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 遠州灘の竜洋海岸に霊園がある。<br /> 『駒場霊園(こまばれいえん)』<br /> 宗教や宗派は問わない公営の霊園だ。<br /> 合葬墓も完成し、市民が申し込めば簡単に利用できるらしい。<br /> 管理料は必要ない。<br /> 私たち夫婦の行く末は、この合葬墓でいいかな?<br /> 海に散骨してもらうのも良いが、合葬墓の方が残された者の手をわずらわすことが少なさそう。<br /> ということで、見学に出掛けることにした。<br /> <br /> <br /> <br /> 

コロナウイルスが忍び寄る中、霊園を下見に竜洋海岸へ(1/3)駒場霊園

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2020/03/23 - 2020/03/23

34位(同エリア126件中)

motogen

motogenさん

 遠州灘の竜洋海岸に霊園がある。
 『駒場霊園(こまばれいえん)』
 宗教や宗派は問わない公営の霊園だ。
 合葬墓も完成し、市民が申し込めば簡単に利用できるらしい。
 管理料は必要ない。
 私たち夫婦の行く末は、この合葬墓でいいかな?
 海に散骨してもらうのも良いが、合葬墓の方が残された者の手をわずらわすことが少なさそう。
 ということで、見学に出掛けることにした。
 
 
 
 

同行者
カップル・夫婦(シニア)
交通手段
自家用車

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  •  実は、我が家の墓は寺の墓地にある(あった)。<br /> 遺骨を寺の永代供養塔に移したのは9カ月前。<br /> 離檀も行った。<br /> 長女は嫁ぎ、長男も家を離れて戻る予定もなし。<br /> 私たち夫婦が亡くなれば、墓を維持していけないためだ。<br /> 墓の跡は、今はこんな状態になっている。

     実は、我が家の墓は寺の墓地にある(あった)。
     遺骨を寺の永代供養塔に移したのは9カ月前。
     離檀も行った。
     長女は嫁ぎ、長男も家を離れて戻る予定もなし。
     私たち夫婦が亡くなれば、墓を維持していけないためだ。
     墓の跡は、今はこんな状態になっている。

  •  父母の遺骨を移した寺の永代供養塔。<br /> 完成したばかりで、父母たちは入居第一号となったはずだ。<br /> 檀家から抜けた私たち夫婦は、この永代供養塔には入れない。

     父母の遺骨を移した寺の永代供養塔。
     完成したばかりで、父母たちは入居第一号となったはずだ。
     檀家から抜けた私たち夫婦は、この永代供養塔には入れない。

  •  ならば、市営の合葬墓が最有力候補だ。<br /> 家からは直線距離で13km、道のり17kmとちょっと遠いが、<br /> 天竜川の堤防を走れば信号もなく、車で20分だ。

     ならば、市営の合葬墓が最有力候補だ。
     家からは直線距離で13km、道のり17kmとちょっと遠いが、
     天竜川の堤防を走れば信号もなく、車で20分だ。

  •  堤防道路は空いている。<br /> 国道1号線の下をくぐり抜け、

     堤防道路は空いている。
     国道1号線の下をくぐり抜け、

  •  JR東海道線もくぐり抜け、

     JR東海道線もくぐり抜け、

  •  新幹線もくぐり抜ける。<br /> 数々の橋があるが、全て立体交差だ。<br /> 

     新幹線もくぐり抜ける。
     数々の橋があるが、全て立体交差だ。
     

  •  国道150線の掛塚橋の下をくぐる。<br /> 信号なしの堤防道路は快適そのもの。<br /> 強風に注意さえすれば、アクセル一定で走って行ける。

     国道150線の掛塚橋の下をくぐる。
     信号なしの堤防道路は快適そのもの。
     強風に注意さえすれば、アクセル一定で走って行ける。

  •  最後にくぐるのは、150線のバイパス。<br /> この橋は有料なので、渡る車はほとんどない。

     最後にくぐるのは、150線のバイパス。
     この橋は有料なので、渡る車はほとんどない。

  •  天竜川の河口に出た。<br /> 何と清々しい場所だろう。<br /> 海は素晴らしい。<br /> ここを左折すると、

     天竜川の河口に出た。
     何と清々しい場所だろう。
     海は素晴らしい。
     ここを左折すると、

  •  竜洋海洋公園の入口となった。<br /> ここから1km先に、

     竜洋海洋公園の入口となった。
     ここから1km先に、

    竜洋海洋公園 公園・植物園

  •  目ざす霊園がある。

     目ざす霊園がある。

  •  霊園の駐車場は、西と東に2か所もあったが、駐車場はほぼ空っぽだった。

     霊園の駐車場は、西と東に2か所もあったが、駐車場はほぼ空っぽだった。

  •  ずらりと並ぶ墓石。<br /> 市営の墓地はここ以外にもあるが、ここは600塔以上の墓石が立つ広さがある。

     ずらりと並ぶ墓石。
     市営の墓地はここ以外にもあるが、ここは600塔以上の墓石が立つ広さがある。

  •  案内図の上部の円形が、できたばかりの合葬墓だ。

     案内図の上部の円形が、できたばかりの合葬墓だ。

  •  空から眺めると、スズキ自動車のテストコースに接し、その南には雄大な太平洋が広がっている。<br /> もしも遺骨に魂が残っているとすれば、死者は潮風を楽しみ、波の音を聴きながら、永遠の眠りについているのだろうか。

     空から眺めると、スズキ自動車のテストコースに接し、その南には雄大な太平洋が広がっている。
     もしも遺骨に魂が残っているとすれば、死者は潮風を楽しみ、波の音を聴きながら、永遠の眠りについているのだろうか。

  •  円形の丘が合葬墓で、古墳のような姿をしている。

     円形の丘が合葬墓で、古墳のような姿をしている。

  •  それは、まるで古代の日本文化を継承するかのようで、

     それは、まるで古代の日本文化を継承するかのようで、

  •  春夏秋冬、自然と調和して静かにたたずむ丘陵に、小さな感動をおぼえるのだった。

     春夏秋冬、自然と調和して静かにたたずむ丘陵に、小さな感動をおぼえるのだった。

  •  塚の正面に、線香や花を供える石の台が備わっている。<br /> 宗教は問わず、どんな形式にも適応できるものだ。

     塚の正面に、線香や花を供える石の台が備わっている。
     宗教は問わず、どんな形式にも適応できるものだ。

  •  裏側に回って行くと、

     裏側に回って行くと、

  •  遺骨を収納する扉があった。<br /> ここも古墳になぞらえている。<br /> 3000体の遺骨を収納できるという。<br /> 「姑と一緒に入るのは嫌!」<br /> 「夫と一緒じゃ嫌!」<br /> との声も聞くが、骨になってしまえば関係なし。<br /> 亡くなれば素粒子となって宇宙に拡散し、宇宙になるのだと思っている。

     遺骨を収納する扉があった。
     ここも古墳になぞらえている。
     3000体の遺骨を収納できるという。
     「姑と一緒に入るのは嫌!」
     「夫と一緒じゃ嫌!」
     との声も聞くが、骨になってしまえば関係なし。
     亡くなれば素粒子となって宇宙に拡散し、宇宙になるのだと思っている。

  •  遺骨一体の収納費は15万円。<br /> 管理料は必要ない。<br /> ちなみに一般(個人)の墓地使用料は30万円で、管理料は年間およそ2000円となっている。<br /> 公営だけあって格安だ。<br /> 墓石を建てる値段はそれぞれだが、これは何十万円となるだろう。

     遺骨一体の収納費は15万円。
     管理料は必要ない。
     ちなみに一般(個人)の墓地使用料は30万円で、管理料は年間およそ2000円となっている。
     公営だけあって格安だ。
     墓石を建てる値段はそれぞれだが、これは何十万円となるだろう。

  •  「俺たち、ここで、いいよね。」<br /> 「そうだねえ・・」<br /> 帰ろうとすると、帽子が風に飛ばされた。

     「俺たち、ここで、いいよね。」
     「そうだねえ・・」
     帰ろうとすると、帽子が風に飛ばされた。

  •  ここが合葬墓収蔵受付棟。<br /> 収納希望者は市役所で許可証をもらい、ここに遺骨を持ち寄ることになっている。

     ここが合葬墓収蔵受付棟。
     収納希望者は市役所で許可証をもらい、ここに遺骨を持ち寄ることになっている。

  •  地蔵堂があった。<br /> 地蔵にまつわる言い伝えが書かれている。<br /> 「天命2年、駒場海岸に12名の遺体が流れ着き、村人がそれを葬って地蔵を立て、弥之助地蔵と呼んだ。<br /> ところが何者かが地蔵の首を欠いて、池に投げ込むと、村の娘が夜な夜な首無し地蔵の夢にうなされる。<br /> そこで村人が石工に頼んで首をつないでもらうと、娘の病も直った。」

     地蔵堂があった。
     地蔵にまつわる言い伝えが書かれている。
     「天命2年、駒場海岸に12名の遺体が流れ着き、村人がそれを葬って地蔵を立て、弥之助地蔵と呼んだ。
     ところが何者かが地蔵の首を欠いて、池に投げ込むと、村の娘が夜な夜な首無し地蔵の夢にうなされる。
     そこで村人が石工に頼んで首をつないでもらうと、娘の病も直った。」

  •  で、その首はどうなってるの?<br /> 赤いよだれ掛けに隠されて、よく見えない。

     で、その首はどうなってるの?
     赤いよだれ掛けに隠されて、よく見えない。

  •  その隣には6体のお地蔵さんが並んでいる。

     その隣には6体のお地蔵さんが並んでいる。

  •  外人墓地の案内があった。<br /> で、その外人墓地を見に戻る。<br /> 「安政6年、沖合でアメリカ船が座礁し、<br /> 15人の水夫たちは、駒場の人たちに助けられたが、この地に5人が埋葬された。」<br /> 簡素な墓標であるが、どこの国の人であろうとも、人の命を助けることの大切さを忘れないために、記念碑が作られているという。

     外人墓地の案内があった。
     で、その外人墓地を見に戻る。
     「安政6年、沖合でアメリカ船が座礁し、
     15人の水夫たちは、駒場の人たちに助けられたが、この地に5人が埋葬された。」
     簡素な墓標であるが、どこの国の人であろうとも、人の命を助けることの大切さを忘れないために、記念碑が作られているという。

  •  漁民たちには海は神で、敬虔な気持ちで暮らしていたんだと、胸が温かくなる。<br /> 「あれ? これは、お墓じゃないのかな?」<br /> 「これも記念碑なの?」

     漁民たちには海は神で、敬虔な気持ちで暮らしていたんだと、胸が温かくなる。
     「あれ? これは、お墓じゃないのかな?」
     「これも記念碑なの?」

  •  近くには、ありがとう・の石標もある。<br /> 「違うよ、これも個人のお墓だよ。」<br /> 「〇〇家・・と書かれていなく・・感じの良いお墓だね。」

     近くには、ありがとう・の石標もある。
     「違うよ、これも個人のお墓だよ。」
     「〇〇家・・と書かれていなく・・感じの良いお墓だね。」

  •  見渡せば、そんな墓標がたくさんある。<br /> 「和」<br /> 「港」<br /> 「情」

     見渡せば、そんな墓標がたくさんある。
     「和」
     「港」
     「情」

  •  「偲」「陽」「こころ」、そして読めない文字。<br /> 戒名もなく、色も形も様々。<br /> お墓は亡くなった人や、家のためのものでなく、残されて生きる人の気持ち。<br /> そんな時代になってきたんだと、思えてくる。<br /> 檀家を脱し、墓じまいをすると、仏を軽んじていると冷たい目で見られるふしもあるが、

     「偲」「陽」「こころ」、そして読めない文字。
     戒名もなく、色も形も様々。
     お墓は亡くなった人や、家のためのものでなく、残されて生きる人の気持ち。
     そんな時代になってきたんだと、思えてくる。
     檀家を脱し、墓じまいをすると、仏を軽んじていると冷たい目で見られるふしもあるが、

  •  「欲をかかない、見栄をはらない、いばらない・・」<br /> 「大地は仮の住まい・・」<br /> 「人が大地を支配してはならない・・」<br /> そんな仏教の教えは、今の時代、本当に大切なことだ。<br /> しかし、檀家制度であぐらをかいている仏教は、このままで良いのだろうか?<br /> 立派な伽藍や装飾品、豪華な装束などは必要ないのではなかろうか?<br /> そもそも僧に、資格や階級があること自体が、おかしくはないのか?<br /> そんなことを考えながら、丸い丘を振り返る。

     「欲をかかない、見栄をはらない、いばらない・・」
     「大地は仮の住まい・・」
     「人が大地を支配してはならない・・」
     そんな仏教の教えは、今の時代、本当に大切なことだ。
     しかし、檀家制度であぐらをかいている仏教は、このままで良いのだろうか?
     立派な伽藍や装飾品、豪華な装束などは必要ないのではなかろうか?
     そもそも僧に、資格や階級があること自体が、おかしくはないのか?
     そんなことを考えながら、丸い丘を振り返る。

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この旅行記へのコメント (2)

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  • ももであさん 2020/04/22 12:53:03
    あの世への正しい旅立ち方
    motogenさん

    立川談志さんは、本人のご希望で海洋散骨されていますが、
    直後に魚が集まって遺骨が食べられてしまいました。
    「何だかな~」です^^; 取り敢えず海は止めましょう。

    駒場霊園 良さそうですね。3,000人ものお友達と一緒なら、
    寂しくもなさそうだし♪唯一の気がかりはいつかは起こるで
    あろう大津波。その時こそ腹をくくって海洋散骨ですかね!?

    > 帰ろうとすると、帽子が風に飛ばされた。
    千の風になるのも悪くない。素敵ですよね♪
    ああでも昨今PM2.5がうるさいから、これも慎重に...

    2015年にルーマニア サプンツァという村へ行きました。
    ここには「世界で一番陽気な墓」があります。
    日本人にも対応可能とか。これはヒントかも知れません♪
    https://bit.ly/2XUGmuN

    何事にもとらわれず、のびのびと旅立ちたいですね。

    motogen

    motogenさん からの返信 2020/04/24 18:42:10
    Re: あの世への正しい旅立ち方
    コメント、ありがとうございました。
    ももであさんの旅行ページ、少し読ませていただきました。こんな人が4traにいたんだと驚き。
    4tra投稿者の多くの人は、日頃のストレス解消に、贅沢旅行を目指していると思われ、あえて苦難の旅をする人は少数派です。
    それも並大抵の旅行マニアでなく、凄いの何の。
    私のような小者は、唖然となって眺めているだけです。
    NHK番組の「地球ラジオ」で、軽自動車で世界回りをしている人がいますが、ももであさん、何かその人と共通のものがありますね。
    ももであさんはレンタルカーを駆使しているようで、ちょっとリッチですが。

    タイやラオスは仏教王国ですが、個人のお墓はないようです。
    火葬場で火葬すると、そのままみんな自宅に帰ってしまい、その後の遺骨には関心がないようです。
    お寺のどこか(共同墓塔?)に納められるのか・・
    亡くなると、その人の功徳に応じて、次の人生が開かれる。それを心から信じています。

    私は宇宙の素粒子に戻るのだと、考えることにしています。
    そういうわけで、墓や遺骨には関心が薄いです。
    世界中を飛び回っているももであさんは、常識にとらわれず、いろいろな人生観をお持ちなんでしょうね。

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