2020/02/20 - 2020/02/20
29位(同エリア29件中)
ちふゆさん
2020年2月20日(木)、今回の旅7日目、クルーズ船では5日目の朝。この日は9時半からツアーに参加なので、朝はのんびり7時半過ぎにメインダイニングで朝食(下の写真)。朝食を取っている間に着いたのは、この旅では独立国ではないところも含むが8ヶ国目、クルーズ船では4ヶ国目の停泊国となるセントルシア(St. Lucia)。
セントルシアはカリブ海(Caribbean Sea)の東部、アンティル諸島(Antilles)の小アンティル諸島(Lesser Antilles)のウィンドワード諸島(Windward Islands=風上の島々を意味し、この海域で吹く貿易風の風上であることから名付けられた)中央部にある国。首都はカストリーズ(Castries)。国の名前は島の名前で、1502年にこの島に難破したフランス人の船員がその日が聖ルチア(Santa Lucia)の祝日(12月13日)であったことから名付けた。世界の国で女性の名前が付けられているのはこの国とアイルランド(Ireland)の二つだけだが、アイルランドの名は神話の女神で、歴史上の人物の名前から来ているのはこの国だけ。
前の寄港地だったセントキッツ島(Saint Kitts)の南南東、約425㎞に位置し、セントルシア島および周りの小島(すべて無人島)で構成され、面積は約620平方㎞で淡路島とほぼ同じ。火山島で最高峰は標高951mのジミー山(Mount Gimie)。山がちな島で、熱帯雨林が3/4以上を占めている。北側に幅27㎞のセントルシア海峡(Saint Lucia Channel)を挟んでフランス領のマルティニーク島(Martinique)が、南には幅37㎞のセントビンセント海峡(Saint Vincent Passage)を挟んでセントビンセントグレナディーン(Saint Vincent and the Grenadines)のセントビンセント島(Saint Vincent)がある。東は大西洋(Atlantic Ocean)で西がカリブ海(Caribbean Sea)。
熱帯雨林気候であり、北東貿易風によって緩和されるが、年間を通しての日中の平均気温は30度前後と高い。年間平均降雨量は、海岸部で1,300mm、山岳部では3,810mmとかなり多い。6月から11月が雨季で、たびたびハリケーンの被害を受けている。近年では2007年9月にハリケーンディーン(Hurricane Dean)、2010年8月にハリケーントーマス(Hurricane Tomas)が大きな被害をもたらしている。
人口は約18万人で、アフリカ系黒人が8割強と他のカリブ諸島よりは少し少なく混血が10%以上いる。公用語は英語だが、パトワ(Patois)と呼ばれるフランス語をベースにしたセントルシアクレオール語(Saint Lucian Creole)が95%の人の間で使われている。ジャマイカと同じだが、ジャマイカクレオール(Jamaican Creole)は英語ベースなので同じパトワでもお互いに通じないんだろうなあ。宗教はほとんどの人がキリスト教だがカソリック(Roman Catholic)の方が多い。
元々はアラワク族(Arawak)が住み、カリブ族(Caribs)が占領したのは他のカリブ諸島と同じ。アラワク族はこの島をIouanalao、カリブ族はHewanorraと呼んでいたが、いずれも「イグアナの島」を意味する。以前はコロンブス(Cristoforo Colombo)がヨーロッパ人として最初に発見したと云われていたが、1502年に北側のマルティニーク島に上陸した記録はあるが、この島についての記述は一切ない。現在ではコロンブスの初期の航海で航海士を務めていたフアン・デ・ラ・コサ(Juan de la Cosa)が1499年以降の、彼自身が船長を務めた航海で発見したとされる。
1550年代後半にはフランス人のフランソワ・ル・クラーク(Francois le Clerc)と云う木の義賊を付けた海賊が島の北西部のピジョン島(Pigeon Island)を根城としてスペイン船を襲っていた。1600年頃にはオランダ人が島の最南部のビューフォール(Vieux Fort)に砦を築いた。1605年と1639年にイギリス人が入植を試みるが失敗。
本格的な入植が開始されたのは1643年で、フランスに依るものだった。1674年にマルティニーク島の管理の下、フランス植民地となるが、18世紀に入るとイギリスとの争奪戦が勃発、14回島の所有権が代わる。1782年になって、イギリスとスペイン・フランスとの間で結ばれた、アメリカ独立戦争の講和条約であるヴェルサイユ条約(Treaty of Versailles)により、ようやくイギリス領が確定した。
1833年にウィンドワード諸島植民地(British Windward Islands)の一部となり、1871年にはウィンドワード諸島植民地連邦(Federal Colony of the Windward Islands)となる。20世紀に入り、1958年にカリブ海地域のイギリス植民地をすべて併せた西インド連邦(West Indies Federation)に組み込まれるがこの連邦は4年で崩壊し、1967年に自治権を得、1979年に独立した。
英連邦王国の一国たる立憲君主制国家で、現在の国王はイギリス女王エリザベス2世(Elizabeth II)で、その代理人として実権のない総督がいる。現行憲法は1972年2月22日の独立に伴い施行されたもの。二院制の議院内閣制で、上院は任命による11議席、下院は小選挙区制直接選挙による17議席となっている。いずれも任期は5年。二大政党制となっており、下院多数派の政党の指導者が首相として総督に任命される。現在(20年7月)の首相は2016年から務めているアレン・シャスネ(Allen Chastanet)氏。独自の軍隊はない。
外交は東カリブ諸国機構(OECS)諸国、バルバドス、米・英を中心とする欧米諸国との関係強化路線。英連邦の一員であり、カリブ共同体(CARICOM)、東カリブ諸国機構(OECS)加盟国。台湾承認国。2018年のGDP成長率は0.5%。主要産業は観光業とバナナ、ココナツなどの農業。主要輸出品は輸送機器、装飾品、アルコール飲料。電圧は230Vで、プラグ形状は日本と異なる。
通貨はセントキッツ・ネイビス(Saint Kitts and Nevis)と同じ東カリブドル( Eastern Caribbean dollar)で、通貨コードXCD、通貨記号はEC$。1US$が2.7EC$で固定。1EC$が約41円。ただし、旅行者が訪れるところでは普通にUS$が通用するので両替の必要はない。国旗は1979年に制定されたもので、青地は空と海の象徴、特に国を囲む大西洋とカリブ海を表わす。黄色は太陽、海岸、繁栄を意味し、黒と白は黒人と白人の調和を示す。中央部の2つの三角形は国家的な象徴となっている島南西部の双子の火山を表わし、「希望」の表れでもある。
島の南部にヘウノラ国際空港(Hewanorra International Airport)があり、米国やカナダの東海岸の都市やロンドンなどを結んでいる。また、首都カストリーズにはジョージ・FL・チャールズ空港(George F. L. Charles Airport)があり、近隣カリブ諸島との便がある。クルーズターミナルのすぐ北。車は日本と同じ右ハンドル左側通行。
1992年にノーベル文学賞を受賞したデレック・ウォルコット(Derek Alton Walcott)はセントルシア人。また、1979年に黒人として初めて平和賞以外のノーベル賞を受賞したノーベル経済学賞受賞者アーサー・ルイス(Sir William Arthur Lewis)はイギリス人だが、この島生まれでセントルシア国籍も持ち、高校まで出ている。
日本は79年の独立と同時に承認し、80年に外交関係開設。在トリニダードトバゴ大使館が兼轄している。セントルシアは駐日大使館を設置していない。首相は2回来日している。日本が一番の援助国。在留邦人数は30名程度。JICAからの協力隊派遣は94年から行われており、累計では160人を越える。同期隊員はいない。小アンティル諸島の島々は全て日本より13時間遅れでサマータイムは採用していない。
娘が確か中学か高校の頃かに学校の課題でこの国のことをまとめてたとこがあり、その時に初めてそんな国があるんだと云うことを知ったが、それ以上の関心を持ったことはなかった。今になってその国と云うか島に来ることになるなんて、ちょっと感激。私が調べた訳じゃないんだけど・・・
到着したのはカストリーズクルーズターミナル(Castries Cruise Terminal)。カストリーズには2ヶ所のクルーズターミナルがあるが、カストリース湾(Castries Bay)の北側にあるのがポワントセラフィン(Point Seraphine)クルーズポートターミナルで、到着したところ。町の中心から約1.5㎞で、歩くと20分程度。2018年に2隻の16万トン強のクルーズ船が同時に停泊できる桟橋として新たに作られた。もう一つはラプラスカレナージュ(La Place Carenage)クルーズポートターミナルで、湾の南側、ダウンタウンにある。クルーズ船の寄港は増加しており、2017年は前年比19%増を記録している。
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ツアーに続く
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