徳恩寺（横浜市港南区日野中央2）－2020年春

2020/05/02 - 2020/05/02

　横浜市港南区日野中央2にある徳恩寺は高野山真言宗のお寺で日野山徳恩寺という。
　徳恩寺の創建は康和元年（1099年）とされる。京都仁和寺の尋清僧都は春日山の中腹に神祠を建立し、武蔵の太守・藤原成実卿の守神である紫冠帯剣の神像を得てこれを奉安し、「穂井」の神社と称し別当となり、傍らに真如院を建立した。「穂井」の神社は春日神社の前身、真如院は徳恩寺の前身である。かつては春日神社の別当寺であった。その痕跡を残しているのが春日神社鳥居横の六地蔵と境内に残る神社とお寺を結ぶ2つの近道であろう。
　また、長屋門があるお寺（https://4travel.jp/travelogue/10699428）として知られている。長屋門は安政7年（1860年）に建てられ、昭和46年（1971年）に瓦葺きとなった。長屋門の屋根には鯱（シャチ）が上がっているがこれは瓦葺きに変更した際に上がったものであろう。壊れた鯱が手水舎の中に置いてある。お寺の門といえば山門や仁王門が一般的であり、長屋門は有り得ない。しかし、文献が残ってはおらず、長屋門が建てられた理由は分からない。この周辺には他に鎌倉街道の先に貞宗寺の長屋門（鎌倉市植木）があるが、由緒のあるものであるが全く知られてはいない（https://4travel.jp/travelogue/10925311）。
　本堂の改築工事中である。工事現場を見ると木造建築ではなく、鉄筋コンクリート造りのように思える。しかし、絵では入母屋の二階建てのように見える。もし、二階建ての本堂だとしたら、中々見ないものである。落慶後に確認すべきである。
（表紙写真は徳恩寺の長屋門）

エリア 戸塚・いずみ野・港南台(神奈川)

春日神社の社叢から続く森。

徳恩寺の長屋門。

「高野山真言宗　日野山徳恩寺」寺号標石。

長屋門に掛かる扁額。

長屋門に掛かる「東国　第六十九番　本尊　聖観世音」の表札。

長屋門。

長屋門。

長屋門に上がる鯱（シャチ）。

長屋門に上がる鯱（シャチ）。

長屋門前の段々の池。

長屋門の中の花。

「徳恩寺本堂新築工事」。これに描かれているのは2階建ての本堂か？

魚板。開梆と呼ばれ、木魚の原型である。

達磨の顔。

「迂回路図」。

客殿。

客殿。

手水舎。

改築工事中の本堂。かつての本堂は明治44年（1909年）に建てられたものであった。

藤棚。

延命地蔵尊。唐獅子の飾り瓦が供えられている。

境内。建物名については、「迂回路図」では「客殿」の上にビニールテープを貼っている。