【2022年10月大阪・奈良の旅　その3】住吉大社・大阪市中央公会堂・大阪天満宮・天神橋商店街

2022/10/15 - 2022/10/17

2022年10月15日（土）～17日（月）の2泊3日で大阪・奈良旅行に出かけました。今回の旅の目的は旧奈良監獄の見学です。
星野リゾートがホテルとして再開発することが決定したそうで、一般見学ができるのは今年の10月いっぱいまでと聞き、慌てて旅行を計画しました。
ついでに大阪の町をぶらぶら歩いて近代建築やレトロな商店街などを見て回る計画です。
旅行記その３は、再び大阪散策です。あいにくの雨模様でしたが、町の中に残る近代建築の数々を巡って路地を歩き回ります。

エリア 大阪

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0

• 同行者: カップル・夫婦
• 一人あたり費用: 3万円 - 5万円
• 交通手段: 新幹線 JRローカル 徒歩
• 旅行の手配内容: ツアー（添乗員同行なし）

今日もイタリアンの朝食から始まります。
昨日よりパスタやリゾットの味が良くなっていました。理由は不明です。

今日は帰りの新幹線の時間まで大阪の建物や神社を見て回る予定です。

最初はホテル近くにある難波八阪神社です。

お目当てはもちろんこの獅子殿。
素盞嗚尊の荒魂を祀る大きな獅子の頭の形をした舞台です。

狭い境内の中に色々と詰め込んだ神社みたいです。

難波葱発祥の地でもあるらしい。
九条ネギや千住葱のルーツといわれる大変古い品種なんだとか。

本格的な観光に出かける前のウォーミングアップとしては面白い場所でした。

南海本線で住吉大社駅に移動します。

住吉大社駅で下車、並行して走る阪堺電車の線路を渡ると住吉大社の入り口です。

路面電車のある風景というのはなかなか良いものです。

振り返るとかなりくたびれた感じの門前の商店が目を引きます。

住吉大社に入ります。

住吉大社 寺・神社・教会

全国約2300社余の住吉神社の総本社です。

反橋を渡ります。

住吉大社角鳥居。
石造で、柱に大面取の角柱が用いられています。

幸壽門をくぐって、境内に入ります。
住吉大社の社殿は神社建築史上最古の様式の一つ「住吉造」で作られているそうです。切妻造・妻入りで、屋根に反りがなく、入口は中央にあり、内部は前後2室に仕切られているのが特徴。写真の建物は幣殿です。住吉造はその後ろに続く本殿ですね。

左が第四本宮、右が第三本宮。屋根の上の千木の形が違います。

第一本宮。
つくりはほとんど同じみたいです。

住吉大社南門の手前にある住吉大社石舞台。
豊臣秀頼の寄進によるもので、日本三舞台の一つなんだそうです。

境内の裏側に回ります。

五所御前。
五大力石守といってこの中の小石から五・大・力とかかれたものを拾うといい感じのご利益が得られるらしい。探してみましたが見当たりませんでした。

猫

楠珺社

招福猫というかわいい土人形がありました。

中もいい感じです。
毎月最初の「辰の日」に、境内にある「種貸社・楠珺社・浅澤社・大歳社」の4つの社をお参りすることで、あらゆる「発達」を祈願する「初辰（はったつ）まいり」という住吉大社独特の参拝方法があるそうです。

種貸社の案内に従って進みます。商売繁盛のご利益のある神らしく、商店の安売りチラシみたいな看板です。

種貸社が見えてきました。

資金調達・子宝・知恵を授ける神として信仰されているそうで、住吉大社の「初辰まいり」では1番目にお参りする神社です。

住吉大社は一寸法師発祥の地なんだそうです。

種貸社の裏に祀られている女神様の像。

一粒万倍というキャッチフレーズがご利益ありそうでいいですね。

少し離れたところから4つの本宮を眺めます。第一・第二・第三本宮が縦直列、第三・第四本宮が横並列という配置が面白いです。

誕生石。
薩摩藩主島津氏の祖・島津忠久生誕の地らしい。

誕生石の隣の木がすごい迫力でした。

反橋を横から眺める。
綺麗な橋です。

住吉大社観光終了。
先ほども見た門前の商店をあらためてよく見てみます。

胡散臭い。

色々売っています。占いもやっています。

電車で難波に戻ります。

難波の地下道をひたすら歩いて移動します。
地下鉄四つ橋線に乗り換えて本町に向かいます。

地下鉄を降りて地上に出たところで方向を見失いました。
靱公園の方まで歩い間違いに気づき、東に向かって方向転換しました。

多少道は間違えましたが、もともと町中に点在する古い建築物を見て回る計画だったので、道すがら古そうな建物を眺めつつ歩き続けます。

船場ビルディング（登録有形文化財）。

船場ビルディング 名所・史跡

綿業会館（ 登録有形文化財）。

綿業会館 名所・史跡

ここは「名建築で昼食を」というテレビドラマで紹介されているのを見ました。
ぜひ内部を見たいのですが、予約が必要です。

生駒ビルヂング。

生駒ビルヂング 名所・史跡

ビルの中は時計屋さんになっています。

1階の入り口周辺だけ見学させてもらえます。

創業明治3年という歴史を持つ時計屋さんのようです。

上に行きたいですが、ドンキホーテの1000円時計を長年愛用している私には敷居が高すぎます。

受付もオシャレでした。

ここはかなり気合の入った建物でした。

旧小西家住宅史料館。
入り口がどこだかわかりませんでした。閉館だったのかもしれません。

旧小西家住宅(小西儀助商店) 名所・史跡

どんどん行きます。
高麗橋野村ビルディング。

高麗橋野村ビルディング 名所・史跡

青山ビル

伏見ビル。
この辺りは外観を眺めながら通り過ぎます。

伏見ビル 名所・史跡

少彦名神社に来ました。
ここは道修町（どしょうまち）といって、江戸時代以来の「薬の街」で、現在でも薬問屋や製薬会社が150軒ほどあるそうです。くすりの道修町資料館というのも入り口にありましたがこの日は閉まっていました。

春琴抄の碑というのがありました。読んだことがないのですが、登場人物の春琴という女性が大阪道修町の薬種商鵙屋の次女という設定らしい。

神社拝殿。
よく見かける虎の張り子はここが発祥らしい。

少彦名神社 寺・神社・教会

ビルに囲まれた小さな神社ですが参拝者はとても多いです。

五感北浜本館（新井ビル）。
大正11築、銀行店舗として建設されたもの。

新井ビル 名所・史跡

現在は五感というケーキ屋さんになっています。2階が喫茶室になっているので、こちらで少し休憩します。

オシャレな内装です。

人気のあるお店のようで、1階のお菓子売り場も混んでいましたが、喫茶室もほぼ満席です。

クロワッサンとスパニッシュオムレツ。
すごく美味しい。

五感 北浜本館 グルメ・レストラン

ケーキセット。
イチジクのタルトがすごく美味でした。

食後もまだまだ散策を続けます。

コンクリートのビルが並ぶ通りにいきなり純和風建築が出てきました。建物入口の石碑には「銅座の跡」と書かれています。江戸時代に銅の取引や、銅の鋳造をした場所があったようです。

銅座の跡 名所・史跡

門の表札には「大阪市立愛珠幼稚園」とあります。ここは1880年に開園した幼稚園で、現存する幼稚園としては大阪府内では最も古い歴史をもち、また日本でも2番目に古い歴史をもつ。現存する木造の幼稚園園舎としては日本最古、また民間の手によって建てられた幼稚園としても日本最古となっているそうです。ちなみに一番古い幼稚園はお茶の水女子大学附属幼稚園なんだそうです。

大阪市立愛珠幼稚園 名所・史跡

こんなオフィス街に古い幼稚園というのが意外です。ただこの幼稚園の裏手には緒方洪庵の適塾があるので、昔から教育の盛んな場所だったのかもしれません。

芝川ビルに到着。
昭和2年竣工。船場の豪商・芝川家6代目当主の芝川又四郎が建設。 関東大震災を教訓にし、耐震・耐火性に心を砕いた頑強な造りで、古代中南米風の装飾が随所に見られる独特な意匠が目を引く。

芝川ビル 名所・史跡

当初は芝川家が手掛ける事業の事務所として建設されたが、又四郎が教育に関心が高く、また空間に余裕もあったことから、戦前は花嫁学校「芝蘭社家政学園」としても使われていた。

戦後は事務所中心のテナントビルとして運営されていたが、現在は魅力的な店舗が多数入居し、船場を代表する近代建築のひとつとして活用されている。

エントランスの壁の装飾も中南米風。

手すりの彫刻がいいですね。

むき出しのパイプ類がまたいい味を出しています。

オフィス街を歩き回っていたら見つけました。
オペラ・ドメーヌ高麗橋という建物らしい。辰野金吾が設計した煉瓦造の保険会社の社屋を、2008年（平成20年）11月より結婚式場として使用しているとのこと。

オペラドメーヌ 高麗橋 グルメ・レストラン

その隣にある浪花教会。

日本基督教団浪花教会 寺・神社・教会

こちらの建物も魅力的です。中から音楽が聞こえてきたので何かやっている最中だったようです。中に入るのは遠慮しておきました。

この建物は1930年、アメリカ人建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズの設計指導で、竹中工務店の設計・施工により建設されたもの。ヴォーリズといえば、先日近江八幡を観光した時に良く耳にした名前です。

三休橋筋を北上しています。この通り沿いには先ほど見てきた綿業会館、浪花教会、オペラ・ドメーヌ高麗橋など歴史的な建造物が多く残っています。
ここにも良い雰囲気の家がありました。

吉田理容所という看板が出ています。

川を渡って中之島に入ります。
大阪市中央公会堂の立派な姿が現れました。こちらは後で見学します。

大阪市中央公会堂 名所・史跡

土佐堀川沿いに少し歩きます。
今日は朝から雨が降ったり止んだりですが、それを見越して今回はスポーツサンダルを履いてきたので濡れても快適な散策を楽しめます。

日本銀行大阪支店旧館。
日本銀行大阪支店では、2022年11月1日（火）より、ガイド形式での見学を再開するそうです。この時は外観のみ見学しておしまい。

日本銀行大阪支店 名所・史跡

気取ったオブジェ付の郵便ポスト。
ここには駅逓司大阪郵便役所跡という碑が建っていました。明治4年（1987）日本最初の郵便制度が設けられ、ここには郵便役所がおかれていました。

大阪府立中之島図書館に入ります。
2010年にここを訪れた時は受付で名前を書いて、許可を貰わないと見学させてもらえなかったと記憶しているのですが、今回は自由に入ることができました。

大阪府立中之島図書館 美術館・博物館

堂々とした立派な建物です。

中央の階段が相変わらず見ごたえありです。

天井。
前回来た時もたしか土砂降りの雨の日でした。晴れた日はもっときれいなのかもしれません。ドームの内側に白い網がかかっています。前回来た時にはこれはなかったのでもっときれいにドームの絵が見えたのですが、耐震工事をやったみたいなのでその関係かもしれません。

重厚なつくりがすばらしいです。
何度来てもいいですね。

三階の記念室。こんなところもあったなんて知りませんでした。2015年に指定管理者制度を導入してから、サービス面が向上したのかも。

「路線図で見る京阪電車の半世紀展」というのをやっていました。
あまり興味がなかったのでザっと見て終わりにしました。

以前より見学できる場所も増えてさらに満足度が高くなった図書館でした。

大阪市中央公会堂に戻って来ました。
ここも来るのは2度目になりますが、前回は何かの催しで利用中だった為中に入ることができませんでした。
建物への入り口はここから下に降りて行くようです。最初に気付かず正面に回ってしまいました。

とりあえず外観を1周して楽しみましょう。

やはり美しい建物です。

それでは建物の中に入ります。
見学できるエリアはかなり限られています。

資料展示室がありました。

大大阪時代を彩った近代建築という一覧がありました。
さっきまで歩いて見てきた建物がたくさん載っていました。

大大阪時代（だいおおさかじだい）は、大正後期から昭和初期にかけて、大阪市が人口・面積・工業出荷額において日本第一位であり、当時の東京市を凌ぐ世界有数の大都市として栄華を誇った時代のこと。

近代建築好きにとっては最高の町です。

創建当初の基礎下に打ち込まれていた松杭。

正面アーチ屋根の上に神像があると資料室の解説にありましたので、改めて外に出て見てみました。右側がミネルヴァという学問や芸術の女神で、左はメルキュールという商業の神。戦時の金属供出で長い間失われていましたが、保存・再生工事の際に復元されました。

川沿いの中之島バラ園を歩きます。

雨に濡れてバラがとてもきれいです。

難波橋の下まで来ました。

広場にバラがたくさん植えてありました。
秋のバラはちょっと地味ですね。

中之島バラ園 公園・植物園

でもよく見るととてもきれいな花があります。

橋を渡って北浜に向かいます。

難波橋(ライオン橋) 名所・史跡

大きなビルの間に挟まったレトロな建物を目指します。

その名も「北浜レトロ」。
1912年に建てられた小さなレンガ造りの洋館を改装してオシャレな喫茶店になっています。

難波橋のライオン。

大阪証券取引所ビル。

大阪取引所 名所・史跡

北浜レトロにやって来ました。
出来たらここで休憩していきたいと思っていたのですが、

北浜レトロビルヂング 名所・史跡

1時間待ち、行列が外まで続いていました。若い女性に大人気なお店なので仕方ないですね、年寄はあきらめて先に進みます。

難波橋を対岸へ渡って、川沿いの遊歩道を歩きます。

天神橋まで来ました。ここから天神橋筋商店街を歩きます。

商店街に入る直前にあった面白そうなビル。

フジハラビル 名所・史跡

フジハラビルというらしい。

「現オーナーがDIYで補修してギャラリーを設け、演劇や音楽などのアート活動の場とした。2009年から2010年にかけてNHKで放送された連続テレビ小説「ウェルかめ」のロケ地としても使用された。」とwikiに載っていました。

意識して雰囲気を作り上げたようなイヤラシサはありますが、なかなか面白いです。

今回は年季の入ったテナントビルをたくさん見ました。
個性的なお店が入るにはこういう古いビルはうってつけですね。

ちょっとゴチャゴチャしすぎかな。

何だかわからないもの。
こういう演出がわざとらしくてあまり好きではない。

テナントの部屋の中はすっきりしていてきれいですね。

何にしても大阪らしい面白いビルでした。

外側の形も面白い。

日本一長い商店街「天神橋筋商店街」に入ります。

天神橋筋商店街 名所・史跡

長いですね。
お店自体にはあまり興味が無いのでブラブラ歩きます。

商店街から少しはずれて大阪天満宮に入ります。

大阪天満宮 寺・神社・教会

なかなか羽振りの良さそうな神社です。

社殿も複雑でとても凝っています。

今回の旅行の行程も終盤になって来ました。だんだん観光が雑になっています。

境内の裏側にある白米稲荷社（しらよねいなり）というのがあります。

なかなかきれいな提灯です。

小さな鳥居が並んでいます。裏に回る回廊になっているようです。

何かあります。

「この自然石は狐、天狗の爪研ぎ石と称されている古代に勾玉や管玉を磨いた砥石である」とあります。

境内で古本市をやっていましたが、あいにくのお天気でイマイチもりあがらないですね。

菅家廊下～天神様のご一代～という展示があります。

菅原道真公の生涯を、博多人形を使った全１５景のジオラマで描写したものでした。あまり面白くないです。

大阪ガラス業発祥之地碑というのが入り口にありました。
江戸中期の宝暦年間（1751～1764）に大阪天満宮の前でガラスの製造を始めた長崎の商人・播磨屋清兵衛が「大阪ガラス商工業ノ始祖｣だとされているとのこと。

大阪ガラス発祥の地碑 名所・史跡

商店街の中に戻って喫茶店で休憩します。豆香というお店が近くにあったので入りました。

珈琲院 豆香 グルメ・レストラン

店の雰囲気はなかなか良いです。

ケーキは普通、コーヒーも普通ですが、お客さんがたばこを吸っていて店内に匂いが充満していました。非喫煙者にはちょっと厳しいかな。すぐに店を出ました。

そろそろ今回の旅行も終わりに近づいてきました。

商店街をもう少し歩きます。

本当に長いです。

オシャレな喫茶店がありました。こっちなら禁煙だったでしょうが、並んでいますね。

大阪の激安スーパー玉出。どこにでもありますね。

天満駅近くまで来ました。

この辺りの飲食店街のカオスっぷりがなかなか魅力的です。

細い路地のアーケードにギッシリ飲み屋さんが並んでいます。

ストレートな店名が良い。

そして安い。

美しい近代建築やオシャレナ喫茶店など、色々な大阪を見てきましたが、最後はやっぱり、薄汚いカオスな大阪を堪能して帰りたくなるものです。

これにて今回の大阪・奈良旅行は終了。
新幹線で帰ります。旅行支援が始まったせいか、新大阪駅はひどく混雑していました。

コンビニで買った夕食を新幹線内で食べます。

大阪、奈良は近いうちにまた旅行することになるでしょう。
まだまだ見るべきものがたくさんありそうです。