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 今日もたくさん仕事した。たくさん歩いた。ロシアにいるとよく歩くよね。それに,昼には接待で脂っこいものを食べた。へとへとになってホテルに戻って,このまま寝てしまおうかという気にもなるが,疲れを癒す私の必須アイテムは,ビールだ。サンクトペテルブルクはいい。街の真ん中では,歩いてすぐに適当なカフェやバーが見つかる。<br /> 安いバーもたくさんある。仕事で飲みに行くときは,ちゃんとしたところに行くけど,ひとりの時はお手軽さを求める。この出張で2日ほど通ったのは,ホテル近くのStaff Barという小さなバーで,とにかく安い。ビール1杯300円ほどだったかな。フライドポテトをつまみにして飲む。カウンターの隣には,少し酔いが回りすぎている中年の客がいた。「あんた,ひとりか?」と話しかけてくる。「俺におごらせてくれ。ウォッカでいいだろう。」「いや,おごられる理由はないし,私はビールが好きでね。これで十分。」と自分のグラスを掲げた。「なんでおごらせてくれないんだ。みんな断るんだ。」と言ってその客はさめざめ泣き始めた。やっかいな客だ。バーのスタッフがうまくあしらって,その客は帰っていった。次に,その席に座ってきたのは,顔中にピアスが刺してあって,髪の毛が七色のお嬢さん。スマートフォンを見つめながら,ビールを飲んでいた。ふとカウンターの回りのテーブル席を見渡すと,ギターケースを抱えながら談笑するグループがいる。そうか,バンドやってる人たちが集まる場所なんだ。いろんな人に囲まれながら,場違い感半端ないネクタイにスーツ姿の私は,ひとり仕事の疲れを癒す。バーのスタッフが,空いたグラスを見て,もう一杯いくかい?と少しほほえみながら尋ねる。いいね,もう一杯。さっきのおじさんは例外で,ここは安いけど快適だ。<br /> サンクトペテルブルクの仕事の全日程が終了し,最後の夜。お仕事がんばったご褒美にちょっと奮発。ネフスキー通からヴォスタニア通を北上すること,10分程度。パブ・ブリュッセルがある。お目当ては,ベルギービールとグーヤシュ。まったくロシアには縁もゆかりもないけど,私の大好物だ。サンクトペテルブルクでグーヤシュを出しているところって,私は他に知らない。グーヤシュは,ハンガリー料理。ブタペストで食べたグーヤシュは,もちろんすごく美味しかった。でも,個人的には,ウィーンのZum Leupoldで食べたグーヤシュが一番。ウィーンに仕事で出かけるときは,必ずその近くのホテル・レジーナに泊まり,Zum Leupoldでグーヤシュと無濾過ビールを飲む。毎日頼んでたら,店のオーナーがそんなに旨いかって握手しにきたこともあった。とにかくグーヤシュ,大好物だ。<br /> パブ・ブリュッセルは,人気のパブだ。テーブル席はすべて埋まっていた。私は,カウンター席が空いていたので,ラッキーだった。早速,無濾過ビールにグーヤシュ,それにフライドポテトを注文する。これで,癒やしのお食事セット完了だ。グーヤシュは,アレンジが効き過ぎているようだが,それでもグーヤシュだ。それにベルギービールとのコンビとあれば,疲れも吹っ飛ぶ。ひとり,ニタニタしながら,グーヤシュを食べる。揚げたてのフライドポテトが,ベルギービールを空にさせる。忙しく動き回る給仕の女性が立ち止まる。「どう?」とグーヤシュに目を向ける。「美味しい!」「ビールはいかが?」「同じのを頼んでいい?」「もちろんよ!」と軽快に空のグラスをもっていく。<br /> パブからの帰り道,ストックマンに立ち寄って,黒パンを買う。バラディンスキーが妻の好みだ。おうちに帰って,グーヤシュ食べたよって言ったら,どこ行ってたの?と困惑されそうだ。おうちに帰ったら,バラディンスキーをおつまみに,ワイン飲みながら,サンクトペテルブルクで一緒に仕事した楽しい仲間たちのお話しを妻に聞かせようと思った。<br />

サンクトペテルブルクでグーヤシュを食べる

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2019/10/21 - 2019/10/27

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Jake

Jakeさん

 今日もたくさん仕事した。たくさん歩いた。ロシアにいるとよく歩くよね。それに,昼には接待で脂っこいものを食べた。へとへとになってホテルに戻って,このまま寝てしまおうかという気にもなるが,疲れを癒す私の必須アイテムは,ビールだ。サンクトペテルブルクはいい。街の真ん中では,歩いてすぐに適当なカフェやバーが見つかる。
 安いバーもたくさんある。仕事で飲みに行くときは,ちゃんとしたところに行くけど,ひとりの時はお手軽さを求める。この出張で2日ほど通ったのは,ホテル近くのStaff Barという小さなバーで,とにかく安い。ビール1杯300円ほどだったかな。フライドポテトをつまみにして飲む。カウンターの隣には,少し酔いが回りすぎている中年の客がいた。「あんた,ひとりか?」と話しかけてくる。「俺におごらせてくれ。ウォッカでいいだろう。」「いや,おごられる理由はないし,私はビールが好きでね。これで十分。」と自分のグラスを掲げた。「なんでおごらせてくれないんだ。みんな断るんだ。」と言ってその客はさめざめ泣き始めた。やっかいな客だ。バーのスタッフがうまくあしらって,その客は帰っていった。次に,その席に座ってきたのは,顔中にピアスが刺してあって,髪の毛が七色のお嬢さん。スマートフォンを見つめながら,ビールを飲んでいた。ふとカウンターの回りのテーブル席を見渡すと,ギターケースを抱えながら談笑するグループがいる。そうか,バンドやってる人たちが集まる場所なんだ。いろんな人に囲まれながら,場違い感半端ないネクタイにスーツ姿の私は,ひとり仕事の疲れを癒す。バーのスタッフが,空いたグラスを見て,もう一杯いくかい?と少しほほえみながら尋ねる。いいね,もう一杯。さっきのおじさんは例外で,ここは安いけど快適だ。
 サンクトペテルブルクの仕事の全日程が終了し,最後の夜。お仕事がんばったご褒美にちょっと奮発。ネフスキー通からヴォスタニア通を北上すること,10分程度。パブ・ブリュッセルがある。お目当ては,ベルギービールとグーヤシュ。まったくロシアには縁もゆかりもないけど,私の大好物だ。サンクトペテルブルクでグーヤシュを出しているところって,私は他に知らない。グーヤシュは,ハンガリー料理。ブタペストで食べたグーヤシュは,もちろんすごく美味しかった。でも,個人的には,ウィーンのZum Leupoldで食べたグーヤシュが一番。ウィーンに仕事で出かけるときは,必ずその近くのホテル・レジーナに泊まり,Zum Leupoldでグーヤシュと無濾過ビールを飲む。毎日頼んでたら,店のオーナーがそんなに旨いかって握手しにきたこともあった。とにかくグーヤシュ,大好物だ。
 パブ・ブリュッセルは,人気のパブだ。テーブル席はすべて埋まっていた。私は,カウンター席が空いていたので,ラッキーだった。早速,無濾過ビールにグーヤシュ,それにフライドポテトを注文する。これで,癒やしのお食事セット完了だ。グーヤシュは,アレンジが効き過ぎているようだが,それでもグーヤシュだ。それにベルギービールとのコンビとあれば,疲れも吹っ飛ぶ。ひとり,ニタニタしながら,グーヤシュを食べる。揚げたてのフライドポテトが,ベルギービールを空にさせる。忙しく動き回る給仕の女性が立ち止まる。「どう?」とグーヤシュに目を向ける。「美味しい!」「ビールはいかが?」「同じのを頼んでいい?」「もちろんよ!」と軽快に空のグラスをもっていく。
 パブからの帰り道,ストックマンに立ち寄って,黒パンを買う。バラディンスキーが妻の好みだ。おうちに帰って,グーヤシュ食べたよって言ったら,どこ行ってたの?と困惑されそうだ。おうちに帰ったら,バラディンスキーをおつまみに,ワイン飲みながら,サンクトペテルブルクで一緒に仕事した楽しい仲間たちのお話しを妻に聞かせようと思った。

旅行の満足度
5.0
グルメ
4.0
同行者
一人旅
交通手段
徒歩
旅行の手配内容
個別手配

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  • パブ・ブリュッセルの揚げたてフライドポテト。ソースもうまい。ビールに合う!

    パブ・ブリュッセルの揚げたてフライドポテト。ソースもうまい。ビールに合う!

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