2020/02/12 - 2020/02/14
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ノーーウォリーズさん
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政情や紛争の問題がない国で最後まで観光ビザを取れなかった国がサウジアラビアです。その閉じられた謎の国サウジアラビアも2019年9月に観光ビザを解禁、解禁された4ヶ月後にサウジアラビアを訪れてみます。サウジアラビア観光情報は現在の所あまりないので、サウジの現状・観光スポットをこの目で確かめてきます。またサウジは豊富なオイルマネーで世界一を目指すプロジェクトが複数計画中です。世界一速い時速400kmを目指すハラマイン高速鉄道、世界一高い高さ1000mを超える高層ビル、世界一の紅海リゾートなど。。2018年に先にハラマイン高速鉄道が開通したのでそれに乗車してみます。
この旅行記では、変わりつつあるサウジへの誤解、驚きのサウジ社会の現状と常識について16個を紹介、次にサウジアラビア高速鉄道乗車記、最後に謎に包まれる公開処刑の雰囲気を紹介します。この情報は2020年現在で、数年前から大きく変わりました。数年後には更に大きく変化しているかもしれません。そんな過渡期のサウジ社会の記録になればと思います。
サウジの誤解1: 入国審査、カスタムは緩い
サウジの誤解2: 街並みはアメリカナイズされて、宗教色が薄い(特に湾岸の町)
サウジの誤解3: 男女カップルが公共の場所でも手をつなげる
サウジの誤解4: 写真撮影は緩くなっている
サウジの誤解5: 非イスラム女性は、アバヤ・ヒジャブの着用義務はない
サウジの誤解6: サウジ女性一人でも移動できる、恐ろしい宗教警察ムタワも過去の話
サウジの誤解7: サウジ人口の30%は外国人の移民大国、ただしサウジ人のすべてが彼ら出稼ぎ労働者を使って優雅とは限らない
サウジの誤解8: 数少ない有名観光地でも期間限定でしかオープンしていない
サウジの現状1: レストランは未だ男女別(家族連れの男性は女性と一緒に食べられる)
サウジの現状2: 日に5回のイスラムの祈りの時間は、ほとんどの店が一旦閉まる
サウジの現状3: 飲酒は今のところ違法
サウジの現状4: 観光客慣れしておらず、土産物屋は大変少なくしつこい客引きもいない
サウジの現状5: 時間感覚は改善されているが、まだまだ道は長い
サウジの現状6: 何でも世界一を目指すが、技術力が追いついていない
サウジの現状7: 人々の服装は80年前と殆ど変わらない
サウジの現状8: 公開処刑が未だ行われている!?
- 旅行の満足度
- 4.0
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このお二人がサウジ王室のサルマン国王とムハンマド・ビン・サルマン皇太子(サルマンの息子のムハンマド)。ムハンマド皇太子は頭文字を取って通称MBSと呼ばれ、実質的権力者としてサウジアラビア改革のリーダーを担っています。サウジではVision2030を掲げて改革を推進して、イスラム保守国から穏健国へ移行して閉ざされた国から脱却を図り、2030年に観光客年間1億人を目指しています。現状は1000万人程で殆どがイスラム巡礼者なので、野心的な目標です。
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サウジアラビアの首都リアドへはマニラ経由でフィリピンエアラインズを利用。リアド行きの95%がフィリピン人の出稼ぎ労働者が乗っており、エアバスA330-300の設備もジプニー仕様にダウングレードされています。エコノミークラスは短距離LCCの様な狭いシートピッチ、モニターなし、アルコールは最初の食事中のみの提供と、10時間の飛行は今まで経験のないほどの辛いものです。ちなみにマニラ行きも同じフィリピンエアラインズのA330-300で、こちらはすべて普通の設備でしたが。一番安かったのでフィリピンエアラインズを選びましたが値段相応です。
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リアド国際空港に到着。中東らしいデザインの空港で、砂漠のど真ん中なのに噴水で迎えてくれます。奥に並んでいる人は、サウジの入国審査を待つ人。驚くことにフィリピンエアラインズで到着した300人強の全ての入国審査が終わるまで20分かかりません。それほど入国審査はスムーズです。オンラインで取得したサウジ観光ビザのPDFファイルを見せて、指紋をとって終わりです。目だけを出したヒジャブの入国審査の女性官に指紋を採る時に手を握って指示してもらったのが小さな思い出です(この国では異性との接触は一切許されません)。カスタムではバックを開けて酒など違法品を持っていないか細かく調べられると思いましたが、皆素通りでした。とても緩やかです。サウジのオンラインビザも申請して5分で観光ビザ許可のメールが送られてきました。観光ビザの値段が440リアルと高いのが難点ですが。
サウジの誤解1:入国審査、カスタムは緩い -
最初にアルウーラとメディナを訪れたのですが、これらは別の旅行記で紹介します。ここからは2/12のジェッダ Jeddahでの市内観光から始めます。ここは海岸沿いのコーニッシュと呼ばれる高級メインストリート。ロサンジェルスのサンタモニカを思い起こされるアメリカ風です。サウジアラビア人は、アメリカのSUV車に乗り、ハンバーガーやフライドチキンを食べて、アメリカ流のモールでのショッピングが大好きです。アメリカという国や国内の改革に対するサウジ国民の考えは内心複雑なんでしょうが、短期の滞在では本音は分かりません。
サウジの誤解2:街並みはアメリカナイズされて、宗教色が薄い(特に湾岸の町) -
ここで有名なのは高さ200mの噴水でしたが、残念ながら昼間はやっていません。でも紅海の蒼さが印象的です。海岸線を歩くカップル、公共の場で異性間で手を繋いだりするのは数年前まではサウジではタブーでしたが、今では普通に見られます(できます)。なお一度も見かけませんでしたがホモセクシャルはサウジでは今でも違法です。イスラムの原則であるシャリア法に基づき、最悪は死刑の重罪です。シャリア法は西洋の価値観とは全く違うために、サウジは西洋諸国から非難の対象になっています。最近ブルネイでもシャリア法が話題になりました。
サウジの誤解3:男女カップルが公共の場所でも手をつなげる -
今でも保守的な部分は残っています。写真はレストランの入口。シングル(男性)とファミリー(結婚した男女または女性)で食事する場所も分かれています。日本で公共トイレが男女別であるのと同じ位サウジでは常識です。しかし空港やモールのフードコートではこの限りではありません、個人的にはこの戒律は近い将来なくなると予測しています。なお最近西洋諸国では、公共トイレもユニセックス化される流れがあります(GLBTQに配慮して)。
サウジの現状1:レストランは未だ男女別(家族連れの男性は女性と一緒に食べられる) -
タクシー(Uber)でジェッダの旧市街 Al Baladへ向かいます。サウジは車社会で市内移動にバスもあるのですが観光には不向きです。タクシーは行き先を伝えたり値段交渉が面倒なのでUberが楽です。旧市街の入口の北門North CityGate、ここを通ると一変して古き良き中東へのタイムトラベルの開始です。
ノース・シティ・ゲート モニュメント・記念碑
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入り口付近に目に入るのは、今にも倒壊しそうな古くて修復されていない建物。こんな建物も何百と残っています。
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こちらは修復済みの建物、新品という感じではなく、程よい古さが残っていて良い感じです。
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伝統的なデザイン。隣国のイエメンのサヌアとも共通するものがあります。ジェッダの旧市街も世界遺産です。
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緑に統一された建物。
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こちらはモロッコの様な水色、結構色々な建物があります。
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旧市街で調子に乗って写真を撮りまくります。少し昔までは、風景の撮影では人物特に女性を撮らない様に細心の注意が入りましたが、今ではこれも緩みつつあります。サウジ旅行中に撮影で注意されることはありませんでした(一度の例外を除く、後で説明します)。昔は石を投げられることもあったそうです。唯一この写真を撮った時に指を差されました、隣に女性がいたからかもしれません。この辺りがボーダーラインでしょうか。近距離の正面からサウジ女性を撮すのはやはりタブーで遠慮すべきでしょう。
サウジの誤解4:写真撮影は緩くなっているジッダの歴史地区:メッカの入口 史跡・遺跡
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旧市街の南外れは、アフリカ系ムスリムが住むエリアです。サウジは治安は良いですが、この辺りは少し緊張感もありました。特に北アフリカの一部の国の人は写真を極端に嫌いますので。
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旧市街に戻ると、急に人通りが少なくなり、屋台の店主も商品を置いたままどこかへ消えてしまいます。
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その行き先は、お祈り。普通は近くのモスクに行きますが、近くにない場合は、路上で行われます。サウジなどイスラムの戒律が厳しい国では、今でも日に5回の祈ることが戒律で決められています。その度に店は一旦閉まります。サウジの常識です。ただすべてのサウジ人が祈る訳ではなく、例外としてスーパー、空港の店、非イスラム経営の店は開いています。横でただ見ているのは、戒律を守らない不良妻?お祈りの場所は男女別ですが、圧倒的に男性が多いです。
サウジの現状2:日に5回のイスラムの祈りの時間は、ほとんどの店が一旦閉まる -
夜になり涼しくなると街に人も増えてきてレストランにも人が一杯です。しかし、、やはり酒はありません。これもサウジの有名な常識です。ドバイみたいな国際都市を目指すならサウジも外国人には条件付きで飲酒は解禁されるのでは、と個人的には予測しています。
サウジの現状3:飲酒は今のところ違法 -
夜のジェッダの旧市街も幻想的です。観光ビザが解禁されて非イスラムの観光客が押し寄せているかと予想していましたが、1日歩いて西洋人を何回か見かけただけです。
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旧市街の北西部の一番隅では、アジア系のムスリム巡礼者が集まるエリアです。サウジ女性はアバヤという黒い服を着てヒジャブというスカーフで頭を覆い目だけ出すのが戒律ですが、他の国からのムスリム女性は様々な色のヒジャブを被り、どれだけ顔を露出するかはその出身地区(家系?)によって大きく違います。非イスラム女性には、アバヤ・ヒジャブの義務はありません。西洋人女性は普通の格好で歩いています。肌の露出を抑えて体のラインを出さない服装が望ましいです。
またここでは観光客(巡礼者)向けにMadinah(メディナ)・Makkah(メッカ)と書かれた定番お土産が買えます。サウジは観光客に開放されたばかりで土産物屋は大変少なく、知る限りジェッダではここに数件しかありません。またエジプト・モロッコ・トルコなどのイスラム観光国と違い、全く客引きがしつこくありません。
サウジの誤解5:非イスラム女性は、アバヤ・ヒジャブの着用義務はない
サウジの現状4:観光客慣れしておらず、土産物屋は大変少なくしつこい客引きもいない -
翌日2/13にサウジアラビアのハラマイン高速鉄道 Haramain Highspeed Railに乗車してみます。サウジ高速鉄道は2大イスラム巡礼地のメッカとメディナをジェッダ経由で結ぶ全長450Kmの路線。今回はジェッダからメディナへと向かいます。現在は最高速度300Km/hで約400Kmを2時間15分で結びます。様々な困難を乗り越えて2018年に開業しました。しかし開業後も困難は続き、信頼性には大きな疑問が残ります。もっとも大きな事故はジェッダ中央駅の大火事で、築2年の立派な駅舎は2019年9月に全焼してしまいました。3ヶ月の休止を経て2020年1月に再開したばかりです。ジェッダ中央駅は未だ利用できず、もう一つのジェッダ新空港駅から鉄道は出発します。出発手続きは飛行機の搭乗と似ています。予約した(当日購入可)チケットのバーコードでゲート通過、X線の荷物検査をを経て、出発時刻の15分前までは待合室で待機します。
キング アブドゥルアズィーズ国際空港 (JED) 空港
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ホームでは高速鉄道が待っています。朝6:45発の始発で、日に4往復。しかし毎日走っておらず木曜日から日曜日までの週4日のみの営業です。実はジェッダに来る前もメディナからジェッダへ移動したのですが、この日は鉄道は走っておらず飛行機で移動、再度メディナへと鉄道で戻るという経緯があります。
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各ドアには駅員が待機しており、他にも警備員の姿も。ジェッダ中央駅の大火事の原因は不明ですが、空港駅のセキュリティは厳重です。車両は日本の新幹線の半分くらいの長さで13両編成+2つの動力車。車間に1組だけの車輪があります。車内にはTalgoの製造元の印があり、車掌はRenfeのストラップをつけており、スペイン系だというのは一目瞭然です。
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Business Classは横3席で、モニターもついています。乗客は少なく20%位しか席は埋まっていません。意外にも巡礼者は少なく、地元のサウジ人ばかりです。
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Economy Classは横4席です。縦10席で1車両に40人乗れます。ハラマイン高速鉄道: http://www.hhr.sa はオンライン予約できます。出発日の2週間程前から予約がとれ、座席指定ができます。私は画面一番下に表示されていた13号車が最後車両(南側)かと思いそこを指定したら、実際はその逆の先頭車両でした。後ろの方は半分以上席は埋まっているのに、先頭の13号車は他に誰もいません。やはりサウジ人も事故を心配して少しでも安全な後部車両を選んでいるのでしょうか。
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中間の6号車にはカフェテリアがあります。結局は何度も通う事になります。
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鉄道は定刻通り朝6:45に出発します。ジェッダ空港のすぐ北西側には世界一高くなる予定の高さ1000Mを超える超高層ビルのジッダタワーが建設中です。ある程度の高さまで建設が進んでいれば車窓からも見えると思いましたが、その姿は確認できず。ジッダタワーの建設計画は延期・中断を繰り返し、完成するかは未定だとか。もし完成すれば世界クラスの観光名所になると思います。サウジは世界一の金持ち国のひとつですが、世界一を目指す技術力が全くついていけていません。
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朝日が登ってきます。周りは何も特徴のない砂漠地帯です。鉄道は最初は最高180Km/h程度のゆっくり走行です。
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途中停車駅のKAEC駅を出発すると、ようやく高速鉄道らしくスピードが上がり267km/hを記録。揺れも少なく日本の新幹線と変わりません。駅員が言うには将来は400km/hまで最高速度を上げて世界一を目指すそう。右上のマークはメッカの方向を示しています。
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しかしながら、高速走行は長続きせず鉄道は速度を落とし遂に停止してしまいます。アナウンスがあり、コミュニケーション系の技術トラブルの様です。1時間ほど経ち、ようやく動いたと思うと40Km/hほどの低速運転。コミュニケーションが取れないので、安全装置を切って低速運転している様です。この速度では目的地メディナまで5時間はかかります。暫くしてまた停止です。サウジでは鉄道に限らずビジネスの時間にはルーズで、時間通りに進むかはアラーの神が決める世界でした。徐々に改善されている様ですが、またまだ先は長い様です。これ以外にも2日前に反対方向メディナからジェッダへ移動したFlynasのフライトも2時間半遅れました。
サウジの現状5:時間感覚は改善されているが、まだまだ道は長い -
こんな何もない砂漠でひたすら待ちます。どこから来たのか道無き道から4WDのレスキューまでやってきますが、もちろんすべての乗客を乗せられません。技術トラブルの手伝いに来た様ですが、解決に至らず4WDは去っていきます。
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そして信じられないことに、アナウンスでは出発地のジェッダに引き返すと言うではないですか(オレンジ色の線路が反転しています)。これには衝撃です。鉄道で遅れるどころか引き返すとは、前代未聞です。
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しかしそれも撤回されたようで、また長い待ちになります。メディナへの山越えはいつになるのかと思って途方にくれていると、3時間後に出発している後続の鉄道に追い越されます。どうもトラブルは全体ではなくこの鉄道だけの様です。
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追い越された5分後、この鉄道も復活します。再出発すると一気に300Km/hの大台近くまで速度を上げて疾走します。これがサウジのハラマイン高速鉄道の技術力!!を見た瞬間ですが、同時にものすごい恐怖を感じます。コミュニケーションが取れない状態で先行鉄道を追うことで安全確認しているなら、もし先行鉄道が減速でもしていたなら。。それも後続鉄道の先頭車両に乗っています。事故とはこういう状況で起きるものです。数年前の台湾の鉄道事故を思い出します。
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サウジ高速鉄道の車窓は特に美しい絶景はありません。工事現場の様な岩の砂漠の後ろに小さなピラミッド型の山が見えた程度でしょうか。今日は黄砂があり視界が悪いです。しかし景色を楽しむ余裕は全くありません。
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祈る様な気持ちでの約40分後、なんとかメディナ Madinahの駅が見えてきます。かなり遅れて恐ろしい思いもしましたが、無事に到着してアラーの神に感謝です。
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到着は午後1時半、午前9時に着く予定が4時間半遅れての到着です。隣のホームでは先行鉄道の乗客がまだ降りている状態ですので、すぐ後ろを走っていたのでしょう。コミュニケーション系の技術トラブルがありながら、5分以内の近い間隔で300Km/hの高速走行をしていたとは驚きと恐怖です。どんな運行マニュアルなのでしょうか。
なお、メディナから次の目的地リアドへ向かうフライトの予約は12:50発だったので乗り遅れました。私は世界の辺境地を旅していますが、フライトに乗り遅れたのは過去10年ほどで初めてです。遅延リスクを適切に予測しての旅行計画は密かな自慢でしたが、今回の乗り遅れで連続記録が切れました。次のフライトの予約を直前でとり直したで痛い出費となりました。ちなみに数日後、この鉄道会社から遅れのお詫びと補償をするメールが来ました。
サウジの現状6:何でも世界一を目指すが、技術力が追いついていない -
リアドへ移動します。サウジ国内の長距離移動はLCCやバスが豊富で安いです。これは別の区間でのバスの車内ですが、バスでは今でもシングルが後ろ、ファミリーが前と座る場所が明確に分かれています。これは先のレストランと同じですが、乗り物によって違い、バスは完全分割、鉄道・飛行機ではミックスですが出来る限り別々の男女を隣にしない配慮がされています。この写真で見えるのが、前の窓側の座席に座るヒジャブ姿の女性の隣に男性がいない事です。これは大きな出来事です。少し前までは、サウジ女性が移動する時は男性の同伴(または許可)が必須でしたが、今では沢山の女性がひとりで移動しています。また数年前まで外国人や単独女性は、ムタワと呼ばれる宗教警察に常に監視されていたのですが、今ではそれもなく自由に移動できます。
サウジの誤解6:サウジ女性一人でも移動できる、恐ろしい宗教警察ムタワも過去の話 -
リアド Riyadhに着いた時は、鉄道の遅延のために夜になっていました。当初からリアドで観光にとれる時間は1日半でしたが、遅延のために半日の殆どが消えて、残りの1日は金曜日のイスラム休息日です。よって観光できるのは実質1箇所となり、唯一の行き先はマスマク城 Al Masmak Fortressに決めます。ホテルから近いここしか時間が取れません。写真は到着日の夜のマスマク城の様子、ライトアップが綺麗です。
マスマク フォートレス 史跡・遺跡
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中にはサウジアラビアの建国の歴史が簡潔に紹介されています。これは1902年にアブドラアジズ国王によって、リアドを奪回して現在のサウジアラビアが建国された記録です。使われた銃や剣はサウジのシンボルです。驚くことにその当時のリアドは小さな町で、僅か24名の先鋭がリアドの奪回に成功したそうです。以降のサウジの王はビンアブドラアジズ(アブドラアジズの息子)の名前が後ろにつきます(姓はサウード)。エジプトやトルコと比べると歴史は浅く、サウジが中東の強国となったのはオイルで潤ったつい最近です。
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第二次世界大戦前後のサウジアラビアの様子。この当時から油田の開発は始まっていましたが、サウジは今の様に豊かではなく庶民は質素な暮らしをしている様です。驚くことに約80年前と現在を比較して、人々の服装に殆ど変化がありません。男性はゴトラ、女性はヒジャブを頭に乗せています。80年前の日本や西洋諸国ではこの間の服装に大きな違いがあるのに対し、サウジは保守的で服装にはほとんど違いがないことがわかります(街並みはほぼ全て変わりましたが)。
サウジの現状7:人々の服装は80年前と殆ど変わらない -
マスマク城はサウジ地元民にも人気の場所です。国のプライドであり、初代国王からの国民のため為の建国というメッセージが誇らしく飾られています。リアドの冬は日中暑く夜は寒い場所です。
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隣にあるのが、モスクとディーラ広場。夜は煌びやかで多くの家族連れで賑わっており、平和的な感じがします。写真も自由に撮れます。しかし、よく見ると警察の車やフェンスなども見られます。この時は全く気にしていなかったのですが、後で衝撃の事実を知ります。。
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マスマク城の周りには沢山のスーク(イスラムの市場)があり、夜遅くまで賑わっています。郊外にあるアメリカ風モールとは全く違うイスラムらしい場所です。サウジの伝統服(ゴトラ、アバヤ)や各種お香など、珍しいものが多くて飽きません。ここはゴトラ(男性が頭に被る布)の店、ゴトラにも沢山の巻き方があり、流行りのファションがあるのでしょうか。外国人が伝統服で街を歩き回るのは良い顔されないと聞いていたので、ここで少し試着しただけですが。
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2/14金曜日(イスラム休息日)、朝から食べ物の買い出しです。スークという一般のイスラムの店は閉まっていますが、大きなスーパーは金曜日の午前中2時間だけオープンして、夕方まで閉まります。スーパーには野菜や果物が豊富。サウジの国土の殆どは砂漠ですが、新鮮な野菜が売っています。他の品揃えも他国と変わりません。
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リアドのダウンタウンは、サウジというよりインドかその周辺国の雰囲気です。実際サウジの労働を陰で支えているのが、南アジアの国々からの人々です。この人々が集まる場所はサウジとは思えない光景です。金曜日でも店は開いており、賑わっています。サウジアラビアでは日本や西洋諸国からの観光ビザは発行されず駐在員以外には閉ざされた国でしたが、外国人の労働ビザには緩やかで他のイスラム諸国・南アジア・フィリピンからの出稼ぎ労働者が多い移民大国です。サウジの人口の30%は移民(一時的な外国人労働者)です。しかし配偶者の入国はできない様で、男性ばかりです。将来は帰国してもらうのでしょう。厳格なシャリア法があり治安も良好です。
これは事前に分かっていたのですが、意外だったのはサウジ人の間でも格差がある事です。豊富なオイルマネーがありほぼ全てのサウジ人は出稼ぎ労働者を使って優雅に生活していると私は思っていたのですが、Uberの運転手にもサウジ人は多いです。サウジ人の間でも所得の格差はあるという事です。彼らの間ではガソリン代がこの数年で2.5倍に値上がった事(0.6から1.5リアル/L、それでも他国より安いですが)への不満は大きい様です。
サウジの誤解7:サウジ人口の30%は外国人の移民大国、ただしサウジ人のすべてが彼ら出稼ぎ労働者を使って優雅とは限らないアル バトハ地区 散歩・街歩き
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遠くまで散歩に出かけてリアド国立博物館まで歩いて行きます。予想通り金曜日の午前中は休館、すべてが閉まっています。観光には全く向かない日です。
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この周辺は、緑に覆われたサウジでも珍しい木が生えています。もちろん人工的に植えたのですが、夕方には緑の癒しを求めてファミリーが集まる場所です。ここまで、すべてが平和的なイスラム休息日の金曜日です。しかし、、、
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昼ごろにマスマク城近くへ再び訪れます。このマスマク城を撮ったところ、近くにいた警官に写真を撮るなと言われます。昨晩はそんな事はありませんでした。よく見るとあちこちに警察の車が停まっていて、隣のディーラ広場はフェンスで囲われています。写真を撮らず暫く近くを歩いていると上空からヘリコプターがやって来て行動を監視されます。何か異変と恐怖を感じて退散します。
後でこの事をサウジ人に話すと、マスマク城の隣のディーラ広場(6枚前の写真)は、公開処刑が行われる場所で通称チョップチョップスクエアと呼ばれているそうです。何か可愛い名前ですが、チョップとは剣で死刑囚の首を切るとの意味です。数年前にテロリストISISの首切り処刑と同じことを政府が堂々と行っていた(いる?)衝撃の事実です。公開処刑もシャリア法の考え方で、海外からは非難されますが現地では異論はでていません。サウジ人はVIPがモスクに来ていたのが厳重な警備の理由かも、との曖昧な答え。結局その日に公開処刑が実行されたのかは不明ですが、ここはそういう恐ろしい場所である事が分かります。金曜日の昼ごろマスマク城近くに行くのは要注意です。
サウジの現状8:公開処刑が未だ行われている!?(現状未確認) -
この日がサウジ滞在の最終日、リヤド国際空港にタクシーで行く途中(メトロはまだオープンしていません)にディルイーヤ Ad-Diriyahの古代都市跡に寄ります。1446年ごろから1818年まで第一次サウード王国が築かれたサウジ最古の歴史を持つ世界遺産。しかしディルイーヤ街の内部に入る事はできず、外から撮った写真です。修復が進み最近建てられた様に立派で、すぐ外にあるレプリカの街並みと区別がつかない程です。
ディライーヤ遺跡 史跡・遺跡
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別の入口で頼むと僅かだけ門の内側に入れてくれます。ディルイーヤ街の内部に入れるのは期間限定で、最近では2019年12月の1ヶ月間程でした。サウジは元々観光名所が少ない上に期間限定でしかオープンしておらず、現状では非常に観光がしにくいです(マダインサーレも同じ状況)。観光ビザ解禁したのにやる気が感じられません。観光客が増えるにつれ、今後は変わる事を期待します。
サウジの誤解8:数少ない有名観光地でも期間限定でしかオープンしない
サウジ2大都市ジェッダとリヤドに短期間ですが滞在しました。現状では有名な観光名所がなく観光客にはあまり人気のないサウジアラビアですが、観光ビザ解禁で世界最後に開かれたイスラム保守派のサウジ社会を垣間見られるのが最大の見どころです。改革によってサウジも普通のリベラルなイスラムの国に変わりつつあり、16の現状と誤解で紹介した通り、2020年現在は旅行するのに殆ど問題はありません。改革と保守が混じり合う過渡期のサウジ社会を垣間見るには、今しかないのではないでしょうか。
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2020 サウジアラビア観光ビザ解禁後の旅
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