シラーズからわずか車で３０分、豊かな水と緑広がる大地の恵みに出会う 果物、野菜はもとより自生薬草の宝庫

2021/09/05 - 2021/09/05

シラーズから車でわずか30分ほど北へ向かうと、シラーズ市内の水不足とは反対に、豊かな地下水によって緑に覆われた大地が見えてきます。この辺りは果樹や野菜の栽培が盛んにおこなわれ、魚の養殖場や地下水を利用したミネラルウォーターの工場などがあります。また、自生の薬草の宝庫でもあります。
　休日ともなればたくさんの家族連れでにぎわうところですが、平日はとても静かで、のんびりとした時間を過ごすことができます。
　

エリア シラーズ(イラン)

• 同行者: 家族旅行
• 交通手段: タクシー 徒歩

緑豊かなホセインアーバードです。シラーズから車で約30分ほどですが、公共交通機関はミニバスのみ、本数が少ないので、タクシー利用をお勧めします。

左に見える銀色のドームは、イマームザーデですが、それが建てられる前には、ゾロアスター教の拝火堂があったといわれています。向こうの山並みはザグロス山脈です。

泉の大本、ここから湧き出す泉がこの辺り一帯を潤しています。水中の2本のパイプは、ミネラルウォーター工場まで泉の水を送り込んでいます

ミネラルウォーターの工場。主にシラーズやイスファハン、ヤズド方面へ出荷されます。

たわわに実ったリンゴ。下を流れる水路の水はすべて泉から流れてきています。

静かなホセインアーバードの小道。クルミの木には収穫を待つ緑色の実がたくさんついています。

土塀が懐かしい民家

　ピクニックを楽しむ家族連れ。すぐそばを水路が通っていて、さわやかな風が心地いい木陰です。

イランピクニック定番のキャバーブ。石焼パンに乗せた鶏手羽のキャバーブ、焼きトマト、左から酢漬け、生で食べるパセリやニラ、ミントなどのハーブ野菜とレタス。これにヨーグルト飲料でいただきます。

　この村には鱒の養殖場があります。豊かな水がなければできない事業です。シラーズなどの内陸部にある町や村では、流通事情にもよりペルシャ湾からの新鮮な魚は手に入りにくかったのですが、鱒の養殖事業がだんだんと拡大してきて、おいしい魚を食べられるようになりました。日本人の旅行者にも好評ないい味です。

客の要請で養殖用プールから、鱒をすくうおかみさん。

大きく育ったます。とても勢いがありすぎて、プールからこのバケツに入れた途端、暴れだし逃げ出したのですが、おかみさんに捕まえられました。

養殖場の一角には小さなカフェがあります。おかみさんが魚をさばいてくれるのを待つ間、ゆっくりとお茶を楽しめます。

散策にぴったりな小道

ポプラ、真っすぐ伸びる白い幹が特徴です。マッチの軸に加工されるそうです。

近くの山肌からも湧き出す泉。いくら飲んでもまだまだ飲みたくなるほど軽い水です。

泉の清らかな流れの中で育つ、ミントの一種。早速摘んで食べてみました。少しの辛みがあり、シャキシャキとした触感もおいしさを引き立てます。

メギの実、まだ熟していません。赤く熟した実は少量の油と一緒に炒めごはんの上に乗せ肉と野菜などと一緒に煮込んだ料理と一緒にいただくのが一般的です。

ラズベリーもありました。コロナ感染防止にはこの赤い成分がいいとか。

少し目を遠くにやると、広々とした風景が楽しめます。

自生のミントの一種。イランの料理では、ミントはよく使われます。生で食べるのはもちろんのこと、どこの家庭にも乾燥させたものを常備しており、ヨーグルトにかけたり、サラダのドレッシングに混ぜたり、お腹が痛いときに煎じて飲んだりします。特に自生のミントは香りが濃く、都市生活者にとっては手に入れるのが難しくなってきています。この花の部分も、葉と同様に乾燥させて使います。

甘草、日本でもおなじみですね。

果樹園の中で飼育されている七面鳥。イランでは七面鳥の肉は体を温めるといい、腰痛や関節痛、足の痛みなどがある人が食べると痛みが軽減するといわれています

きゅうり畑で働く人々。イランでのきゅうりの生産量は世界でも上位だそうです。イラン人はきゅうりを果物としても食べます。子供たちの好きな果物ナンバー1と言っても過言ではありません。

地植えのきゅうりは味が濃くておいしい。

道の駅、近くの果樹園で取れた果物をお土産に買いました。