2019/11/06 - 2019/11/06
66位(同エリア154件中)
naoさん
大阪府の北西部に位置する池田市は、五月山の南麓斜面に建つ池田城の城下町として始まった町で、室町時代以来この地を支配していた池田氏が江戸時代に滅亡した後は、北摂地域の商業の中心地として栄えました。
銀山道とも呼ばれた能勢街道筋に位置する池田は、周辺を通る西国街道や有馬道などの陸路に加え、猪名川水運が盛んな交通の要衝だった点を要因として、物流の一大集散拠点となり、ひいては商業の中心地へと発展しました。
中世以来「呉服の郷」として知られていた池田ですが、他の地場産業として「池田炭」などの木炭製造、近郷で生産された米を原料とした「池田酒」が特に有名で、応仁年間(1467年~1469年)に「酒造御朱印」を得て酒造業をはじめた万願寺屋は、「甘口」が主流だった時代に、「辛口」の酒を売り出したことで盛況となり、最盛期には38軒の造り酒屋が林立していました。
しかし、その後は「宮水」が発見された灘にその座を奪われて大きく衰退するところとなり、現在池田で醸造する地酒蔵は「呉春」の一軒のみ(酒造会社はもう1社ありますが、委託醸造されています)で、地元でも手に入れる事が困難なほどの人気酒となっています。
かつては伝統的な町家が軒を連ねていたと言われる池田は、急速な開発ラッシュによってほとんどその姿は失われてしまい、僅かに古い佇まいの商家や旧家が点在するのみとなっています。
また、阪急電鉄や宝塚歌劇団などを創設した小林一三が暮らした町としても知られていて、市内には小林一三にまつわる施設が点在しています。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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阪急宝塚線池田駅にやって来ました。
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この駅を起終点として、池田の町を歩きます。
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駅前にある商店街のサカエマチ1番街に置かれているウォンバットのオブジェ。
ウォンバットは、ここ池田市の五月山動物園と長野市の茶臼山動物園でしか見られない貴重な動物で、五月山動物園では4頭飼育されています。
なお、元は5頭飼育されていましたが、2019年12月21日に1頭亡くなってしまいました。 -
サカエマチ1番街に残っている、風情豊かな町家を使ったお店です。
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どうやら、ウォンバットは商店街のマスコットになっているようですね。
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では、この先のサカエマチ2番街へ向かいます。
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池田市の排水桝の蓋。
市の花「さつきつつじ」、市の木「くすのき」、市の鳥「やまばと」に、市章の「井桁」をあしらったデザインになっています。
市章の「井桁」は、5世紀頃に織物や染色の技術を伝えるため大陸から渡来した2人の織姫が、糸を染めるために水を汲んだ「染殿井」に由来しているそうです。 -
五月山動物園シリーズの汚水桝の蓋に描かれているのはウォンバットです。
世界一?(ハート)のある五月山動物園は入園無料なんですね。 -
こちらの印刷屋さんも風情ある町家を使っておられます。
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こちらの下見板張りの町家では、甘味処と洗い張り屋さんが隣り合っています。
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こちらは婦人服店と種苗店です。
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サカエマチ2番街を抜け切ったところにある町家です。
では、もう一度サカエマチ1番街の辺りまで戻って、町歩きを続けます。 -
サカエマチ1番街のアーケードが見えるところまで戻って来ました。
ここからは、商店街から外れて町歩きします。 -
池田の町並みです。
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右側の町家には、本瓦葺きの屋根が残っています。
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陽の光を浴びる町家は眩しそうです。
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玄関庇の代わりに下屋をおろした町家です。
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生垣をめぐらせた町家です。
まあ、町家というよりは長屋のように見えますね・・・。 -
こちらの町家は、表具屋さんのようですね。
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白漆喰塗籠めの、虫籠窓や袖壁のある町家です。
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立派なお屋敷のような「池田文庫」が見えてきました。
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こちらは、阪急電鉄や宝塚歌劇団などを創設した小林一三にまつわる文芸館で、この辺り一帯には、他にも小林一三にちなんだ文化施設が点在しています。
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「池田文庫」は、小林一三が開いた宝塚新温泉内に大正4年(1915年)に開設した図書室を礎としたもので、昭和7年(1932年)には宝塚文芸図書館へと発展し、演劇に関する図書や雑誌、宝塚歌劇の上演資料、歌舞伎資料など、多数の資料が集められています。
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宝塚文芸図書館の蔵書及び資料類を引き継いで、「池田文庫」としてこの地に移転したのは昭和24年(1972年)のことで、阪急電鉄や宝塚歌劇に関する資料などが収められました。
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さらに、平成15年には民俗芸能資料も加わった特色ある専門図書館となり、現在の蔵書数は約24万冊に及んでいます。
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こちらは、昭和24年(1972年)に廃校となった池田商業専修学校の古材を再利用して建てられた四畳半の茶室で、古材を使ったことにちなんで「古彩庵」と名付けられています。
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こちらの茶室は、昭和35年(1960年)に小林一三邸より移築された四畳半台目の「大小庵」です。
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小林一三が座右の銘としていた「胆大心小」に題材を得て、その名前がつけられたそうですが・・・
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一三自身は「田舎家」と呼んで愛用していたそうです。
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春日灯籠の足元を引き締めるツワブキ。
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下地窓と対面するかたちで・・・
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蹲踞がしつらえてあります。
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では、「大小庵」はこれくらいにして・・・
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露地伝いに先へ進みます。
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「池田文庫」には、著名な寺社仏閣の灯籠の写しが置かれています。
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「右 大坂みち みのを道」、「右 中山寺」などの文字が刻まれた道標。
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こちらの道標には、「妙見山道」、「右 服部 池田 能勢」、「左 神嵜 久々知 伊丹」などの文字が刻まれています。
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エントランスホールに切られたスリット窓。
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こちらは、「池田文庫」の北隣にある「逸翁美術館」です。
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小林一三の雅号「逸翁」に由来して名付けられたこの美術館は、昭和32年(1957年)に開館しました。
館内には、一三が収集した5500点の美術工芸品が所蔵されています。 -
小林一三記念館へ向かう途中の雑貨屋さんで見かけたペンギン。
とても動きづらそうです。 -
こちらが小林一三の旧邸である「雅俗山荘」を中心に構成された「小林一三記念館」です。
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小林一三が居住していた当時の状態に復元された館内では、数々の功績が紹介されています。
では、町歩きに戻ります。 -
看板建築のような町家が隣り合っています。
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緑青の吹いた銅板を張った町家や、卯建を上げた町家が続いています。
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季節を感じさせてくれる光景です。
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丸太梁の木口を軒下まで突き出した町家です。
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めぐりめぐってサカエマチ2番街を抜け切ったところにある町家のところまで戻って来ました。
ここから、右側に延びる町並みを歩きます。 -
池田の町並みです。
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粗めの格子をはめた町家です。
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こちらの、大きな妻面を見せる町家は・・・
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現在、池田の地酒蔵として唯一自家醸造している「呉春」さんです。
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銘柄名の「呉春」は、中世以来「呉服の郷」と呼ばれていたことに由来して「呉」をとり、それに中国の唐時代の通語で「酒」を指す「春」をつけたものだそうです。
まさに、「池田の酒」意味しているんですね。 -
最盛期には38軒の造り酒屋が林立していた池田ですが、その後「宮水」が発見された灘にその座を奪われ、大きく衰退してしまいました。
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唯一残った「呉春」さんの日本酒は、地元でも手に入れるのが困難なほど評判が良いんですよ。
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瓜型の虫籠窓が残っている町家です。
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池田の町並みです。
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瓦葺の、見事な卯建を上げた町家です。
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風情ある町家が向かい合っています。
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当初の姿を留める、本瓦葺き厨子2階建ての町家です。
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こちらは、かつて造り酒屋さんを営んでいた、池田でも有数の豪商として名高いお宅だそうです。
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では、ここで引き返します。
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来た時も思ってはいたんですが、このクランク状の道路は枡形のようですね。
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「呉春」さんの建物は壮大です。
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さて、広い通りに戻って来ました。
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見事に緑青が吹いたこちらの町家は、空き家のようですね。
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歩道に埋め込まれた能勢街道の標示板。
池田炭をモチーフにしています。 -
こちらの洋館は、NHKの朝の連続テレビ小説「あさが来た」で知られることとなった旧加島銀行池田支店で・・・
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大正7年(1918年)に建てられました。
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この遺構は、江戸時代に能勢街道など主要な街道が交差していた現在の栄町商店街付近で平成18年に発見された井戸枠を移設・展示したものです。
当時は「井戸の辻」と呼ばれ、ながらく池田の中心地になっていたそうです。 -
こちらは、上方落語の資料を常設展示する池田市立の「落語みゅーじあむ」で、平成19年に開館しました。
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古典落語の舞台として池田が登場する上方落語は、「池田の猪買い」、「池田の牛ほめ」、「鬼の面」の3題がよく知られています。
この様に、落語と縁が深い土地柄の池田には、初代と二代目春團治師匠の碑が市内の寺に建立されています。 -
館内には高座が設けられ、落語会も開催されています。
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呉服店の看板を掲げた、風情ある町家です。
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端正な格子が見どころとなっています。
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こちらは大衆演劇専用の「池田呉服座」です。
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元々の「呉服座」は、ここから西に行った呉服橋南の猪名川の堤防沿いにあった芝居小屋で、地方巡業の歌舞伎をはじめとして、落語、講談、漫才などの演芸が催されていてましたが、昭和44年(1969年)の興行を最後に幕を下ろしました。
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現在の「池田呉服座」は、かつての「呉服座」の建築様式を部分的に再現して建てられました。
ちなみに、かつての「呉服座」は解体され、江戸時代の芝居小屋の建築様式を残す数少ない建築物として、愛知県の明治村で復元・公開されています。 -
白漆喰塗籠めの大きな町家です。
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池田の町並みです。
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こちらは吉田酒造さんです。
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元禄10年(1697年)創業の、歴史ある造り酒屋さんですが・・・
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現在は自家醸造されていないようです。
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西光寺の境内から見た吉田酒造さんです。
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西光寺の門前には、「右 能勢街道」、「左 篠山街道」と刻まれた道標が立っています。
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西光寺を含めた、吉田酒造さんの遠景です。
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こちらの洋館は旧池田実業銀行本店で、大正14年(1925年)に建てられた、池田市最古の鉄筋コンクリート造の建物だそうです。
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現在は「いけだピアまるセンター」と名付けら、中小企業や起業を目指す人々を支援する池田市のインキュベーションオフィスとして使われています。
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外観は、大正末期の銀行の面影を伝えています。
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窓格子端部のディティール。
では、そろそろ池田駅へ戻ります。 -
国道176号線沿いの町並みです。
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こちらの町家の、2階窓の真ん中の膨らみは戸袋でしょうね。
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外壁に銅板を張った町家です。
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こちらは全て店舗として使われています。
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銅板張りの町家は中華料理屋さんです。
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国道176号線沿いの町並みを見返した光景です。
今回、じっくり池田の町を歩きましたが、こんなに見所の多い町だったとは知りませんでした。
何時か機会を見つけて、再度訪れたいと思います。
さて、そろそろ池田駅です。
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