2020/11/06 - 2020/11/07
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ブリッヂ・トレック(橋梁旅行)さん
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この旅行記のスケジュール
2020/11/06
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村山橋
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子安橋
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長野電鉄屋代線 鮎川橋梁
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半過洞門
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上田電鉄 千曲川橋梁
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りんどう橋
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布下橋
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大杭橋
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中津橋
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上田ローマン橋
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昭和橋
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両郡橋
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JR信越本線 犀川橋梁
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長野電鉄 松川橋梁のトラス
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JR大糸線 女鳥羽川橋梁
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この旅行記スケジュールを元に
長野に用事があり、ついでに千曲川水系の橋等を観てきました。
日本一長い川信濃川は、長野県内では千曲川と呼ばれていますが、千曲川と言えば昨年(2019年)全国で105名もの命を奪った台風19号により、各所で堤防が決壊。床上浸水や新幹線の車両基地が冠水する等、甚大な被害を及ぼしたのは記憶に新しい所です。『令和元年東日本台風』とも命名されたこの台風は、上田電鉄千曲川橋梁等にも被害を与え、今尚その爪痕が残っています。今回は予想される武漢肺炎の感染拡大による外出自粛要請が出る前に、台風被災橋の現状や保存されている古橋等を中心に観て廻りました。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 3.5
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- レンタカー JR特急 JRローカル 徒歩
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名古屋から特急しなのに乗車♪
長野駅で降り、いつものようにレンタカーで観て廻ります。長野駅 (JR東日本) 駅
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今回信濃路フリーきっぷを初めて使いました。残念ながら用事があってフリー区間はほとんど使用しませんでしたが、往復特急に乗るだけでほとんど元が取れ、フリー区間も付いて3日間有効、一部のバスにも乗れるお得な切符です。ですが、中国産武漢肺炎による旅客減少対策として他社が打ち出しているお得きっぷには遠く及びません。巨大安定財源の東海道新幹線を抱えているとは言え、もう少し勉強して貰いたいです。
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【村山橋】
2004年(平成16年)道路上り線竣工、2008年(平成20年)道路下り線竣工、2009年(平成21年)鉄道が新橋へ切替、下路ワーレントラス橋他。
いきなりですが、鉄道道路併用橋です♪ -
【村山橋メモリアルパーク】
右岸に旧橋の親柱やトラス等の一部が保存・展示されています。 -
下路プラットトラスだった旧橋の写真も展示されていました。
川幅800mを超える千曲川への架橋は地方鉄道には大きな負担であった為、長野電鉄が長野県に共同架橋を提案!、1926年(大正15年)に竣工した旧橋も鉄道道路併用橋です。 -
軌道は驚きのフローティングラダー!橋梁前後もバラストラダー軌道になっています。
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【子安橋】
1933年(昭和8年)竣工、上路曲弦プラットトラス橋。
千曲川水系の柞沢川(たらさわ)に架かる橋です。 -
イチオシ
インヴァース(上下逆転)形の上路曲弦トラスは、国内では本橋と山梨の梁川橋の2例しか知られていないようです。
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【長野電鉄屋代線 鮎川橋梁】
1922年(大正11年)河東鉄道が架橋、上路プレートガーダー橋。
屋代線は2012年(平成24年)に廃止された路線です。この橋は現地に残っていました。屋代線の橋梁は結構残っているようなので、じっくり観て廻るのもよさそうです。 -
イチオシ
英国クリーブランド社の銘板も残っていました!
THE CLEVELAND BRIDGE AND ENGINEERING CO.LTD
CTK 1897
DARLINGTON
ENGLAND
と読めます。CTKは1898年創業の中国鉄道(現津山線・吉備線)と思われ、岡山から長野へ移設された桁のようです。
宿公式サイトから予約できる“注目ホテル” -
【半過洞門】(半過隧道)(はんが)
1956年(昭和31年)竣工、1996年(平成8年)廃止。
千曲川の侵食によって出来た、「半過岩鼻」と呼ばれる断崖絶壁の下部に造られています。北側は断崖をくり抜いたのか隧道の扁額、南側には洞門の扁額が付いていました。 -
奥の方の柱は斜めにひびが入るせん断破壊を起こしているのが見えます。廃止の原因となった断崖の大崩壊が直撃してできたのかも知れません。通り抜けず引き返すのが賢明です。
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【上田電鉄 千曲川橋梁】
1924年(大正13年)竣工、下路プラットトラス橋。
両端にコリジョンストラットが付いているのが特徴的です。 -
この橋は台風19号による増水により、左岸橋台が流失し橋桁も落ちました。
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台風19号は広い範囲で記録的な大雨が降り、千曲川を含め全国で140もの地点で堤防を決壊させました。台風の威力の凄まじさを改めて思い知らされます。
出典:台風19号の被災状況と今後の対応について/国土交通省 -
こちらが落橋時の写真。
橋台を含め左岸がごっそり削り取られています。かろうじて堤防が残った為、ここからの浸水等の被害はなかったようです。
出典:Wikipedia -
イチオシ
私が行った際は橋台新設は完了、護岸工事が絶賛施工中でした。渇水期に入る11月から橋桁の復旧工事に着手し、来年3月の全線再開を目指しているようです。橋桁は付近には見当たりませんでしたが、分解・修復或いは補強の上、再度組み立てて使用されるとのことです。一日も早い復旧を祈念します。
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【北陸新幹線 第二千曲川橋梁】(上田ハープ橋)
1996年(平成8年)竣工、2径間連続PC斜張橋。
【土木学会田中賞受賞】上田ハープ橋 名所・史跡
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新幹線初のPC斜張橋です。近年はたわみの少ないエクストラドーズド橋が多用されており、背の高い斜張橋は新幹線に於いて今後貴重な存在になるかも知れません。
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イチオシ
【りんどう橋】
トラスは1891~1901年(明治24~明治34年)独ハーコート社製、2007年(平成19年)竣工、下路ボーストリングトラス橋他。
千曲川水系の内村川に架かる橋。
九州鉄道が購入・架設の後、丸子鉄道丸子線千曲川橋梁へ移設。上田丸子鉄道廃止後はそのまま道路橋(大石橋)に転用された後、台風で被災。残った桁2連から良好な部材を選んで1連をここへ移設し、供用・展示という凄まじい経歴を持っています。 -
『A.H.A.V.』ドイツのAachener Hütten Aktien Verein社製を表す刻印が鋼材に残っています。
2連に各1本づつ使われていた、八幡製鉄所の鋼材もありました。
松尾橋梁により補強の為に追加された部材には「2007Matsuo」と刻まれ、後年の識別に配慮しているそうです。橋梁保存の理想的な姿として、これからも末永く供用保存されるといいですね。 -
【布下橋】
1966年(昭和41年)竣工、下路ワーレントラス橋。
こちらも台風19号の被災橋。 -
橋そのものは桁も橋脚・橋台も健在ですが、橋台裏がそっくり流され、橋台が橋脚のように丸出しになっています。改めて被災時の増水の凄まじさを感じる光景。
ここは川幅が広いので、川幅の狭い下流に橋を再建する方針のようです。 -
【大杭橋】
1919年(大正8年)竣工、1981年(昭和56年)大規模改修、トラス補剛吊橋他。
左奥の方に、杭を橋脚に利用したパイルベント式橋脚が見えます。近年はあまり見掛けなくなりました。 -
木製床版の老朽化等で、2017年(平成29年)頃から通行止めになっていましたが、こちらも台風19号に伴う増水により、側径間のパイルベント式橋脚3基が折損、桁も流失しました。柵のような折れた橋脚が下流に倒れているのが見えます。以前から通行止めになっていた事もあり、こちらはどうやら復旧しないようです。
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【中津橋】
1932年(昭和7年)竣工、上路カンチレバートラス橋。
上流側に歩行者用の側道橋が架設されています。 -
明るく見えますが、真っ暗な中で撮っています。秋冬は藪の草木が枯れて橋を観るには良い季節ですが、日没が早いので観られる件数はどうしても減ってしまうのが難点です。
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【小諸駅 油庫】
1909年(明治42年)築。
油類を保管する倉庫。ピンぼけですみません、横着して三脚を使いませんでした。停車場ガーデン(小諸市民ガーデン) テーマパーク
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イチオシ
【上田ローマン橋】
1995年(平成7年)竣工、RC20径間連続アーチ橋。
千曲川水系の神川に架かる、上信越自動車道の橋です。 -
充腹アーチ17径間は径間数国内最大!
建設時は神川橋という名でしたが、古代ローマ時代に架設されたガール水道橋に似ているとの事で、名前が変えられました。
既に真っ暗なので、宿で休みます。 -
【昭和橋】
1937年(昭和12年)竣工、RCローゼ橋。
早朝に宿を出発。補強工事の施工中です。
雲行きが怪しくなってきました。
【土木学会選奨土木遺産】 -
時間に余裕があれば前日の内に、同じく中島武氏設計の栄橋も観たかったのですが、諦めました。
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【東京電力 小田切ダム】
1954年(昭和29年)竣工、重力式コンクリートダム。
千曲川水系の犀川へ移動。下流の橋に向かって急激に川幅が狭くなっています。 -
【両郡橋】
1994年(平成6年)竣工、単径間他碇式PC斜張橋。
旧更級郡と旧水内郡との境に架けられた橋。重力式アンカレイジは対岸の法面にアースアンカーで固定されています。 -
下路曲弦ワーレントラス橋だった1931年(昭和6年)竣工の旧橋は、一部が保存・展示されていました。
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【両郡橋側道橋】
1995年(平成7年)竣工、単径間斜張橋。
こちらもダム直下への橋脚設置を回避する為、単径間斜張橋を採用しています。この橋の下流側すぐ脇に旧橋の橋台も残っています。 -
橋の下流側右岸には何やら隧道のような穴や平らな所が続いています。ひょっとしたら旧道の痕跡かもしれません。
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【信越本線 犀川橋梁】
上り線1957年(昭和32年)下り線翌年竣工、下路曲弦プラットトラス橋+3径間連続下路ワーレントラス橋+上路プレートガーダー橋。 -
プラットトラスは上下線共に旧橋下り線からの移設で、1919年(大正8年)川崎造船所製作の古い桁が使われています。右岸から観るべきでした・・・
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【長野電鉄長野線 旧松川橋梁のトラス】
1923年(大正12年)開通、1990年(平成2年)撤去、下路ポニートラス橋(ピン結合)。
以前観てきた岐阜県の油皆洞橋と同じ、英国製100ft錬鉄トラスです。こちらはアールを描いた横桁が切り詰められる事なく原状を保っている貴重な物。直富商事という廃棄物処理会社が引き取って保存。いち企業が橋梁を保存するというのは、中々有り難い事です。感謝。 -
【長野電鉄ED502】
以前は小布施駅構内のながでん電車の広場で保存されていたそうです。橋に屋根を掛けるのは無理としても、せめて塗装塗替えをお願いしたい所。 -
【DD16 301】(ラッセルヘッドのみ)
残念ながら本社総務部がお休みとの事で敷地内には入らせて戴けませんでした。事前に連絡した方が良さそうですが、どの道フェンスが邪魔でスッキリと撮影するのは難しそうです。
レンタカーを返却し帰路に着きます。 -
【姥捨駅】(おばすて)
1900年(明治33年)開業。
最大25‰の勾配の途中に設けられたスイッチバック方式の駅。左端に本線が走っています。ホームからの眺めは、根室本線の狩勝峠・肥薩線の矢岳駅と共に日本三大車窓に数えられていました。(狩勝峠はルート変更により脱落)姨捨駅 駅
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【橋桁】
西条駅の脇に下路プレートガーダー橋と思しき橋桁が分解して保管されていました。災害時の応急復旧用かもしれません。西条駅 駅
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【大糸線/篠ノ井線 女鳥羽川橋梁】
1915年(大正4年)信濃鉄道開通、下路プレートガーダー橋。 -
篠ノ井線と並走していますが、大糸線だけ下路橋です。運輸省の銘板が付いていましたが、国賊が取ろうとしたのか、割れていました。
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【白板中の橋】
1962年(昭和37年)竣工、下路ワーレントラス橋。
女鳥羽川橋梁の脇に小さな木床版の橋が架かっていました。 -
今回の旅はこれで以上です。
台風19号の被災橋だけでなく、古い橋が多く残っていて予想以上にバラエティに富んだ橋を観ることができました。長野電鉄屋代線の遺構も結構残っていて、廃線跡を辿るのも楽しそうなので、また機会を見つけて来たいと思います。台風被災橋については一日も早い復旧を祈念しています。
トータル 橋18、EL等2、他4 を巡る旅でした。
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