2018/11/07 - 2018/11/08
101位(同エリア463件中)
のまどさん
新潟・富山旅行を締めるのは相倉。白川郷はもはや人で溢れているため、やや規模の小さい相倉を選びました。村には2つ博物館があり、雪国の暮らしや産業にまつわる展示は興味深いです。また、村入り口の展望台からの眺めは素晴らしいです。村は昼夜異なる幻想的な姿を見せてくれます。
昼間は観光客が押し寄せますが、夜になると静かで一泊する価値はあると思います。合掌民宿なかやさんは江戸時代から続く合掌造りで、先祖が他の集落から運んできた木材が安らぎをもたらし、さほど寒くなかったので快眠できました。
村を発ち、城端も高岡も通過地に過ぎないと思っていましたが、どちらも見所が豊富です。時間が限られているため、高岡の駅から遠くない大仏と土蔵造りの家屋を早足で見るだけとなりました。前田公が商業の種をまき、銅産業が発展した町であると言うことを知りました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 高速・路線バス 私鉄
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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白川郷行きのバスは世界遺産バスという仰々しい名前を冠していて、乗客の半分がガイジンでした。合掌造りで有名な村は3つ。白川郷、相倉、菅沼。観光客が押し寄せる白川郷は外し、次に大きな規模の相倉を選びました。
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イチオシ
バス停から歩いてほどなく、合掌造りの集落が姿を現しました。本日、宿泊するのは合掌民宿なかやさんです。
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中が広くて驚きました。江戸時代から400年続くとのこと。居心地がいいようにリフォームしてありますが、外装や柱や梁などは昔のままとのことです。元々は他の集落に住んでいたご主人の先祖が家を解体してすべて運んできたいうのは驚きます。
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緑茶と瓦焼きでおもてなしを受けます。
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日が暮れる前に村を散策します。昔は各家の前にイワナが泳ぐ生け簀があったそうです。
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屋根だけの原始合掌造り『三郎』。昭和の初年まで岩本家のおばあさんが一人で住んでいたようです。このスタイルは五箇山全体でも1軒しか残っていないようです。
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トイレまで合掌造りとは。元は民家だったのだろうか。
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となりのトトロで見たような景色。
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お茶屋さん横の駐車場から坂道を上り、展望台に向かいます。
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展望台からの景色。自然の中に切り込まれた村。
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イチオシ
曇っているけれども美しい。
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村には2つ博物館があるのでコンビチケットを買ってまずは相倉民俗館を見学します。
合掌造りは豪雪地帯で発展しました。傾斜があることで雪下ろしに都合がよく、また水はけもよくなります。 -
藁で編まれたふかぐつはアニメ日本昔話でよく見たような。その隣のつぶらは乳幼児の保温と安全を確保するための収納器。昭和の時代まで使われていたようです。
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病人を運んだ背いた。山道を急ぐためには一人の人が背負うのが効率的だったのだろうけど、運ばれる病人は相当辛かっただろうな。
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イチオシ
屋根裏。柱は細かく縄で固定されています。茅葺のため30-40年に1度、「結」という葺き替え作業が村総出で行われるそうです。釘一つ使われていないと言われていますが、実際は下部に多少釘を打つようです。
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続いて相倉伝統産業産業館。色艶やかな着物を見ると、豪雪地帯にあっても他の地方と共通した日本文化が根底にあります。そんな風に切に思うのは私がガイジンの通訳を務めるが故に「あんた日本人?」と受付のおばあさんに尋ねられたからかもしれません。
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主な作業は養蚕。絹は戦前まで日本の主な輸出品でした。
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イチオシ
合掌造りは養蚕に適していて屋根裏が重宝しました。この階段、高さは大したことなくても急なので眩暈がします。
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イチオシ
見学を終えて民宿に戻ります。既に夜の帳が下りています。
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今の囲炉裏にはイワナが焼かれています。間もなく夕食です。
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夕食は一人旅の熟年オランダ人と。イワナと鯉のあらいと山菜の煮物に天ぷら。もちろん真っ白なご飯と一緒に。山奥でも鮮魚が簡単に手に入るようです。
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お酒は地元の酒蔵三笑楽。熱燗に向くので気候風土に合っています。
ウワバミは同席のオランダ人がおネエさん♂だと言い張っていましたが(←余計なこと書くな)、訪日回数10回を超え、敢えて相倉に二泊するほど知日家です。 -
伝統的な手法で造られた豆腐。固く絞られた木綿豆腐と言った感じでおいしさが凝縮されています。雪に閉ざされた冬を生き抜く人の忍耐心を感じました(←ポエム)。
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食後、村の夜を散策します。世界遺産なので通りに面した部屋は明かりを灯さなくてはいけないという決まりがあるのかもしれません。明かりが温かい色なので雪景色に映えること間違えありませんが、冬の合掌造りはさぞ冷えることでしょう。
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中心的な役割を担ってきたであろう神社は素敵なのですが、こういった伝統のある小さな集落では人々の色々な念が籠っている感じがして鳥肌が立ちます。
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宿に戻り、もちろん晩酌。三笑楽原酒。先祖代々守られてきたこの空間が極上の居心地の良さをもたらし、お酒がよりおいしく感じます。暖冬のためこの夜は全く寒くなく、熟睡できました。
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翌朝、おネエさん♂とは予め合意の上朝食の時間を30分ずらしました。アジア人以外に味のない白飯を出すと醤油やソース、タバスコなどを掛けて食べるのですが、こういう所に泊まるガイジンはふりかけをかけるなどして食文化を受け入れることが要件になると思います。
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朝食後、散歩に出かけます。今日は日が出ています。
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昨日とは景色が違って見えます。
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イチオシ
やはり米を育む田んぼが中心になくてはなりません。
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よかった、晴れて。原風景もしくは桃源郷とも言えるこの光景を頭に焼き付けて村を出発します。貴重な体験ができました。
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城端行きのバスで紹介されていたのはおわら風の盆。哀愁のある風物詩です。八尾の人口は2万人ですが、お祭りが開催される3日間は合計25万人が訪問するそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=ZbUlt0bMZEg -
城端駅到着。駅には6時から開いている観光案内所があって訪問客を待ち受けている感じでしたが、残念ながら立ち寄るガイジンはいないようです。
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冷やかしにでも寄ればよかったです。小さくてもなかなか由緒ある街のようなのでウワバミに束の間の散策に行ってもらいました。
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城端線は赤い車両。
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高岡駅で。日本在住の日本人であればこんな写真は撮らないでしょう。我々にとっては小銭の支払いが必要な意匠の凝ったロッカーと小さなペットボトルに入った無糖の緑茶は新鮮なんです。
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奈良、鎌倉とともに三大大仏に数えられる高岡大仏。鎌倉時代から木造の大仏が設置されてきましたが何度も焼失し、銅器職人の手によって1907年に完成して以来今に至ります。ウィキによると与謝野晶子が美男子と褒め称えたと。
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続いて観光案内所でもらった高岡マップを見ながらたどり着いた土蔵造りの家が並ぶ山町筋。前田利長が商業を発展させるために町人を住まわせたのがはじまり。1900年の大火事の後、昭和初期までに防火に優れた建築材料を使って再建されました。
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和洋折衷の趣ある佇まいがあって、それほど観光客がいないのが気に入りました。でも、とにかく時間がないので早足で歩いた後、駅に向かいます。
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お昼はウワバミが好きなお好み焼き。嬉しそうにビールを飲んでいました。店主は大阪で修業していたらしく、本格的な味でした。
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どうしても気になって寄った酒蔵、市。酒蔵はここにあったようですが、火事で焼けてしまって、今は氷見に移ったとのこと。
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試飲してみました。三笑楽の清酒も買って、もちろんベルギーに持ち帰りました。
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高岡は銅産業で栄えた街。至る所に銅像が見られます。ぎんぎんぎらぎら夕日が沈むという強烈な歌詞で始まる夕日の歌の作曲者は高岡市出身だそうです。記念碑もなかなか目を引きます。
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ウサギとカエルの像は室町時代の鳥獣戯画で見たような。調べてみるとこの地方に伝わる餅つき競争の話だそうです。悪巧みをすると損をする、世の中そうあってほしいものです。
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桃太郎。学生の頃、桃太郎は鬼ヶ島に不法侵入した上に何も悪いことをしていない鬼を不当に攻撃したと論じていた人がいましたが、その通りだと思いました。もしかしたら正義はそういうところから生まれるのかもしれません。
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ブレーメン音楽隊の像。高岡とつながりがあるのかは不明ですが、どれも見ごたえがあります。
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荷物を受け取り、新幹線新高岡駅にバスで向かいます。
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日本語のできないウワバミを一人金沢へと見送り、東京行きのプラットフォームに。アロンアルフアも高岡発祥なんですね。日本のものづくり、世界に進出して勝てる競争力を保ってほしいです。
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新幹線が来ました。
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素晴らしい思い出をくれた富山県、立山連峰に見送られてお別れです。
新幹線の旅は快適でした。 -
ウワバミは兼六園や
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美術館を堪能して金沢をいたく気に入ったようです。メジャーではないけどガイジンにやさしいのが良かったと言っていました。
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その後、のまど一族と合流し、地元のお寿司屋さんに行きました。とてもおいしかったです。
幼少期に父の仕事で海外に渡航し、自らの意志でヨーロッパに移住した私は日本を訪問する度に住むべき場所に住んでいないという呵責を覚えますが、たまに訪日し帰り着くべき場所はベルギーなのだと自らに言い聞かせています。
ツンデレな日本旅行記、ここで締めます。<完>
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