2014年カンボジア旅行記　第7回　アンコールワットで朝日を鑑賞し、プリア・カンへ

2014/01/09 - 2014/01/13

2014年1月の初めにカンボジアのアンコール遺跡群を見学してきました。
アンコールワットなどの遺跡をどうしても見たくなり、カンボジア行きを決めました。
今まではヨーロッパやアメリカ、台湾にしか行ったことが無かったので、今回が初の東南アジアです。
衛生面、特にお腹を壊さないかどうか心配です。

■　期間　2014年1月9日～2014年1月13日

1/9　羽田→バンコク→シェムリアップ。アンコールトム、小回りコースの遺跡等を見学
1/10　アンコールワットの日の出、大回りコース、アンコールワット見学
1/11　バンテアイスレイ、クバールスピアン、ベンメリア遺跡を見学
1/12　ロリュオス遺跡群見学。シェムリアップ→バンコク→羽田
1/13　早朝羽田着

カンボジアのシェムリアップには有名なアンコールワットやアンコールトム以外にも、アンコール遺跡群には大小様々な遺跡があります。観光ルートは大回りコース、小回りコースなどが知られています。せっかくですから２大台有名遺跡以外もいろいろ見て回りたいものですね。またシェムリアップから車で1時間ほど離れた郊外にもベンメリアやバンテアイスレイなどの素晴らしい遺跡があるそうです。

見学に使えるのは実質4日。問題はどうやって見学するかです。
アンコール遺跡周辺には公共交通機関がありません。したがって遺跡見学の足は自分で確保しなければなりません。
つまり、ツアーに参加するか、自分で乗り物をチャーターすることになります。
現地ツアーはネットで検索すればたくさん出てきます。ただどれも1人で申し込むと通常の倍の値段を取られるものばかり。カンボジアは一人旅にやさしくありません。

色々検討した結果、アンコールワットなどシェムリアップ近郊の遺跡はトゥクトゥクか車をチャーターして観光することにし、遠方のバンテアイスレイ、クバールスピアン、ベンメリア遺跡は現地日本語ツアーに参加して観光することにしました。
今回は果たしてどのような旅になるでしょうか。とても楽しみです。


※ブログ『マリンブルーの風』に掲載した旅行記を再編集して掲載しています。
ブログには最新の旅行記も掲載していますので、ぜひご覧下さい。

『マリンブルーの風』
http://blog.livedoor.jp/buschiba/

2014年カンボジア・アンコール遺跡旅行記目次
http://blog.livedoor.jp/buschiba/archives/52360296.html

カンボジア旅行記の第7回です。
2日目は大回りコースとアンコールワットを見学します。
まずはアンコールワットで朝日鑑賞。その後大回りコースのプリア・カンを見学しました。

エリア シェムリアップ(カンボジア)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 5.0
• 交通: 4.0

■　2日目　2014年1月10日

朝4時半に起床。今日は5時にホテルを出発し、アンコールワットで日の出を見ます。その後ホテルには戻らずにプリアカン、ニャックポアン、タ・ソム、東メボン、プレループなど大回りコースの遺跡を見学し、最後にアンコールワットをじっくり見学する予定となっています。
4時50分にホテルのロビーに行くと、フロントに朝食用のランチボックスが山積みになっています。部屋番号を言ってランチボックスを受け取り、昨日からチャーターしている空港タクシーの運転手であるモムさんを待ちました。
しかし5時を過ぎてもモムさんが来ません。ロビーには私と同じく日の出を見に行く観光客が30人ほどいますが、どんどん人数が減っていき、最終的には私一人になりました。不安になりかけたころ、10分の遅刻でモムさんがホテルにやってきて無事出発。まだ暗い中をアンコールワットに向かいました。


5時20分アンコールワットに到着。
「日の出は6時半過ぎだから、7時にこの駐車場に戻ってきてね」と言われて車を降ります。
アンコールワットは灯りが全くないので、西参道から先は懐中電灯が無いと歩けません。そのかわり星がものすごくきれいです。
日の出もいいですけど、千葉では見られない星空もいいですね。

暗闇の中続々と人が集まってきています。ビューポイントは西参道か参道左側の池ですが、どちらかと言えば池の方に人が集まっていました。
日の出まではあと1時間弱。私は懐中電灯をつけてホテルが用意した朝食のランチボックスを食べました。パン2個、ソーセージ、バナナ、リンゴ。水。量は少ないです。

6時を過ぎると東の空が明るくなってきました。アンコールワットのシルエットが徐々にはっきりしてきます。

これは感動的。まるで現実ではないみたいです。

池の正面からの方がいい写真が撮れそうです。移動してみました。

6時半。空がだいぶ明るくなりました。もうしばらくすればアンコールワットの向こうから太陽が昇ってくるはずです。
しかし、私の隣で写真を撮っていた韓国人は日の出直前の6時40分ごろに「フィニッシュ」と言ってその場を去ってしまいました。まだ太陽が出ていないのに、何を考えているのでしょう。

6時57分。日の出です。アンコールワットの向こうから太陽が顔を出しました。
まるで炎のような姿を浮かべるアンコールワットの尖塔。素晴らしく幻想的で、言葉にしようがありません。

7時に車に戻ってこいと言われましたが、まだ太陽が昇りきっていません。多少遅くなっても、この光景は目に焼き付けなければならないでしょう。
ちょっと角度を変えてアンコールワットを眺めます。
春分の日と秋分の日は塔の真上から太陽が昇るのだそうです。

太陽が昇り、みなぞろぞろと帰りだしています。このままアンコールワットを見学してもいいのですが、正面が西を向いているので、午前中は逆光になってしまいます。
寒い中2時間外にいたので行けのそばにあるトイレに行きました。アンコール遺跡群のトイレは遺跡チケットを持っていれば無料なのですが、ここのトイレは有料で、１０００フォリント取られました。

10分遅れの7時10分に朝日鑑賞を終え、大回りコースの遺跡見学に出発。
モムさんもホテルへの到着が10分遅れましたし、これでおあいこでしょう。
まだ朝早いせいか観光客の姿は少なく、仕事とや学校に向かう地元の人たちが多いです。

７:３０にプリア・カンに到着。ドライバーのモムさんには「見学は３０分で良いと思うよ」と言われましたが、ここは見どころが結構あるのです。
「それじゃ足りないよ。もう少し長く見たい」と言ったら「じゃあ４０分で」ということになり、遺跡の入口に向かいます。

北側の入口から中に入りましょう。
プリア・カンは１１９１年にジャヤバルマン１世によって造られた仏教とヒンドゥー教の寺院です。
かつてこの地でチャンパ王国のジャヤ・インドラヴァルマン4世と戦い、見事勝利を飾ったことを記念して、自らの父を模した観世音菩薩像を安置したのが由来で、最盛期には１０００人を超える僧侶が暮らしていたそうです。
遺跡の名前は「聖なる剣」という意味で、かつてこの遺跡から出土した剣にちなんでいます。

外周の壁に彫られたガルーダ像。

回廊の中に入っていきます。まだ８時前なので、観光客がおらずとても静かです。

まっすぐ伸びた通路。
南側を見通します。

入口の上に彫られた彫刻。素晴らしいですね。

回廊は今にも崩れそうです。

屋根から崩落した石が無造作に積み上げられています。

これはヨニと呼ばれています。シヴァ神の妃ドゥルガー（女性）の象徴で、要は女性器を表しています。

中心部へと歩いて行きます。

大きなガジュマルの木の根が遺跡を浸食しています。

朝のさわやかな空気と、崩れかかった寺院。とても静かな空間で、何とも言えない幽玄さを醸し出しています。

この先は完全に崩壊しています。
プリア・カンは崩壊が激しく、もし完全に修復する場合土台から修復する大規模な工事が必要になるそうです。

かつては立派な寺院だったのでしょう。廃墟を探検する気分です。

地面には大きな石が散乱していますから、足元に気を付けて見学しなければなりません。

仏像の彫刻。比較的状態がいいです。

在りし日の姿を想像しながら歩くのはとても楽しいです。

中央祠堂付近。

今にも壊れそうな屋根です。

北側の参道にあるリンガ。

リンガはヒンドゥー教のシヴァ神の象徴で、男性器を模したものと言われています。

柔和な顔のデバター像。

３つの穴が開いたヨニがありました。

東側の参道の入口です。

ヒンドゥー教の創世神話である乳海攪拌の図を模した、綱引きをするナーガの像が並んでいます。

木の根が取りついた遺跡。

西参道の方向に歩きます。人がいないので思う存分歩き回れますね。早めに来てよかったです。

踊るアプサラの彫刻。

この辺りはかつて屋根があったのでしょう。

回廊の壁にしっかりと根を下ろすガジュマルの木。自然の力を感じます。

２階建ての建物が入る大きさの根。大きさに圧倒されます。
写真を撮っていたらヨーロッパから来た女性二人組に記念撮影を頼まれました。
２人はあの木の根を横に立ち、私はややズームを効かせて撮影しました。

西側の入口付近。１本の大きな木がアクセントになっています。

この建物は今にも崩れそうです。

この建物はプリア・カンで一番の見どころです。
アンコール遺跡群では珍しい２階建ての建物で、かつては経蔵でした。

まるでギリシャ・ローマ時代の神殿のようです。なぜ２階建てなのか。とても不思議ですね。

２階建ての経蔵付近にある通路。ぼちぼち時間が無くなりました。

かつて池だった場所です。

この緑のじゅうたんの下は水があるのでしょうか。
８:１０、時間切れです。
まだまだ見学したいですが、この後の予定もあります。
私は急いで車に戻り、次の遺跡に向かいました。