2021/03/15 - 2021/03/15
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motogenさん
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小和田駅方面に向かう電車がやって来た。
地方鉄道はディーゼルが一般的なのに、飯田線は電気で走っている。
乗客は少ないはずなのに2両編成だ。
飯田線に乗るのは初めてなので、興奮気味に電車が近づくのを待った。
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- JRローカル 徒歩
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電車が止まった。
ボタンを押してドアを開けることを聞いている。
しかしボタンを押しても開かない。
焦って何度も押しまくると、なんとなく開いた。大嵐駅 駅
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ライダーお兄さんが手を振って見送ってくれる。
「バイクで塩沢集落に向かってみるから、もしかしたら向こうで会えるかもね・・」
の言葉に喜んで、手を振り返す。 -
前方の景色を堪能しようと、電車の先頭に立った。
ところがすぐにトンネルに入って真っ暗。
出るとまたトンネル、トンネル、トンネル。
ここにいても意味がなかった。 -
車掌さんがやって来て、切符を売ってくれた。
往復切符を買っておく。
片道150円だった。
-
トンネルとトンネルの間に、数秒見える天竜川(ダム湖)の景色。
おっ!
船が浮かんでいる。 -
トンネルを抜けると小和田駅だった。
ホームに若者たちがいる。
平日なのに何?
小和田伝説はまだ生きていたのか? -
若者たちが乗り込んだ電車が発車して行く。
ホームの先は、またしてもトンネルだ。 -
ここは静岡県と愛知県と長野県の県境地域。
-
電車が去ったホームには、私たちだけ。
もう一人降りた人がいた気がするが、その人はどこに行ってしまったのか?
駅舎に向かうと、トンネルの中に光るものが・・小和田駅 駅
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見つめていると、保守点検の鉄道員たちが現れた。
-
駅舎に入る。
誰もいない小さな駅舎。
観光スポットとして賑わった時代の名残が残っている。 -
婚礼の写真が飾られていた。
雅子様にあやかって、ここで式をあげたカップルたちだ。
「何だかなぁ・・」
小和田の名前が付くだけで、ブームを引き起こすとは・・
世間というものは、浮ついたものだ・・
と思ってしまう。 -
それよりも、道路も民家も何もないこんな場所に、なぜ駅がぽつんと存在しているのか?
捨てられたスーパーカブが放置されている。
ここはまぎれもなく秘境駅そのもので、この駅の歴史にスポットが当たるなら理解できるが、名前にスポットが当たるとは。 -
急斜面な山と天竜川のわずかな隙間に建っている駅。
しかし以前には、この下に集落があったのだ。
小和田集落。
-
その集落はこのダム湖の底にある。
諏訪から下ってくる筏(イカダ)の中継地点となり、水窪と豊根との分岐点として栄えていた集落だった。
元祖の小和田駅もこの下にあった。 -
当時の様子を調べたり、日本や郷土の歴史に思いを巡らす方が、「愛」だ「恋愛成就」だ「ラブストーリー」だなどと言って騒ぐより、よっぽど浪漫があるではないか。
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「世間というものは、分からないものだ。」
と愚痴りながら、
「自分がこの駅を知ったのは、そういったブームがあったからかも・・」
とも考えるのだった。 -
休憩所がある。
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その中に「愛のベンチ」が置かれている。
見ないことにして立ち去る。 -
道、と言っても歩けるだけの細い道が、川に向かっている。
道はこれ1本だけ。
迷うことはない。
真下に屋根が見える。 -
廃屋となってしまった茶工場だった。
見学は後にして、塩沢集落に向かう。
帰りの電車を考えると、ここに滞在できるのは4時間半ほど。
https://youtu.be/eFatF2D51YQ
製茶工場廃虚跡 名所・史跡
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塩沢集落まではおよそ3km。
時間にして45分となっているが、私たちの足では少なくて1時間以上かかるだろう。 -
川に沿って歩いて行く。
気持の良い道。
なんと舗装までしてあるではないか。
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昔懐かしオート三輪が転がっている。
あ~あ~・・こんな姿になって!
自分の育った時代が、この姿と重なって見える。 -
どこかで滝の音がする。
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やっぱり滝だった。
いつの間にか、滝が下に見えるほどの高さまで登っていた。 -
クマ注意の警告だ。
声で出しながら歩こう。 -
落石がガードを押し曲げている。
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沢があった。
それをまたぐ橋もある。 -
「この先・高瀬橋・通行不可」の看板。
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高瀬橋は佐久間ダムのできる以前の吊橋で、今は崩壊していると聞く。
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看板の上には民家が建っていた。
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下には放置されっぱなしのバイク。
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民家は廃屋となっているらしい。
そんなに傷んではいない。
小和田集落で、最後まで頑張った家族の家だったんだろうか。 -
道は、崖に張り出した構造物となった。
頼りない鉄網だ。
下を見ないでそっと歩く。 -
その続きは、ここで
「崩土のため通行できません」
となっていた。 -
迂回路は崖下だ。
迂回路といっても道はない。 -
地滑りするような谷底に降りていく。
苔蒸した倒木が緑色をしている。 -
崖の上に崩落現場が見える。
多分、復旧工事は行われないだろう。 -
渓流に沿って谷底を歩くと、赤い吊り橋が見えてきた。
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橋に向かって崖を登る。
このような崖登り、最近の私たちは平気になっている。 -
この橋の踏板は、鉄の網でできていた。
下が丸見えで、くらくらしてしまう。 -
下を向かずに正面を見つめ、橋が揺れないように静かに渡った。
ここ数年で、私はずいぶん成長したものだ。
やらなくてはならない時には、度胸を決めて頑張れる。
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