2022/03/04 - 2022/03/04
14位(同エリア304件中)
トゥーバーズさん
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忙しさにかまけてほったらかしにしている「何か」はありますか?今回の旅は、そういった「何か」のギャザリングをする旅です。
「今週末は2日休めるけど、どこか行く?」
「泊まりでたまには行きたいわね。のーんびり温泉入ったり」
「ふむふむ」
「そういえば近鉄特急ひのとりって知ってる?」
「知らないけど、また電車?」
「名古屋から難波まで走ってるのよね、豪華シートみたいなのよ。一度乗ってみたいのよね」
「名古屋ならまあ近いか」
「またひと駅だけとか考えてるでしょ」
「え?1泊2日で関西まで行くの?」
「ダメなの?」
「遠いよ?名古屋と大阪に何しに行くのさ」
「それがね、名古屋って瀬戸が近いでしょ…」
「!!」
「それとね、近鉄の3日間フリー切符が……」(ゴニョゴニョ)
「!!」
のんびりとする筈が何をどう間違えたのか、こうなりました。1泊2日。近鉄特急ひのとりで、長年気になっていた場所を巡るショートトリップです。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 高速・路線バス レンタカー 私鉄
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
日付の変わる頃、いつものバスタ新宿から夜行バスで出発します。
「近鉄特急ひのとり」に乗るという旅行のミッションがあるため、まずは名古屋に向かいます。 -
24時45分発はバスタ新宿最終便です。
名古屋は近いのに、夜中に出て朝イチに到着する便があるのはちょっと意外でしたが、やはり出発も遅いのですね。 -
今日も贅沢に三列プレミアムシートです。リクライニングもできて、靴も脱げて、隣との間もあって、カーテンもあるので快適度高いです。これで2人で7000円程なのですから安いです。
ぷらっとこだまを使っても2人で17000円。朝の7時には着きません。その点バスなら名古屋駅への到着予定は朝の6時50分。頑張って寝る必要はありますが、ビバ!夜行バスです。 -
さて。ここで旅のミッションについてお話しします。
お家のコレクションボードの一角に、"JOSEF ORIGINAL"のフィギリンが並んでいます。旦那がこのフィギリンの存在を知ったのはずっと前で、当時、お世話になっていたカリフォルニアの古道具屋さんに教えてもらったのが最初の出会いでした。その後、嫁に渡米する度にお土産としてビンテージミルクガラスの器や、ジョセフのフィギリンをプレゼントしていたのです。
見ての通りの可愛らしいフィギリンですが、日本国内で探しても知名度は極めて低く、プロの方ですら「知らない、扱った事がない」というくらいでした。かつては15$ほどで買うことができたので、価値が低すぎて日本に持ってくるプロがいなかったからです。
このジョセフ。実はブランドの発祥から愛知県瀬戸市が深く関わっていました。10年程前に、郷土の歴史が埋もれてしまうことに危機感を持った有志の方が、ジョセフを含む瀬戸から輸出されたフィギリンたちを「瀬戸ノベルティ」と定義付けて、啓蒙活動を始められたのです。
有志の方が作った「瀬戸ノベルティ倶楽部」さんのことを知った私たちは、ずっと一度は行ってみたいと思いつつ、なかなか機会を作れないまま時は過ぎて。ようやく今回伺う機会を作ったのです。 -
深夜。バスは浜松SAに止まります。どうやら新東名を走ってきたようです。長く止まっているので、外に出てみることにしました。
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春華堂さんの静岡の田舎みそまん、箱根の箱根路みそまんが並んでいます。ここにはありませんが名古屋の八丁みそまんもあったり。幅広いラインナップはさすが看板商品「うなぎパイ」を持つ大手さんです。
浜松の会社さんなので、田舎みそまんなら地元企業なのかな?と一つ購入しました。 -
予定通りにバスは名古屋駅前に到着。瀬戸までは電車も考えましたが時間も限られているので7時にレンタカーを借りる予定にしています。
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車でおよそ50分。瀬戸市のMパーク駐車場につきました。嬉しいことに30分無料!
駐車場には巨大な猫の涅槃仏が横たわっています。すぐ横が招き猫ミュージアムで正式名称は巨大涅槃猫。なんと日本一なんだそうです。招き猫ミュージアム 美術館・博物館
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歩道にも瀬戸物で招き猫が。
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細かいところですが、かわいいです。
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駐車場から瀬戸川にかかる新明橋を渡ります。欄干も瀬戸物で飾られていて、さすが窯業の町という風情です。
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道を挟んで深川神社の鳥居があります。瀬戸ノベルティ倶楽部さんはまだオープン(10時から予定)していません。そこで岩屋堂公園に鳥さん探しに散策にいく予定にしています。岩屋堂公園にいく前に一か所、お昼ご飯の予約をしに瀬戸市街に立ち寄ります。
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鳥居も足のところが陶器が貼ってあるかわいい鳥居です。奈良時代からある由緒あるお社さまで興味はあるのですが、今回は鳥居だけくぐります。
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鳥居をくぐると雰囲気のある商店街です。
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商店街の中程に、うなぎ屋さんがあります。こちら瀬戸市の観光案内にも「知らない人はいない」と書かれるほど有名な鰻の名店、ミシュランにもビブグルマンで掲載されてるうなぎ田代さんです。
営業時間は11時から14時ですが、当日の予約を当日朝からしか受付けておられず、予約が難しいお店と言われています。せっかく瀬戸に来たのですから食べてみたいと予約に寄りました。
お店に着いたのがおよそ8時。中に店主の方がおられたので、声をかけて予約します。
「こんにちは~、まだ予約できますか~」
「は~い、1時からだけどいいかなあ?」
「1時ですか、うーん…なら1時30分も大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ~、お名前と何人さま?注文は後で大丈夫ですよ」
良かった!予約できました!
8時に来て、既に12時まで予約が埋まってるとは、流石の人気店です。 -
お昼ご飯の予約がうまく確保できたので、そのまま車に戻り、岩屋堂公園に向かいます。瀬戸市街からだいたい10分ですが、結構な山に入っていきます。
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思った以上に山々しくて、さすが愛知の秘境。紅葉の時期は有料になる川沿いの駐車場も、今は無料で止められます。
岩屋堂公園 紅葉
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ゆっくり歩いていくと、鳥さんが結構鳴いているのに気が付きます。ルリビタキが多くいるそうなのですが、いるかなあ?
-
なんと、国定公園なんですね。
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歩いていると林の中に鳥さん発見!
バッチリ!と思ったのですが、ピントが全然…よりによって狙っていたルリビタキでした。女の子です。 -
今度こそ!と気合入れてパシャリ。
なんの呪いか、ことごとく背景の枯れ草にピントが……
「あ~もう!なんなの!壊れたんじゃないの?」
ジタバタするうちに飛び去ってしまいました。
「あー……」 -
気を取り直して、岩屋堂まで歩きます。
唐突にゴロンと巨石が転がっていて、岩の割れ目に石仏が祀られています。
なんでも奈良時代は725年。聖武天皇の病気を治すのに行基上人がここで石に薬師如来の姿を彫って祈祷されたとか、そんな謂れがあるそうです。 -
岩屋堂の側面。鎖と楔で割れた部分が修復されています。不思議と魅力がありますね。
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この中に薬師如来石像があります。いくつかそれっぽい石仏があって、どれかよくわかりませんが。
-
少し奥まったところに暁明の滝。
その昔、行基上人が修行された地だとかなんとか。ニンニン? -
……
………
「こんなこと言ったらバチ当たるかもしれないけど」
「何?」
「この滝、すごく不自然じゃない?人工的というか」
「滝壺とか水の落口とか自然ぽくないよね…でもまあ…」
「?」
「行基ってゼネコンの元祖みたいな人だからさ。もしかしたら奈良時代に滝行しやすいように改造したのかもしれない」
「なんか苦し紛れね」
「ウソくさいだろ?適当だもん」
ここだけじゃなくて、岩屋堂公園全体的に自然なんですが大自然じゃなくて、公園の良さを大事にしてる感じの場所でした。 -
続いて鳥さんを探しながら岩巣山に登ってみることにしました。
展望台まで600mならそんなにかからないとおもいますが、できればこういう看板には、目安の分数を書いてくれると嬉しいところです。 -
岩屋堂から回り込んですぐの薮の中に、何かガサガサと音を立てているのに気がつきました。
移動の仕方が動物というより、スズメみたいな動きで、藪の中を低空でヒューっと飛んでいきます。
「なんだろ?何かいる」
「あっちで見てみて」
「薮の中でカメラで抜けるとこない?」 -
イチオシ
周りの草や枝が邪魔をしてなかなか上手く抜けません。
「スズメじゃないな?メジロ?」
「なんか緑で黄色いお腹してるし、嘴も赤い子よ?」
しばらく粘ってみると、とても綺麗な鳥さんがいるのがわかりました。 -
「すごくカワイイ子じゃない!初めて見る」
「なんか図鑑で見た気がするな…なんだっけ」
後で判明したのですが、この子は特定外来生物として駆除対象になっているソウシチョウという鳥さんでした。
このカワイイ姿から江戸時代に中国から持ち込まれて野生化。藪の中に棲む生息域がウグイスなどと被ることから、在来種への影響が大きいと見られて駆除対象になっているのだそう。
でも見た目カワイイ子なので、初めて会えて嬉しいです。 -
ソウシチョウで時間を結構使ってしまい、このままでは展望台に行きつかないかも…と急いで登ります。
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群馬の伊香保森林公園と比べるととても歩きやすく整備されています。
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九十九折れで登りの急なところもあるのですが、階段も歩きやすくできています。
-
イチオシ
歩いていると林の向こうにルリビタキの牝を見つけました。
「あ、あそこ!木の根本!」
「よく見つけたわね、あんなの」
「あれは向こうも多分気がついてないね」 -
いい加減くたびれてきた頃に残り150mの看板が。あとちょっと!頑張りましょう!
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途中、狭くなっているところは手すりのある場所も。
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岩肌にへばりついて進むのに鎖が張ってあるところもありました。
「こんなところ無理だよ。戻ろうよ」
「大丈夫だよ」
「えー、無理」
「この程度なら一つ気をつけてれば平気だから、やってみな」
「何?」
「鎖に頼らないこと。この岩は何万年もこういう岩だけど、人の作るものは所詮数年の話だから、いつ壊れてもおかしくないわけ。だから、ここならきちんと立って歩く。それだけで落ちない」
「余計怖いわよ」
「ほら、大丈夫。行くよ」
「え~……」 -
どうやら登りも終わりに近づきました。
-
尾根に来て少し平らな空間が続き、一角に展望台が見つかりました。
岩巣山展望台 名所・史跡
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展望台は見晴らし良好!
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登ってきた公園の入り口はあの辺?
岩巣山の標高が480m。展望台もほぼ近い高さでしょう。 -
しばらくパノラマと吹き抜ける風を楽しんでから、公園の方に戻ります。
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少し降りていくと道が分岐しています。
このまま尾根伝いに歩いて東海自然歩道に行くルートは今日はパスですが、折り返して岩屋堂側に戻ると600m、瀬戸大滝側に降りるルートは少し長くて700mです。
「どっちに行く?」
「瀬戸大滝にはどっちに降りても寄りたいし、戻るよりぐるっと回る方が良くない?」
「じゃあ瀬戸大滝ね」 -
降りは楽ちん。やや登りより緩やかです。
ということは一度川沿いに公園を奥まで進んでから、登りを大滝側から戻って降りを岩屋堂側に降りてくるというのが一番効率の良いルートなのかもしれませんね。 -
降ってくる途中に、またソウシチョウに出会いました。
-
イチオシ
今度は薮から出てきたところで奇跡の一枚を取れました。
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山道を一気に駆け降りていきます。
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渓谷沿いの道に戻ってきました。夏場は天然のプールになっているみたいです。
-
瀬戸大滝はもう少しです。
-
「あれー?滝ないね」
「そろそろ200mだけどね?」
歩いていくと、小さな公園に到着します。そこからは舗装された道になっています。2人で戸惑っていると、地元の方がベンチに座って休んでおられたので、滝について聞いてみました。
「すいませーん、瀬戸大滝ってどこですか?」
「すぐ後ろさ」
「えっ?!」
振り返ると、確かに公園には瀬戸大滝の看板が。
「滝は?」
「なんだか水路が詰まったとかなんとかで、もう何年も水が流れてないのよ」
「はあ…そうなんですね」
空の滝は残念でしたが、教えてくれた方と楽しく世間話をしながらゆるゆると川沿いに公園の入り口まで戻ってきました。瀬戸大滝 自然・景勝地
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11時には鳥さんもほとんど姿を見せなくなり、岩屋堂公園を出て瀬戸市街に戻ってきました。また同じMパーク駐車場に車を停めます。
お昼の予約まで2時間あるので、先に瀬戸ノベルティ倶楽部さんに伺うことにしました。 -
駐車場の裏っ手側に向かうと末広町商店街のアーケードです。
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商店街には将棋の藤井五冠の応援の幕がたくさん。瀬戸の出身で、中学までは瀬戸育ち、高校からは名古屋の高校に通っているそう。瀬戸市あげて応援中です。
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商店街に入ってすぐ、フィギリンのワゴンが置いてあるお店が見つかりました。
-
お目当ての瀬戸ノベルティ倶楽部さんで間違いなさそうです。
ドキドキしながら扉を開けます。
「こ、こんにちは~」
「はーい。あら、お電話くださった方?」
「そうです。ジョセフをたまたま知って、国内では殆ど見かけないので。ぜひ一度伺いたいと思っていたんです」
「ジョセフはかわいいですよね~」
店主の女性の方が出てこられて、色々と説明してくださいます。 -
リップスタンドになっているノベルティのシリーズです。これもジョセフのものです。かわいいですが、非売品です。
-
瀬戸ノベルティについての解説です。
ここに書いてあることの何倍もの情報を、店主の方が解説してくださいました。さすが基礎知識の分厚さが違います。大変勉強になりました。 -
アメリカで最もポピュラーなミッドセンチュリーのイラストレーター、ノーマン・ロックウェルのイラストをモチーフにしたフィギリンたちも展示されています。
-
ジョセフだけでなく、ドイツのゲーヘル社っぽく作られたフンメル風のフィギリンもありました。これまた瀬戸の作品ですが、こちらはあまりにも似ていてフンメルから訴訟を起こされたという黒歴史付きでもあります。
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アメリカの歳時記に合わせたフィギリンたち。まずはバレンタインデーです。
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その下にはセントパトリックデイ、次の段はイースター。2月から4月までのイベント特集の展示です。
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そしてオキュパイドジャパン(占領日本)のフィギリンたち。
1945~1947年の生産品です。
「ヤバい、ここ楽しすぎる!」
「でも全部非売品なんだけど……」 -
在米オキュパイドジャパン・コレクター・クラブ代表の方のコレクション。なんでも一万点のコレクションがあるのだとか。
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続いてはフレンチアールデコのイラストレーター、ルイ・イカールのフィギリンです。
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そして瀬戸のメーカー別の展示棚も。光和陶器さん、丸山陶器さんなど、瀬戸4大メーカーのフィギリンたちです。
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奥の方にはディズ●ー関連のものも。
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顔つきからそんなに古いものではなかったと思いますが80年代から90年代のミッキーグッズでしょうか。フィギリンがあったんですね。でもこれも全部非売品です。
-
ebayで買い戻したというレアモノ。JFKの家族のフィギリンもセットで展示してありました。陶器としては比較的新しい物だと思いますが、当時の世相を感じるもので、なかなか興味深いです。
く~、なんか欲しい!けどこれも非売品!! -
店主の方もここまで盛り上がる(悔しがる)お客さんも珍しいのか、どんどん色々な資料を奥から出してきて、熱心に説明してくれます。ちなみに生産当時の商品台帳です。
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こちらはコカ・コーラの販促用ノベルティ。ポーラベアのフィギリンです。これも日本では90年代になって紹介されているので70年間日本では知られていないキャラクターを日本で作ってアメリカに輸出していたことになります。
-
イチオシ
あれもこれもかわいいのはみんな非売品。資料館的な性質とお店の両立の難しさを感じながらも、ここからは目に見えない戦いです。
「ジョセフのクリスマスっぽいシリーズがほしくて、さがしてるんですよね~」(ジャブ)
「こんなのカワイイな~」(右フック)
「在庫が2個あるのはお譲りしてるんですけど、この辺りのは無いんですよね」(ディフェンス)
店主さんの鉄壁の防御が固いです。 -
イチオシ
「これもかわいい~!」(ジャブ)
「天使モチーフはクリスマスにぴったりだよね~」(ストレート)
「何か奥に素敵な天使のなかったか探してみますね」(ガード) -
コソコソ…
(ちょっとこのままじゃ何も買えないわよ)
(気に入ったのみんな非売品で困ったね)
(何か持ってきてくれるってモノで譲ってもらえそうなのあるかな?)
店主の方が奥にいかれている間に、小声で作戦会議です。 -
「このシリーズはジョセフなの。ランプを中に入れて内側から光らせると綺麗なんですよ」
奥から保管箱ごとフィギリンを出してきて、取り出して光らせてくださいます。 -
これがまたカワイイ!
目がひっくり返るくらいカワイイ!
光をつけるともっとカワイイ!
しかもマリアさまとか天使とか、クリスマスのランプにぴったりなデザイン。 -
これもかわいい…(ちらっ)
「もしかしてこのシリーズだったら、また倉庫から見つかった時に2つになればお譲りしますよ」(カウンター)
「タイミングなんですね~」(ダウン) -
イチオシ
うー!この子欲しい!
-
さらに店主さん、クリスマス用のシリーズの箱も持ってきてくださいます。
「この間見つかったばかりのWee Folksの箱があるんですよ。こっちのデザインの方が私は好きなんですよね」
「ああ、このテイストのありますよね」
「クリスマスのもあったと思うのよ」 -
さらにもう一箱。
「見つかった時はこんな感じに埃を被ってるの。それを綺麗にしていくのよ」
もはや"へえ~"しか出てきません。
貴重な体験と時間を楽しませていただきました。
最後にこれだけは書いておきます。ジョセフもそうですが、瀬戸の窯業は円高とともに壊滅的な打撃を受けて、陶器自体の生活からの遊離も大きく、もはや失われた技術になりつつあります。時代的には同時期に日本の美を国外に発信した輸出陶器に比べて、特にアメリカの風俗を大きく反映した分、産業であっても"文化"としての保護を受けていないのです。伝統工芸として保護され作品作れば高値のつく伊万里や薩摩と違い、一時の風俗であり産業でしかないため保護も保存もされずにいます。時には攻撃対象にすらなるのです。
しかし市場として愛したファンが多くいたアメリカでは、今でもコレクターズアイテムとして生き残っているのです。日本に残る伝統だけが美ではなく、むしろ現地のニードを汲み取ってハイクオリティな品を供給するという点で、本来はもっと評価されて良い歴史ではないでしょうか。このまま埋もれさせてしまうのは残念という気持ちを私たちは瀬戸ノベルティ倶楽部さんと共有しています。
せっかくなので何かジョセフを買って帰りたいとお伝えしたところ、販売メインでやっているもう一軒のお店にならもしかしたらジョセフもあるかもと、他のお店を紹介していただきました。 -
瀬戸ノベルティ倶楽部を後にして、しばらく真っ直ぐに歩いた先にそのお店「ピアフ」さんがありました。到着した時には、お店の扉には錠前がかかっていて、中に入ることができません。扉にあった連絡先にお電話して、瀬戸ノベルティ倶楽部さんのご紹介で来た旨をお伝えしたところ、直ぐに戻ってきてくださって鍵を開けてくださいました。
-
こちらのお店。経営されているのは先程の箱にも記載のあった片山産業の創業家、片山さんです。
それこそ瀬戸ノベルティでも紹介されている、ジョセフ創業時の写真にも一緒に写っている窯業家です。ちなみにJOSEF ORIGINALのスペルですが、正しくはJOSEPHですが、ブランド立ち上げの時に日本側でスペルを間違えて、そのままブランド名になってしまったのだそうです。
今ではお店の中に販売していただけるジョセフのフィギリンは殆どありませんでしたが、娘さんが気に入って部屋に飾っていたというサンプル品を見せてもらいました。
また、ジョセフ初期からのお付き合いがあった会社ならではの当時のお話も伺えて、とても興味深く聞かせていただきました。
ただそちらも大事に奥の棚に鍵をかけて保管されていたので、どうも購入できるような空気ではなく。他に棚にあったフィギリンからいくつか気に入ったものを探していたところ、何かジョセフのもの…ということで、箱から出してきてくださいました。 -
それがこちらのデザインスケッチです。こちらは頭像6体のスケッチが揃っています。
-
他にも色々なスケッチがあり、興味津々です。
-
目が止まったのが、こちらの一枚。ジョセフのイラストで、ランプ台の下半分のデザイン指示書です。
トレペにびっしりと英文で細かく指示が入っていて、その下に日本語訳が追記してあります。現場の職人に伝える過程が伺えるのが興味深いです。 -
店主の方はランプの上半分もないし、絵的に面白くないと話されていましたが、気に入ったので買って帰ることにしました。
お家に帰ったら、額装してどこかに飾りたいと思います。 -
「ありがとうございます~」
他にもちょっといい感じのボーンチャイナを購入させていただいて、お店を後にします。
「楽しかったね」
「さあ、そろそろ1時半だよ」
「田代さんに行かなくちゃ!」
朝予約してから山に登って、瀬戸ノベルティ巡ってでお腹もめちゃくちゃ空いています。
う、な、ぎ!
う、な、ぎ!
そんな感じで田代さんに移動です。 -
歩いて10分程で田代さんに到着します。
朝とは違って中にはお客さんもおり、何より焼いたうなぎの香りが漂っています。
よく見ると受付終了しましたの看板が出ていました。予約でいっぱいになってしまったのですね。
時間が来たら名前を呼んで貰えるとのお話なので、その辺に腰掛けて大人しく順番を待つことにしました。田代 グルメ・レストラン
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程なくして名前を呼ばれて入店します。メニュー見ながらオーダーを考えていると、ふともう一枚の貼り紙に気がつきました。
-
この2人前のセットでいいかも!お一人2200円でお得です。旦那が小声できも焼きも追加してました。
特に嫁があまり多いと食べられないので、1つは小盛にします。 -
注文を受けた後、店主の方が厨房でうなぎを捌きにかかります。捌いた後は、しばらくうなぎを炭火で焼くパチパチといった音と、お腹を強烈に刺激するうなぎの香りがムワムワ。
お腹すいた~と、待ち遠しさMAXになった頃、蓋のついた鰻丼がやってきました。 -
ぱっかーん!
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もうね。お腹空いてたからもあって美味しくないわけがない!
「今まで食べたうなぎの中で一番美味しいかも!」
いつも量を食べられない嫁が全部残さずペロリと食べられました。 -
旦那は肝焼きがお気に入り。半分こして食べました。
田代のお店の方、美味しかったです!ごちそうさまでした!
お腹もいっぱいになって、上機嫌でお店を後にします。
時間はまだ2時。ここから大阪に向かって近鉄特急ひのとりで移動することを考えるとのんびりもできませんが、それでもあと1時間くらいは瀬戸観光ができそう。
食べ物ついでにいつも旅先で食べているお饅頭屋さんに伺うことにしました。 -
イチオシ
装飾といい、作りといい、すっごい雰囲気のある和菓子屋さんです。川村屋賀栄さんにハシゴして伺いました。
川村屋賀栄 グルメ・レストラン
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瀬戸名物の酒蒸し饅頭「瀬戸川饅頭」が美味しそうです。
-
酒蒸し饅頭と茶饅頭をいただきました。これも美味しかったです。瀬戸名物と言われるだけのことはあるモチモチ感です。
大島饅頭は売り切れていて買えなかったのですが、機会があれば是非いただきたいお品です。
瀬戸って美味しいものいっぱいありません?もしかして? -
お饅頭を買って駐車場に戻る途中。商店街を抜けていくと、おもちゃ屋さんのシャッターに藤井五冠の盤面が復元してありました。お店を開けるときはどうなるのかちょっと気になります。
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その後、車で少し離れた窯垣の小径まで移動しました。
少し分かりにくい所にありますが、広い駐車場もある観光スポットです。駐車場のあるところから、崖になっていて、その崖線に沿う形で小径は一段高いところに伸びています。窯垣の小径 名所・史跡
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崖下から小径の手すりを見ていると、ジョウビタキの牝がいるのに気がつきました。
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イチオシ
かわいい仕草につい見てしまって、駐車場まで来ながら、なかなか小径に入れません。
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うん。かわいく撮れました。
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ジョウビタキが飛んでいった後、ようやく小径の散策に向かいます。
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イチオシ
小径を歩くと、幾何学模様の石垣というか窯垣が続いています。
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窯垣というのは、古くなった窯道具を積み上げて作られていて、瀬戸でしか見られない風景なんだそうです。
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イチオシ
のんびりとお散歩します。いい雰囲気です。
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猫ちゃんも縁側でのんびり。
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それぞれのお宅が、いろいろと個性的なデザインの窯垣を造られています。
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ポップなデザインのものもあります。瀬戸市内でも保存状態の良い地区がいくつかあるそうで、ここ洞地区は新窯垣と言われるものが多いんだそう。
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資料を見ると他の地区もやはり川に沿った崖線や山際の斜線に沿って窯垣が発達していて、洞地区も駐車場のある下側は川があります。そういう起伏に富んだ地形と窯業の産んだ瀬戸の景観なんでしょう。
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窯垣の小径からの帰り道、またジョウビタキの女の子を見つけました。男の子には会えませんでしたが、市街地にもジョウビタキが降りてきているのはやはり瀬戸の山川あってこそなんでしょうね。
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庭先の梅が綺麗に咲いています。天候にも恵まれて、ぽかぽか陽気の中、素敵な散歩が出来ました。
「さあ、15時回るし、名古屋に戻るよ」
「19時30分にお饅頭取りに行く予約いれたわ」
「16時のひのとりに間に合えば余裕、17時でもギリギリ間に合うかな」
半日ですが、瀬戸ノベルティだけでなく楽しい時間を過ごせました。ここからは今回の旅のミッションの一つ目、楽しみにしている特急ひのとり編に続きます。
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この旅行記へのコメント (2)
-
- masamimさん 2022/04/06 22:40:20
- とても興味深く拝見しました。
- トゥーバーズさん、こんばんは! masamimです。
「特急ひのとり」で行かれた瀬戸の旅行記を興味深く拝見しました。
>「何か」のギャザリングをする旅
忙しさにかまけてほったらかしにしている「何か」
>旅のミッション
ひのとりに乗る
まぁどちらも合わせて面白そう!
>何をどう間違えたのか、こうなりました。
これちょっと笑っちゃいました。
期待しちゃいますからね・・
こういうのとても楽しそうですよ。
しかし、「特急ひのとり」ってえらくかっこいい名前です。
近鉄の新型車両なんですね。
私は以前伊勢志摩に行った頃のビスタカーしか乗ってことないです。
私も「特急ひのとり」乗ってみたくなりましたね。
瀬戸市って、あの瀬戸物の町ですよね?
表紙の可愛い人形に見入ってしまいました。
フィギリンが陶器の人形っていうことは分かりましたが、
ジョセフは作家だったんですね。
しかし、窯垣って珍しいですね・・
古くなった窯道具を積み上げて作ってるなんて、まぁここでしか見られないでしょうね・・
それにそれぞれのお宅が個性的なデザインの窯垣を作ってるのも、とても興味深いです。
窯垣の小径で出会った可愛い鳥も、
ルリビタキ、ジョウビタキ、ソウシチョウ
とてもきれいに撮れてましたよ。
とても良かったです!
そのうち私も行ってみようと思います。
- トゥーバーズさん からの返信 2022/04/07 14:22:29
- Re: とても興味深く拝見しました。
- こんにちは!masamimさま
コメントありがとうございます。
あまり細かい説明を書きすぎないように気にしてはいるんですが、今回は説明がないとなんでこんな馬鹿な移動で東京から大阪迄ウロウロしてるのか……訳がわからない旅行になっていて……結果ウンチクがいっぱい入ってしまいました。興味を持っていただけて良かったです。
瀬戸ですが、瀬戸モノの瀬戸であっています。駆け足でしたが、思っていたよりずっと、観光して面白い地域でした!
ぜひmasamimさまも機会があったらお立ち寄りください。
ところで。コロナの流行が続くなか、なかなかmasamimさまのセブ島のお話も更新がなく、寂しい思いをしております。
この春から、出入国規制も緩和され、フィリピンはワクチン3回接種でPCR検査のみで行けるようになりました!
そろそろ、リフレッシュのお話も伺えるのではないかと、密かに楽しみにしています。
うちは海外復帰は今のところ年末年始からの予定ですが、周りではゴールデンウィークの方もおられるので……
大手旅行会社では、JTBやHISはもうアクセル踏んでいて、近ツーさんはまだブレーキ踏んでいますが、各社そろそろ感があります。
masamimさまはいつ頃から計画されるのかしらと思っています。
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