2020/10/27 - 2020/10/31
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ばねおさん
ついに、と言うべきか。
やはり、と言うべきか。
フランスは2回目の全土外出制限に入ってしまった。
ロックダウンといえばよいのかもしれないが、人々の間で多く使われるのはコンフィヌマン(confinement) という言葉である。
直訳すれば、「閉じ込めること、閉じこもること」となるが、もう少し幅のある使われ方のような感じがする。
6月にはいったん収まったかに見えたフランスのコロナ感染者数は、8月以降ふたたび増加に転じ、最多記録の更新が続くことになった。
10月4日にはパリのウイルス警戒レベルは最高に引き上げられ、17日には夜間外出禁止となり、人々の行動を抑止しようとする試みがなされたが、25日には52,000人超という信じがたい数字となった。
折しもフランスはトゥサン(万聖節)の休暇で秋のバカンスシーズンを迎えたが、夏のバカンスの国内大移動の教訓に学ばず、政府は人々に「節度を持った行動」を呼びかけるにとどまった。
多くのフランス人にとって「節度ある行動」とは、すなわち自由にやってよいということになる。
バカンスのために生きている彼らにとって、夏のバカンスに次いでの楽しみを無にする訳にはいかない。
政府が夜間外出禁止地域を追加したところで焼け石に水。制限のない地方に行って動き回るだけの話だ。
そして、10月28日大統領演説となり、2回目の全土外出制限が発表された。
期間は10月30日から12月1日までであるが、15日間後に状況をみて見直しを検討するという。
3月から5月にかけての1回目の全土外出制限と比較するといくつかの違いが見られる。
例えば高校までの学校は授業を継続、高齢者施設への訪問は可、また、行政窓口は開かれ、工場、農業、公共事業は稼働するというもので、教育、経済活動への打撃を少しでも軽減したい意図があるようだ。
そして、家族が共にXmasを祝い、新年を迎えられるようにしたいという願いなのだが、果たしてどうなるだろうか。
つまるところは個々の意識の問題なのだ。
明日から夜間外出禁止となれば最後の夜を楽しんでおこうと大勢がバーやカフェに押しかけ、禁止が解けたとなれば祝杯を挙げるためにまた集まるという人々の行動生態を考えると、まるで解けないパズルを相手にしているようだ。
連帯や友愛という意識は強くても、「自粛」などという概念は微塵も持ち合わせていないので、強権で規制するしかないわけだが、多くがこれを支持しているというのも面白い。
ただ、いつ自分も感染者、死者のひとりに加わらないという保証はないので、面白がってばかりはいられない。
おまけにテロの脅威もある。
今やフランスは最も危険な国になってしまったのか、この状況を脱することはできるのか、先の見えぬ日々が続いている。
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
-
10月になると秋も深まり、ヴォジラール大通りの中央遊歩道沿いにある街路樹の葉が落ちるにつれ樹々の間からモンパルナスタワーが姿を見せてきた。
見て感動する存在ではないけれど、近辺に住むものとしてはどこからでも位置が判断できる便利なランドマークだ。
振り返れば、夏のバカンス大移動後の各地の感染拡大、秋の新学期を迎えたあとの大学の集団感染などが連日報道され、9月12日には一日の感染者数が1万人を超えた最多記録となったが、その時点ではマルセイユ、ボルドーが中心であった。 -
その後10月になってパリの感染状況が極めて悪化しているとの政府認識が示され、10月4日にはパリの感染状況は最高レベルにまで引き上げられた。
つまりは真っ赤なレッドゾーンに色分けされ、6日からは全てのバーやクラブ、スポーツジムの営業停止、レストランの一卓あたりの客数制限や来店客の氏名、電話番号、メールアドレスを記すノートの準備が義務付けらるようになった。 -
さらに10月17日からは21時~6時までの夜間外出禁止となり、6週間継続されることとなった。
飲食店は21時までに閉店せざるを得なくなり、客の帰宅時間を考慮すれば18時か18時半にはデイナーをとりはじめてもらわなけれならない。
そうなると20時頃にデイナーとなるフランス人の食習慣にまったく合わないことになるので、多くの店は閑古鳥が鳴く状態となった。
それに加えての28日20時に大統領演説がなされるという予告である。
重大な大統領演説は20時と決まっているので、誰もがコロナウイルスの問題であると分かってはいる。 -
ただ、おそらく演説で述べられるであろう新たな規制に関しては、
1.夜間外出禁止に加えて週末外出禁止
2.曜日による規制
3.全面的な外出規制
ほかにもあったかもしれないが、悲観論から楽観論まで喧々諤々で、実際の演説を待つほかない。
とにかく最悪のケースを想定しておくに越したことはないので、全面外出禁止になった場合に備えて必要な用事を済ませておくことにした。
演説の前日27日には事前に注文していた品物の受け取りにVivinまで出かけ、そのあと散髪に。
前回の外出制限で2か月も伸び放題になった髪を持て余した苦い経験から、今回一番に浮かんだのは、そうだ床屋に行っておかなければ、ということだった。 -
Vivin の所用先の向かい側にある1904年設立の歴史ある美術学校、アカデミー・ド・ラ・グランド・ショミエール Académie de la Grande Chaumière。
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有名無名を問わずここで学んだ日本人も数多いが、以前から閉校予定の噂があり、もしかしたらウイルスによる影響で撤収が早まるのでは、と危惧している。
フリーの者でも利用できるアトリエなど、伝統的でありながら自由で開放的なこうした場が失われるとしたらとても残念だ。 -
Vivinからの帰途、買い物に立ち寄ったモンパルナスのMONOPRIXに飾られていたハロウィングッズ。
カトリックのフランスでは以前にはハロウィンはほとんど見かけなかったが、この数年でずいぶんと浸透してきた。
まるでかってのマックの進出をみるようで、あれよあれよという間に浸透し、年中行事のお仲間入りを目指しているようだ。
いや、すでに仲間入りを果たしているのか -
さらにこちらはスーパーCasino の店頭。
ご丁寧にハロウィン仕様のかぼちゃの作例が並べられていた。
MONOPRIXにしろCasino にしろ、大統領演説を前にスーパーに買いだめに走る姿はまったく見られなかった。
理美容院もさぞや予約が殺到しているに違いないと思っていたのだが、いつもと変わらぬ状況で、店側も全面外出制限はありえないだろうとたかをくくっていた。
もっとも演説のあった翌日には応じきれず大変な状況になったらしいが。 -
無事に散髪も終え、掃除機の紙パックとUSBケーブル、ついでにプリンターのインクも備えなければとシャルルミッシェル Charles Michels の家電量販店 boulanger と Darty へ。
いわゆる家電量販店としては FnacグループのDarty が良く知られているのだが、自分の経験ではboulangerのほうがお買い得。
単機能ながらも丈夫で廉価なオリジナルブランドもあって、ブランド品も他店より安いことが多い。
今回はboulangerでは在庫切れの品があり、少し先にあるDartyまで足を伸ばした。
そこで出会ったのがシトロエンの『アミ』(Citroen AMI)。
話には聞いていたが、実物を見るのはこれが初めて。 -
家電量販店で展示され販売されているというのがミソだが
2人乗りのEV車両で、フランスでは免許不要で14歳から運転できる。
免許不要というのが便利なようで恐い。
ところで、boulangerも Darty も自分と同じように補充品やら消耗品を買い求める客でかなりの混み具合であったのだが、今回は、家電店は外出制限中も営業継続可となったことがあとになって分かり、いささか拍子抜けした。 -
さて、28日午後8時、始まった大統領演説。
身振り手振りを交え、手元に原稿を置くことなく自分の言葉で国民に向かい合い、理解を得ようとする姿勢。内容は一応置くとしても、いつもながら、日本の政治のありかたと比べ、嘆息してしまう。
政体のちがいこそあれ、およそ政治の指導者というのはこのように付託された国民に向き合って説明を尽くす必要があるはずだ。
日本では説明責任云々などといっているが、説明義務というべきだろう。
言語不明瞭、意味の通らぬことばかり。
義務を果たさず、面の皮の厚さだけで罷り通る不思議な社会。
「右を向いても左をみても、筋の通らぬことばかり。世のなか真っ暗闇じゃあございませんか」と、鶴田浩二でも持ち出したくなる。 -
さて、肝心の演説だが、ウイルス感染拡大が驚くべき速さで進んでいること、医療従事者の疲弊、逼迫したICUの状況の具体的説明から始まり、再び全土的な外出制限を設けなければならないとするもので、予想された内容の最も厳しいパターンであった。
ただ、前回と異なり、高校までの教育機関は閉鎖せず、行政窓口、工場、農業、公共事業の稼働は続けるというもので、縛りが緩い感じである。
そしてやはり強調したのは、個々人が市民の一員としての責任と意識を持つ必要である。
まあ、それがあればこうまではならなかった気がするが... -
演説の翌日。
以前から予定していた買い物の必要があって、Convention の敷物屋へ出かけた。
スーパーなどは買い出し客で賑わっているのではと、通りがかりの MONOPRIX や Carrefour を覗いてみたが、普段と変わりない。
トイレットペーパーやパスタ類の買い占めでスーパーの棚が空っぽなどという報道もあったようだが、どこか特定の地域なのだろうか。
それともセンセーショナルな話題好きなメディアのなせるわざか。
仮に生活用品や食品が品薄になっても、翌日には補充されていることを前回のコンフェヌマンで経験済みなので、誰も慌てない。
ただ、16時近い道路は普段では見られない大渋滞が発生していて、バス専用レーン以外は延々と車列が繋がる状態になっていた。 -
10月31日、土曜日。
外出制限開始2日目
久々の晴天
すこしは身体を動かさないと思い、外出することに
制限下で許可されるいくつかの外出事由の内、自分にあてはまるのは買い物と散歩。
外出時には「宣誓書」をダウンロードした紙に記入するか、スマホで入力してQRコード化したものを持ち歩く必要がある。
アパルトマンを出て、通りにでてみると、それなりに人が歩いている。
決して多くはないが、極端にまばらというほどでもない。
徒歩15分ほどの距離にあるアンバリッドまで行ってみることにした
途中で建物の壁に描きこんだ絵を発見。 ん?バンクーシー?
帰りに寄ってよく見ようとして忘れてしまった -
フランスではトゥサン(万聖節)には菊の花をもって墓参りをする習慣で、日本の墓参りとよく似ている。
菊花は日持ちがする由だと思うが、10月31日はトゥサン前の最終日。
今回は外出制限の例外として31日までの花屋さんの営業が許可されたと聞くが、それもあと数時間。
前回のコンフィヌマンに比べ、多少は仕入れ調整ができたのかもしれないが
夜のニュースでは半額処分で残った菊花の投げ売りする花屋さんの様子が映し出されていた。 -
パスツールからパッシー駅まで地上に出てくるメトロ6号線の高架橋
当然ながら、行きかう車は少ない。 -
正面奥のアンバリッドまで断続的に続く緑道を辿る。
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ベンチや遊具があるところでは親子連れやカップルがつかの間の野外の時間を楽しんでいた。
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ぐずぐず天気が続いていたのに、コンフェヌマンになった途端にこんな良い天気とは皮肉なものだ。
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ふだんなら芝生にごろごろ、あるいは車座になってピクニックという風景が見られるはずだが、さすがにそうした人は見かけない。
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途中の交差する通り沿いに、なんとマルシェが開かれていた。
正面にはエッフェル塔が見える
場所はデュケンヌ通りだろうか
まだ引っ越してきて間もないので、この辺の情報は乏しいのだが定期的な市に違いない。
大いに興味はあったが進むにつれ人が多くなってきたので、あわてて引き返した
それにしてもマルシェが開かれているとは意外だった。
人出こそ少ないが、なんだか外出制限が有名無実のようにも思えてきた。 -
アンバリッドが真近に見えたあたりで引き返すことにした。
良い天気につられて、ぞろぞろ人が出てくる様子はなく、やはり行動を自重しているのだろうか。 -
コロナウイルスはフランスのみならず欧州全体に感染を拡大しているが、フランスはテロの脅威にも晒されている。
人命優先はその通りだが、経済はガタガタになりつつある。
この先どうなるのか、考えて結論の出る話ではないが、見通しの利かない日々はいつまで続くのだろうか。
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