シニア夫婦2回目の北欧、バルト7カ国ゆっくり旅行25日　(27)コペンハーゲンを最後に楽しい旅が終わりました(10月13日)

2016/09/20 - 2016/10/14

2016年秋、羽田からスカンディナヴィア航空でコペンハーゲン経由オスロに到着し、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、エストニア、ラトヴィア、リトアニア、デンマークとヨーロッパ7カ国を訪問し、コペンハーゲンから羽田に帰って来ました。今回も絵画鑑賞が主な目的の再訪です。

旅程の概略です。
★ 9月20日 羽田からスカンディナヴィア航空でコペンハーゲン経由でオスロへ。オスロ泊。
★ 9月21~22日 オスロ泊。
★ 9月23~24日 ベルゲン泊。
★ 9月25日 フロム泊。
★ 9月26日 ベルゲン泊。
★ 9月27~28日 ストックホルム泊。
★ 9月29日 船中泊。
★ 9月30日~10月1日 ヘルシンキ泊。
★ 10月2~4日 タリン泊。
★ 10月5~7日 リガ泊。
★ 10月8~10日 ヴィルニュス泊。
★ 10月11~12日 コペンハーゲン泊。
★ 10月13日 コペンハーゲン空港からスカンディナヴィア航空で羽田へ。

この27回目の旅行記は、デンマークのコペンハーゲンを最後に北欧.バルトの旅を終了します。最後の日の午前中を利用して、街歩きと市庁舎の見学をしました。

エリア コペンハーゲン(デンマーク)

• 旅行の満足度: 4.5

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

今日を最後に北欧、バルトの旅を終了します。成田へのフライトは午後なので、午前中を町歩きに使いました。
これはスカンディック.パレス.ホテルの中庭です。ホテルの建物は100年の歴史があるそうです。

9時20分です。ホテルのフロントに「12時前には戻ります」と伝え、部屋はそのままにして最後の町歩きに出発しました。土産物の追加購入もしなければなりません。
北西に向いた市庁舎の正面を斜めから眺めています。この建物は、イタリアのシエナの市庁舎の建物から着想を得て、フィンランド.ロマンスと呼ばれる様式で1905年に建てられました。

これは、建物に沿って造られた正面玄関に通ずる特別通路を広場から隔てる欄干の端の彫刻です。子供達に預けた愛犬を思い出しました。

これは市庁舎の正面の中央にある、金色に装飾されたアブサロンの像です。アブサロンは12世紀のデンマークの政治家でありロスキルデの司教で、1178年から彼の死の1201年までルンドの大司教を務めたカトリック教会の高位聖職者でした。アブサロンの像の下にはベランダが付いていますが、その手摺りの細工も繊細です。

市庁舎前から広場の北東側を望んでいます。右にスカンディック.パレス.ホテル、その左で工事中の建物の左側からストロイエ通りが始まります。

同じ場所で反対方向、ヴェスターブロギャーゼ通りを望みます。左側のガラス壁面の建物はデンマーク産業連盟ビルです。通りの反対側の建物がガラスに綺麗に映っています。右側角には棒型寒暖計が付いた赤煉瓦のビルがあります。

市庁舎広場の西の角にあったブロンズ像です。小柄なラッパ手を、銃を持つ両手で抱える最下級の兵士を象ったそうです。

今日もストロイエ通りを歩いて行きます。左のガメルトーゥ広場と右のニュートーゥ広場のワン.ブロック手前です。右奥角の赤レンガの建物の1階の店は、今はフライング.タイガーという名のインテリア洋品店になっています。

上掲写真の赤煉瓦の建物の左側の建物はメトロポール.ビルディングと名が付き、衣料品店のニュー.ヨーカーが入っています。

通りの左側にある、昨日クリスマス飾りを買ったお土産屋さんです。可愛い兵隊さんのマークが目印しです。

こちらは通りの右側のアール.ヌーボー風の建物です。

広場に出ました。左側はガメルトーゥ広場で、昨日紹介したカリタスの噴水が見えます。

右側のニュートーゥ広場でストロイエ通りの角にある赤煉瓦に白い装飾柱を持つ建物で、ファサード上部の破風内の左にギリシャ神話の海神ネプチューンの装飾を見つけました。右の方はどの神なのかジジには分かりません。

広場を過ぎて更に歩いて行きます。通りの左側に衣料品のチェーン店の"ザラ"が見えます。旅行に行く度に各国のザラ店で孫達4人の衣服をお土産に買ってきましたが、今回はヘルシンキで買ったムーミンの商品が土産です。遠くに旧ニコライ教会の尖塔が見えています。

アマートゥ広場に来ました。旧ニコライ教会の尖塔が近くになりました。

百貨店イルムの新館入口です。この新館は旧館の手前、西側にあります。

更に土産物の購入のためイルムに入ります。朝が早いので客は疎らです。娘の婿さん二人にイタリア製のマフラーを買いました。以前、北欧製のセーターを買いましたが、直ぐに縮んでしまい使えなくなった経験があり、やはりイタリア製と言う事になりました。

百貨店のイルムを出てストロイエ通りを更に歩くと、前方で衣料品のチェーン店"H&M"の建物に立てられたこの塔を見つけました。"H&M"より手前のグッチの店の前から前上方を望遠レンズで撮影した写真です。裸の女性が猫のような動物を追い詰めているようです。

通りの左側にあったギネス世界記録博物館前です。入り口に立てられた人形は、既に故人ですが、世界一身長が高い人物、アメリカ人のロバート.ワドローさんです。22歳で1940年に亡くなった時の身長が272cmで、大きな靴は43cmだったそうです。このワドローさんの人形の紳士服の色は、時々塗り替えられているようです。

ストロイエ通りはコンゲンスニュートーゥ広場で終わり、この広場の東端にニューハウンが現れます。これは錨の記念碑で、第二次世界大戦中に海で命を落とした民間の船員を追悼するために設置されました。日本では三浦半島の観音崎の丘に戦没船員の碑があります。

ニューハウンの南西岸にあるシャーロッテンボー宮殿の北側の建物は、芸術ホール(Kunsthal)として1827年に建て直され、王立美術アカデミーの展示ギャラリーになっています。当初のシャーロッテンボー宮殿は1683年に建設されています。建物の外壁がボロギレで覆われています。美術館らしく、これも一つのモダン.アートの作品でしょうか。写真の右端遠くに王立劇場が見えています。

ニューハウンをその北の隅から眺めています。右側でボロを着た建物は芸術ホール.シャーロッテンボーの続きです。

錨の記念碑前から北西の方向を眺めています。左側に、1907 年に遡る石畳のコンゲンス.ニュートー広場の中央にある国王クリスチャン 5 世の騎馬像がありますが、その周りは工事中のようで仮設の壁で囲まれています。地下鉄の工事でしょうか。

上掲写真の正面にある建物を拡大しました。由緒ある建物のようです。

こちらもコンゲンス.ニュートー広場に面した５星のダングレテール.ホテルです。上掲の建物の左隣りになります。

ダングレテール.ホテルの前から南の方を望みます。左奥の古めかしいが重々しい形の建物は、百貨店のマガジン.ドゥ.ノルドです。

工事中のコンゲンス.ニュートー広場を囲む仮設の壁に設置された観光案内の看板です。"コペンハーゲンのオアシス"を案内しています。「どこに行こうか迷った方は、この円盤を回して探してみて下さい」と書かれています。
11時を過ぎました。そろそろ戻ります。最後に市庁舎の見学です。

ダングレテール.ホテルの南側からストロイエ通りに入ります。通りをワン.ブロック歩いて通りの右側に、このラールルンドと言う時計屋が入った建物を見つけました。繊細な彫刻で装飾された建物です。

ストロイエ通りで、この男性が何か大きなものを引っ張っています。

大きな物は、このホット.ドッグの移動店舗でした。男性は軽々と引っ張っていますが、この移動店舗には動力装置が付属しているのでしょう。

通りの右側に百貨店のイルムです。

イルムの本館入口です。入口両側のショー.ウィンドーは、アイフォン７の宣伝に使われています。

左にニュートーゥ(Nytorv)広場、右にガメルトーゥ(Gammeltorv)広場の手前に来ました。

ストロイエ通りを出て市庁舎広場に戻りました。この広場の工事は、新しい地下鉄の建設のようです。ここは市庁舎前の右側です。写真の左に見えるコヒー缶を斜めに立てたような建造物は、地下で開催されている「メトロの道」という名の展示会の入り口です。この展示会は、地下鉄工事の技術を紹介し工事の理解を深めるためだそうです。後方には、右にガラス壁面の産業連盟ビル、中央にチボリ公園のH.C. アンデルセン城が見えます。

これはホテル到着初日に部屋から写した写真ですが、この時は、上掲の構造物に気付きませんでした。

朝は入れなかった1905年完成の市庁舎に入りました。ここは玄関ホールで、大ホールへの入り口の上部ルネッタです。

上掲の写真の入り口の右側の柱の装飾です。大蛇が浮き彫りになっていて、頭はとび出ています。

高度な天文時計のイェンス.オルセンの世界時計です。この時計は、熟練した錠前技術者であったイェンス.オルセン(1872-1945)によって設計され、1943年から始まった製作にも参加しましたが、完成10年前に他界してしまいました。時計は12のムーブメントで構成され、15,448個の部品が使われています。時計は機械式で、週に1回巻く必要があります。表示には、時間に加えて、月食と日食、恒星体の位置、永久カレンダーが含まれます。最速の歯車は10秒ごとに1回転し、最も遅い歯車は25,753年毎に1回転するそうです。

右側の機械を拡大しました。上の文字盤は、デンマーク上空の現時点の星図と、ゆっくり25,753年を掛けて回る地球軸の歳差運動を示しています。歳差運動(さいさうんどう)とは、自転している物体の回転軸が、円をえがくように振れる現象です。左の文字盤は、地球を中心とした地心軌道を示しています。ここでは、太陽と月の日食、地球と月の間の距離、つまり後陣線と結び目線についての情報を得る事ができます。右の文字盤は、太陽の周りに惑星の水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星がある太陽系を示しています。下の文字盤には、天文学者が使うジュリアン期間を示しているそうです。

あまりにも美しかったので裏側の機構部分も撮影しました。モーターはないので、錘が動力源になっています。

こちらは左側の機械です。上の文字盤には均時差、コペンハーゲンの現地時間、実際の太陽時が表示されます。均時差とは、現地時間と実際の太陽時との時間差を意味します。現地時間は、通常使用される時間です。 実際の太陽時は、太陽に比例する地球の位置を表します。実際の太陽時の針が12を示すとき、太陽は子午線にあります。下段左側の文字盤は、地球上の任意の場所での時刻を示しています。右側の文字盤には、現地時間と実際の太陽時の両方に応じた日の出と日の入りの時刻が表示されます。文字盤には、昼と夜の長さを示す白黒のアーチ型のピースが装備されています。最下段にはグレゴリオ暦の年、曜日、日付、月が表示されます。

三つの機械は独立している訳ではなく、隣の機械に歯車が付いた回転棒などで繋がっています。

これは中央の機械です。上部の文字盤は12時間に分割されており、中央ヨーロッパ時間、グリニッジの東15°の時刻を時、分、秒で示しています。下にある永久カレンダーは5つの文字盤で構成されています。更にその下には、1年の12か月、曜日と日付、すべての月の満ち欠け、および計算されたイースター.サンデーを示すカレンダーがあります。

歯車だけではなく、滑車を通して何本もの細いロープが動力の伝達に使われています。

時計の部屋を出て3階までの吹き抜けのある大広間に入ります。玄関から入ると、横長の長方形になっている大広間の長手方向が正面に見えます。広間では気候変動に対するコペンハーゲンの活動を展示しているようです。

3階の横5連の窓を拡大しました。窓とその上の破風が空色のタイルで囲まれています。

アールヌーボー風デザインの洗面台が廊下にありました。

2階に上がります。建物の南側の階段で、その手摺りには華麗な装飾が施されています。

階段ホールの上方を見上げました。3階の天井が見えています。階段の裏側にも彫刻が施されています。

3階の階段ホールです。白い天井には、たくさんの鳥が浮き彫りで表現されています。正面のホール壁面は、彩色タイルを貼り付けた絵画で飾られています。

大広間の3階で短手方向の回廊から見下ろしています。左側の長手方向の中央に玄関からの入り口が見えています。回廊はコの字型になっていて、入り口から入った正面には回廊がありません。

大広間で回廊がない壁面です。3階の各窓の上の3角形の部分には、樹木を中央に置き両側に動物を配置した浮き彫りが見えます。この壁面の2階には、5個の窓を通したベランダがあります。

回廊がない3階の壁面には、この写真の右端に写っている窓が中央に5個並び、その両端はこの写真の左にあるようなヴェネツィア風の4つのアーチがあるテラスになっています。

前掲の写真の階段と異なり北側にある階段の3階ホールです。こちらは階段の壁面に絵が描かれています。牧歌的な草原から城郭都市を眺めています。この階段の上方には、市庁舎建物の塔があります。

こちらは階段の反対側の壁面です。港から見たコペンハーゲンのようです。

コペンハーゲンの港を拡大しました。この建物が1905年に完成していたとすると、当時は既に帆船時代は終わっていたので、これは古い絵画を模写したものでしょう。

階段の踊り場にある窓の上のルネッタの絵画です。皆さん、楽しく音楽を奏でているようです。

3階の階段ホールを振り返ります。階段の手摺りなどが南側の階段に比べあっさりしています。

市庁舎を出ました。スカンディック.パレス.ホテルの塔を見上げます。市庁舎の塔とは異なり時計は付いていません。その代わりモザイク画が描かれています。

ホテルの正面玄関です。12時5分前に戻りました。

ホテルのロビーにある階段です。

階段の近くに掲げてあった古い写真です。市庁舎広場に市電が走っています。

ホテルを12時半にチェック.アウトして、市庁舎前広場から往きと同じ 5A番のバスで飛行場へ出発です。

コペンハーゲン.カストロップ空港に着いて、北欧４カ国で購入した品物を一括免税手続きしました。午後3時からの搭乗時刻まで時間があるので、空港のSASラウンジで寛ぎます。ここも成田空港のKALのラウンジと同じように、品揃えが少なく不満足なサービスでした。

飾り付けだけは立派ですが......。

最後の土産としてワイン、チョコレート、化粧品を買い込んでゲート C28 に向かいます。帰りの便は、SK983で15時45分発、翌日9時35分成田着です。ワインは瓶ではなく、北欧の免税店だけで見かけた箱入りのワインです。

午後4時、ようやく駐機場から飛行機が動き出しました。

滑走開始です。飛行機は滑走路の南西から北東に向かって離陸します。雨は降っていませんが、天気は良くありません。

2000年に開通したスウェーデンのマルメとコペンハーゲンを結ぶオーレンス.リンクと呼ばれる16Kmの連絡路が見えます。コペンハーゲンから中央に見える人工島のペベルホルムまでは海底トンネルで、島からマルメまで海上路、オーレンス橋、海上路で繋がっています。デンマーク側の海底トンネルは自動車走行路と鉄道線路が横に並んで建設され、海上路や橋は自動車走行路の下に鉄道線路が造られています。これはヨーロッパ最長の鉄道、道路の海峡横断路になっています。

オーレンス.リンクは飛行機の右手に見えています。エンジンの左遠くに見えるのがペベルホルム人工島です。

靄の中に遠くオーレンス橋が見えています。船はこの橋の下も通れますが、ほとんどの船は海底トンネルになっている区間を航行するようです。

座席は22Hと22GのSAS-Plusです。飛び上がって40分、飲み物が運ばれてきました。

雲の上に出ると満月に近い月が見えました。

日没に近くなり空が赤く染まり始まりました。

午後5時半になり食事が運ばれてきました。しかしこの料理、美味しくはありませんでした。いつも利用するANAでは、日本食を注文して、暫く振りの味を楽しむのですが。

離陸して9時間、日本時間で10月14日午前8時半です。朝食は済ませました。後1時間で日本です。

午前9時半、成田空港に無事着陸しました。事故もなく25日の旅を終えることができました。次は、翌年2017年春の南欧の旅です。