平家の落人伝説が伝わる秘境・奥祖谷へ

2022/06/05 - 2022/06/05

平家の落人伝説の残る徳島県奥祖谷。
よくぞこんなところに人が住んでいるもの、と思わせるような秘境地域です。
阿波池田から奥祖谷へドライブをしてみました。

エリア 祖谷渓・かずら橋・大歩危(徳島)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5
• ホテル: 4.0
• グルメ: 4.0
• 交通: 3.5

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 1万円 - 3万円
• 交通手段: レンタカー
• 旅行の手配内容: 個別手配

朝、宿の部屋から見た吉野川。
今日は天気はいまいち。
この旅行の予定を立てた１週間前の週間天気予報では晴れだったのに・・・

白地温泉　小西旅館 宿・ホテル

今回宿泊した白地温泉の高台には戦国時代、白地城がありました。
高知の小豪族から四国を制覇した長曾我部元親はここを本拠としました。
ここは土佐、伊予、讃岐、阿波の４国の中心だったからです。
最終的に豊臣秀吉に元親が降伏したのもここでした。

現在は跡地は高台にあるホテル。
バス停の名前に「白地城跡」が残っていました。

大歩危祖谷阿波温泉　あわの抄 宿・ホテル

旅館のある白地温泉から祖谷に向かって南下します。
まず寄ったのがJR四国・土讃線の祖谷口駅。
今から４０年ほど前、中学生だったころに四国周遊券を使ってバス代を浮かすためにこの駅から祖谷行きのバスに乗り換えました。
懐かしい駅です。

当時は立派な駅舎があったような記憶がありますが、今は掘立小屋のような待合室だけ。

祖谷口駅 駅

当時この駅へ降り立った時の列車は「銀河鉄道９９９」のような古びた４両くらいの客車列車、乗り換えたバスはなんとボンネットバス。
しかもバスに女性の車掌さんが乗っていて、バス代はその車掌さんから切符を購入しました。
首都圏で電車とワンマンバスしか知らなかった私はとてもカルチャーショックでした。

今はJR四国の普通列車はたった１両のワンマン・デイーゼルカーになり、ボンネットバスは観光バスとして走っていましたが、昨年引退しました。
時代の流れを感じます。

祖谷口駅 駅

ここで吉野川は祖谷川に分かれます。
深い渓谷の祖谷川沿いを道を行きます。

祖谷渓 紅葉

道路は県道とはいえ、車の行き違いも困難な細く曲がりくねった道。
よくぞこんな悪路をバスが走っていたものです。

祖谷渓のシンボル。
小便小僧の銅像。
ここから見る祖谷渓は目がくらむほどの深い渓谷です。

小便小僧 名所・史跡

祖谷渓沿いにある秘湯・祖谷温泉。
日帰り入浴ができるようなのでここで一休み。

和の宿 ホテル祖谷温泉 宿・ホテル

このホテルの名物は川沿いの露店風呂まで下るケーブルカーです。
露店風呂の日帰り入浴代は１７００円。
ケーブルカー料金込みとはいえ高い！
というわけでホテル内の展望風呂７００円にしました。

祖谷温泉で一息入れた後、さらに祖谷渓を南下します。
ここはひの字渓谷。
ちょうど祖谷川と祖谷渓が「ひ」の字のように曲がりくねっています。

ひの字渓谷 自然・景勝地

ようやく悪路を１時間ほど走って旧西祖谷村の中心地、一宇へ。
秘境の村の雰囲気です。
道路が整備された昭和末期までまさに陸の孤島のようなところだったでしょう。

道の駅 にしいや 道の駅

旧西祖谷村で有名なのは日本3大奇橋・かずら橋。
しらくちかずらなどの葛類を使って架けられた原始的な吊橋です。

かつて来たときは山村の中にある山奥の橋って感じでしたが、今回は道路も整備され観光センターもあり、すっかり観光地化していました。
ちょっと残念かも。

かずら橋夢舞台 グルメ・レストラン

川からの高さもあり、この橋は渡るのは結構怖いです。
先に橋を渡ったカップルの女性は高所恐怖症なのかしばらく足がすくんで渡れず、彼氏に手をとってもらって少しずつ渡っていました。

祖谷のかずら橋 名所・史跡

かずら橋を渡った場所からすぐのところにある琵琶の滝。
小さな滝ですが、水量は結構あり、なかなかの迫力です。

琵琶の滝 自然・景勝地

琵琶の滝の目の前の食堂で少し早いランチ。
川魚・あめごの塩焼き。
塩焼きの定番のアユに比べるとさっぱりした感じです。

滝美食堂 グルメ・レストラン

祖谷といえばそば。
平地が少なく水田稲作の難しかった祖谷ではそばが主食でした。
腰の強いそばでした。

かずら橋からさらに祖谷川をさかのぼること悪路を15キロ、20分。
今度は旧東祖谷村の中心部へ。
祖谷川の河岸に張り付いたような集落です。

ここにある歴史民俗資料館へ寄ります。

東祖谷歴史民俗資料館 美術館・博物館

この資料館ではこの秘境のような山奥での人々の暮らしや、平家落人伝説についての展示が豊富でいい勉強になります。

この地域にある阿佐家に代々伝わる平家の赤旗のレプリカ。
平清盛の甥、平教盛の次男である平教経が屋島の戦いに敗れたあと、ここに落ち延びたとされ、阿佐家はその子孫とされています。
本物は阿佐家の家宝として伝わっています。

せっかくだから阿佐家にも行ってみます。
資料館から約20分、細い山道を延々と山の上の方へ登って行った小さな集落が阿佐集落。
中心部からかなり上ってきますが、車のない時代はさぞかし大変だったことでしょう。

阿佐集落にある阿佐家。
現在は阿佐家の方はこの屋敷の隣の住居に居住されています。
阿佐家屋敷は無料開放されていました。

平家屋敷 阿佐家 名所・史跡

さすがに落人とはいえ、平家の一族の子孫。
立派な屋敷でした。
おそらく代々この集落の庄屋だったのでしょう。

旧東祖谷村の中心部からさらに祖谷川に沿って登っていくと、落合集落。
祖谷川沿いの集落はかなり高い場所まで住居がありますが、ここはちょうど展望場所があり、祖谷の集落の様子が一目でわかるところです。

落合集落 名所・史跡

落合集落からさらに祖谷川沿いを上がっていくと名頃集落。
奥祖谷の中で一番奥のある集落です。
どのくらいの人が住んでいるのでしょう。

人がたくさんいるな、と思ったら、すべて案山子でした。
ここは案山子の里を名乗っています。

名頃集落から少し先にある奥祖谷二重かずら橋。
かつてはこの周辺の人々の日常利用していた橋でしたが、現在はキャンプ場への橋となっています。
２本あり、男橋は川からかなり高いところにあるかずら橋で、高所恐怖症の人は渡るのに苦労するかも。

奥祖谷二重かずら橋 名所・史跡

もう一本は女橋。
こちらは川からの高さはほどんどないので、渡りやすいでしょう。

またここにはかつて川を渡るのにつかわれた木製の「ロープウェイ」、野猿も残っています。
ただ、残念ながら故障中とかで乗ることはできませんでした。

野猿 名所・史跡

祖谷川の最終到達点は剣山です。
ここは剣山の登山口。
ここからリフトで登山していけます。
まだ山開きではないので、今日はここまで。
四国の名山・剣山もいつかは登山に挑戦したいものです。

剣山自然情報センター 名所・史跡

剣山からは高松空港向かいます。
まずは２時間ほどかけて剣山の登山口の町・貞光へ。
まるで人の名前のような町です。
ここにはJR四国・徳島線も通じています。

道の駅 貞光ゆうゆう館 道の駅

貞光から高松空港に向かう途中、山の中にある道の駅・ことなみ。
ここはもう香川県のまんのう町です。

意外な場所にある道の駅でしたが、温泉にも入れるようで結構にぎわっていました。

道の駅 ことなみ 道の駅

高松空港に到着。
フライトの１時間前。
途中で事故であったら、フライトに間に合わなかったわけで、ちょっと無謀な計画だったかも。
ともあれ丸亀で借りたレンタカーを高松空港で乗り捨て料なしで返却して、無事フライトに乗ることができました。

高松空港 空港