戸塚・いずみ野・港南台旅行記(ブログ) 一覧に戻る
 桜の開花が早かった今年は3月の最終日(晦日)となり、柏尾川の桜は散り始めている。枝には葉が芽吹いているものも多く見られ、ここ横浜では染井吉野が終わりを迎えつつある。遅れて開花した大島桜や山桜は散り終わりを迎えつつあり、染井吉野の花の寿命が長かったことを感じる。そんな中で、開花が遅れた染井吉野でも満開を迎えている。<br /> 今年は桜が満開となった3月28日(日)には都心でも雪が舞い積雪し、横浜でも雪が降った。土日の外出自粛が呼びかけられていた都内では閉園となった桜の名所も多くあり、花見の名所である上野公園でも染井吉野が植えられた桜通りは立入禁止となって花見の人出はなかった。そんな中で、目黒川の染井吉野を見に来た花見客は多かった。TVのインタビューに、「上野が閉鎖されていたので目黒に来た。桜に雪が積もって珍しい光景が見られた。」と答えている。たかが、染井吉野に、雪の中で花見をするものかと思ったが、わざわざ沖縄から来たと答えているので納得した。<br /> 沖縄では桜の開花は染井吉野ではなく、自生している寒緋桜を標本木にしている。北の北海道は厳寒の地ではあるが、札幌管区気象台でも染井吉野を標本木にしている。なるほど、道南には染井吉野が植えられ、花を咲かせる。元々は、道内では蝦夷山桜(エゾヤマザクラ)が一般的な桜であろうか。しかし、沖縄では冬が暖かいために、開花のスィッチが入らず、休眠打破とはならないために染井吉野は開花しないのだという。なるほど。本州ではありふれた染井吉野でも沖縄県人にとっては雪と同じように珍しいものなのだ。<br /> 本州人にとっては染井吉野は飽き飽きしているのが実情である。柏尾川にもおかめ桜などの別の品種を植えたり、あるいは他の場所でもクローン桜ではなく、実生(みしょう)の桜の苗を植え、長い桜の寿命を期待している場合もある。<br /> 実生の桜の苗を植える場合に昔ながらの枝垂れ桜を選んでいる例が、高見の郷以外に中継(新潟県村上市)が見つかった。新潟では山奥の山村として知られる山熊田集落へ向かうと1つ手前の集落が中継だという。奈良の山奥や新潟の山奥でも枝垂れ桜の時代になり、染井吉野はその使命を果たしたといえるだろう。<br />(表紙写真は満開の染井吉野)<br /><br /> 4月4日(土)の午後8時からNHK BS3で京都・醍醐寺の庭と思われる場所からの桜中継があった。たまたま10分程度見たが、その時に電話出演していた桜守として著名な佐野藤右衛門さんが、「桜は枝を枯らして大きくなる。染井吉野は桜(原木)の枝なので枯れる。」と述べていた。なるほど、実生(みしょう)の枝垂れ桜は何100年でも生きるが、クローンの染井吉野では40年とかで100年は持たない。実生桜には幹があり、クローン桜は枝であるという目から鱗のことを知って、得心できた。

終わりを迎えつつある染井吉野

0いいね!

2020/03/31 - 2020/03/31

1668位(同エリア1754件中)

0

1

ドクターキムル

ドクターキムルさん

 桜の開花が早かった今年は3月の最終日(晦日)となり、柏尾川の桜は散り始めている。枝には葉が芽吹いているものも多く見られ、ここ横浜では染井吉野が終わりを迎えつつある。遅れて開花した大島桜や山桜は散り終わりを迎えつつあり、染井吉野の花の寿命が長かったことを感じる。そんな中で、開花が遅れた染井吉野でも満開を迎えている。
 今年は桜が満開となった3月28日(日)には都心でも雪が舞い積雪し、横浜でも雪が降った。土日の外出自粛が呼びかけられていた都内では閉園となった桜の名所も多くあり、花見の名所である上野公園でも染井吉野が植えられた桜通りは立入禁止となって花見の人出はなかった。そんな中で、目黒川の染井吉野を見に来た花見客は多かった。TVのインタビューに、「上野が閉鎖されていたので目黒に来た。桜に雪が積もって珍しい光景が見られた。」と答えている。たかが、染井吉野に、雪の中で花見をするものかと思ったが、わざわざ沖縄から来たと答えているので納得した。
 沖縄では桜の開花は染井吉野ではなく、自生している寒緋桜を標本木にしている。北の北海道は厳寒の地ではあるが、札幌管区気象台でも染井吉野を標本木にしている。なるほど、道南には染井吉野が植えられ、花を咲かせる。元々は、道内では蝦夷山桜(エゾヤマザクラ)が一般的な桜であろうか。しかし、沖縄では冬が暖かいために、開花のスィッチが入らず、休眠打破とはならないために染井吉野は開花しないのだという。なるほど。本州ではありふれた染井吉野でも沖縄県人にとっては雪と同じように珍しいものなのだ。
 本州人にとっては染井吉野は飽き飽きしているのが実情である。柏尾川にもおかめ桜などの別の品種を植えたり、あるいは他の場所でもクローン桜ではなく、実生(みしょう)の桜の苗を植え、長い桜の寿命を期待している場合もある。
 実生の桜の苗を植える場合に昔ながらの枝垂れ桜を選んでいる例が、高見の郷以外に中継(新潟県村上市)が見つかった。新潟では山奥の山村として知られる山熊田集落へ向かうと1つ手前の集落が中継だという。奈良の山奥や新潟の山奥でも枝垂れ桜の時代になり、染井吉野はその使命を果たしたといえるだろう。
(表紙写真は満開の染井吉野)

 4月4日(土)の午後8時からNHK BS3で京都・醍醐寺の庭と思われる場所からの桜中継があった。たまたま10分程度見たが、その時に電話出演していた桜守として著名な佐野藤右衛門さんが、「桜は枝を枯らして大きくなる。染井吉野は桜(原木)の枝なので枯れる。」と述べていた。なるほど、実生(みしょう)の枝垂れ桜は何100年でも生きるが、クローンの染井吉野では40年とかで100年は持たない。実生桜には幹があり、クローン桜は枝であるという目から鱗のことを知って、得心できた。

PR

  • 満開の染井吉野。

    満開の染井吉野。

この旅行記のタグ

関連タグ

0いいね!

利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。 問題のある投稿を連絡する

コメントを投稿する前に

十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?

サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)

報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。

旅の計画・記録

マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?

フォートラベル公式LINE@

おすすめの旅行記や旬な旅行情報、お得なキャンペーン情報をお届けします!
QRコードが読み取れない場合はID「@4travel」で検索してください。

\その他の公式SNSはこちら/

タグから国内旅行記(ブログ)を探す

PAGE TOP