2021/12/13 - 2021/12/14
116位(同エリア629件中)
玄白さん
ようやくコロナ禍が落ち着きつつあるので、半ば思いつきで冬の日本海のうまいモン(寒ブリ、のどぐろ、紅ズワイガニなど)が食べたいと思い、富山県まで遠征。好きな風景写真撮影スポットも欠かせないので、選んだ行先は、雨晴海岸と五箇山の合掌造り集落だ。雨晴海岸の狙いは、初冬の気嵐と海越しの雪を被った立山連峰の撮影だが、そうそうそんな絶景にはお目にかかれないだろうと、2泊の計画を立てた。ところが旅行数日前の天気予報では、旅行中はずっと雨か曇りという。それでは2日間も雨晴にいてもしようがないということで1泊は金沢に変更したのだった。ところが旅行3日目は予報が変わって快晴! 初日の雨晴海岸での撮影ができなかったので、急遽、金沢から車を飛ばして、早朝の雨晴海岸の撮影へ。
ともかく、今回の旅は、天気予報に振り回された旅行だった。
旅の三日目、金沢に宿を取りながら直前の快晴の天気予報で、夜中の2時に連れ合いを宿に置いたまま、車を飛ばし、夜明け前から日の出まで、気嵐の雨晴海岸の撮影、いったん金沢に戻りホテルでの朝食後、せわしなく21世紀美術館を見学して、帰路の途中、再び雨晴海岸に行き、冬はなかなかお目にかかれない雪の立山連峰と雨晴海岸の絶景を堪能してきた。ひと様からはよくやるよとあきれられそうなハチャメチャな旅の最終日であった。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 自家用車
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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旅の二日目、雪の五箇山と白川郷の合掌造り集落巡りのあと、金沢の東急ホテルに投宿。いつもは安いビジネスホテルを使うことが多いのだが、シティホテルにも関わらず、朝食付きで\12,000の格安料金に満足!
金沢の中心街、香林坊は、冬のイルミネーションが飾られ、華やいだ雰囲気である。 -
北陸の海鮮が食べられるいくつかの店に予約をいれようとしたが、めぼしいところは満席。ようやく予約がとれたのは、ホテルの近くの「魚吟」という居酒屋。漁業の町、焼津で生まれ育ったが、高級魚のどぐろは食したことがなかったので、今回はなんとしても、旬の北陸産のどぐろを食べたいという一念。前泊の女岩荘でもいろいろなシーフードを楽しんだが、のどぐろは出なかったのである。
アカムツというのが標準的な和名だが、日本海側の通称、のどぐろという呼び名の方が有名である。白身に均一に脂がのり、火を通しても固くならない上品な甘みのある魚である。塩焼きと店の一番のオススメ、のどぐろ炙り寿司。 -
そのほか、旬は終わってしまったが、シロエビのかき揚げ、紅ズワイガニのポン酢ジュレ和え、焼き牡蠣、カニみその朴葉焼きなど、普段自分では料理しないメニューをオーダーした。(玄白は旅行と風景写真撮影が好きだが、料理も好きである。これは連れ合いに感謝されている(笑))
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まずは、ビール、そして地酒の手取川純米酒。普段飲みの酒であるが、白山が源流の手取川の伏流水で醸した酒はフルーティですっきりした味わいの酒である。
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旅の最終日は、のんびり金沢観光でもしようと考えていたのだが、直前の天気予報を確認すると夜半から快晴だという。急遽、夜中の2時に、連れ合いをホテルに残したまま、雨晴海岸に向かう。国道8号のバイパスを使えば、1時間半ほどで雨晴に行ける。
予想通り、気嵐が見られそう。 -
イチオシ
なぜ、暗いうちから雨晴に出かけたかというと、この日はふたご座流星群が見られるのである。空が白んでくる2時間ほどの間に、立山連峰に向かって落ちる5、6個の流れ星をとらえることができた。
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まだ、星々は残っているが、東の空が明るくなり、立山連峰のシルエットがくっきりと見えてきた。
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やがて立山連峰上空が朱色に染まってきた。
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撮影場所は、義経岩の前である。近くに2018年にオープンした道の駅雨晴がある。氷見線の踏切を渡って海岸に出られる。
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こんな早朝なので、ほとんど人はいないだろうと思っていたが、あにはからんや、朝日に照らされた気嵐と女岩、立山連峰の撮影目的で、ぞくぞくと人が集まり、海岸は三脚の放列で埋め尽くされた。
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形が良い女岩が気嵐に取り囲まれてきた。
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雨晴という名前は、兄源頼朝に追われた義経一行が、奥州平泉に逃れる途中、この地の岩場で雨が晴れるのを待ったという逸話に由来する。当時は、越後方面に北上する道は、この海岸沿いを渡るしかなく、風雨で海が荒れると晴れて海が穏やかになるのを待たなければならなったのである。この岩場が撮影はしなかったが義経岩と呼ばれている。
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夜明けの気嵐が漂い、背後に立山連峰を背負ったカッコよい女岩があるこの海岸の美しさは、聞きしに勝る絶景である。寒い早朝にも関わらず、大勢の人が訪れるのも頷ける。
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海鳥も目覚めて、エサを求めて海岸を歩き回っている。
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やがて、立山連峰の右端にサンピラーが見えてきた。
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広角にして女岩とサンピラーのツーショット。
11月6,7日と、2月4,5日には、日の出の位置がさらに左側(北側)になり、ちょうど立山連峰の最高峰剱岳の頂上から日が昇る、ダイヤモンド剱岳が見られる。冬場の日本海は、曇りや雪の日が多く、なかなかダイヤモンド剱岳は見られないらしい。 -
午前7時12分、ご来光。日の出の位置は弥陀ヶ原あたりだろうか。
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朝日に照らされてオレンジ色に輝く気嵐。画面中央に見える尖った岩礁は、女岩に対して男岩と呼ばれている。
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男岩は女岩から800mほど遠くにあるので、小さく見えているが、実際は男岩の方がずっと大きい。
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本旅行記その1で、高岡と万葉集の大友家持の関係を述べた。家持も、この美しい海岸をこよなく愛し、幾多の歌を詠んでいる。
・渋谿の崎の荒磯に寄する波
いやしくしくに いにしえ思はゆ
(当時はこの海岸は雨晴ではなく、渋谿(しぶたに)と呼ばれていた)
・渋谿を さしてわが行く この浜に
月夜飽きてむ 馬しまし止め
・馬並めて いざ打ち行かな 渋谿の
清き磯廻に 寄する波見に
・立山に降りおける雪を常夏に
見れども飽かず神からならし
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延々と続く立山連峰と朝日輝く気嵐の海岸の絶景は、家持と同じく飽きることがない。
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朝日が輝きを増してきた。
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気嵐に煙る男岩遠望
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横構図でも一枚!
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海鳥と女岩。よく見ると、手前だけでなく女岩の松の木や岩礁にも海鳥が羽を休めている。
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岩礁の脇のサンロード
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日が昇るにつれて、少しずつ気嵐が薄くなってきた。
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イチオシ
義経岩から西側に移動し女岩から離れたところを第2の撮影ポイントにした。渚の岩に気嵐が絡んでいる。
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能登半島が防波堤のようになって、冬の日本海でも富山湾は穏やかな海であるが、少し波が高くなってきた。
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女岩の周りも波高し。
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イチオシ
砕け散る波頭が朝日に輝く
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少し撮影ポイントを変えると光の加減が変わり、波の雫が虹色に輝く。
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イチオシ
海鳥たちが飛び立っていく。
朝の雨晴海岸の撮影を終えて、連れ合いが待つ金沢東急ホテルに戻る。 -
朝食は10時までOKだったので、ぎりぎり間に合って、朝食にありつけた。
金沢は玄白も連れ合いも別々に友人たちと訪れているので、何が何でも観光しようという気持ちはそれほどではない。ただ、21世紀美術館は前回月曜日にあたってしまったので、見ていない。 -
そこで、駆け足で21世紀美術館の見学だけすることにした。なにしろ、雨あがりの好天なので、雪を抱いた立山連峰がくっきり見える雨晴海岸にもう一度訪れたかったのである。
21世紀美術館は建物の外の無料エリアにも面白い展示物がある。さながら公園のような開かれた美術館である。
ホテルから歩いて美術館の敷地に入ると最初に目にとまったのは、「カラー・アクティヴィティ・ハウス」 -
赤、緑、青のアクリル板を渦巻き状に立てたもので、外からも中に入っても、見る位置と方向が変わると3色の重なりが変わり色が変化するのが楽しめるのだ。
要するに光の三原色による混色実験を面白く体験できる現代アートというわけだ。 -
アリーナのための クランクフェルト・ ナンバー3
チューバ状のホーンが全部で12個、そのうち2つずつがつながっていて、どれがつながっているか探したり、ホーンを通じて会話を楽しんだりという展示である。
とりわけ、子供たちが遊び感覚で楽しめるので、人気のようだ。 -
もちろん、大人も楽しめる。作者はフロリアン・クラールというドイツ人現代彫刻家で、武蔵野美大の講師も勤めているという。
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フェルナンド・ロメロの「ラッピング」という作品。作品の中に入ることができ、子供たちが中に入ってはしゃいでいる。正直なところ、玄白には、この作品の芸術性というのがよくわからない。
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球体のパビリオン。妹島和世+西沢立衛の合作だが、これは作品としてではなく、開館10周年記念として製作された建物なのだそうだ。
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作品ではないのだが、玄白としては、こちらの方に芸術性を感じる。昆虫の複眼を連想させる。
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中に入るとこんな具合。ほとんどの人が興味深そうにのぞき込み写真を撮っている。
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アリーナのための クランクフェルト・ ナンバー3の一つのホーンの近くに休憩用(?)の金属製のイスが並べてある。よく見ると微妙にすべて形が異なる。
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敷地の一角に洋風の現代アートとは異質な茶室がある。江戸時代末期の加賀藩12代藩主前田斉泰の江戸の隠居所だったものを、16代前田利為(としなり)が鎌倉に移築して茶室に作り替え「松濤庵」と名付けた。1979年に金沢に移築された。
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単なる展示ではなく、実際に茶事に使うことができるという。茶道をたしなむ連れ合いにとっては、美術館の現代アートより、こちらの方がはるかに興味深いらしい。
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大がかりな茶会を催すことができる大広間。
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連れ合いが、ここの管理人(?)らしきオジサンに、根掘り葉掘り聞いている。金沢市民以外でも予約すれば利用できるらしく、料金表など資料をもらっていた。
コロナ禍が収束したら、茶道仲間と金沢観光を兼ねてここで茶事をやりたいな~とのたまわっている。 -
金沢らしい雪吊り
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イチオシ
館内の有料エリアに入ってみた。
21世紀美術館を代表する作品、レアンドロ・エルリッヒ作「スイミング・プール」
水で満ちたプールの中で、服を着た人が普通に佇んだり歩き回ったりしている不思議な光景がある。
プール表面にアクリル板を張り、深さ10cmほどの水が張られていて、その下は壁が水色に塗装された空間になっていて、そこに人が入れるのである。周りを建物で囲まれているので、そのままでは水面は鏡面になってしまうが、わざとさざ波を作って水面の現実感を出す仕掛けもあるようだ。
プールの下の空間に入ることができるのだが、3時間待ちだというので、あきらめた。 -
時間がないので、コレクション展2「BLUE」という企画展展示をざっとみてまわった。
展示室1の作品、舟越桂作「冬に触れる」
ウ~ム、よくわからん!
日本の美術館には珍しく、企画展の展示でもいくつかを除けば、撮影自由である。 -
展示室2ではイー・イランの「オラン・ブサール・シリーズ」の作品群。東南アジアの伝統的なろうけつ染めの技法と、権力者(オラン・ブサール)として描かれる人間を通して、南アジアの青い海に潜む因襲的な権力構造に批判的なまなざしを投げかける作品と解釈した。小学生の体育祭でよく行われる組体操を連想させる人間ピラミッドの頂点に立つのがオラン・プサール。
作品名
上段:カイン・パンジャンと寄生するケパラ
中段:カイン・パンジャンと肉食性のケパラ
下段:カイン・パンジャンと不機嫌なケパラ
イー・イランはニュージーランド人の母とマレーシア・サバ州のカダザン族と中国系との混血児を父に持つマレーシアの女性アーティスト -
同じくイー・イランの作品「私掠船と帝国と彼らの勇ましい冒険」
彼女の作品は、植民地時代およびそれ以前の東南アジア社会の因習的・階級的な差別社会を批判的に描いているのだが、有史以来、どんな時代、世界のどこでも社会的格差が存在していたことを、改めて考えさせられる。先々月に読んだユヴァル・ハラリ著「サピエンス全史」が思い出される。 -
「緑の橋」
館内の廊下をまたぐようにつくられた、植物に覆われた壁が作品になっている。季節によって壁に咲く花が移ろっていく、まさに生きた作品である。 -
あわただしく21世紀美術館を見た後、再び雨晴海岸へ。実は初日に泊まった民宿「女岩荘」に連れ合いが愛用の傘を置き忘れてきたので、それを取りにいく目的もあった。
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期待通り快晴となった昼には雪を被った立山連峰が鮮やかに見えている。これだけくっきりと立山連峰が見える日はそんなに多くはないようだ。幸運に恵まれたとしか言いようがない。
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早朝後半に撮影した辺りに移動。女岩より立山連峰が上にそびえるようなアングルになり、立山連峰の荘厳さが際立つようだ。
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イチオシ
とりわけ、剱岳の堂々たる雄姿(女岩の右上)が素晴らしい
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岸辺に砕ける波しぶきも、とてもフォトジェニックである。
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波しぶきが作り出す造形は2つとして同じものはない。
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イチオシ
迫力ある波しぶきにしたくて、カメラだけは濡らさないように気を付けて、思い切り波に近づいてパチリ!
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投稿した波の写真は4枚だが、実際には50カットくらいになる。
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パノラマ風にして
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剱岳と女岩の位置関係が変わるように、さらに撮影ポイントを変えて。
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海岸のすぐそばを氷見線が通っていて、列車も撮影したかったが、本数が少なく、次の列車まで待てないので断念した。
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日が傾いて夕日に染まる立山連峰を車内からパチリしながら、帰路につく。
今回の富山の旅、天気予報に右往左往しながらも、結果的には期待以上の絶景に巡り合い、かつ味わいたいと思っていた北陸の海の幸が堪能できた密度が濃い2泊3日の旅だった。
~完~
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