2020/03/23 - 2020/03/23
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motogenさん
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遠州灘の竜洋海岸に霊園がある。
『駒場霊園(こまばれいえん)』
宗教や宗派は問わない公営の霊園だ。
合葬墓も完成し、市民が申し込めば簡単に利用できるらしい。
管理料は必要ない。
私たち夫婦の行く末は、この合葬墓でいいかな?
海に散骨してもらうのも良いが、合葬墓の方が残された者の手をわずらわすことが少なさそう。
ということで、見学に出掛けることにした。
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 自家用車
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-
実は、我が家の墓は寺の墓地にある(あった)。
遺骨を寺の永代供養塔に移したのは9カ月前。
離檀も行った。
長女は嫁ぎ、長男も家を離れて戻る予定もなし。
私たち夫婦が亡くなれば、墓を維持していけないためだ。
墓の跡は、今はこんな状態になっている。 -
父母の遺骨を移した寺の永代供養塔。
完成したばかりで、父母たちは入居第一号となったはずだ。
檀家から抜けた私たち夫婦は、この永代供養塔には入れない。 -
ならば、市営の合葬墓が最有力候補だ。
家からは直線距離で13km、道のり17kmとちょっと遠いが、
天竜川の堤防を走れば信号もなく、車で20分だ。 -
堤防道路は空いている。
国道1号線の下をくぐり抜け、 -
JR東海道線もくぐり抜け、
-
新幹線もくぐり抜ける。
数々の橋があるが、全て立体交差だ。
-
国道150線の掛塚橋の下をくぐる。
信号なしの堤防道路は快適そのもの。
強風に注意さえすれば、アクセル一定で走って行ける。 -
最後にくぐるのは、150線のバイパス。
この橋は有料なので、渡る車はほとんどない。 -
天竜川の河口に出た。
何と清々しい場所だろう。
海は素晴らしい。
ここを左折すると、 -
竜洋海洋公園の入口となった。
ここから1km先に、竜洋海洋公園 公園・植物園
-
目ざす霊園がある。
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霊園の駐車場は、西と東に2か所もあったが、駐車場はほぼ空っぽだった。
-
ずらりと並ぶ墓石。
市営の墓地はここ以外にもあるが、ここは600塔以上の墓石が立つ広さがある。 -
案内図の上部の円形が、できたばかりの合葬墓だ。
-
空から眺めると、スズキ自動車のテストコースに接し、その南には雄大な太平洋が広がっている。
もしも遺骨に魂が残っているとすれば、死者は潮風を楽しみ、波の音を聴きながら、永遠の眠りについているのだろうか。 -
円形の丘が合葬墓で、古墳のような姿をしている。
-
それは、まるで古代の日本文化を継承するかのようで、
-
春夏秋冬、自然と調和して静かにたたずむ丘陵に、小さな感動をおぼえるのだった。
-
塚の正面に、線香や花を供える石の台が備わっている。
宗教は問わず、どんな形式にも適応できるものだ。 -
裏側に回って行くと、
-
遺骨を収納する扉があった。
ここも古墳になぞらえている。
3000体の遺骨を収納できるという。
「姑と一緒に入るのは嫌!」
「夫と一緒じゃ嫌!」
との声も聞くが、骨になってしまえば関係なし。
亡くなれば素粒子となって宇宙に拡散し、宇宙になるのだと思っている。 -
遺骨一体の収納費は15万円。
管理料は必要ない。
ちなみに一般(個人)の墓地使用料は30万円で、管理料は年間およそ2000円となっている。
公営だけあって格安だ。
墓石を建てる値段はそれぞれだが、これは何十万円となるだろう。 -
「俺たち、ここで、いいよね。」
「そうだねえ・・」
帰ろうとすると、帽子が風に飛ばされた。 -
ここが合葬墓収蔵受付棟。
収納希望者は市役所で許可証をもらい、ここに遺骨を持ち寄ることになっている。 -
地蔵堂があった。
地蔵にまつわる言い伝えが書かれている。
「天命2年、駒場海岸に12名の遺体が流れ着き、村人がそれを葬って地蔵を立て、弥之助地蔵と呼んだ。
ところが何者かが地蔵の首を欠いて、池に投げ込むと、村の娘が夜な夜な首無し地蔵の夢にうなされる。
そこで村人が石工に頼んで首をつないでもらうと、娘の病も直った。」 -
で、その首はどうなってるの?
赤いよだれ掛けに隠されて、よく見えない。 -
その隣には6体のお地蔵さんが並んでいる。
-
外人墓地の案内があった。
で、その外人墓地を見に戻る。
「安政6年、沖合でアメリカ船が座礁し、
15人の水夫たちは、駒場の人たちに助けられたが、この地に5人が埋葬された。」
簡素な墓標であるが、どこの国の人であろうとも、人の命を助けることの大切さを忘れないために、記念碑が作られているという。 -
漁民たちには海は神で、敬虔な気持ちで暮らしていたんだと、胸が温かくなる。
「あれ? これは、お墓じゃないのかな?」
「これも記念碑なの?」 -
近くには、ありがとう・の石標もある。
「違うよ、これも個人のお墓だよ。」
「〇〇家・・と書かれていなく・・感じの良いお墓だね。」 -
見渡せば、そんな墓標がたくさんある。
「和」
「港」
「情」 -
「偲」「陽」「こころ」、そして読めない文字。
戒名もなく、色も形も様々。
お墓は亡くなった人や、家のためのものでなく、残されて生きる人の気持ち。
そんな時代になってきたんだと、思えてくる。
檀家を脱し、墓じまいをすると、仏を軽んじていると冷たい目で見られるふしもあるが、 -
「欲をかかない、見栄をはらない、いばらない・・」
「大地は仮の住まい・・」
「人が大地を支配してはならない・・」
そんな仏教の教えは、今の時代、本当に大切なことだ。
しかし、檀家制度であぐらをかいている仏教は、このままで良いのだろうか?
立派な伽藍や装飾品、豪華な装束などは必要ないのではなかろうか?
そもそも僧に、資格や階級があること自体が、おかしくはないのか?
そんなことを考えながら、丸い丘を振り返る。
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この旅行記へのコメント (2)
-
- ももであさん 2020/04/22 12:53:03
- あの世への正しい旅立ち方
- motogenさん
立川談志さんは、本人のご希望で海洋散骨されていますが、
直後に魚が集まって遺骨が食べられてしまいました。
「何だかな~」です^^; 取り敢えず海は止めましょう。
駒場霊園 良さそうですね。3,000人ものお友達と一緒なら、
寂しくもなさそうだし♪唯一の気がかりはいつかは起こるで
あろう大津波。その時こそ腹をくくって海洋散骨ですかね!?
> 帰ろうとすると、帽子が風に飛ばされた。
千の風になるのも悪くない。素敵ですよね♪
ああでも昨今PM2.5がうるさいから、これも慎重に...
2015年にルーマニア サプンツァという村へ行きました。
ここには「世界で一番陽気な墓」があります。
日本人にも対応可能とか。これはヒントかも知れません♪
https://bit.ly/2XUGmuN
何事にもとらわれず、のびのびと旅立ちたいですね。
- motogenさん からの返信 2020/04/24 18:42:10
- Re: あの世への正しい旅立ち方
- コメント、ありがとうございました。
ももであさんの旅行ページ、少し読ませていただきました。こんな人が4traにいたんだと驚き。
4tra投稿者の多くの人は、日頃のストレス解消に、贅沢旅行を目指していると思われ、あえて苦難の旅をする人は少数派です。
それも並大抵の旅行マニアでなく、凄いの何の。
私のような小者は、唖然となって眺めているだけです。
NHK番組の「地球ラジオ」で、軽自動車で世界回りをしている人がいますが、ももであさん、何かその人と共通のものがありますね。
ももであさんはレンタルカーを駆使しているようで、ちょっとリッチですが。
タイやラオスは仏教王国ですが、個人のお墓はないようです。
火葬場で火葬すると、そのままみんな自宅に帰ってしまい、その後の遺骨には関心がないようです。
お寺のどこか(共同墓塔?)に納められるのか・・
亡くなると、その人の功徳に応じて、次の人生が開かれる。それを心から信じています。
私は宇宙の素粒子に戻るのだと、考えることにしています。
そういうわけで、墓や遺骨には関心が薄いです。
世界中を飛び回っているももであさんは、常識にとらわれず、いろいろな人生観をお持ちなんでしょうね。
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