ベトナム中部のクイニョンの北東のゴダイ(ビンアン)の慰霊碑に行ってきました。悲惨です。

2019/12/20 - 2019/12/25

何年もかけての慰霊訪問の旅ですが、ベトナム中部のクイニョンの北東のゴダイ(ビンアン)に行ってきました。悲惨な記録を残す慰霊碑を訪れる旅です。

あまりの悲惨さに、旅行記として紹介するのに、躊躇します。

でも、現地における事実です。しかも多数の犠牲者の跡の連続です。
本稿では、犠牲者を発生の原因や経緯いう点について、あえて、言及しません。
あまりにも、結果が悲惨で、衝撃的だからです。
また、政治的意図があるのではないかと、勘ぐられるのが嫌なのです。
従って、詳しい細部は、ご自身でグーグルで「ベトナムのゴダイ」を検索して、確認してください。
ここでは、多数の撮影してきた写真のうちの、ほんの一部の写真の紹介のみにとどめます。

ベトナムへの外国資本の投資元の国を見てください。被害国であるベトナムが、この件に触れたくないのが解ります。
最大の顧客への配慮なのでしょう。

かつてのベトナム戦争において、米軍の行為が指弾されたことは、いろいろな報道で承知していました。
それ以外に、多くの犠牲者が発生していることや、それらが、ベトナム中部に集中していたことは、知られていません。
当該国軍の担当地域が、ベトナム中部だったことと重ね合わせると、理解できます。
それらを、告発してきたのは、派遣当該国の新聞です。

英国のＮＧＯも告発しています。

当該国内では、政治目的のため、日本政府を相手取って、裁判が行われていますが、当該国のベトナムにおける自国の案件には、言及を避けていますベトナムでの案件も日本では、殆ど、知られていません。

本稿では、事案を正面から、紹介することは避けます。
ただ、グーグルの地図の表示について、紹介するとともに、ベトナムの慰霊碑の紹介のみとしています。
グーグル地図の写真を見て頂ければ、その悲惨さが理解されることと思っています。

エリア クイニョン(ベトナム)

• 旅行の満足度: 3.5
• 観光: 3.5

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 鉄道
• 旅行の手配内容: 個別手配

京成鉄道の北総線で成田空港に向かいます。

成田空港に移動するためには、鉄道が安定した移動手段です。

格安の航空券利用の旅には、出発時間に遅れることは、許されません。

東松戸駅 駅

成田空港からベトナム航空を利用して、ダナンに向けての旅立ちです。

ダナンから統一鉄道で、慰霊碑を巡る旅に出ます。

成田国際空港 空港

ダナンの統一鉄道のダナン駅です。

列車の出発は、夜遅くの予定です。

列車の出発まで、待合室などで、過ごします。

ダナン駅 駅

今回の目的地のゴダイ(ビンアン)の慰霊碑の場所はベトナム中部です。
ゴダイは、クィニョンの西北にあります。

グーグルの記事検索か、地図の地名検索で、ベトナムのゴダイと検索してください。

衝撃的な写真がいろいろ紹介されています。

［クイ ノン市内中心部］スタジオ 一軒家（210 m〓）／1バスルーム ホテル

今回を含めて、ベトナムの地方都市１４か所の慰霊碑を訪れました。

今回の旅行も、ダナンから始まります。

まずは、ハミの慰霊碑を訪れました。

ダナン駅 駅

ハミの慰霊碑は、ダナンの南、マーブルマウンテンの南側にあります。

ハミの慰霊碑の犠牲者のリストから、男女別、年代別の内訳を調べました。

被害者は、殆どが女性です。老人と１０歳以下の幼児が半数を占めています。
自然災害でしたら、８５％が犠牲となったことと矛盾します。

犠牲者が婦女子、老人が主である点は、他の慰霊碑にも、共通しています。

五行山 山・渓谷

ビンアン(ゴダイ)の悲惨な場所を示している案内板です。

SLAUGHTERという英語が書かれています。

SLAUGHTER IN BINH AN COMMUNE という英語が見えます。
SAT という言葉も見られます。

英語のSLAUGHTER や　SAT というベトナム語の意味は、なんでしょう。

歴史の記録です。

最初の慰霊碑参りは、ハミの慰霊碑です。

ダナンからモトバイクで、南に小一時間程度走ります。

海岸通りから少し、西に入ります。

ハミの慰霊碑です。

ＳＡＴという言葉は、あちこちで目にします。

悲惨なベトナム語の意味なのでしょう。

立派な慰霊碑です。

中央に、犠牲者の氏名、生年が記載されているリストが掲げられています。

慰霊碑の犠牲者を見入るモトバイクのドライバーです。

彼にとっても、初めて見る犠牲者リストだとのことです。

ハミの慰霊碑の犠牲者リストです。

１３５名の犠牲者リストです。

多数の犠牲者を出したこの事件を、どう考えればよいのでしょうか。
ベトナムの方々の気持ちは、どうなのでしょうか。

犠牲者リストは、１番から始まり、１３５番まで続きます。

裏には、蓮の花の絵が掲げられています。

蓮の花の下には、犠牲となった方たちの恨みの絵があるそうですが、設立の経費を出す者が、加害者側だっため、恨みの絵に異論を出し、蓮の花の覆いをかぶせてあるそうです。

後になったら、覆いを外す予定だと言われています。

１３５名の犠牲者リストです。

ベトナムの名前では、男性か女性か区別があります。

男性ならＶＡＮ、女性ならＴＨＩがつきます。生年で、死亡した際の年齢が判ります。

この慰霊碑の犠牲者リストは、１３５番で終わっています。

その他の慰霊碑にも、多かれ少なかれ、同じようなリストが記載されています。

しかも、老人と婦女子ばかりです。

ビンアンやゴダイの慰霊碑に行くため、ダナンから統一鉄道で、南下します。

ＧＡ ＤＩＥＵ ＴＲＩの駅です。

ＧＡは、駅という言葉ですので、デイウ･トリという駅という意味です。

ディウトリ駅 駅

デイウ･トリ駅の入口です。

ベトナム統一鉄道の駅になります。

クイニョンへの支線が走っていますので、交通の要衝です。

デイウトリ駅の待合室です。

ところどころに、英語の表示があります。

ダナンから南に下り、その後、クィニョンの西北に移動する経路を辿りました。

クイニョンから、バイクタクシーに乗って、国鉄の駅を経て、ゴダイに向かいます。

この碑は、ゴダイの慰霊碑です。

３８０人の犠牲者の慰霊のための慰霊碑です。
中央の碑文の両側に、犠牲者の氏名等が記載されています。

ゴダイの慰霊碑の敷地の中に、ビンアンの慰霊碑があります。

写真のの碑は、ゴダイの慰霊碑です。

３８０人の犠牲者が祀られています。

約３０ｍ隣のビンアンの慰霊碑が、さらに悲惨な光景を記録しています。

３８０人の犠牲者との数字が記載されている碑文です。

ここには、悲惨な光景等を見ることはありませんが、この碑文の両側に、びっしりと犠牲者の名前が刻されています。

ビンアンの慰霊碑の入口の門です。

緑の樹々に囲まれた区画があります。

モトバイクですが、潜って入ります。

ビンアンの事件について記載している案内板です。

１００４という犠牲者の数字には、驚かされます。

ビンアンの慰霊碑の入口にある案内板です。

公園になっています。

公園の入口の門です。

ここまで、左側にあるバイクの後部座席に乗ってやってきました。
(タクシーの料金は、高いので、利用を控えています。)

ビンアンの慰霊碑には、立派なお堂があります。

緑に囲まれた綺麗な場所です。

慰霊碑の公園のお堂です。

お堂の奥に、極彩色のタイル画が置かれています。

あまりにも悲惨なので、これから先は、ご自分で、グーグルの画像を見てください。

このような公園をどのような目的で作っているのか、知りたいのですが。

お堂の中央に慰霊碑があります。

奥に、うっすらと極彩色のタイル画が見えます。

お堂の慰霊碑の碑文です。

１９９６年に発生した事案です。

ビンアンの慰霊碑を後にして、キンタイの慰霊碑に移動します。

現在は、慰霊碑の案内板のみで、慰霊碑は、撤去されています。

土台は、残っています。

キンタイの慰霊碑の案内の碑文です。

１９６６年の事案です。

３７名の犠牲者です。

慰霊碑は、撤去され、土台のみ残っています。

再開発なのかもしれませんが。

悲惨な歴史は、残したくないのかもしれません。わかりません。

フ―クロックという場所の慰霊碑です。

悲惨な出来事が起きた場所が多いので、名前がはっきりしません。

クアンガイ駅の北側の川の傍です。

クァンガイ駅 駅

老人が怒っています。

銃剣を突き付けられている住民、そして、亡くなった母親に縋り付いている子供

悲惨な光景です。

場所的には、クアンガイ空港の北側の川沿いです

クアンガイ空港 (XNG) 空港

２６名の方々が犠牲になっています。

ＶＡＮという男性を示す名前の方は、２６名中１名のみです。

女性と老人が犠牲になっている点は、他の慰霊碑と同じです。

フォックビンの慰霊碑です。

６８名の方々が犠牲になっています。

６８名もの犠牲者が、同時期に、同一場所で、なぜ発生したのでしょうか？
しかも、婦女子、老人ばかり。

ディエンニェンのフォックビンの慰霊碑の碑文です。

ＳＡＴという言葉が記されています。

６８名の犠牲となった住民のリストが、記載されています。

フォンニ村の慰霊碑です。

ハミの慰霊碑の西北にあります。

慰霊碑の中央に犠牲者のリストが見えます。

階段を上がってみると、リストが確認できます。

慰霊碑の前の案内の石碑です。１９６８年に忌まわしい事件が起きたようです。

ＳＡＴという言葉が出ています。

７４名の犠牲となった住民のリストです。

なんと言ったらよいのでしょうか。悲惨な思いしか思い浮かびません。

犠牲者７４名の住民のリストが確認できます。

男性の名前は、ありません。すべてが女性のようです。自然災害の犠牲者であれば、男女の比率は、半々だと考えられますが。

１９６８年生年で、カッコ書きで記載されているのは、生まれて間もない赤子か、
妊娠中の母親の胎内にいた子供かもしれません。

クァンガイ省のティンソン村にある慰霊碑です。

クァンガイの駅を降りて、バイクタクシーで約１５分程度の場所です。

幹線道路から約５００ｍほど北側に入った先にあります。

わかりづらい場所です。

THINH SONという文字が見えます。

カングァイの市街地の北側の橋を渡り、西にしばらく走るとあります。

３５０人の住人が犠牲になったとのことです。

現在では考えられない犠牲者の数です。

バイクタクシーで、クアンガイから北に約３０分程度走ると、ビンソン県というクァンガイ省の最北端に至ります。

海岸方向に入るとロンビン村があります。

西側の小高い丘の上に、４ヶ所の慰霊碑があります。

慰霊碑の名称がそれぞれ異なっていますし、名称が確定しているようではないので、ロンビン北側、ロンビン中央、ロンビン南側そして英国人建立の慰霊碑と呼ぶことにします。

この慰霊碑は、ロンビン北側の慰霊碑です。

ロンビン北側の慰霊碑の右側に廻ってみますと、犠牲者の名前が書かれた壁面が見えます。

かなりの数の犠牲者です。

ロンビン北側の慰霊碑に記載されている多くの犠牲者の名前です。

左側に１５０名、右側に１４２名、合計２９２名の犠牲者の名前が書き連ねられています。

２９２名の方々が、一挙に、亡くなられた様子を想像できますでしょうか。

あまりにも悲惨です。

左側の方には、１５０名の犠牲者の名前が書かれています。

右側と併せて、２９２名となります。３００名に近い方々が犠牲になったのです。

やはり、男性の名前は極端に少ないです。
女性と老人・子供の犠牲者が多いです。

２９２番目までの方の名前が、記載されています。

数多くの犠牲者の数です。前に述べたTHINH SONという文字のあった慰霊碑の犠牲者は、３５０人でした。
この地の犠牲者は、２９２名です。考えられないほどの犠牲者の数です。

ロンビン北側の慰霊碑の周囲には、数多くの墓石が並んでいます。

同じ規格の墓石です。社会主義国の共産党の指導なのでしょうか。

小高い丘の斜面に並んでいる墓石です。

ロンビンの虐殺での犠牲者の墓石との関係は、わかりません。

ロンビン北側の慰霊碑の南東側の墓石群です。

こちらの墓石の規格は、少し異なっているように見えます。

ロンビン中央の慰霊碑です。

小高い丘の中腹に置かれています。

簡素な慰霊碑です。

ロンビン中央の慰霊碑の碑文です。

３６名の犠牲者の数が記載されています。

やはりＳＡＴという言葉が書かれています。

ロンビン南側の慰霊碑です。

階段そして入口の門が設けられています。

この慰霊碑は、管轄の省政府のホームページに紹介されています。
中央政府と省政府との姿勢の違いが、垣間見れます。

ロンビン南側の慰霊碑の碑文です。

犠牲者のリストがあります。犠牲者総数は、４２２名です。

ＶＡＮという男性を表す名前は、１３名です。
１３／４２２＝３％　約３％、残りは女性と赤子と考えてもおかしくはないでしょう。
弱者を選んで、死に至らしめるという言い方ができるかもしれません。
他の慰霊碑と同様、大量の犠牲者の数から、組織的なかかわりが感じられます。

ロンビン村にある慰霊碑です。

英国人によって建立された慰霊碑です。
犠牲者のリストと右側の怒りを表す像からなっています。

英国人建立の慰霊碑の北側には、女性が右腕を高く伸ばしている像があります。

殺された幼児を抱きながら、怒りの思いを表している母親の像だそうです。

英国人が建立した慰霊碑で、訴えたかったのは、難に対する怒りなのでしょう。

英国人の建立した慰霊碑の碑文の右側です。

碑文の左側には、犠牲者の年齢、性別等の区分分けが記載されています。

碑文の左側には、犠牲者の年齢、性別等の区分分けです。
女性　　２６８人　(６４％)
老人　　１０９人　(２６％)
子供　　１８２人　(４３％)
妊婦　　　　７人　　(２％)
老齢の女性等の重複があるのでしょうが、いずれにしても、婦女子、老人･子供のような弱者を、４２２名を集め、死に至らしめたことに対しては、怒りを感じるのは、当然なのでしょう。

ビンアンの凄惨なタイル画と重ね合わせられ、その思いは、倍加されます。　

宿泊したクィニョンの西北のホテルです。

国道沿いにあるホテルで、肩の張らない雰囲気が、気に入りました。

ランアン ホテル ホテル

クィニョンのランアンホテルの内部です。

慰霊碑巡りに疲れた身体に、安らぎを与えてくれた、静かなホテルでした。

翌日は、タンザンの慰霊碑を訪れた後、クィニョン空港に向かいます。

ランアン ホテル ホテル

クイニョンの北側にあるクィニョン空港の空港カウンターです。

今回は、ジェットスターの飛行機でホーチミンに移動します。

クイニョン空港 (UIH) 空港

クイニョン空港との名称ですが、場所は、プーキャットにあります。

クイニョンの市街地から北側にあります。

タンザンの慰霊碑の近くです。

ホーチミンの国内線のターミナルビルです。

ここから市内まで、バスで移動します。

時間がありますので、空港内のカフェで一休みします。

スターカフェ　(タンソンニャット空港） カフェ

ジェットスターの飛行機です。

国内線ですので、タラップで降りて移動します。

ホーチミン市内の統一会堂です。
旧大統領府の建物を利用しています。

統一会堂 建造物

ホーチミン市内のペンタイン市場です。

衣料品とコーヒーの安価な土産品を考えています。

ベンタイン市場 市場

この旅行記へのコメント （2）

• yeppoon_loverさん 2021/09/27 20:55:24

  こんばんは

  さいたまさん
  
  さいたまさんの日記、日記としてだけでなく、学びのため資料としても、大変価値のあるものばかりで、いつも興味深く拝見しています。
  
  私は、死ぬまでに、アウシュビッツに行っておくべきではないかと、常日頃より、考えています。
  アウシュビッツでは、嗚咽する人、その場で崩れてしまう人もいると聞いており、その場で自分がどんな反応をするのか、そこから何かを学ぶことができるのか、全く予想できませんが、行っておくべきと考えています。
  そのような思いを抱いている中で、こちらの日記を拝見し、Wikipediaを読んだり、画像検索をしてみました。
  しばらく、言葉が出ませんでした。
  
  大事なのは、ベタですが、起きた事実を直視し向き合うこと、そして、そこから学び、次に伝えること…それが本来の「未来志向」なのでは？と、改めて思いました。国家の単位でそれをするのは、大きな決断になるのでしょうが、アウシュビッツでは、ある程度、それができて、世界に認知され、人間が一歩前進したんだと思います。
  この日記に記された史実についても、それができるはず、いつになるか分かりませんが必ず来るそんな日のために、この日記が上梓されたのは、有意義なことだと、私は信じたいです。
  
  繰り返しになりますが、さいたまさんの日記は、何度も見返すことがあるため、これからも、おかしな足跡をたくさん付けるかもしれませんが、何卒、ご容赦ください。
  
  yeppoon_lover
  
  （勢いで綴っております、気付かないところでさいたまさんのお困りになることがありましたら、削除してくださって構いません）

  さいたまさん からの返信 2021/09/27 21:35:27

  起きた事実を理解し、向き合い、そこから学び、次に伝える努力

  yeppoon_loverさん
  
  ご連絡ありがとうございました。
  
  まさに、起きた事実を理解し、向き合い、そこから学び、次に伝える努力をすることが大事だと感じています。
  
  国家の立場で、それらの努力をすることこそ、それぞれ大事かもしれません。アウシュビッツには、行ったことがありませんが、書物で見たことがあります。
  ドイツでは、国家としてではなく、個人や党が実施したとして定義している点が気になっていますが、少なくとも事実を理解することは、前提かと思います。その後、次なる前進があるものだと信じています。
  まさに仰る通りです。
  
  事実について、次なる日が来るものと思います。もうすぐかもしれません。
  
  当方は、ご意見を頂くことで、困ることは、全くありません。
  旅行記を書く際には、各種の見解や、周辺環境、背景に関する事前の勉強こそ、とても大事だと考えています。