２０１９年４月早春のチュニジア一人旅　５．エル・ジェムで円形闘技場とモザイク画を堪能

2019/04/11 - 2019/04/11

　ジェルバ島からチュニスに戻る途中に、どこに行くか考えた。スファックスとエル・ジェムの選択だったが、円形闘技場が見たいという気持ちが強くエル・ジェムに行くことにした。
４月１１日（木）早朝、フームスークのバスターミナルを出発し、ガベス、スファックスを経由してエル・ジェムに到着。円形競技場、エル・ジェム博物館を見学。

エリア エル・ジェム(チュニジア)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.5
• 交通: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: 高速・路線バス 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

４月１１日（木）午前５に起きて、出発の準備。前日にリクエストした朝食を真っ暗な中庭で頂く。早い時間でも朝食を用意してくれたホテル・ジェルバ・エリアドのスタッフに感謝。

ジェルバ エリアド ホテル

ホテルを出て少し歩くと、フームスークのバスステーションに到着。

午前６時発のバスでエル・ジェムに向かう。

ジェルバ島のアジム港でバスに乗ったまま待機してるフェリーに乗り込む。

本土側の港ジョルフに午前６時４３分に到着。

ガベスを経由して、チュニジア第２の都市スファックスに午前１１時頃に到着。車窓からメディナの城壁を眺めながら、バスはエル・ジェムへ。

スファクスのメディナ 旧市街・古い町並み

写真はエル・ジェムの鉄道駅だが、すぐ近くにあるルアージュステーションに午前１１時４５分に到着。エル・ジェムは古代ローマ都市シスドラスが栄えた場所にあり、ローマ帝国アフリカ属州の中で最も豊かな都市のひとつだった。

鉄道駅に行くと、床には発掘されたモザイク画がロープで囲って踏まれないようにして飾られていた。

駅前にはプレイス・デ・アーツという広場があり、写真のモニュメントが立っている。中央にエル・ジェム博物館にあるモザイク画のレプリカが飾られている。

鉄道駅から２００ｍほどの距離に円形闘技場がある。紀元2世紀のローマ帝国のゴルディアン皇帝のもとで繁栄の象徴として建設が始まった。アフリカのコロッセオと呼ばれている。

エル ジェムの円形闘技場 史跡・遺跡

チケットオフィスから入場すると、壮大な蜂蜜色の円形闘技場の内部を一周するアーチ型の廊下に出る。

エル ジェムの円形闘技場 史跡・遺跡

メインアリーナにつながる通路。

エル ジェムの円形闘技場 史跡・遺跡

円形闘技場は縦１４９ｍ、横１２４ｍ、高さ３６ｍでアリーナの直径は６５ｍある。アラブ軍の侵略に対して、６９６年に女王カヒナに率いられた先住民のベルベル人の抵抗により、一時現在のリビアまで押し戻した。７０１年にベルベル人はエル・ジェムに追い込まれ、円形闘技場を要塞にして立て籠もるが、最後は自ら火を放って命を絶った。

エル ジェムの円形闘技場 史跡・遺跡

三重のアーケードに囲まれた円形闘技場は三分の一が破壊され、観客席を支えたアーチだけが残っている。３階建てで、35,000人の観客が収容でき、世界で三番目に大きな円形闘技場。長い年月が経過しているにもかかわらず観客席はりっぱに残っている。天井部分は開放されているが、日除け用の天幕を張る設備があったようだ。

エル ジェムの円形闘技場 史跡・遺跡

円形闘技場の階段を下りて行くと、アリーナの地下通路に繋がる。地下通路は設計の最初の時点から考えて造られており、ローマのコロッセオとの違いである。戦車競技や剣闘士同士の戦い、剣闘士対猛獣などが行われた。

エル ジェムの円形闘技場 史跡・遺跡

円形闘技場のアリーナの中央通路の真下にあるトンネルの両側にはたくさんの部屋が設けられている。

エル ジェムの円形闘技場 史跡・遺跡

剣闘士、猛獣、死刑囚や奴隷を収容する部屋があり、出番を待っていた。檻に入れられた猛獣は人力のリフトを使ってアリーナに引き上げられた。戦いで犠牲になった人間や動物もここに収容された。

エル ジェムの円形闘技場 史跡・遺跡

円形闘技場の南側は破損していないので、３階まで階段で上っていける。歩いていると保存状態の良さがわかる。

エル ジェムの円形闘技場 史跡・遺跡

３階に上るとアリーナとその向こうにはエル・ジェムの街の素晴らしい景色が見渡せる。

エル ジェムの円形闘技場 史跡・遺跡

エル・ジェム博物館は円形闘技場から歩いて１２分ほどの距離。博物館はローマの家の廃墟の上に建てられたものを復元した。

博物館の入口にはローマ皇帝トラヤヌスの銅像がある。博物館には発掘調査で出土した彫刻、モザイク、陶器などが展示されている。

３世紀前半のローマ時代のモザイク画。２頭のイルカを連れたタツノオトシゴの上に横たわるニンフを描いている。

２世紀半ばのローマ時代のモザイク画。虎がオナガー（野生のロバ）を攻撃している。

この部屋の正面にあるモザイク画はプレイス・デ・アーツに飾られているものと同じもの。部屋の壁や床には非常に大きなローマのモザイクで飾られている。

ブドウ畑の中での酔いしれるシレヌスを表現している。

ディオニュソスの戴冠とロバに運ばれた酔ったシレヌスのモザイク画。

３世紀初頭のローマ時代のモザイク画。王冠を表す２つの鎖のひだで縁取られた八角形の中に戦う動物が描かれている。

中庭を囲むギャラリーには町で発掘されたローマ時代の彫像が並べられている。左側のアーチをくぐると中庭に出ることができる。

ライオンに乗ったディオニュソスのローマ時代のモザイク。

博物館の裏には「考古学公園」がある。ローマ時代の別荘の石造りの土台が残っており、エル・ジェムの大きな遺跡の一部を成している。

エル・ジェムの鉄道駅に行く途中に見かけたモスク・エル・ジェム。この後、列車でスースに向かう。