2020/09/24 - 2020/09/24
3位(同エリア108件中)
かっちんさん
「みちのく潮風トレイル」は、青森県八戸市から福島県相馬市までの太平洋沿岸をつなぐロングトレイルです。
中でも普代村南部~田野畑村~岩泉北部の「海のアルプス編」は、歩行可能なギリギリまで崖下の海岸線を歩くコースになっています。
北三陸の北緯40度に位置する普代村の黒崎は、150~200mにおよぶ断崖がほぼ垂直に海に落ち込む、荒々しい景観が印象的な景勝地です。
崖の下には波打ち際を歩く「ネダリ浜自然歩道」が黒崎漁港からネダリ浜まで整備され、太平洋の荒波とリアス式海岸の景観を楽しみながら散策ができます。
今日は東京駅を朝一の東北新幹線で出発し、二戸駅から久慈駅まで内陸部を横断するJRバス「スワロー号」に乗ります。
久慈駅からは三陸鉄道を南下し普代駅で下車。黒崎漁港までタクシーで移動し、風光明媚な「ネダリ浜自然歩道」を歩きます。
なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・JRバス東北HP
・きてきて久慈市「久慈渓流」
・三陸鉄道HP
・野田村観光協会「大唐の倉」
・日本の郷文化「普代村の名産物」
・十穀おむすびといっしょに。-二代目日記「野田村リベンジ&普代駅の猫駅長」
・ポケモンマンホール「タテトプス、岩手県普代村」
・みちのく潮風トレイルHP
・普代村「北緯40度の地球村「黒崎めぐり」」
・三陸ジオパーク、北部エリアの見どころ「ちょっと専門的なお話 北部エリアのジオ」
・ジオパークガイド「普代村」
・THE MEDIA、北三陸ジオヒストリー「北三陸普代村「ネダリ浜自然歩道」~みちのく潮風トレイルロード」
・森林総合研究所多摩森林科学園「ガマズミミケフシタマバエの成虫」
・この花の名前なんていうの?「両陛下と被災地を結んだ白い花 -ハマギク-」
・国立博物館「ダキバヒメアザミ」
・NHKみんなの趣味の園芸「ダイモンジソウ」
・松江の花図鑑「クサギ」
・きのこ迷写真館「キノコ写真一覧」
・きのこらぼ、きのこアルバム「ニオイコベニタケ」
・山と自然の旅、きのこ図鑑「ツブエノシメジ」
・ウィキペディア「二戸駅」「二戸市」「付加体」
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 高速・路線バス 新幹線 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
首都圏から久慈への最短ルート
東北新幹線二戸駅からJRバスで内陸部を横断すると、三陸海岸の久慈へ早く行けます。
八戸駅・八戸線経由より距離が短く、早いルートです。
今日は久慈駅から三陸鉄道で普代駅まで南下し、黒崎海岸の「みちのく潮風トレイル」を散策します。 -
久慈行きの「スワロー号」(二戸駅前)
二戸~久慈間はJRバスで1時間10分(1570円)。
さらに、大人の休日倶楽部パスを有効期間中に提示すると、10%割引が受けられます。
東京6:32発の「はやぶさ1号」に乗ると、二戸からJRバスを利用し久慈駅に10:30に到着できます。
八戸駅・八戸線まわりだと久慈駅に11:46着なので、その差が歴然としています。 -
「北福岡」の地名(町中心部の車窓)
二戸駅は明治24年(1891)に「福岡駅」として開業し、大正10年(1921)に「北福岡駅」に改称。
昭和62年(1987)には「二戸駅」に改称されました。
現在、町の中心部は「二戸市福岡」。この運送会社の名前は昭和にあった「北福岡」なので、懐かしく思いました。 -
小学校だった建物かな(車窓)
バスは岩手県道24号(二戸九戸線)を走っています。 -
田園地帯(九戸村の車窓)
九戸(くのへ)に入ります。 -
道の駅おりつめ(九戸村の車窓)
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冬に活躍する除雪車(戸呂町の車窓)
久慈市山形町戸呂町(へろまち)を走っています。 -
変化に富んだ渓谷美の「久慈渓流」(車窓)
国道281号沿いを流れる「久慈渓流」です。 -
三陸鉄道「久慈駅」に到着
久慈~宮古~釜石~盛163kmを南北に結ぶ三陸鉄道。
「久慈駅」は「北の玄関駅」であり、JR八戸線との接続駅です。 -
大漁旗で飾る跨線橋(久慈駅)
漁業の町ですね。 -
三陸鉄道 釜石行き(久慈駅)
紫色の「36-R3」車両は、2014年に旧南リアス線用としてクウェートからの支援を受けた新型車両。 -
レトロ調の車内(三陸鉄道)
オールクロスシートに大きな窓、シートピッチを広くとった大型テーブルなど、三陸の車窓を見ながら楽しめる観光列車です。 -
発車のお見送り(久慈駅)
女性社員が大漁旗を振り、お見送りしてくれます。 -
イチオシ
三陸の「うに弁当」(車内)
久慈駅で買った1日20食限定の「うに弁当」(1,570円)を早速いただきます。
三陸のうにの美味しさを丸ごと味わえるように、うにの殻に入っている汁と身を一緒にご飯にまぜて焚き込んでいます。
1食につき5~6個分のうにが使われています。
うに漁の解禁は4月から夏にかけて。でも、蒸したものを保存しているので、1年を通じて味わえます。 -
秋の気配「風にたなびくススキ」(陸中野田付近)
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縞模様の断崖と防潮堤の水門(陸中野田付近)
陸中野田駅を過ぎると野田漁港に突き出た高さ約50mの断崖「大唐の倉(だいとうのくら)」が見えます。
従来の堤防高は海抜7.8mでしたが、東日本大震災後の新たな復旧堤防高は海抜14mになっています。 -
波の荒々しい「玉川海岸」(野田玉川付近)
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「安家川橋梁」からの眺め(山側の車窓)
安家川(あっかがわ)河口に架けられた高さ約40mの三陸鉄道「安家川橋梁」からは見晴しがよく、列車が一時停車してくれます。
山側に現在建設中の「三陸沿岸道路(三陸縦貫道)」と、その下に安家川と鮭のふ化場が見えます。 -
海側の車窓(安家川橋梁から)
奇岩が多く、海岸沿いに「えぼし岩」があります。 -
あまちゃんのロケ地「袖ヶ浜駅」(堀内駅)
2013年上期のNHK連続テレビ小説「あまちゃん」では、ウニ丼の販売や主人公アキと親友ユイの出会い、別れなど、数々のシーンが撮影された堀内駅(ほりないえき)です。 -
イチオシ
模擬運転台(車内)
左側の運転士の操作にあわせて、右側の模擬運転台で操作すると運転士になった気分になります。 -
列車から眺める海の絶景(車窓)
堀内駅を出発し、しばらくして列車が「大沢橋梁」で一時停車してくれます。 -
列車のお見送り(普代駅)
「みちのく潮風トレイル」の最寄り駅「普代駅(ふだいえき)」で列車を降ります。
この駅は国鉄久慈線(1975年開業)の終着駅だったところです。 -
「大漁だ 普代の海だ」(普代駅前)
普代駅と併設しているアンテナショップ「あいで」の前にある木彫りのモニュメント「ネコが担ぐ普代のカツオ」。
普代村の黒崎沖は三陸漁場の心臓部といわれ、資源の豊富な漁場として知られています。
村には漁港が6ヶ所あり「太田名部漁港」が水揚げの中心港。
秋鮭、サバ、イワシ、マグロ、スルメイカ、サンマ、カツオ、他・・・なんでも獲れます。
「黒崎荘」は太平洋が一望できる普代村の国民宿舎。
真ん中にいるネコはどうやら普代駅の駅長ネコのようです。 -
ポケモンマンホール「タテトプス」(普代駅前)
背景の「普代水門」は、過去の津波の教訓で建設された東北最大の巨大水門です。 -
普代村の案内図
「みちのく潮風トレイル」は黒崎漁港から海岸沿いにネダリ浜を経由し、国民宿舎くろさき荘までの遊歩道です。
黒崎漁港までは村営バスがあるのですが、午前中はバスがない時間帯なのでタクシーを利用します。 -
「普代水門」(タクシーからの眺め)
昭和59年(1984)に完成した水門は、一般的な防潮堤の高さ10m前後よりも高い15.5mでした。
3.11津波ではこの巨大な水門が機能し、被災地で唯一住宅被害がありませんでした。 -
黒崎漁港入口に到着
「黒崎前浜」バス停のあたりでタクシーを降ります。
青い線がトレイルの遊歩道。
赤い線は高波時の迂回路(車道)です。 -
ガマズミの実(黒崎漁港)
赤いガマズミの実の中に、薄緑色の丸い実があります。
これは「ガマズミミケフシ」というもので、「ガマズミミケフシタマバエ」の卵がガマズミの実に寄生すると、赤くなるはずの実が毛の生えた薄緑色の丸い実になるのです。 -
イチオシ
ハマギク(黒崎漁港)
三陸海岸に自生している「ハマギク」。
海岸近くに生育するため、葉が肉厚になっています。
マーガレットなどに似ていますが、葉の形で見分けられます。 -
黒崎漁港
「黒崎前浜」バス停から坂道を漁港へ下りてきました。 -
「みちのく潮風トレイル」の案内板(黒崎漁港)
黒崎漁港から海岸沿いを歩き「ネダリ浜」まで0.7km、さらに山道を登り「黒崎展望台」まで1.5km、「国民宿舎くろさき荘」まで1.9kmです。 -
トレイル入口(黒崎漁港)
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イチオシ
断崖絶壁の下につくられた自然歩道(トレイル)
黒崎漁港からネダリ浜までは「ネダリ浜自然歩道」と呼ばれています。 -
波打ち際を歩く自然歩道(トレイル)
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岩にぶつかる波しぶき(自然歩道)
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垂直の崖下で波打ち際の道を歩いています(自然歩道)
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打ち寄せる波の泡(自然歩道)
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岩壁に沿った道(自然歩道)
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縞模様の岩(自然歩道)
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荒々しい波(自然歩道)
明日低気圧が接近するので、今日は少し波が高く、大波が来ない瞬間に通り抜けます。 -
松の木の生えた島(自然歩道)
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イチオシ
あれっ、この先に道がない(自然歩道)
でも大丈夫。小さなトンネルがあります。 -
トンネルに続く道(自然歩道)
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縦縞模様の岩(自然歩道)
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イチオシ
風光明媚な三陸海岸(自然歩道)
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崖にへばりつく「ハマギク」(自然歩道)
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太平洋の海原(自然歩道)
北側の遠くに見える平らな台地は、久慈市の三崎半島。 -
ドリルで掘られたトンネル(自然歩道)
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まもなくトンネル出口(自然歩道)
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穏やかな海「ネダリ浜」(自然歩道)
トンネルを抜けると視界が開け、今までとは違う入り江の「ネダリ浜」が現れます。
防波堤があるので、海が穏やかに見えます。
黒崎漁港から「ネダリ浜」まで0.7kmを歩いてきました。
「ネダリ」の語源はアイヌ語の「ネッ・タオル」から「ネタオル」となり、その意味は「流木溜まりの・高岸の所」という説があります。 -
砂浜の海岸(ネダリ浜)
砂粒が大きく、歩きにくい砂浜です。 -
おむすび山(ネダリ浜)
消波ブロックが長い年月を経て、おむすびのような形になっています。 -
イチオシ
ネタリ浜に浮かぶ美しい「白い島」
「白い島」はチャート(古い時代の堆積岩)が風化・白化した島です。
手前のこげ茶の断崖下では、複雑に褶曲したジュラ紀(約1億4500万年~2億100万年前)「付加体」の文様が観察できます。
「付加体」とは海洋プレートが海溝で大陸プレートの下に沈み込む際に、海洋プレートの上の堆積物がはぎ取られ、陸側に付加したものです。 -
崖から落ちる滝(ネダリ浜)
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ネダリ浜の管理人(ネダリ浜)
ネダリ浜休憩所の窓から海を監視しているようです(笑) -
ネダリ浜~黒崎までの案内図
「みちのく潮風トレイル」のネダリ浜から先は、黒崎展望台(0.7km)まで急な階段と山道で続いています。(地図上、北山崎自然遊歩道)
この日は階段が滑りやすくなっていたため、迂回路(1.6km)の車道を通り、「北緯40度観光休憩ハウス」へ向かうことにします。 -
黒崎展望台への急な階段(ネダリ浜)
階段を少し上がってみましたが、滑るのでやめます。 -
「ダイモンジソウ」(迂回路)
車道ですが、道端に山野草が咲いています。
「ダイモンジソウ」は日陰がちの湿った岩場や渓谷の岩上に生える多年草。
名の由来は花の形が「大」の字に似ることからきています。 -
「クサギ」(迂回路)
濃紅色のガクは深裂して星状に開き、中央に藍色の熟した果実をのせています。 -
「ノギク」(迂回路)
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美しい「ミズヒキ」(迂回路)
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こっそり顔を出す「ツブエノシメジ」(迂回路)
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「シナノキの実」(迂回路)
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大きな「ススズメバチの巣」(迂回路)
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「サルトリイバラ」(迂回路)
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「ダキバヒメアザミ」(迂回路)
青森県、岩手県から新潟県に分布し、中型の頭花が上向きに咲きます。 -
黒崎灯台のモニュメント
迂回路の終点「北緯40度東端の地 黒崎」に到着。
この後、北山崎と黒崎周辺を訪れたので、次回旅行記で紹介します。
ネダリ浜自然歩道は、垂直の崖下の波打ち際を歩くので、臨場感がある景観を楽しめます。
ただし、高波の来ない日にしか歩けないので、天気を調べてから訪れる必要があります。
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この旅行記へのコメント (2)
-
- fuzzさん 2020/12/30 12:23:50
- 久慈
- かっちんさん、こんにちは!
久慈市は岩手県でも北に位置しますので、同じ海でも宮古以南の海水浴場とは違う荒々しさを感じますよね。
海の色も、どちらかと言えば北海道の様に暗い色ですし。
おそらく100キロ位しか北上していないのに、宮古の海とは別物みたいな風景。
私は県内に住んでいますが、実は岩手の事をよく知らないで暮らしています。
こうして、県外からお越しの方の旅行記などで改めて知ることが多いです。
ありがとうございました。
やっと年末ですね。
今年は、お世辞にも良い年とは言えませんでした。来年は経済が右肩上がりでコロナが右肩下がりになります様に。
来年も宜しくお願い致します。
fuzz
- かっちんさん からの返信 2020/12/30 14:41:01
- Re: 久慈
- fuzzさん
こんにちは。
また岩手をお邪魔しています。
久慈と宮古の景色は確かに違いますね。どちらも好きです。
今年はコロナで出かけるのに気をつかいました。
来年はお互いにいい年でありますように。
かっちん
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