサラミ的な
複雑且つ滋味あふれる味わいです。

ところで、村上の「塩引鮭」と他所の「荒巻鮭」は製法が異なるので、
自ずと違った味になります。　ごく簡単に言うと、荒巻鮭は塩漬け。　
塩引鮭は塩をしてから、冬の寒風に晒して干物状に仕上げます。
結果、荒巻のやや一本調子な塩味に、塩引では干物の複雑な旨味が
加わり、大変よろしい味わいとなります。

昔は「年取り魚」といって、大晦日や正月、ハレのご馳走に食べる
魚がありました。　地域によって魚の種類は異なるようですが、
大まかに、東日本では鮭を、西日本ではブリを指すようです。
どちらも立派で見栄えよく、保存がきき、食味よろしく、大人数に
向いた魚ですね。

千年鮭 きっかわ／きっかわ グルメ・レストラン

お土産に塩引を買って帰ります。　塩鮭なんぞとばかにしては
いけません。　なかなかの高級品でありまして、「きっかわ」謹製は
一切れ1400円! 　他のお店だと800円程度でした。

食いしん坊　ちと恥ずかしい。　読者諸賢には笑ってお許しを。

千年鮭 きっかわ／きっかわ グルメ・レストラン

店内は美しい座敷や庭なども公開されています。　
大人の社会科見学は楽しいね。

千年鮭 きっかわ／きっかわ グルメ・レストラン

隣の酒屋さん。　いい枝ぶりの松がなぜか歩道側に。
元々は庭内”見越しの松”だったものが、道路拡張で
セットバックした結果？

風情ある街並みを楽しんで、そろそろ宿に向かいます。

益甚 専門店

村上市中心から海岸方向すぐに瀬波温泉があります。

こんなのや、

こういうのが、怪獣のようにゴーゴーと唸り声を上げています。

明治末期、石油採掘を試みたら、代わりに熱湯が噴出したのが開湯とか。

瀬波温泉 噴湯公園 名所・史跡

「フムフム」　泉源は温度９５℃で熱すぎる。　で、貯湯曹に貯めて
７５℃まで下げる。　さらに熱交換器（ラジエターみたいなもの）を
通して42℃まで冷まして給湯すると。

今回の宿泊先「椿の宿 吉田や」に到着！
以前にも宿泊したことがあります。
全室１５部屋の小体な旅館は、大人のお籠りにぴったりです。

椿の宿 吉田や 宿・ホテル

ともあれ、露天へザブーン！　これがしたかったんだー。
「ウヒョー・ウハハ」我ながら変な声が漏れてしまう。
他にお客さん入ってなくてよかったー。

椿の宿 吉田や 宿・ホテル

一度上がって、温泉の成分表示を眺めます。
ナトリウム塩化物泉（アルカリ性低張性高温泉）ね。
加水なし、ろ過なし、真正のかけ流しであります。
硫黄臭はないのですが、独特の臭いが少しあります。
私の語彙だとかすかな「ヨード臭」かな。　気になるほど
ではありません。　

椿の宿 吉田や 宿・ホテル

お次は内湯へザブーン！　こればっかり。

幸い、当日他の宿泊客は一組だけらしい。　滞在中お風呂で他のお客さん
には一度も会わなかった。

椿の宿 吉田や 宿・ホテル

夕食までの間、浴衣姿で下駄をカラコロと、外を散歩します。
おじいさん臭い？　よね　　でも、これがしたかったんだー。

瀬波温泉 温泉

日本海の向こうに粟島が望めます。　高速船で５５分だとか。

瀬波温泉 温泉

さあーて夕ご飯、「いっただきまーす」。
そうそう、新潟は日本一の米どころ。　いや、うまいのなんの・・・

椿の宿 吉田や 宿・ホテル

「なんだこのうまさは！？・・・」　のど黒の塩焼きは白眉。

今日はよく遊んで・いっぱい食べて、サイコーの一日だった。
明日も楽しむよー。　後編も読んで下さいね。

椿の宿 吉田や 宿・ホテル