2022/05/28 - 2022/05/28
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たびたびさん
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万灯みたま祭は、広島護国神社で5月に行われるお祭り。護国神社は、元の招魂社。靖国神社に連なる神社ですから、ちょっと思うところがなくはないのですが、広島の護国神社は原爆の犠牲になった動員学徒や女子挺身隊員等も祭神として祀られています。戦争を鼓舞したという歴史はありますけど、そういう神社が時を越えて、今ではここも平和への祈りの場所となっているのかなと思います。
ただ、もう少し付け加えると。。司馬遼太郎は従軍の経験もあって、戦争に突き進んだ日本は歴史的に見ても異常。天皇の統帥権の下にあって、内閣から独立していた陸軍部の参謀本部や海軍部の軍令部に暴走を許したことが大きな誤りだったと主張しています。しかし、戦争への流れは、少数の扇動者がいたというようなことではなく、広く世論の支持があったことは間違いない真実。世界恐慌の煽りを受けた日本では貧困が広がり農村では娘の身売りも珍しくなかったという時代背景は正しく理解する必要があると思います。太平洋戦争はアジアを解放するという戦いだったとする間違った考え方は未だになくはないのですが、少なくともこうした社会の貧困を解消するために他国を侵略することもやむを得ない、それは西洋の列強と肩を並べた日本の権利であるといった自分勝手な奢りがあったことは否定できないのではないかと思います。結局、もっともらしい戦争の大義名分や統帥権の解釈などは、そうした風潮に迎合した結果のものに過ぎないでしょう。
一方で、その総括の仕方ですが、例えば、中国は悪いのは日本の軍国主義者たちであり、多くの日本国民は犠牲者であったと整理しています。共産主義は資本家と労働者といった二元論ですからその考え方は都合がいいし、また、日本からしても、それは助かっている部分があるのも否めないんですけどね。対して、日本は総括はあいまいにしたまま、とにもかくにも平和主義に徹することがその答えであるとして戦後の道を歩くことになる。それが国民の総意となっていることに誰も異存はないと思います。世界から見ればすごい変わり身とも映るかもしれませんが、思うに、これが日本的な一元論なのかな。生死不二とか、悪人も救われるとか。山岳仏教の人間と自然の関係や空思想の解釈や受け止め方とかも含めてですが、キリスト教の神と人間みたいな二元論は馴染みがない。やっぱり、日本人は現実世界の白黒よりも、その先の心の世界ではすべては同じ的な理解をするのが伝統的に好きですね。さらに言えば、その理解の仕方はいわゆる悟りの感覚にも近いような気もします。そういう意味では戦争の道具になった神社がそのまま平和への祈りの場となることくらいなんでもないこと。この辺りはまさに日本人の真骨頂なのかもしれません。
ちなみに、アメリカは民主主義のために戦うというのがその根本。太平洋戦争もその後の朝鮮戦争やベトナム戦争もそうでした。しかし、民主主義への疑問が今やその足元からも提起される時代になってきて、そこのところの不安はけっこう感じます。民主主義を守るアメリカに平和主義で応じてきた日本。その構造がもし変わったら、日本はうまく対応ができるのでしょうか。意外に難しい時代を迎えているような気もするこの頃です。
さて、万灯みたま祭のことに戻ると。これは未婚の女性が巫女姿で縁結びを願いながら舞う縁むすびのみこ踊りが見どころ。ただ、踊り手は募集に応じた素人さんだし、ちょっとぎこちなくて見ごたえとしてはほどほどといったところかな。その後に行われるプロの巫女さんの舞いの方がしっかりしているし、見栄えもよかったように思います。
で、これで終わりかと思ったら、その後、神楽の奉納があって、これは予定外。広島は神楽の団体が300もある神楽大国。広島市内にあっても何かと目にする機会が多いんですよね。この日の奉納は安芸高田市吉田町、高猿神楽団。北広島は広島県の中でもまた特に神楽が盛んな地域ですから、さすがの演出と大熱演で一気に大盛り上がり。ヤマタノオロチがとぐろを巻いてどったんばったん、口から火を噴いて暴れまくり。スサノオノミコトが見事に首をはねる結末は分かっていても自然と力が入ります。
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みこ踊りは、午後7時から。
まだ時間に余裕はあるのですが、やってまいりました~ -
黄色い提灯は、靖国神社のみたま祭りと同じですね~
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境内でしばらく待っていましたが、見物客はまあぼちぼちといったところ。
コロナのせいもあるかもしれませんが、正直言えば、まだあんまり認知度は高くないような気もします。テレビ局とかも来てないですしね。
まあ、それはそれとして。。
本殿では巫女さんが集まって、最初の神事が始まりました。 -
ぞろぞろと出てきましたね~
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本殿の前ではかがり火の準備ですね。
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火が入って、準備が整いました。
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鳥居の側から
巫女さんたちの入場です。
あれ、いつの間にか観客が増えていますよ~ -
コロナ禍なので、皆さんマスクを着用。
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輪が出来たところで、みこ踊りが始まりました。
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盆踊りみたいな感じかな。
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大音量のテープが流れて。。
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でも、どうかなあ。
ちょっと恥ずかしいのもあるでしょうけどぎこちないところもあって、まあ、素人さんの踊りといった感じですね。
熊本の山鹿灯籠まつりでは「千人灯籠踊り」というのがあっていつか行ってみたいなと思っていますが、もしかしたらそれもこんな感じなのかも。なかなか、急に応募して見せれる踊りまでにはならないですよね。 -
今度は、手に鈴をもって
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二曲目の方ですね。
まあ、何とか無事に終わりました。 -
と、今度は本職の巫女さんの舞い。
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本殿の前で二人。
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正装がばっちり決まっていて
やっぱりちょっと違いますよ~ -
意味は違いますけど
静御前の白拍子の舞い。 -
まあ、そこまではいかないかもしれませんけど
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それなりの威厳と
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優雅さはありますね。
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がんばってくれていると思います。
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イチオシ
ちょっと気分が晴れましたよ~
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二つ目の踊りはどうかなあ。
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これも静々と始まって
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やっぱりしっかり練習した感じがありますね。
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イチオシ
健気に踊る感じが伝わってきます。
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はい、お疲れ様でした~
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で、ここで終了かと思ったら、本殿の横で神楽が奉納されるよう。
あ、これはこれは。
出演は、安芸高田市吉田町、高猿神楽団です。演目は「大蛇」。ヤマタノオロチですね。 -
神楽は気楽に見れるし、皆さんかぶりつき。私も前の方にいいポジションを確保しました。
どんどんどんどん。ジャンジャンジャンジャン。アップテンポで気分がどんどん高まります! -
現れ出でたる若武者は
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スサノオノミコト!
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アマテラスオオミカミの弟なのですが、暴れ者。アマテラスオオミカミが天の岩屋に隠れてしまうほどで、結局、高天原を追われてしまいます。
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やってきたのは、出雲の国。
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イチオシ
これからどうしてくれようか。
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高天原は追われたけれど
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力いっぱい
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元気いっぱいの
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スサノオノミコト。
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エイヤー
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トーーー。
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みなぎる力が溢れます。
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と、そこへやってきた老夫婦。
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イチオシ
二人で桶を運んでいますが
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なんとしたことか。
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二人はヤマタノオロチの生贄となる娘クシナダヒメと
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共に供える酒の準備をしているんですね。
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ヤマタノオロチの機嫌を損ねまいと
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一生懸命に酒の準備をする二人。
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二人の掛け合いにちょっと和まされる一場面ですが
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事情は深刻なもの。
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それをじっと陰で見つめるスサノオノミコトです。
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ほどなく、白い煙を吐いたヤマタノオロチの登場。
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辺りはちょっと異様な空気に包まれます。
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見るからに悪の権化。
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自分の欲望に任せて
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やりたい放題。
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望んだ酒がちゃんと整っているかを確認しています。
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ギロリ
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ギロギロ。
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仲間が揃うのを待っているのかな。
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桶を前にしても
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まだ急いだ様子はなし。
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むしろ
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これからの酒宴を前にして
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まずは満足している風。
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いいぞ。
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よしよし。
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今日はこれから
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大宴会。
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人間なんて
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イチオシ
脅せばいちころ。
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俺たちの言うことを
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聞いていればいいんだよ~
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ファ、ファっファ~
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揃って笑いが止まらない。
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いいか、いいか。
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これからだからな~
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イチオシ
ただ、抑えていた欲望が
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だんだんと高じてくると
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うーん
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どうだあ。
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やっちゃるかあ。
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イチオシ
互いに
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どんどん凶暴な本性を現し始める。
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さてさて、
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絡み合うほどに
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大蛇の
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凶暴さと
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残忍さが
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こちらにも
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伝わってきます。
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あ、
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いよいよかな。
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一匹が桶に頭を突っ込むと
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他にも一斉に。
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酒を浴びるように飲んで飲んで。。
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激しい動きと大量の酒で
さすがのヤマタノオロチも静かに寝てしまったよう。。
そこに忍び寄る影は -
先ほどのスサノオノミコト。
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人々を苦しめ
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悪行の限りを尽くすヤマタノオロチ。
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許すわけにはいかないぞ。
寝込みを襲って、次々と首を狙う。 -
やおら気が付いたヤマタノオロチも反撃に移り
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丁々発止の戦いが始まります。
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イチオシ
ちょこざいな
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こんな奴の一人や二人
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ひねりつぶしてやる!
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大蛇の猛反撃ですが
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スサノオノミコトがひるむことはない。
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エイヤー
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エイヤー
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くんずほぐれつの
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戦いの中で
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着実に一つ一つ首を取って行く。
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しかし、大蛇は大蛇。
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少しでも油断をすれば
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簡単にやられてしまいますからね。
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まだまだ戦いは半ば。
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イチオシ
仲間をやられた残りの大蛇の方も怒り狂って
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スサノオノミコトに反撃。
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長くぶっとい体を巻き付けて
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スサノオノミコトを締めあげます。
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どうだあ、
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どうだあ。
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ガーガー、ゴーゴー。
危なそうに見えますが、 -
ヤマタノオロチの動きをしっかりと見極めて
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スサノオノミコトも冷静に対処。
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反撃を避けつつ
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また一つ首をあげました。
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後、二匹。
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そして、最後はこの緑の大蛇ですね。
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睨み合いから
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互いに攻撃開始。
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大蛇も必死の動き。
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力を振り絞って
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スサノオノミコトに襲い掛かります。
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力と力の勝負。
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互いに死力を尽くしますが
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大蛇の一瞬のスキを見逃さず、
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これが最後のトドメ。
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イチオシ
ヤマタノオロチは見事に退治されました。
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やっつけたぞーー
雄たけびを上げる -
勝利の舞い、歓喜の舞いですね。
この後、スサノオノミコトは助けたクシナダヒメと結ばれ、その息子がオオクニヌシノミコト。人間界である葦原中国の支配者となりますが、高天原のアマテラスオオミカミはそれを許さずニニギノミコトを派遣し国譲りを迫ります。この時、ニニギノミコトが高天原から降りてくるのが宮崎神話の天孫降臨であり、国譲りでオオクニヌシノミコトが引きこもることになった出雲国を拡張するために島根半島を引っ張ってきたのが出雲神話の国引きです。そして、ニニギノミコトの子孫が神武天皇以下天皇の系譜につながるという流れ。アマテラスオオミカミの前は、イザナギ、イザナミの国生みもあって、日本の神話は壮大な物語です。 -
お囃子の皆さんのテンポのよい演奏も見事。観客の気持ちを上手にコントロールして素晴らしいかったです。
さて、気が付いたらもうどっぷりと夜が更けてます。急いでうちに帰りましょう。お疲れ様でした。
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この旅行記へのコメント (2)
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- Vegas Mama(@VegasMama4)さん 2022/12/11 03:07:30
- 驚いて一気に読み進めました
- たびたびさん、おはようございます。
物凄い旅行記を観せていただき
ありがとうございました。
巫女さんの静の動きから 大蛇が大量に絡み合い 火を吹く動の動きまで
エンターテイメントの誕生は
祭りからなんだと再認識させていただきました。
私たちに身近な日本の祭りを海外に発信できたら 街おこしにも 繋がるかもしれませんね。
(どの友達の家に行ってもテレビ画面が大きいので オロチの迫力に驚くだろうなぁと思いました)
- たびたびさん からの返信 2022/12/20 19:54:57
- RE: 驚いて一気に読み進めました
- コメントをいただきありがとうございます。
旅行記の中でも触れた通り、広島は神楽大国と言っていいほど神楽が盛んです。広島市内でも、みたま祭りのほかだと住吉さんとかかぐらの日というのもありますし、お正月にはスーパーの催し物で神楽が来ることもありますが、いずれにしても広島と神楽はあんまりイメージとして結びついていないかもしれませんね。
広島県民文化センターの公演とかだと比較的簡単に神楽を見ることができますので、日程が合えば是非どうぞ。太鼓や鉦のテンポの良いリズムも含めての本物の良さをさらに実感いただけるものと思います。
たびたび
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