2020/01/08 - 2020/01/08
27位(同エリア316件中)
かっちんさん
岐阜県の南東部に位置する東濃(とうのう=東美濃)。この地区にある多治見市の笠原町は、「施釉(表面に釉薬を施した)磁器モザイクタイル」発祥の地であり、生産量も日本一のところです。
笠原町はもともと飯茶碗を製造していた窯が、タイル製造に変わり、高度経済成長期には集団就職の人たちが集まって来るほど盛んでした。
モザイクタイルは、表面積が50平方cm以下の小ぶりなタイルのことを指します。多様な形を組み合わせてパターンを作り出すことができる建築物の装飾として活用されています。
タイルと言えば、銭湯や家庭の風呂場、水回りに使われてきたのですが、最近は銭湯の廃業が多くなり、しかもタイル製品も減ってきました。
平成7年(1995)頃、笠原町の有志が使われなくなったモザイクタイルの収集活動を開始。
15年以上の時をかけて町の産業にとって貴重なコレクションへと成長し、平成28年(2016)6月、「多治見市モザイクタイルミュージアム」が開館しました。
「モザイクタイルミュージアム」の建物は、建築家で「路上観察学会」で有名な藤森照信氏が設計し、焼き物の町を連想させる独特の形をしています。
ミュージアムには、これまで集めてきた様々な製品や絵タイルなどの展示、タイルの製造工程と歴史の展示、最新のタイル情報のわかるフロアなど、モザイクタイルアートの世界に飛び込めます。
笠原町を町歩きすると、住居の壁や塀、ごみステーションなど各所で「モザイクタイルアート」を発見することができます。
そして、陶磁器の原料と製品の運搬、旅客輸送等を目的とする「笠原鉄道(のちの東濃鉄道笠原線)」が多治見駅と笠原駅との間で、昭和3年(1928)~昭和53年(1978)に走っていました。
その廃線跡は、「陶彩の径(とうさいのみち)」として整備され、4kmの道を歩くことができます。
今日は早朝に川崎を出発し、青春18きっぷを利用して東海道・中央線で多治見に到着。
東濃鉄道の路線バスで、「多治見市モザイクタイルミュージアム」を訪れ、笠原の町歩きと笠原線の廃線跡を歩きます。
なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・モザイクタイルミュージアムのHP、各フロアガイド資料、多治見タイルマップ
・ギフマチック「モザイクタイルミュージアム」
・旅ぐるたび「多治見市モザイクタイルミュージアム」
・ライフルホームズ「多治見市モザイクタイルミュージアムがオープン!建築好きも」
・さんち~工芸と探訪~「銭湯でアート鑑賞?強くて美しいタイルの世界」
・ジュエル「象嵌って何だろう?」
・タイルライフ「マジョリカタイルとは?」
・御菓子司「陶勝軒」HP
・MEETS TONO NOTE「陶板なまこ壁の蔵の主が語る、タイルのまちの変遷」
・津島軽便堂写真館「東濃鉄道 笠原線」
・東鉄バス「笠原線下り(笠原方面)迂回運行のお知らせ」「多治見・土岐地区路線図」
・多治見市「旧笠原鉄道跡を巡る陶彩の径コース」
・土岐市「土岐市内バスマップ」
・バスマップ「笠原線_03_on-東濃鉄道」
・土岐商工会議所「第43回土岐美濃焼まつり」
・丸谷洋一ブログ、ボンネットバス写真集「さよなら東鉄ボンネットバス撮影&乗車会」
・うながっぱ公式サイト
・ウィキペディア「東濃鉄道笠原線」
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 高速・路線バス JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
「うながっぱ」のお出迎え(多治見駅)
多治見市のマスコットキャラクターです。
「うながっぱ」は「皿を割られたかっぱ様」の話が起源です。
好んで土岐川のうなぎを食べたかっぱ様が「うながっぱ」になったとも、うなぎ(龍神様?)とかっぱ様のハーフとも言われています。 -
昼食は美濃味匠(多治見駅前)
愛知・岐阜県でよく見かける「OSOZAI+CAFEの美濃味匠(みのみしょう)」。
好みのお惣菜を選び、店内で食べられます。なぜか味噌味が多い・・・ -
東濃鐵道ボンネットバスの模型(多治見駅南口バス待合所)
ボンネットバスは、2015年2月に引退しました。
これから多治見駅南口で東鉄バス笠原線に乗り、「モザイクタイルミュージアム」へ向かいます。 -
「モザイクタイルミュージアム」に到着
多治見駅からバスで17分ほど。
路線バスはほぼ1時間に1本の頻度で運行されています。 -
モザイクタイルの荷物置き場(ミュージアム室外展示)
カラフルな色合いが素敵です。 -
モザイクタイルの水飲み場(ミュージアム室外展示)
水には強いタイル。 -
イチオシ
大きなじゃがいも?(ミュージアム)
これが4階建ての「モザイクタイルミュージアム」。
建築家の藤森照信氏が、焼き物の土を取る山(採土場)をデザインした建物です。
ほぼ垂直の傾斜と山の上には木が生え、採土場にそっくり。 -
登り窯のイメージ(ミュージアム)
建物を右横から眺めると、煙突のある登り窯みたい。 -
美しいモザイク模様(ミュージアム)
建物を左横から眺めるとモザイク模様。
あれっ、屋根の一部がぽっかりと開いています。雨が入っても大丈夫なの?? -
メルヘンチックな入口(ミュージアム)
これから童話の世界へ入ります。 -
土壁で囲まれた階段
受付で入場料310円を支払います。順路は階段を4階まで上がり、各フロアーの展示を見ながら降りてきます。
では、土の温もりを感じながら階段を登ります。まるで登り窯の中を歩いているみたいです。
4階展示室内に常設されているのは、1995年頃から当時の笠原町の有志が全国各地から収集してきたタイル張りの製品や、建物の一部などを、藤森照信氏が選定し展示されています。 -
タイルのカーテン(4階展示室)
これは藤森氏のアイデアで作られた作品。
「タイルのカーテン」とか「タイルのすだれ」と呼ばれています。
カーテンは屋根に開いた穴から空へ向かっています。 -
イチオシ
いろんな形のタイル(タイルのカーテン)
朝方まで雨が降っていたせいか、鮮やかな彩りのカーテンになっています。 -
竹の塔(4階平面)
細長いタイルを組み合わせて竹を表現しています。
よーく探せばどこかに筍が生えているとか・・・ -
銭湯の絵タイル(4階南面)
いくつかの浴室の絵タイルが組み合されています。
「裸婦図」は下呂温泉旅館浴室用に作成(昭和35~36年)。
「干支アート」は10mm角モザイクタイルを組み合わせ建築に使われたもの(平成10年前後)。
「横長の風景画」は東京都文京区の「おとめ湯」のもの(昭和29年創業)。 -
象嵌タイル「ひまわり」(4階北面)
象嵌(ぞうがん)タイルはタイルに異質の素材をはめこむ技法(平成10年頃)。
下のひし形タイルは旧広見湯壁面(可児市)にあった五寸角マジョリカタイル(昭和25年頃)。
マジョリカタイルとは、多彩な色を用いて、凹凸のレリーフを施した装飾タイルの通称。 -
魚が気持ちよく泳いでいます(4階北面)
原田製陶(笠原)の「魚形タイル」(昭和38年頃)。 -
海の幸(4階北面)
象嵌タイルの「ワタリガニ」「イセエビ」「オニオコゼ」「メヒカリ」(平成15年頃)。
魚料理の方法や味についてのうんちくが書かれていて、高級料亭向けのタイルだったかも・・・ -
タイルアート「蒸気機関車」(4階北面)
7.5mm角タイルを使用した「東濃鉄道笠原線の蒸気機関車2号」(昭和27年頃)。 -
陶壁「富士」・モザイクタイルアート「アルプス風景」(4階北面)
「アルプス風景」は笠原町の個人宅が所有していたもの(建物は昭和29年)。 -
花模様の流し台(4階平面)
詳細不明で、昭和38年頃の流し台。 -
流し台・調理台(4階平面)
左から、美容院の流し台(瑞浪市、昭和34年)、個人宅で現場づくりの流し台(恵那市、昭和25~28年頃)、個人宅の調理台(笠原町、昭和38年頃)。 -
タイル張りのかまど(4階平面)
昭和10年頃のかまど。 -
うっとりするモザイクタイルアート「マリリン・モンロー」(4階南面)
笠原中央公民館地下展示場のもの(平成5年前後)。 -
イチオシ
モザイクタイルアート(4階南面)
常盤湯の壁面(瑞浪市、昭和35年頃)。 -
モザイクタイルアート「笠原町役場からの風景」(4階南面)
原田大二郎の原画(平成11年)。 -
陶壁「冠鶴」(4階南面)
笠原中央公民館地下展示場のもの(平成初期) -
絵タイル「松島の景」(4階平面)
桜湯の男湯(東京都荒川区、昭和5年頃)。 -
いろいろな大きさのタイル(3階展示室)
3階はタイルの製造工程と歴史をたどる展示室。
スタッフが映像とともにタイルの製造工程(成型⇒施釉(色付け)→焼成)を解説してくれます。
幕末ごろに西洋からタイルが輸入され、次第に日本でも製作されていったのですが、それはまだ土自体の成分や顔料を加えて色を出した素焼きのままの無釉タイルでした。
笠原町出身の山内逸三氏は釉薬を施し、表面に磁器質の美しさを出した「施釉タイル」を成功させ、昭和10年(1935)ごろから量産化できるようになったのが、笠原町の産業発展のきっかけになりました。 -
笠原鉄道笠原駅売店のショーケース(3階展示室)
土台の部分がタイル貼り。昭和25年頃のガラスショーケース。
町のたばこ屋さんで、よく見かけた風景ですね。 -
豪華に見える「タイル貼付け皿・灰皿」(ショーケース内)
皿は昭和40年頃、灰皿は昭和35年頃のもの。 -
タイル貼りのかまど(3階展示室)
三和かまど(昭和27年頃)。 -
仕上げ工程の「はり板」(3階展示室)
モザイクタイルの焼成後、仕上げ工程の「紙張り」には、「貼り板(はりばん)」が使われます。
板の上に真鍮の金具を埋め込んで枠を作り、モザイクタイルを一つずつ手作業で並べていきます。
この工程は今でも手作業とのこと。 -
貼り板に並べたモザイクタイル(3階展示室)
-
タイルのある生活展示(2階展示室)
2階では現代の生活に使われているタイル情報が得られる産業振興のフロア。
このベッドルームはシックな感じ。 -
落ち着いた雰囲気のミニキッチン(2階展示室)
リフォームのショールームに来ているみたいで、コンシェルジュカウンターで相談もできます。
では、ミュージアムをあとにし、笠原の町並みを散策します。
町を歩くと住居の壁や塀、ごみステーションなどで「モザイクタイルアート」が発見できます。 -
町家の洋品店(笠原の町並み)
1階は居間のガラス戸を通して商品の衣類が展示されています。
2階は昔の面影が残る虫籠窓。 -
板張りの建物(笠原の町並み)
ここは商店なので倉庫でしょうか。 -
流し台を這いあがるクロネコ(スーパーやまと)
最初の「モザイクタイルアート」です。 -
トリックアートの装飾壁(陶勝軒)
四角い枠の前に立つと、「電灯の灯る闇夜を四角い窓から外を眺めている」写真が撮れます。
和菓子屋「陶勝軒」は、「食べられるモザイクタイル」を販売しています。
でも、今日は水曜日。残念ながら定休日でした。 -
青空に飛び立つ風船(陶勝軒)
壁の前に立てば、風船を手に持つトリックアートになります。
外壁には36種類の地元産タイルを使っています。 -
玄関前の素敵な床(ヘアーサロン安井)
じっと見ていると、立方体が積み重なっていたり、白いひし形のすだれに見えたりします。 -
イチオシ
陶壁とお酒の製造庫(三千盛)
主屋を囲む塀は黒とグレーの陶壁(左側)。
正面にある建物はお酒の製造庫。1階外壁は、本来なら黒の平瓦でつくるナマコ壁ですが、知り合いの陶芸家に焼いてもらった灰釉の陶板を使用しています。
酒造業「三千盛(みちさかり)」は江戸後期に創業し、辛口の酒造りにこだわり、どんな料理にもあうそうです。 -
見事な「天馬の陶壁」(笠原神明宮)
笠原神明宮の社殿外壁に、山内逸三氏が作った「人馬 天空を駆ける」の陶壁があります。 -
タイル貼りの焼却炉(しあわせなお家の横)
明るい雰囲気の焼却炉になっています。 -
「貼り板」の作業場(しあわせなお家)
ここは「貼り板」にモザイクタイルを並べ、シートを貼って出荷する「貼場」だった「カネ鹿大岩鹿兵商店」の建物。
建物が解体されそうになり、建物再生プロジェクト「しあわせなお家」が建物を残す活動をしています。 -
不気味な色の空(笠原の町並み)
歩いているところは晴れており、北東の空が暗くなっています。 -
モザイクタイルアート「自動車」(水野モータース)
自動車整備工場の駐車場で見られます。
いろいろ形と複数の色のモザイクタイルを組み合わせ、どんな車でも整備できることをアピールしているのかも・・・ -
イチオシ
美しい「幾何学模様」(水野モータース)
これもモザイクタイルアート。 -
モザイクタイルアート「牛車」(ごみステーション)
源氏物語の「牛車」から、現在のごみ収集車が連想できます。
色とりどりのモザイクタイルで飾られた「ごみステーション」は、地元の女性が中心のグループ「モザイクプリンセス」がボランティアで制作しています。 -
モザイクタイルアート「花と動物」(バス停付近)
小さな子供たちの作品です。 -
ややっ、北東の空に虹が現れる(笠原の町並み)
暗い空は雨雲だったのですね。 -
イチオシ
ここのバス停はどこなの??(笠原車庫)
東鉄バスの笠原車庫に、現役を引退したバス停たちが集まっています。
「柿木温泉前」・「梨の木平」バス停などは、かつて笠原線の終点「羽根」から土岐市曽木方面に繋がっていた路線の停留所。
現在、曽木方面へ行くには土岐市駅から土岐市民バスが走っています。
「美濃焼祭」バス停は、毎年5月連休に開催される「土岐美濃焼まつり」期間に走るシャトルバスの臨時バス停。
思わず納得。 -
陶彩の径 旧笠原駅跡(笠原車庫)
バスの笠原車庫は笠原鉄道の終点「笠原駅」があったところです。
笠原鉄道(のちの東濃鉄道笠原線)は、多治見駅と笠原駅を結ぶ鉄道として、昭和3年(1928)~昭和53年(1978)に陶磁器原料と製品の運搬、旅客輸送を目的に走っていました。
現在は線路跡を自転車専用道路・歩行者専用道路として整備し、「陶彩の径(とうさいのみち)」と名付けられています。 -
笠原鉄道廃線跡「陶彩の径」
では、旧笠原駅から旧本多治見駅まで4.0kmの廃線跡を歩くことにします。 -
モザイクタイルアート「学校の校舎」(笠原川沿い)
親水公園のあたりから、地元小学校のつくった作品が並んでいます。 -
不思議なバス停「仮停」(上滝呂橋付近)
このあたりから雨が降り出し、近くのバス停「仮停」からバスに乗ろうとしました。
「仮停」と名前のつけられたバス停は、笠原方面行きの乗り場。
多治見駅方面のバス停は見つからず、あきらめて歩くことにしました。
後日わかったのですが、滝呂11バス停・滝呂14バス停の道路が水道工事のため、笠原方面へ行くバスのみ迂回路として設置されたバス停でした。
多治見方面へ行くバスは、水道工事中の正規の道路を通るので、この場所を通りません。 -
残された枕木(上滝呂橋付近)
笠原鉄道の枕木だと思います。 -
貨物ホームかな(旧滝呂駅跡付近)
かつて、陶磁器の積み出しに使われた貨物ホームだったのでしょうか? -
旧滝呂駅跡
駅跡を示す案内板があります。 -
イチオシ
旧下滝呂駅跡
案内板によれば、「珍しい掘割の駅で、利用者はホームまで線路を歩いて渡っていました。」 -
鉄道標識のキロポスト「2」
起点の多治見駅から2kmの地点。 -
旧市之倉口駅跡
並木道になっています。 -
笠原鉄道の橋台跡(旧本多治見付近)
笠原鉄道に架けられていた橋の跡を発見。
ここは「陶彩の径」の終点。
この先にある土岐川を渡れば多治見駅です。 -
夕暮れの土岐川
笠原鉄道の橋梁は撤去されています。
今晩の宿は美濃太田にあるホテルルートイン美濃加茂なので、太多線で移動します。
昭和の時代を過ごしたかっちんは、銭湯をはじめ、学校、家庭の水回りでモザイクタイルをよく見かけました。
モザイクタイルミュージアムと笠原の町歩きでは、タイルの懐かしさを感じます。
貼り板にモザイクタイルを並べてデザインしていく工程は、子供の玩具「アイロンビーズ」と似ているので、孫と一緒にやってみます。
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