2020/07/11 - 2020/07/13
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みかん饅頭さん
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いつも鉄道に乗って何百キロもあちらこちらを行ったり来たりという旅をしていますが、たまには移動控えめで温泉にゆったり漬かる旅行も悪くないだろうという話になり、首都圏からほど近い新潟と会津の温泉に2泊してきました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- ショッピング
- 3.0
- 交通
- 3.5
- 同行者
- 友人
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- 高速・路線バス JR特急 JRローカル
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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北へ向かう旅はやはりここ、上野駅から。今回は普通列車の硬い椅子を嫌ったので9時ちょうど発の草津31号に乗車した。行き止まり式のホームに始発列車が赤いテールランプを光らせながら発車を待つ佇まいはいつ見ても旅情がある。
上野駅 駅
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頭上に張られたロープに各列車の乗車位置案内が吊るされているのもターミナル駅の風格を感じさせる。新幹線の開業や夜行列車の廃止で上野駅の地位が著しく下がった今でもこれくらいの枚数の案内板は残っている。
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草津31号は自由席が5割程度、指定席が2割くらいの乗車率で閑散としていた。意外と若い人が多かった。
大宮を出ると高崎線に入る。住宅と畑だけがやたらと目につく退屈な路線である。だがこの退屈な情景こそが埼玉県を代表する風景だとも思う。見どころは何もないけれど住むには静かで良いところ、それが埼玉である。
ずっと同じ景色なので眠くなりそうだが、籠原を通過したあたりでにわかに高架を走ると右手に榛名山を遠望し、着実に上越国境が近づいていることを感じさせる。利根川の支流である烏川に架かる長い鉄橋を渡ると程なくして高崎に到着する。鉄道ファンならば到着前右手に注目するとよい。高崎機関区があり、昔懐かしいEF65やDD51といった国鉄の機関車が見える。また写真のように、これらの機関車が牽く客車も目にすることができる。高崎駅 駅
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高崎から上越線に入る。上州の山々が見え始め、ようやく旅情を感じられるようになってきた。
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10:38着の渋川駅で下車した。さっきまで小降りだった雨が強くなり、辺りが白く煙っている。渋川は伊香保温泉の玄関口だが降車客はまばらだった。
草津31号は名前の通り草津温泉やその周りの温泉を目指す人を運ぶ列車で、渋川からは吾妻線というローカル線に入る。吾妻線では新潟に行けないから後続の上越線普通列車を待つことにした。 -
駅舎内をうろついたり、駅スタンプを押したりしていると程なくして水上行の普通列車がやってきた。車内でこの旅の連れである旅仲間のT氏と合流した。彼は節約のため、東京からずっと普通列車でやってきている。
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渋川を出ると利根川沿いを走るようになる。湿度が高いせいか川面から薄く川霧が上がり、味わいがある。蛇行する川を橋梁で何度か渡るのでそのたびに川を間近で見ようと右側の席に移ったり、左側の席に移ったりした。
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11:29水上着。ドアが開くや否や私を含めた数名が跨線橋に至る階段を急ぎ足で上がった。接続列車の座席を確保するためである。一般に県境を跨ぐ普通列車は短い編成のことが多いので必然的に座席定員が少なくなる。旅慣れた者はその点を熟知しているので、乗換駅が近づくと階段近くのドアに集まり、せわしない表情をしながら列車が停まるのを待つといった具合だ。
この日は乗客も少なく、接続列車である普通長岡行も4両繋いでいたので座席の確保には困らなかった。跨線橋からはこれからトンネルで通り抜けようとする高い山が目の前に迫っているのが見えた。水上駅 駅
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長岡行はステンレスの車体にピンク色と黄色を重ねたグレープフルーツみたいな帯を巻いている。首都圏ではお目にかかることのない車両である。
発車すると上り坂をグイグイと登っていく。新しい車両だがモーターが唸りを上げているのがわかる。それまでよりも一層山が左右に迫り、関東地方のどん詰まりを奥へ奥へと進んでいく。
水上を出て5分ほどで湯桧曽に着く。ここはもう新清水トンネルに差し掛かっている。
湯檜曾を出ると直線の新清水トンネルを高速で走る。途中には下り線がトンネル内にあるとして有名な土合駅がある。最低限の照明しかないコンクリート打ち放しの薄暗い駅だが、谷川岳登山の拠点駅であり利用客は少なくない。最近、使われなくなった駅事務室を改装したカフェがオープンした。
列車が長いトンネルを走っている間はキーインという甲高い音が聞こえる。それが聞こえなくなったら出口に近づいている合図だ。トンネルを抜けた瞬間、気温差で窓が瞬時に曇るが久しぶりに明るい車窓が広がり、気持ちが良い。
魚野川の清流を渡ると新潟県最初の駅、土樽に停車する。ここからはしばらく田んぼと夏の間黄緑色の芝生で覆われたスキー場の眺めとなる。
上越新幹線との接続駅でスキーリゾートの拠点である越後湯沢には12:14に着いた。昼食を摂るため、ここで途中下車した。 -
駅のホーム上には体を洗う女性の銅像があり、手前の窪みには温泉が溜まっている。手を浸してみたら結構熱かった。
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T氏の希望でトンカツ店にやってきた。越後もちぶたというブランド豚肉を使用したトンカツを出す店である。
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ロースカツ定食\1,400と割高だが、お肉は160gありご飯やキャベツも大盛である。そして何より味が良い。甘みの強い豚肉で箸が止まらない。定番のソースだけでなく塩やしょうゆをかけて食べてもよく、特に塩をかけるのが気に入った。塩だけでも十分美味しく思えるのはそれだけ良い肉を使っているからだろう。
越後とんかつ人参亭 グルメ・レストラン
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続いて駅構内にあるぽんしゅ館なる日本酒がテーマの施設にやってきた。これもT氏の希望である。私は酒が苦手で飲み会の度に損をしているが、反対にT氏はどんどん左党の道を歩んでいる。いつか写真のマネキンように道端で寝転ぶようになるのかもしれない。
ぽんしゅ館 長岡驛店 グルメ・レストラン
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ぽんしゅ館というのは酒が買えるのはもちろんのこと、利き酒ができる。いつも100種類くらいの日本酒が用意されている。ゲームセンターのメダルのようなコイン5枚を500円で買い求め、所定の枚数のコインを試飲したいお酒の窓口に入れるとおちょこ一杯ぶんのお酒が出てくる。大抵の銘柄はコイン1枚で飲めるが、高級なものは2枚や3枚必要である。
おちょこ5杯も飲めるわけがないことはわかっていたから、経済的損失を最大限回避するためコイン3枚が必要な銘柄を選んでみた。説明にはメロンのようなフルーティーな香りがすると書いてあったが、下戸はエタノールの匂いを敏感に感じすぎるせいかよくわからなかった。
この一杯を20分かけてどうにか胃袋に収め、残ったコイン2枚はT氏に寄贈した。 -
越後湯沢14:14発の長岡行でまた少し移動する。越後湯沢を出るとしばらくの間、車窓右手に日本有数の穀倉地帯の景色をを見下ろしこの土地の豊かさを感じることができるので気に入っているが、先ほど飲んだおちょこ一杯の日本酒がてきめんに効き、座席の背ずりと窓とが垂直に接するところに頭を埋めながら朦朧とした時を過ごすことになった。T氏は持参したタブレットを弄りながら澄ました顔をしている。
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14:55、魚沼市の中心駅、小出についた。急行が走っていた頃は列車が到着するたびに多くの人が改札を通り抜けていたのだろうが、今日は私たちを含め2~3人しか降車がなかった。駅前もひっそりしている。
今日の宿へ向かうため、奥只見方面の路線バスに乗った。私たちの他にも旅行の恰好をした若い男女2人組がいた。途中高校生と地元のおばあさんを乗せたり降ろしたりしたが、ずっと乗っていたのは私たちとこの2人組だけだった。宿の送迎車に乗り換えるため途中の大湯温泉というバス停で降りたらその2人組も一緒におりた。どうやら同じ宿に泊まるようである。今日の宿は私のようなひねくれ者が好きそうな山奥の一軒宿であるから、まともな生き方をしていそうな当該2人組はもっと大きな温泉街に行くと思っていたのだが、人間の行動は予想がつきづらい。 -
今日の宿は駒の湯温泉駒の湯山荘という温泉宿である。国道を外れてから10分ばかり一本道を送迎車で走ったところにある宿であるが、なんと携帯電話の電波が届かない。それどころか電気も自家発電で賄っているという今どき非常に珍しい宿である。この不便さがかえって現代人を惹きつけるのか、宿の主人曰く常連客が非常に多いそうである。
ここの温泉の特徴は泉温が約32℃と非常に低いことである。だから湯船に何時間も浸かるのが当たり前で、最長記録は14時間とのこと。つまりチェックインしてからアウトするまで一晩中ずっと、食事も手を付けずに温泉に入っていたそうだ。駒の湯温泉 駒の湯山荘 宿・ホテル
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自家発電と言っても限りがあるので一部は石油ランプによる照明になっている。
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旅館は本館と新館があり、泊まったのは新館のほう。宿のご主人によると初めての人は川が見下ろせる新館をお勧めするとのこと。
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温泉は写真が撮れないので是非ネットで検索してください。
というわけで夕食の様子を。ここは普通の温泉旅館とは食事の姿もすこし変わっている。料理を朱色の漆器に乗せて出すのはこの地域の習慣なのだそうだ。ここに写っている他に、岩魚の塩焼き、揚げたての天ぷら、豚汁などが出てきた。
味付けは濃い目で毎日食べていたら間違いなく血圧が上がりそうだが、この地方の伝統なのだろう、と解釈した。少なくとも美味しいことは確かである。こだわりゆえの個性ある食事で、高級志向に走る旅館とは一線を画すところが素晴らしい。 -
牛肉のタタキ。以前は完全に生のユッケで出していたそうだが、某焼肉店事件以降、表面を炙るようになった。でも味はそのままだという。
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岩魚の馴れ寿司。馴れ寿司と言えば琵琶湖のフナが有名だが、こちらは発酵期間が数か月程度と短いのでそこまで強烈な発酵臭はしない。クリームチーズのような風味であった。
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煮しめ。大きな干し椎茸が嬉しい。
夕食を摂っている間に各部屋のランプが灯される。豆電球くらいの小さな光で、時折石油が燃えた匂いが漂ってきた。
私たちはこの後川沿いの露天風呂に2時間ほど浸かってから眠りについた。
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この旅行で行ったホテル
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