2021/03/15 - 2021/03/15
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motogenさん
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小和田の駅から赤の吊橋までやって来た。
歩きにくい場所はあったけど、それほどのものではなかった。
ここは、小和田駅と塩沢集落のほぼ中間点だろう。
なんだ、この調子で歩けば楽々塩沢集落だ・・と思った。
ところがここからの山中に苦労した。
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 徒歩
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-
吊橋を超えると、上り坂がきつくなってきた。
-
崖を削って作ったと思われる細い道。
かなりの急こう配だ。
樹木があるので恐怖感は抑えられるが、足を滑らせれば命取り。 -
「この先、通行できません」の立て札。
無視して進めば、塩沢集落の北にある一軒家に通じるのだろうか? -
素直に案内警告を守って、急勾配の横道を選ぶ。
-
本当にきつい坂道だ。
数歩進んでは立ち止まり、数歩進んで立ち止まる。
こんなつもりじゃなかったよ・・とグチが出そう。 -
勾配がゆるくなったところで小休止。
気がつけば汗びっしょりだった。
ダウンなど着ている場合じゃないと、リュックにしまう。 -
谷の底から沢の音が聞こえてくる。
壊れかかった小屋があった。 -
トイレだった。
集落の人たちが行き交いした頃、使われたものだろうか?
野外で用を足すこともできる場所なんだけど・・ -
鉄塔が立っていた。
遠くの山肌に、米粒のような屋根がのぞいている。
まさか・・
あれが塩沢集落ではあるまい。
あの距離ならば、まだ1時間以上はかかってしまう。
-
とにかく進む。
それしかない。
崖に張りついた建物があった。
廃屋だ。 -
屋根はボロボロで草も生えている。
風雨にさらされた羽目板は腐り、今にも倒れそう。 -
道が崩壊していた。
コンクリがずれ落ち、かろうじて樹木に支えられいる。
慎重に足場を探して進むしかない。 -
おおっ、この傾斜は崖だ!
道も消えている。
四つん這いとなって這い登る。 -
またまた崩落現場。
もう使われていない道なんだろう。 -
と、頭上に建物を発見。
ガードレールらしきものもある。
ついに塩沢集落の道路に到着したようだ。 -
嬉しいことに、人が待っていてくれた。
ライダーお兄さんかと思ったら、自転車を抱えたチャリダーお兄さんだった。 -
大嵐駅からの道路を走って来て、これから小和田駅まで歩くと言う。
それも一人。
「逞しいなあ!」
孤独を楽しむお兄さんを、尊敬の眼差しで見送った。 -
この舗装された道路は大嵐駅や水窪駅に通じている。
集落の人々が車で移動できる道路だが、できたのはいつの頃だったんだろう?
で、集落はどこにあるのか? -
道路のすぐ上に「門谷区公民館」があった。
「門谷」は「かどや」と読むようだ。
裏に回ると、トイレのドアは解放されていた。 -
軒下に座ってコンビニ弁当を開く。
リュックに詰めて背負ってきた弁当が、やっと開封される時となった。
時刻は1時半を過ぎ、2時近く。
遅い、遅い昼食だ。 -
赤い吊り橋からの山道は、こんなコースをたどっていた。
塩沢集落は、数軒の家があるだけの限界集落。
今は道路が整備されて、大嵐駅からは15km、水窪駅からは20kmとなっているが、昔は私たちが歩いて来た小和田からの山道しかなかったという。 -
見上げると、白く細長い建物が見えた。
かなり上だ。
「どうする? 登る?」
「疲れたから、もうここでいい・・」
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ということで、ドローンに見て来てもらう。
急斜面に張り付く建物。
細長い建物は農業用の施設のようだ。
その建物に人が働いている気配があった。 -
隣の家も大きくて、母屋、長屋、倉庫、作業小屋で構成されている。
昔からの農家ならではたたずまいだ。
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滑り落ちてしまわないかと心配になる家屋もある。
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天竜川も見える。
私たちはあの川から歩いて来たのだ。 -
集落は、家屋が一か所に集まっているのではなく、離れ離れになっているようだ。
遠くにもポツンと屋根が見える。
昔はまだまだたくさんの家々があったのだろう。 -
文字通りの天空の集落。
陸の孤島とも言える地域で、自給自足に近い生活を続けていた時代があった。
今のような消費時代、貨幣時代となったのは、最近のことだ。
手間暇かけずに簡単にサービスを買う私とは、人間そのものが違った時代があったことを、考えさせてくれる景色だった。 -
公民館のすぐ下にも民家があった。
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廃校となった門谷小学校(分校)の所在を尋ねてみた。
その廃校跡は、秘境探訪のスポットになっている。
廃校跡は大嵐駅に行く途中にあり、歩いては行けそうにない距離があった。
昔の子供は舗装道路でなく、険しい山道を歩いて通ったという。 -
ライダーお兄さんと会えなかったのは残念だけど、帰りの電車に間に合うよう、来た道を戻ることにした。
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小和田駅まで戻ってきて、駅舎の下の茶工場を見学する。
この荒れ果てた建物が茶工場で、製茶工場廃虚跡 名所・史跡
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その隣が、家族が生活していた母屋のようだ。
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茶工場の中はメチャメチャに散らかり、
茶葉を蒸したり、乾かしたり、挽いたりした機械類が、無残な姿となっている。 -
天井にベルトを回す装置が残っていた。
昔の工場は、ベルトを介して機械が動かしていたのだ。
ほこりの舞い散る当時の空気、音、臭い、そんなものが漂ってくるようで、懐かしさが膨らんだ。 -
母屋にも、当時の生活がそのまま残っているようだった。
ここに住んでいた家族は、あわただしく去って行ったんだろうか? -
駅にあった記念ノートに書き込んでみる。
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本箱には、雅子様の御婚姻当時のものも保存されていた。
いたずら書きもあれば、真面目な文章もある。
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大嵐駅行きの電車がやって来た。
名残惜しさをそっとここに置いて、電車に乗る。
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