2022/04/01 - 2022/04/01
10位(同エリア316件中)
かっちんさん
南信州には、樹齢300年以上の老桜をはじめ樹形の美しい「名桜」が多く残されています。
飯田駅前に広がる「丘の上」と呼ばれる市街地には、春になるとエドヒガン、夫婦桜、枝垂れ桜などが咲き誇ります。
「丘の上」の地形は、天竜川と支流松川の河岸段丘。その松川に注ぐ市街地河川により3つの台地に分かれています。
真ん中にある台地は、飯田市街の中心地となっている「長姫(おさひめ)台地」。
中央公園(谷川が暗渠)と王竜寺川に囲まれた台地で、突端には旧飯田城(長姫城)があったところで、「長姫のエドヒガン」、「桜丸御殿址の夫婦桜」が見られます。
北東側にある2つ目の台地は「橋北(きょうほく)台地」。
中央公園と野底川に囲まれた「橋北台地」は、昭和22年(1947)の飯田大火でこの地区の約半分が焼失を免れており、歴史的建造物や城下町の遺構が残されています。
明治の日本画を代表する飯田の偉人「菱田春草」の生誕地が仲ノ町にあり、春草通りでは「安東家屋敷」や「旧高野医院」の建物が見られます。
黄梅院・正永寺・専照寺の境内では枝垂れ桜の名桜があります。
南西側にある3つ目の台地は、王竜寺川によって長姫台地とは区切られた「愛宕(あたご)台地」。
突端には愛宕神社があり、エドヒガンの「清秀桜・千代蔵桜」があります。
桜の開花情報は飯田市のホームページに掲載されています。一部の桜はライブカメラで見ることもでき、花の見頃になる時期にあわせて訪れることができます。
ホームページのURLは https://www.city.iida.lg.jp/site/sakurasaku/
なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・南信州観光公社、桜守りの旅「南信州の名桜を巡る」、「飯田市丘の上MAP」「大宮通り桜並木」
・飯田市「愛宕神社の清秀桜」「追手町小学校校舎」「飯田城桜丸御門」「飯田城の歴史」
・巨樹と花のページ「桜丸御殿址の夫婦桜」「長姫のエドヒガン」「大雄寺の枝垂れ桜」
・中日新聞「淡いピンク優美さ受け継ぐ 飯田正永寺のシダレザクラ2世開花」2022年4月6日
・信州いざない街道「専照寺の枝垂れ桜」
・ある産婦人科医のひとりごと「風越公園の桜とモクレン」2011年4月22日
・信濃毎日新聞「咲き誇る飯田城の紅梅」2021年3月12日
・古木の間、長野県の古木「旧大久保小学校の欅」
・飯田市「マンホールカードの配布」「市章」「電気小型バスプッチー」
・飯田市立追手町小学校のHP
・飯田市の都市景観構造「中心市街地公園+城東区画整理公園」「飯田市の景観特性あるいは景観STORY」「丘の上河川流路」「旧市内台地・斜面萌え」「野底川・橋尽くし下流編」
・橋北びよりのHP、「春草通りについて」
・飯田創造館のHP
・飯田市浜井場小学校のHP
・飯田市「ムトス飯田事業の概要」
・あずさ屋「幸福を呼ぶ!時の番人ハミパルくんストラップ」
・鉄道チャンネル「飯田線桜町駅」
・4トラベル旅行記、いぬちゃん「日本の屋根・南アルプス展望!!」2010年12月4日
・ウィキペディア「りんご並木(飯田市)」「坂本鹿名夫」「桜町駅」
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
飯田市「丘の上MAP」(飯田)
丘の上を流れる河川はいずれも風越(かざこし)山麓の沢筋が扇状地を形作り、河川を境にして3つの台地に分かれています。
中央公園(暗渠の谷川)より右側が「橋北台地」、その左側が「長姫(おさひめ)台地」、さらに王竜寺川より左側が「愛宕台地」です。
飯田駅から緩やかな斜面を下ると、桜並木、りんご並木、桜の名木等があります。
昼食をとったそば処「かざこし」は銀座3丁目です。
北は時計でいうと2時の方向。 -
桜が満開になった「JR飯田駅前」
早朝に中央線八王子駅を各駅停車で出発し、岡谷で飯田線に乗り継ぎ、お昼に飯田駅に到着します。
駅並びの観光案内所で桜の開花状況を確認すると運良くちょうど見頃。
飯田市の名桜を紹介した地図「桜守の旅」をもらい、桜巡りがはじまります。 -
「真っ赤なりんご」のデザインマンホール(飯田)
飯田市のシンボルである「りんごの木」と「市章」をデザインしたものです。
市章は「い」を組み合わせて「田」を形どり、「飯田」を象形しています。 -
青空に映える「紅梅」(りんご並木)
りんご並木は昭和22年(1947)に発生した「飯田大火」の復興過程で、当時の飯田市立飯田東中学校の生徒たちの提案により作られています。
りんご並木の北側はサクラ並木が作られ、これらの並木通りは大火の教訓から町の防火帯としても考慮されています。 -
鮮やかな「紅梅」(りんご並木)
飯田では桜だけでなく、梅の花も同時期に見られます。 -
そば処「かざこし」(銀座通り)
ここで昼食にします。 -
イチオシ
山菜天ざるの大盛(かざこし)
春の香りが楽しめる、たらの芽・こごみ・竹の子の天ぷらと、風味があり喉越しのいい信州蕎麦を一緒にいただき大満足です。 -
SL-D51(扇町)
銀座通りを扇町方向に進むと「長姫台地」の端に、SLが保存・展示されています。
昭和15年(1940)に日本車輌にて製造されたD51-402は、国鉄米原・水戸・中津川機関区で活躍し、昭和47年(1972)に廃車。
飯田ライオンズクラブが国鉄貸与を受け、飯田市に寄贈したものです。
保存状態が悪く可哀そう。 -
青空が似合うピンクの花びら(動物園前)
飯田市動物園の正門前に立つ1本の古木「飯田城の紅梅」。
江戸時代に旧飯田藩士が城主から拝領したとされ、動物園開設の昭和28年(1953)に同市江戸町の藩士邸から移植されたもの。 -
便利な街路灯(動物園前)
バス停と喜久水酒造(右側の建物)の看板になっています。 -
桜の咲き誇る「扇町公園」
動物園のある「長姫台地」から坂道を下ったところが「扇町公園」。 -
「四季の広場」の桜(扇町公園)
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イチオシ
南アルプスと紅白の桜(扇町公園)
扇町公園はもともと王竜寺川の造った窪地を暗渠にして埋め立てた所です。 -
「大ケヤキ」(大久保町)
飯田市役所の前にある大木は、昭和34年(1959)に廃校になった大久保小学校にあった「大ケヤキ」。
昭和36年(1961)小学校跡地に飯田市役所が移転、新設されました。
そばには「大久保小学校ありき」という石碑と、サルスベリ、大ケヤキが残されました。 -
名桜「清秀桜」(愛宕町)
「愛宕台地」に入り、愛宕稲荷神社境内にある市内最古のエドヒガンの名桜「清秀(せいしゅう)桜」。
鎌倉時代、清秀法印が地蔵寺の境内に手植えしたと伝えられ、樹齢推定760年。
(法印とは最も位の高い僧侶のこと)
地蔵寺は飯坂城(愛宕城)の城主坂西氏が飯田城(長姫城)へ居を移した際、飯坂城跡地に建てられた寺といわれています。 -
イチオシ
名桜「千代蔵桜」(愛宕町)
空に向かって雄々しく伸びる均整のとれた樹形はエドヒガンの名桜「千代蔵(ちよぞう)桜」。
飯田藩家老安富氏より愛宕稲荷神社に献納され、知久町黒田千代蔵氏によって境内の東方、飯田城(長姫城)を望める場所に植樹したと伝えられています。
幹周り4.3m、樹高16m、樹齢推定200年。 -
優雅な「千代蔵桜」(愛宕町)
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境内の桜(愛宕町)
名桜の一本桜以外にも桜が満開。 -
密に咲く桜(愛宕町)
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街路灯は人形劇の街 飯田のシンボル「ハミパルくん」
幸福を呼ぶファンファーレを「時の番人 ハミパルくん」が奏でています。
飯田市のホームページを開くと、飯田のシンボルとして「ハミパルくん」と「合言葉はムトス、誰もが主役、飯田未来舞台」と掲載されています。
「ムトス」とは、広辞苑などにも載っている言葉「んとす」を引用したもので、「・・・しようとする」という意味が込められており、行動への意志や意欲を表す言葉です。 -
「丘の上MAP」南東側
りんご並木より坂道を下ると、追手町小学校、赤門、桜丸の夫婦桜も長姫のエドヒガンがあります。
長姫公園(中央公園)より右側には、安東家屋、専照寺・正永寺・黄梅院の枝垂れ桜、浜井場小学校があります。 -
昭和初期の校舎「追手町(おうてまち)小学校」(追手町)
昭和4年(1929)に建築された鉄筋コンクリートの校舎。大正11年の飯田大火の後、防火対策が意識されています。
空から見ると、端の短いコの字形をしている校舎です。
円くした正面玄関は、縦溝付の円柱、アーチ、短い庇で飾っています。
長大な外壁が柱形を強調しています。
現在も使われており、国の登録有形文化財です。 -
校章(追手町小学校)
旧飯田中学の校章に校名を入れて現在に伝えています。
八稜の鏡の中に稲穂を配し、飯田の「飯」は米に通じることから稲穂になったといいます。 -
気象観測の「百葉箱」(追手町小学校)
ここは北緯35度30分34秒の位置です。 -
「赤門」と呼ばれる飯田城桜丸御門(追手町)
飯田城の桜丸の正門で、弁柄で赤く塗られていることから、「赤門」と呼ばれています。
「赤門」は、大名に嫁いだ将軍徳川家の娘の敬称である「御守殿(ごしゅでん)」のために許された特別な門で、火事などで焼失しても建て替えが許されていません。
そのため、全国でもほとんど残っていません。
本件の他に城門に限れば、東大の赤門(旧加賀藩主前田家上屋敷御守殿門)、和歌山城追廻門、名古屋城の三の丸清水口の赤門などが知られています。 -
「桜丸御殿址の夫婦桜」(追手町)
エドヒガンとシダレザクラが根元で合体しており、あたかも1本の木が花を咲き分けているかのように見えます。
この地には飯田城本丸御殿の別棟として桜丸御殿が建てられ、庭園には藩主脇坂氏時代に多くの桜が植樹され御殿名の呼称となりました。
樹齢推定400年。 -
イチオシ
風格のある「長姫のエドヒガン」(追手町)
飯田市美術博物館の前庭にある巨大な「長姫(おさひめ)のエドヒガン」。
飯田城主堀氏の家老安富(やすとみ)氏の邸址近くにあったため俗に「安富桜」と呼称されています。
幹と根張りが雄々しく、均整のとれた樹形は古木の風格をもち、エドヒガンの特性がよく現れ、長野県天然記念物に指定されています。
樹齢推定400年、目通り周囲 6.7m、樹高 20m。 -
生き生きとしている桜(長姫のエドヒガン)
あまりにも見事な桜なので、しばらく見とれていました。 -
花数の多いエドヒガン(長姫のエドヒガン)
-
黄色い花は「サンシュユ」
「長姫のエドヒガン」のそばで佇んでいます。 -
丘のまちプチバス「プッチー」(美術博物館前)
飯田の町なかを走る電気小型バス「プッチー」です。
2022年3/19~4/3は昼時間帯を1時間毎に無料で運行。
「プッチー」は、りんご犬プッチーから名付けました。
りんご犬プッチーは、いいだ人形劇フェスタのマスコットキャラクター「りんご並木の妖精 ぽぉ」のあいぼう犬です。 -
長姫台地からの眺望(飯田合同庁舎第3駐車場にて)
長姫台地の東側に満開の桜と南アルプスが眺められます。 -
何の木だろう?(長姫公園)
長姫台地から坂を下りて谷川を渡り、橋北台地に来ています。
長姫公園の横道を通り、仲ノ町へ向かいます。 -
木造の「安東家屋敷」(仲ノ町)
ここは明治の日本画を代表する飯田の偉人「菱田春草」の生誕地で、石畳(舗装に切れ込みを入れた石畳風)の道が「春草通り」です。
「春草通り」は昭和22年の飯田の大火でも大半が焼け残った歴史的に見ても重要な通りになっています。
安東家は堀候の家臣で、堀候と共にこの地に移ってきました。代々槍術指南役をつとめ明治維新を迎えました。
以来、この地に居宅を構える唯一の家系です。 -
擬洋風建築の「旧高野医院」(仲ノ町)
「旧高野医院」は昭和4年(1929)に建てられた旧産婦人科医院です。
木造2階建ての擬洋風建築で、現在はキリスト教会として使われています。 -
赤みの濃い「黄梅院の枝垂れ桜」(江戸町)
黄梅院(おうばいいん)本堂脇に佇むベニヒガン系の古木。
目通り周囲 5.1m、樹高 16m、樹齢推定400年。 -
太い幹の枝垂れ桜(黄梅院)
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花付きのいい枝垂れ桜(黄梅院)
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煙突のある長屋(小伝馬町)
黄梅院前の大正新通を歩いています。 -
イチオシ
南信州の美しい枝垂れ桜(近くの正永寺参道から)
南アルプスの山々をバックに、濃いピンクの枝垂れ桜(黄梅院)が顔を出しています。 -
「正永寺の枝垂れ桜」(江戸町)
参道の右横にあるのが「二世桜」。
初代の枝垂れ桜は420年前に植えたといわれ、かつては2段の噴水のように降り注いでいましたが、時代と共に衰弱し2019年に倒れました。
「二世桜」は初代の横に植えられたもので、将来が楽しみです。 -
別の桜が満開(正永寺の墓地)
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専照寺の山門(伝馬町)
銀座通りから細い参道に入ると山門が見えます。
山門は、「伊豆木陣屋の太鼓門」が明治5年(1872)に専照寺に移築されたもの。
山門の上には鐘楼がのり、鐘が吊るされています。 -
「専照寺の枝垂れ桜」(伝馬町)
枝垂れ桜は、釈迦牟尼物の頭上を天蓋で飾るように咲き誇ります。
目通り周囲4.5m、樹高10m、樹齢推定400年。 -
青空と濃いピンクの花がお似合い(専照寺の枝垂れ桜)
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つぼみが多く、これからが見頃(専照寺の枝垂れ桜)
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蔵が並びます(専照寺の門前)
門前の脇道に蔵が並んでいます。 -
イチオシ
美しい彩りのなまこ壁(専照寺の門前)
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帽子をかぶり、目がパッチリ・・・(伝馬町)
お寺の建物です。 -
青空に映える枝垂れ桜(伝馬町)
長野地方検察庁飯田支部の敷地です。 -
大宮通り桜並木(検察庁前の通り)
大火後の大宮通り700mに、染井吉野桜を中心に植えられた150本余りの桜群。
満開になると、桜トンネルになります。 -
「大雄寺の枝垂れ桜」(大王路)
境内は立入禁止ですが、背が高い枝垂れ桜を外から眺めます。 -
「風越公園の枝垂れ桜」(小伝馬町)
風越(かざこし)公園内の飯田創造館前にある枝垂れ桜。
台風の影響でこんな姿になっていますが、元気に花が咲いています。 -
「飯田創造館」の建物(風越公園内)
県民の芸術文化活動に参加する機会を提供するため、「創造の森」として昭和54年(1979)に飯田風越高校跡地に「飯田創造館」が開館しました。 -
「野底川」下流側の眺め(風越公園から)
「橋北台地」の端を流れる「野底川」。
川幅が狭く周辺との高低差があまりないので、橋の数が多いところ。
この先は松川と合流し、天竜川に注ぎます。 -
紫紅色の鮮やかな「モクレン」(風越公園から)
-
イチオシ
珍しい円筒校舎「浜井場小学校」(小伝馬町)
昭和30年(1955)に落成した円筒形の校舎。
設計は建築家の坂本鹿名夫氏。円形建築にこだわり、その経済性、合理性を主張し、円形校舎、円形病院など全国に100以上の円形建築を手がけました。 -
JR飯田線「桜町駅」(大門町)
時刻は17時過ぎ。今晩の宿へ向かうため、最寄り駅の「桜町駅」へ。
桜町は駅前南側の一帯。その歴史は元和3年(1617)に脇坂氏が飯田藩に入り、城下町を取り囲む惣構えを整備し、その外に桜町を新たに造ったとのこと。
現在の木造駅舎は昭和22年の飯田大火で焼失し、その後再建されました。 -
無人駅の改札口(桜町駅)
有人駅当時の面影が残っています。 -
駅名標「桜町駅」
隣は飯田駅。 -
天竜峡行きの電車(桜町駅)
この電車に乗ります。 -
「切石駅」に到着
飯田駅の次の駅「切石駅(きりいしえき)」で電車を降ります。
今晩の宿「スーパーホテル長野・飯田インター」は、切石駅より1.1kmのところなので歩いて行きます。 -
南アルプスの眺望(切石~スーパーホテル)
北東の方向にアップした「仙丈ヶ岳」が見えます。
切石駅から道は緩やかな登り坂ですが、眺望のいいところです。 -
南アルプスの眺望(切石~スーパーホテル)
左に仙丈ヶ岳(3033m)、少し離れて北岳(3193m)、間ノ岳(3189m)です。 -
今晩の宿「スーパーホテル長野・飯田インター」(飯田市北方)
2018年11月にグラントオープンした綺麗なホテルです。
夕食は近くのジョリー・パスタで。
飯田の名桜はちょうど見頃でした。
明日も飯田周辺の桜巡りをやります。
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