異国の地に旅立った、東海汽船2代目さるびあ丸

2020/09/29 - 2020/09/29

第170部-738冊目　1/1

皆様、こんにちは。
オーヤシクタンでございます。

平成4年12月から今年6月までの28年間、東京と伊豆諸島を結ぶ貨客船として島民や観光客の交通機関及び物資輸送に貢献した東海汽船:2代目さるびあ丸が新造船3代目さるびあ丸にバトンを託して引退しました。
では、引退後の行方はどうなったのか？
本旅行記にまとめましたので、ご覧頂けたら幸いです。

なお、旅行記作成に関し、4トラベラー/サーディーン様より貴重な画像をお借りしました。
改めて、お礼申しあげます。

表紙画像‥式根島に入港する、現役時代の2代目さるびあ丸。

エリア 鶴見(神奈川)

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: バイク
• 旅行の手配内容: 個別手配

= 東海汽船/2代目さるびあ丸 =
船種‥貨客船
船籍‥日本/東京
所有/運用‥東海汽船
総トン数‥4,973t
全長‥120.54m
全幅‥15.2m
建造所‥三菱重工業下関造船所
就航‥平成4年12月25日

初代さるびあ丸の代船として、平成4年12月25日に就航。
以来、東京-伊豆諸島航路で28年間活躍し、新造船3代目さるびあ丸の就航によって令和2年6月26日に引退した貨客船です。

令和2年6月26日、八丈島→東京竹芝を運航を持って引退。
令和2年6月29日、東京竹芝を出航し、大阪へ回航されました。

そして、売船準備の為の整備が、サノヤス造船大阪製造所で行われています。

大阪での整備を終え、宮城県石巻へ回航する2代目さるびあ丸。
なんと！
伊豆諸島利島沖で、3代目さるびあ丸と交差すると言うサプライズを見せてくれました。

※東海汽船公式ツイッターの画像。
フォートラベル利用規約第７条該当の恐れで削除。

さて、令和2年7月28日19:30‥
2代目さるびあ丸は千葉県九十九里浜沖を航行中。
宮城県石巻のヤマニシ(造船所)で、売船が決まるまで係留されます。

交差した、3代目さるびあ丸は東京港竹芝桟橋に着いていますね。

※Marine Traffic.comの画像。
フォートラベル利用規約第７条該当の恐れで削除。

令和2年9月4日。
石巻回航からひと月以上経ちました。
2代目さるびあ丸はどうなったのか？

現在地を見て見ると‥
えっ！
東京湾に帰って来ているじゃん。
しかも、横浜の大黒埠頭ですよ。

※Marine Traffic.comの画像。
フォートラベル利用規約第７条該当の恐れで削除。

翌9月5日。
これは、見に行かなくては‥
大黒大橋にやって来ました。

あっ！
いましたよ。
しかし、メチャメチャ逆光で、うまく撮影できません。

撮影した画像は最悪です。
修正をして、なんとか見れるようにしました。

横浜大黒埠頭L-1岸壁に係留される、2代目さるびあ丸。
まさか、引退後に横浜で見られるとは思っていなかったよ。

わかりにくいのですが、さるびあ丸の文字は消され、小さく｢BAY OEN｣とかかれています。

情報によると、シンガポールの船会社へ売船が決まり、「BAY OEN」と改名。
ツバル船籍になったようです。

場所を移動。
次にやって来たのは、横浜市高齢者保養研修 施設/ふれーゆです。

ふれーゆ 温泉

ふれーゆに隣接した、鶴見川河口末広水際線プロムナードからは、目の前に、首都高速湾岸線の、扇島と大黒埠頭に架かる'鶴見つばさ橋'が見えます。

そして、対岸には‥

あっ！
見えましたよ。

ズームしてみましょう。

丸い船尾が優美な、2代目さるびあ丸(BAY OEN)が見えます。

異国への旅立ちを前に、日本での最後の時間を過ごす、2代目さるびあ丸改めBAY OEN。

令和2年9月5日12:30
シンガポールに向けて出港予定でしたが、9月7日15:30に延期。

私は残念ながら、見送りに行けませんでした。

そして、令和2年9月7日15:36‥
BAY OEN(2代目さるびあ丸)は、シンガポールへ向けて出航しました。

※Marine Traffic.comの画像。
フォートラベル利用規約第７条該当の恐れで削除。

シンガポールへ向けて、浦賀水道横須賀沖を航行するBAY OEN(2代目さるびあ丸)。
日本でこの姿を見れるのは、これで最後だ。

※画像提供‥4トラ/サーディン様。

スバルに行っても達者でな。
2代目さるびあ丸よ。
今度こそ、本当にサヨナラ。

※画像提供‥4トラ/サーディン様。

東京湾を出て、28年運航した伊豆大島沖を航行。
この後、進路を西へ向けて、日本を離れます。

シンガポール経由でツバルへ向かったと思われたのですが‥

※Marine Traffic.comの画像。
フォートラベル利用規約第７条該当の恐れで削除。

しばらくしてから、Marin Trafficを見ると‥

えっ？
シンガポール経由ツバルでなくて、バングラディシュのチッタゴンにいるぞ。

※Marine Traffic.comの画像。
フォートラベル利用規約第７条該当の恐れで削除。

どうやら、横浜を出航して、シンガポール経由でチッタゴンに向かい、12日間の航海の後、9月19日12:26にチッタゴンに到着したようてす。

※Marine Traffic.comの画像。
フォートラベル利用規約第７条該当の恐れで削除。

バングラディシュチッタゴンのカンナフリ川にいますね。
ちなみに、チッタゴンと言うところは、インドのアランと同様に船の墓場と呼ばれる船舶解体所がある所で有名なんです。

まっ、まさか！
廃船解体されちゃうの？

※Marine Traffic.comの画像。
フォートラベル利用規約第７条該当の恐れで削除。

ご安心下さい。
情報によると、バングラディシュのクルーズ船として活躍するそうです。

第二の活躍の場、チッタゴンに入港したBAY OEN(2代目さるびあ丸)。
サビド・イブン・シャハン様の画像をお借りしました。
「Launch Vessel Finder's Bangladesh」
→http://vesselfindersbd.org/2020/09/mv-bay-one-ship/
バングラディシュ語ですが、右クリックで翻訳機能にかけると、ある程度は日本語に翻訳されます。

BAY OEN(2代目さるびあ丸)のバングラディッシュでの活躍と、ご安航を心からお祈り申しあげます。

- 完 -

※サビド・イブン・シャハン様の画像。
フォートラベル利用規約第７条該当の恐れで削除。

この旅行記へのコメント （2）

• Salaamさん 2020/12/01 04:11:28

  さるびあ丸と言う響き

  オーヤシクタンさん、こんばんは
  
  さるびあ丸に限らず、どの船もその任務を終えて文字通り母港を離れて行く姿を見るのは寂しいものですね。
  私はさるびあ丸に乗ったこともないはずなのですが、そんな私でも「さるびあ丸」と言う名前は何か特別な響きがあります。それだけ知名度の高い船名と言う事なのでしょう。
  豪華客船ではないながらも、学生時代に楽しんだような旅行を彷彿とさせる、焦らなく素朴な旅を象徴するような名前に聞こえるんです。
  
  私が好きな飛行機でも退役した後に異国へ向かう際、ほとんどの場合は社名を消し、多くは真っ白な状態で旅立って行きますが、さるびあ丸は船首とファンネルの赤地に青十字を残して次の行き先へ出港したのですね。
  行き先がチッタゴンと知った際にはまさか船の墓場で解体？と脳裏を過りましたが、無事現地でも継続して使われているのですね。
  
  是非、オーヤシクタンさんにおかれましては、さるびあ丸が第二の人生を歩んでいるチッタゴンまで行き、乗船記を書いて頂ければと存じます！
  
  Salaam

  オーヤシクタンさん からの返信 2020/12/01 10:35:41

  RE: さるびあ丸と言う響き

  Salaam様、おはようございます。
  オーヤシクタンでございます。
  
  東京と伊豆諸島をつなぐ東海汽船の高速船を除く大半の船舶は昔から花の名前が船名になってきました。
  昔は、かめりあ丸・すとれちあ丸・かとれあ丸・はまゆう丸・ふりいじあ丸・あじさい丸などなど色々な船が伊豆諸島に貢献して退役していきました。
  そして、今年6月まで活躍したのが2代目さるびあ丸です。
  2代目は初代の後継船として建造。
  当時、伊豆諸島航路に就航していた船は3000tクラスだったのが、2代目は5000tクラスと大きい船で、みんな驚いたものです。
  
  私は初代にも乗ったことがあるのですが、フィンスタビライザーがない揺れる船でした。
  初代に乗った当時、私は船に弱くて、大島まで行くのに撃沈寸前になったほどでした。
  
  それと比較すると、2代目は揺れなくなりましたね。
  2代目は6月9日神津島→東京の片航路・6月25日、八丈・三宅島→東京の三八航路の運航が最終航海となりましたが、ユーチューブに最終航海の様子が多数アップされていて、たくさんの方々が島で見送りに来て、伊豆諸島に大きく貢献し、多くの人に愛された船であることを改めて見せつけられ、涙がでそうになりました。
  
  そんな2代目のどうなったのか？
  船齢が28年と微妙なところで、引退時は行き先が決まっていなかったらしいのですが、調べていくと、シンガポールの船会社が購入し、スバル船籍になったので、スバルで活躍すると思いきや、行った先はバングラデッシュのチッタゴン！
  この地名を聞くと、船好きなら「えっ！」となるわけですが、廃船解体ではなく、バングラデッシュのクルーズ船になるとのことでほっとしました。
  大きい船の塗装はファンネルの社マークを消して、あとはそのままで、嫁ぎ先で塗りかえられることが多いですね。
  ちなみに平成26年に引退したかめりあ丸は、塗装がほぼ東海汽船仕様のまま、インドネシアで活躍しているそうです。
  さるびあ丸の船首に残されたマークは東海汽船の社マークです。
  社マークは、飛行機だと尾翼に描かれるように、船ではファンネルに描かれ、船によっては船首にも描かれます。
  
  先日、3代目さるびあ丸に乗船しました。
  静かで、揺れない船です。
  初代のあの大揺れが嘘のようでした。
  2代目からバトンを受け継いだ3代目も多くの方に愛される船になることでしょう。
  
  また、海外に行けるようになったら、日本で活躍した船を追いかける旅がしてみたいです。
  ありがとうございました。
  
  オーヤシクタン。