2021/11/16 - 2021/11/17
52位(同エリア235件中)
玄白さん
前日(11月15日)に所用で実家がある静岡県に出かけた。ついでなので、60年ぶりに静岡県の秘境と言われる大井川上流エリアを訪れてみた。
初日は、接阻峡の大井川鉄道井川線の無人駅、奥大井湖上駅で、撮り鉄気取りでレインボウブリッジを渡るトロッコ列車を撮影、翌日は寸又峡温泉から徒歩30分ほどのところにある夢の吊り橋周辺の紅葉撮影を楽しんできた。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 自家用車
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午前8時、焼津を出発し、静岡市経由で本川根町に向かう。静岡市内の細い山道を延々と走る道を選んだのは、山間部の景色が良いところがあれば撮影しながら移動するつもりだった。しかし、そんな絶景はなく、大井川鉄道本線の終点、千頭に来た。駅の周辺をちょっと散策。
駅の裏手に吊り橋があり、そこから大井川鉄道の車両基地を撮影。 -
大井川にかかる両国橋という吊り橋。大井川上流地域には、多くの吊り橋がある。
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大井川の河原から両国橋を見上げる。この辺りはまだ、紅葉は色づき始めといったところ。
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千頭から接阻峡に向かう。途中にある長島ダムに立ち寄り。目的の奥大井湖上駅でのトロッコ列車撮影の時間が迫っているので、ここは早々に退却した。
何しろ、大井川鉄道井川線は、列車本数が少ないので、一本逃すとやたら待たなくてならない。 -
奥大井湖上駅を通過するトロッコ列車を俯瞰する展望台へ。
秘境駅として有名になり、訪れる人が増えて、駐車場や展望台へのアクセスが整備されている。 -
イチオシ
撮り鉄には、よく知られた撮影ポイントへ。駐車場から上の写真の階段、途中の急な坂道を上ること20分で撮影ポイントに到着。
十分ほどで、千頭行のトロッコ列車が入ってきた。 -
長島ダムによってできた人工湖、接阻湖に突き出た半島にある無人駅が奥大井湖上駅。周囲に民家や道路はなく、まさしく秘境駅である。この駅に行くには、大井川鉄道井川線で行くほかに、駐車場から展望台に行く歩道を途中で、左に折れて進むと、鉄橋を徒歩で渡っていくこともできる。
なぜ、民家がないこんなところに駅があるのかというと、長島ダムができる前は井川線は湖底を通っていた。ダムで水没するので、新たに鉄道を新設したのだが、この駅は新線工事の資材置き場だったらしい。それを利用して観光用の駅に転用したという。つまり、この駅の利用者は全員が観光客なのである。 -
千頭行列車が橋を渡り終え姿がなくなる瞬間をパチリ。鉄道写真家、中井精也氏風の写真にしてみた。
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この赤い鉄橋の愛称はレインボウブリッジ。東京港にかかっているレインボウブリッジができる前から。この橋はレインボウブリッジと呼ばれていた。こちらの橋の方が東京のレインボウブリッジより先輩なのである。
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展望台での撮影を終えて湖上駅に行ってみた。静岡県でも南アルプスのすそ野の奥まったところなのだが、意外に標高は低い。
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レインボウブリッジから眺めた接阻峡の景観。ちょうど黄葉真っ盛りで、湖水のエメラルドグリーンとの色彩のコントラストが美しい。
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光の当たり具合で湖の色が変化する。この方向では、ターコイズブルーを呈している。
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駅のホームには、こんなものが・・・
いかにも観光駅といったところだ。 -
駅のホームのすぐ裏手に、昨年できたらしいカフェがあるのだが、週末限定のオープンなので、あいにくこの日は閉店だった。
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井川から千頭行の次の列車がトンネルを抜けてレインボウブリッジに差し掛かってきた。再び、撮り鉄に変身!
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ホームが緩やかにカーブしているので、ホームの反対側で撮影すると、あたかも線路上で撮影しているかのようなアングルで撮影できる。
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イチオシ
いかにも年季が入ったディーゼル機関車である。大井川鉄道は本線の千頭駅までは電化されているが、井川線はディーゼル機関車がトロッコ列車を牽引している。
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この列車を見送ってから、寸又峡へ。
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寸又峡温泉手前にある公園の紅葉が見事
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背後の杉の緑に、モミジのオレンジから黄色のグラデーションが美しい。
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イチオシ
手前のモミジの枝を前ボケにしてパチリ
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今宵の宿は、寸又峡温泉「湯屋 飛龍の宿」
寸又峡温泉街の一番奥まったところにある。 -
旅館の外観
撮影はできなかったが、温泉はほのかに硫黄の香りがする無色透明の単純硫黄泉。pHが高いアルカリ性の温泉で、入ると肌がぬるぬる、湯上りはすべすべになる、いわゆる美人の湯である。 -
夕食は、典型的な旅館会席料理。メインは写真左上のしし鍋といったところか。
可もなく不可もなくといった料理である。 -
温泉街から夢の橋方面の道の途中から分かれて坂を少し下ったところに、草履石公園という小さな公園がある。そこで、紅葉のライトアップがされているというので、夕食後の酔い覚ましを兼ねて行ってみた。
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周りを山に囲まれ風が遮られているので、池の水面はきれいな水鏡になっている。
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モミジの水面への映り込みだけを狙って
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月とモミジ
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翌朝、朝食前に夢の吊り橋の様子見を兼ねて出かけてみた。ネット情報では、紅葉シーズンには、吊り橋を渡るのに1時間から混雑時には2時間の待ち行列ができる、しかも一方通行になるので、90分かかる周遊コースを歩くしかないという制限がかかり、のんびり撮影する時間はないという。そこで、混雑しない早朝に出かけてみたのである。
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イチオシ
大井川の支流、大間川と寸又川の合流点にできた大間ダムでできた人工湖は、とても美しいエメラルドグリーンの湖水を湛えている。湖岸の黄葉との色彩のコントラストが素晴らしい。
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美しい黄葉にシャッターを切り続ける
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温泉街から夢の吊り橋までは30分。日の出前ではあるが、ようやく明るくなってきた。夢の吊り橋が見えてきた。
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全長90mの夢の吊り橋。もともとは、この先にある小さな集落に住む人々の生活道路だったが、いつしか、秘境感たっぷりで、美しい湖水と新緑、紅葉の取り合わせが評判となり、今では大勢の観光客が訪れるようになった。
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イチオシ
この吊り橋は幅30cmほどの板が置かれただけで、両脇は素通しで水面から10mほどの高さのところにかけられている。しかも、歩を進めるたびにゆらゆらと揺れるので、なかなかスリリングである。景色の美しさもさることながら、このスリルがまた人気なのだそうだ。
まだ数人の人しかいないので、ちょっと待つだけで、橋を往復できた。写真は、連れ合いが渡り終えて戻る際に撮影したものである。こわがりの連れ合い、両脇のガード代わりのワイヤを握りしめながらへっぴり腰で渡っている。 -
朝露で吊り橋の板が濡れて滑りやすいので、余計に恐怖感が増す。黄葉の上を渡っていく。
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橋の上から大間ダムを遠望。
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一旦、宿に戻り朝風呂を浴びてから朝食。
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9時前にチェックアウトして、再び夢の吊り橋へ。温泉街の端に、かつての木材を運び出すためのトロッコ列車を運行していた森林鉄道の駅舎が保存されていた。今では観光客の休憩所として利用されているようだが、まだ早いので入り口は閉じられている。
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今度は吊り橋の往復ではなく、周遊コースを一周しよう。コースの入り口には料金所?があって、半ば強制的にこのエリアの環境保全協力金を求められる。
その入り口に、見事な皇帝ダリアが咲いていた。 -
深い峡谷にも日が射してきて、皇帝ダリアにも日が当たり始めた。
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早朝来た時には撮影しなかったが、途中トンネルがある。天子のトンネルと呼ばれている。一応、車道になっていて、許可された車だけは通れるようになっている。
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黄葉をバックにちょっとしゃれた建物が見えてきた。実はこれはトイレである。「香和家」という厠をもじった看板かかかっている。
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飛龍橋に向かう車道から分岐して、夢の吊り橋に向かう通路。彼方に夢の吊り橋が見える。
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再び、夢の吊り橋へ。思ったより人が少ない。これだったら、わざわざ朝食前に来ることもなかった。橋の定員は10人だが、数人が一度にわたる程度で、待ち時間はほとんど無しである。
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イチオシ
寸又峡に朝日が差し込む。
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山肌の紅葉真っ盛り
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黄葉の木々の間から見えるエメラルドグリーンの湖水が美しい。写真ではそれなりだが、実物はもっと鮮やかな色なのである。デジカメの色再現能力は、ずいぶんよくなっているが、この青みがかったグリーンの色合いはフィルムより表現能力が劣るようだ。
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同じような情景だが、何度でもシャッターを切りたくなるような美しさだ。
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夢の吊り橋を渡り終えて振り返る。人が途切れているタイミングで、もう一枚。
橋を渡り終えると、300段以上続く急な階段が待ち構えている。 -
階段の中腹辺りの急坂、くろう坂と呼ばれている。たしかに、苦労して昇ってきたという実感が湧く。
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あと少しで急階段が終わる。歩く人の心理に沿った命名である。
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最後の階段
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登り切ったところに、木造の素朴な仏像が安置されていた。
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夢の橋プロムナードという周遊コースは階段を上り切ったところで、左折するのだが、右方向に尾崎坂展望台という眺めがよいところがあるようなので、そちらに行ってみる。
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かつて、この辺りには切り出した木材を運び出すための林間トロッコ鉄道があったという。当時使われていたトロッコを牽引する機関車が展望台に置かれている。
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尾崎坂展望台からの眺め。山肌の紅葉がちょうど見頃だ。ただし、ここからは夢の吊り橋は見えない。
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周遊コースに歩を進める。
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しばらく行くと鉄橋が見えてきた。今回宿泊した宿の名前にも使われている飛龍橋である。
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飛龍橋。かつては、ここを林間鉄道が走っていた。
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橋の上から見下ろす寸又峡
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この付近は、地質学的にはフォッサマグナの西の端、糸魚川静岡線の真っただ中に位置しており、数々の断層が走り、複雑な地形になっている。そんな複雑に入り組んだ山塊の斜面の紅葉が朝日に照らされてひと際鮮やかさが増している。
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飛龍橋を渡り、温泉街に引き返す。
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イチオシ
彼方に夢の吊り橋が見えている。ここからの眺めも素晴らしい。
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夢の吊り橋の右斜め上の山の急斜面の紅葉。
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再び、天子のトンネルまで戻ってきた。一陣の風に黄葉が散っている。
のんびり歩いたので、時刻は10時40分。
連れ合いが温泉街の土産物店で、茶などいくつかの土産物を買い、寸又峡を後にする。寸又峡がある本川根町は静岡県でも有数の茶どころなのである。帰りは、大井川に沿って島田まで出るルートで帰る。 -
途中、再び実家がある焼津に立ち寄り、焼津さかなセンターで海鮮丼の昼食。
なんといっても、我が家はシーフード大好き人間なのである。
この後、田子の浦で、富士山と港の夜景撮影をするつもりだったが、夕方には雲が出て富士山は見えなくなってしまったので、何もせず、すごすごと帰宅する羽目になったのであった。
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