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 横浜市港南区笹下5にある東福寺は浄土真宗本願寺派のお寺で杉本山三月院(さんげついん)東福寺という。<br /> 天禄3年(972年)天台宗の僧護妙法印が比叡山より行基作の「薬師像」を背負い、当地に来て「妙法寺一乗寺」を創建した。<br /> 永歴元年(1160年)7月、10世の僧・明道のときに、落雷により本堂が焼失したが、本堂再建が叶わぬまま長寛2年(1164年)に明道が逝去した。村民は小堂を建て本尊薬師如来を安置した。<br /> 文治5年(1189年)に僧・密厳が、衰退を歎き堂傍に草庵を結ぶ。<br /> 密厳の弟子・密弁が親鸞の法弟となり、名を海弁と改め、浄土真宗に改宗し、それより海弁が当寺の開基になった。杉本という地名に居住した北見掃部(きたみかもん)が中興開基で、山号はその居住地に由来する。寺名は法名「春光院東福寿元居士」より東福寺とした。また、親鸞が東国布教のとき、3ヶ月逗留したため院号を三月院とする。 <br /> 慶長の頃第14世海順の代、塔頭憶念寺を建立したが、いつの頃か廃絶しかかり、憶念寺の本尊阿弥陀仏如来を東福寺の本尊とし、古の薬師如来は笹松塚の堂内に移した。<br /> 大正12年(1923年)の関東大震災で本堂が倒壊した。大正11年(1922年)に建てられた書院と庫裡は無事であった。平屋建てで屋根が軽かったので倒壊しなかったのだろう。書院はその当時のままの亜鉛葺のトタン屋根である。トタン屋根の伽藍は鎌倉市内などでは見掛けるが、やはり見すぼらしいものだ。<br /> 昔から、山の頂上付近(https://4travel.jp/travelogue/11625219)まで民家(https://4travel.jp/travelogue/11625342)があり、お寺もあったので驚いた。本堂裏には墓が一列あるが、崖の先からは見晴らしが効く。<br />(表紙写真は東福寺本堂)

東福寺(横浜市港南区笹下5)

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2020/05/25 - 2020/05/25

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ドクターキムル

ドクターキムルさん

 横浜市港南区笹下5にある東福寺は浄土真宗本願寺派のお寺で杉本山三月院(さんげついん)東福寺という。
 天禄3年(972年)天台宗の僧護妙法印が比叡山より行基作の「薬師像」を背負い、当地に来て「妙法寺一乗寺」を創建した。
 永歴元年(1160年)7月、10世の僧・明道のときに、落雷により本堂が焼失したが、本堂再建が叶わぬまま長寛2年(1164年)に明道が逝去した。村民は小堂を建て本尊薬師如来を安置した。
 文治5年(1189年)に僧・密厳が、衰退を歎き堂傍に草庵を結ぶ。
 密厳の弟子・密弁が親鸞の法弟となり、名を海弁と改め、浄土真宗に改宗し、それより海弁が当寺の開基になった。杉本という地名に居住した北見掃部(きたみかもん)が中興開基で、山号はその居住地に由来する。寺名は法名「春光院東福寿元居士」より東福寺とした。また、親鸞が東国布教のとき、3ヶ月逗留したため院号を三月院とする。 
 慶長の頃第14世海順の代、塔頭憶念寺を建立したが、いつの頃か廃絶しかかり、憶念寺の本尊阿弥陀仏如来を東福寺の本尊とし、古の薬師如来は笹松塚の堂内に移した。
 大正12年(1923年)の関東大震災で本堂が倒壊した。大正11年(1922年)に建てられた書院と庫裡は無事であった。平屋建てで屋根が軽かったので倒壊しなかったのだろう。書院はその当時のままの亜鉛葺のトタン屋根である。トタン屋根の伽藍は鎌倉市内などでは見掛けるが、やはり見すぼらしいものだ。
 昔から、山の頂上付近(https://4travel.jp/travelogue/11625219)まで民家(https://4travel.jp/travelogue/11625342)があり、お寺もあったので驚いた。本堂裏には墓が一列あるが、崖の先からは見晴らしが効く。
(表紙写真は東福寺本堂)

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  • 「雑色町内会掲示板」。

    「雑色町内会掲示板」。

  • 東福寺門前。

    東福寺門前。

  • 「浄土真宗 本願寺派 杉本山 三月院 東福寺」寺号標石。

    「浄土真宗 本願寺派 杉本山 三月院 東福寺」寺号標石。

  • 「浄土真宗 東福寺掲示板」。

    「浄土真宗 東福寺掲示板」。

  • 東福寺山門に上がる飾り瓦。

    東福寺山門に上がる飾り瓦。

  • 東福寺山門に上がる飾り瓦。

    東福寺山門に上がる飾り瓦。

  • 東福寺山門に掛かる「杉本山」の扁額。

    東福寺山門に掛かる「杉本山」の扁額。

  • 「定例法座」。

    「定例法座」。

  • 「横浜市指定有形文化財 絹本着色光明本尊図」。

    「横浜市指定有形文化財 絹本着色光明本尊図」。

  • 境内参道。

    境内参道。

  • 庚申塔と歌碑。

    庚申塔と歌碑。

  • 庚申塔(寛文3年(1663年)銘)。「寛文三年 卯二月廿一日」。これほど古い庚申塔なのに風化していない。

    庚申塔(寛文3年(1663年)銘)。「寛文三年 卯二月廿一日」。これほど古い庚申塔なのに風化していない。

  • 歌碑(明治15年(1881年)銘)。「 極楽に 生れむ ことの うれしさに 南無阿弥陀仏 となえこそすれ 顕彰庵 釈海隆」。

    歌碑(明治15年(1881年)銘)。「 極楽に 生れむ ことの うれしさに 南無阿弥陀仏 となえこそすれ 顕彰庵 釈海隆」。

  • 十三重石塔。

    十三重石塔。

  • 親鸞上人像。

    親鸞上人像。

  • 親鸞上人像。

    親鸞上人像。

  • 「宗祖親鸞上人」碑(昭和54年(1979年)銘)。

    「宗祖親鸞上人」碑(昭和54年(1979年)銘)。

  • 「お寺のお越しの方へ」。

    「お寺のお越しの方へ」。

  • 境内参道。

    境内参道。

  • 東福寺接待所。

    東福寺接待所。

  • 「記念植樹「碑(平成2年(1990年)銘)。

    「記念植樹「碑(平成2年(1990年)銘)。

  • 仏陀足。

    仏陀足。

  • 「横浜市指定有形文化財(絵画) 絹本着色光明本尊図 一幅」。

    「横浜市指定有形文化財(絵画) 絹本着色光明本尊図 一幅」。

  • 書院。大正11年(1922年)に建てられた。屋根は亜鉛葺のトタン屋根である。

    書院。大正11年(1922年)に建てられた。屋根は亜鉛葺のトタン屋根である。

  • 庫裡。大正11年(1922年)に建てられた庫裡は最近になって再建されたようだ。

    庫裡。大正11年(1922年)に建てられた庫裡は最近になって再建されたようだ。

  • 花塚。

    花塚。

  • 「花塚の記」(昭和40年(1965年)銘)。

    「花塚の記」(昭和40年(1965年)銘)。

  • 「花塚」碑。

    「花塚」碑。

  • 石仏(天保4年(1833年)銘)。「天保四巳年…」。

    石仏(天保4年(1833年)銘)。「天保四巳年…」。

  • 鐘楼。

    鐘楼。

  • 梵鐘。

    梵鐘。

  • 鐘楼の基盤には鐘の音がよく反響するように甕(かめ)が埋めこんである。

    鐘楼の基盤には鐘の音がよく反響するように甕(かめ)が埋めこんである。

  • 「親鸞聖人御幼少像」。法然上人の幼少像(勢至丸像)は良く見掛けるが、親鸞上人の幼少像は初めてだ。

    「親鸞聖人御幼少像」。法然上人の幼少像(勢至丸像)は良く見掛けるが、親鸞上人の幼少像は初めてだ。

  • 「名木古木指定 スタジイ 横浜市」。

    「名木古木指定 スタジイ 横浜市」。

  • 住職の墓。

    住職の墓。

  • 歴代住職の碑。

    歴代住職の碑。

  • 「やすらぎ」堂。

    「やすらぎ」堂。

  • 東福寺本堂。昭和38年(1963年)に再建。

    東福寺本堂。昭和38年(1963年)に再建。

  • 東福寺本堂に掛かる「東福寺」の扁額。

    東福寺本堂に掛かる「東福寺」の扁額。

  • 東福寺本堂に上がる浪の飾り瓦。

    東福寺本堂に上がる浪の飾り瓦。

  • 東福寺本堂に上がる浪の飾り瓦。

    東福寺本堂に上がる浪の飾り瓦。

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